JERRY BEANS!!

2003年05月22日(木) 淋しい匂い

私には淋しい人の匂いがわかる

だから余計にそういう人ばかり寄せ付けてしまうのかな

だけど 本当に淋しいひとほど 同情を嫌うのを知ってるから

結局いつもどおり  なにもできずに 一日を終える

たぶんみんなそうなんだろう

きっと幸せだったら 何でもない小さな胸の痛みも 気付かずに終わる

だけど 本当に幸せなひとほど 他人を思いやれること知ってるから

結局いつもふたり  思いやれずに 一日が終わる

たぶん 何もかも違うんだろう



2003年05月21日(水) 何度でも

何度でも、大丈夫だと思えるかな

深く愛されたひと
人の暖かさを知っている人
人に優しくできる人

何度失敗しても、悲しい事があっても大丈夫だなんて
そんなふうに思えるかな

悲しみは何度でもやってくるけど、そのたび通り過ぎて行く

幸せや喜びは、ひとつひとつ、重なっていってくれるかな

それはもう、何度だって



2003年05月17日(土) 目を閉じれば

目を閉じれば、叶わない夢であふれ出して

沸騰した脳があわ立ってつくるシャボンの海に 沈む その夢は

ひとつひとつ弾けて音をたてる そんなもの

カラッポの頭蓋骨がその音で大合唱 妙に軽快な旋律に

体だって無反応 頭とは別に 心という全く不確かなものは妙に無表情で

油膜で七色のシャボンの殻が映した そんな自分を外側から見ていた

本当の 偽物の 自分が思い描く理想のひと 弾ける瞬間

夢の最後 断末魔が耳に残る 何も思い出さない 後悔もないその声が

静かな微笑みが かえって心に届きすぎて 

目を閉じれば、叶わない夢を見る 懲りない馬鹿馬鹿しさがまた私を創っていく



2003年05月07日(水) 光のプリズム

形無く、消えるものほど憧れてしまう。
いつか見た二つの虹や、太陽に掛かる薄雲のプリズム。

未だに見たこともない寒空にかかるオーロラや
こぼれ落ちるほどの満点の星々も。

それは、どんなに熱望しても留めておけなくて、
過ぎ去った日の思い出や言葉のようだ。

憧れはいつも過去に。ふたりの過去がひとつになるといいのだけど。



2003年05月06日(火) 兄の横顔

先日、兄が帰省してきた。

普段私が女ばかりの家で生活しているからか、
久しぶりに見る兄はとても雄雄しい。

ひとつしか年が変わらないから、本当に小さな頃からずっと一緒に
育ったきた。体操もピアノも水泳も、習い事は全て兄の真似から
始めて、いつも彼のペースをくずして嫌がられたけど。小川でずぶぬれ
になるのも、ブナの林で探検するのも、近所のイチジクを狩りに行く
のも一緒だったけ。

妹ができるまで、いつも二人でお互いを鏡に映すように見ながら
大きくなってきたから、性格は全然ちがっていても私は平気だった。

彼の存在は、私の「そうなることは絶対にない別の姿」だ。
私はずっと、お兄ちゃんみたいな男の子になりたかったのに。

だんだん年をとって、兄に父の面影がちらつくようになってから、
少しだけ私の中の少年の憧れが変わってきたような気がする。
気付けばもうとっくに「少年」ではなくなっている、永遠のお兄ちゃんが、
少しだけ他人に近付いていくような気がした。



2003年05月03日(土) 夜のお散歩

お酒を飲んで、春の夜に一人であるく一本道は、
どうしていつもこんなにもの悲しいのかしら、と、

春夜の帰り道で、ふと思った。

昼間の暖かさも少し冷えて、昼間の楽しさや明るさもすこし
萎えて、ほんの少し地面に残る温かみと、風の冷たさを感じながら
てくてく歩く。自然と歩調も緩やかになり、眠気にも似た
瞼の重みに逆らう事もしないで、一人で歩くこの道は、どうして
いつもと同じなのに、こんなにほんの少しだけ悲しいのかしら。

月は細く糸のようで、かすんだ夕焼けと朝の合間にぽっかりと。

何もない一日が、徐々に綻んで崩れていくこの感覚が、
ほんの少し好きで、ほんの少し嫌い。

夜の帰り道は、まるでお散歩のようで、少し、悲しい。


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nana [HOMEPAGE]

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