今になって
貴方に出逢う前の自分を初めて知った
あんまり馬鹿で
せめて今の私で 良かったと思った
貴方が私を相手にしない理由が 今なら分かるのに それは、まだ知らない その頃の私
体中
灰色の空で一杯で 砂を詰めた 胸
誰かを許すこともきっと無かった
自分の事もきっと嫌いだったな
そんな私の相手は きっととても疲れたと思う
それでも
消したい過去も今の自分も どちらもわざと見つめてみたいんだ
そしていつか
貴方が泣くのを 貴方が笑うのを
貴方が目を閉じるのを
そっと出来る私に逢いたい
そしていつか また違う貴方に
出逢う前の私に
どこまで行っても
ぬかるんだこの足元 濡れた掌に
開けない
直視出来ないこんな本心
期待は哀しみの始まり
哀しみを思えば 暗闇に足がすくみ 気付けば先を閉じてく 涙
ベール 帳
足先も 指先も
続けて消えて行く感覚と
星屑
流星
触れては消える 振れては消える
雨
雨
そして 背中を押す
優しい風
多分そろそろ瀬戸際で
貴方の事忘れて捨てて行かないと そろそろ私は腐ってて
いつまでも 貴方の事を思い出すにも このままではいけないんだと 自分の為にそう思う
鳥の飛ぶ瞬間の
あの怖いような筋肉の収縮
脳裏によぎる あの波の音を
あの
氷のような切っ先の快感を
側に居ないその人
ぬるい掌で 止められない躍動 拳 涙と
側に居たい 側に居たいと
繰り返す波の音
風を切る鈴の音
貴方の
ぬるくだらしないその手 静かな掌の音
遠い街から風が吹いてくる
夜の間だけ
まだ出会わない君の街から
予感に似た 囁くような 静かな音
匂い
何時かしらん
もう少し 夜の風に意識を飛ばす
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