一橋的雑記所

目次&月別まとめ読み未来


2003年02月23日(日)

珍しい、そして、懐かしい顔を見掛けたから。
声を掛け、お茶に誘った。
彼女は、私の記憶の中の姿よりも、ほんの少しだけ。
輪郭が柔らかくなった、そう思った。
私の大切なあの子も、そうだと良いと、ほんの少しだけ。
そう思った。







最初は、当たり障りの無い話題から。
そう、お互いの近況だとか、近づいてくるクリスマスについてとか。

「そういえば」

私は、やんわりとした微笑を浮かべて見せる。

「クリスマスといえば、一昨年は大変だったわね」

それまでの話題では何故か触れられる事の無かったあの子を匂わせた途端。
彼女の綺麗に切り揃えられた髪が、その形の良い顎の線辺りで僅かに揺れた。

「あなたにも、随分と御世話になったし」
「そんなこと……」

幾分歯切れ悪い口調で呟いた後、彼女はそっと視線を落とした。
私の最愛の妹――あの子が引き起こした一連の出来事を今だに一番重く記憶しているのは、もしかしたら彼女なのかもしれない。
その事に気付いて、ほんの少しの憐憫と同情と嫉妬を同時に覚えた。

「あの子は元気?」
「……だと思います」

そして彼女は語り出す。出身校の学園祭には一緒に行ったのだと。
彼女の口から改めて窺い知るあの子の姿は、私がその場所に居た頃には望んでもなかなかに眺める事の出来ないもので。

「妬けるわね」
「……はい?」

正直に呟いてみせた言葉に、彼女の言葉と表情が一瞬、凍りつく。
その顔はかなり見ものだったので、私の機嫌は一気に上向いた。

「良いわ、ともあれ、あの子は元気なのね?」
「ええ…はい」

答えた彼女の要領を得ない様子は、私の反応とあの子の現状の両方に対するものだと思った。
進路を違えた二人は、あの頃以上にお互いの日常に踏み込む事無く、あの場所だけを接点として付き合い続けているのだろう。
それは彼女の律儀さとあの子の臆病さが招いたものなのだろうか、それとも。
私は、ふと思いついて、背もたれと背中の間に挟みこんでいたハンドバックを膝に移すとそのまま、金具を開いて中から小さなポーチを取り出した。
彼女の瞳が、私の手元とその動作に引き付けられるのを確認してから徐に、中身を引き出す。
あ…と彼女は、吐息のような声を漏らした。
薄いセロファンに包まれた、薄青いパッケージ。

「懐かしい?」

悪戯っぽく呟いて、私は銀の紙を開いて中から一本を取り出す。
彼女は何と言ったら良いものか…といった顔でただ戸惑っている。

「流石に、あの日の残りじゃないわよ、これ」
「……今でも、お吸いになるのですか?」

ようやっと、という感じで零れた彼女の声に、私は思わず微笑んだ。

「吸い始めたのは、つい最近の事よ?」

一応、法律上の違反を犯さずに済んでからだから、と付け加えると、大学で法学を学んでいるという彼女は、再び何とも言えない表情で黙り込んだ。
その眼差しを受け止めながら、フィルターを咥えてその先に火を灯す。

「……私は懐かしいわ」

軽く、メンソールの香りのする煙りを口中に含み、彼女から顔を逸らしながら吐き出す。

「そして、ちょっと、気恥ずかしくもあるの」

彼女には、分かってもらえるだろう。
そう思った。
あの日、私の大切なあの子が最愛の人を失ったあの夜。
あの子の為に奔走してくれた彼女ごと、私はあの子を自宅へ連れ帰った。
適度に放任で適度に子どもに甘い両親が私に与えてくれた離れの一室に二人を連れ込んで、本来なら許されないものに手を出させた。
甘い口当たりの発泡酒程度なら平気で口をつけた彼女も、適度に酔いが回った頃私が取り出した小箱を目にした時は、流石に顔色を変えた。

――それは…さすがに身体に悪過ぎます。

生真面目に自分だけではなく、あの子に受け取らせる事さえも拒絶した彼女を思い出して、私は小さく微笑んだ。

「でも、あの時のあの子には必要だと思ったのよ私は」

二人が思う以上に私は、あの子の事で、おかしくなっていたのだと。
今なら、分かる。
私は、私の居ない場所であの子が幸せでいる事は全然構わなかった。
誰かの側で、誰かの腕の中で安息を得られるのなら。
あの綺麗な顔が、誰かを思う事で憔悴する姿は、美しいとさえ思えた。
けれども、私は、怖かった。
私の居ない場所で、あの子が。
何かに溺れ、自らを傷つけ、損なう事が。
だから、必死だったのだ。
彼女にも、あの子にも気付かれない部分で、必死になっていたのだ。

「……白薔薇さま」

彼女の唇から、懐かしい呼び名が零れ落ちた。
そのまま、躊躇いを纏った沈黙が彼女から言葉を奪うのを認めて、私は軽く頷いた。
彼女は、気付いたのだろう。
あの頃の私の臆病さにも、必死さにも。

「あの子が未だにお酒にも煙草にも手を出せないでいるなら大成功なのだけれども」
「お酒はどうか知りませんけれども」

やっと、彼女の頬から強張りが取れた。
あの頃よりもずっと柔らかくなったその輪郭が、仄かに綻ぶ。

「煙草だけは駄目みたいです」
「試したの?」

ええ、と頷いた彼女が。
あの場所を越えた接点を持ってあの子と今なお繋がっている事にようやく気づいて。
私は、笑った。
心から。

「私は、当分止められそうにないけれども」

あの子とも、彼女とも遠く離れた場所で。
自分の弱さを許す為には、どうしても、必要だから。
けれどもそれは、言葉にしなかった。
彼女もその訳を、尋ねようとはしなかった。
クリスマスを間近に控えた冬の一時。
私は、あの子を想う時間を得た幸せに、深く白い息を吐いた。


2003年02月22日(土)


当たり障りなく場を持たせる話術も人の気を逸らさない笑顔も。
多分、対象となる相手の為と言うよりは自分自身の為に。
自然に身に付け容易く奮う事が出来るようになったスキルに過ぎなくて。
返される笑顔や甘い媚態を含む声音のその裏に潜む打算とそれは。
等価なものだといつしか信じて疑わないで来た。
だから、そんな自分には。
彼女の一途な想いも夢も。
余りにも重く、眩しいものでしかなかった。

級友や生徒会の仲間たちに囲まれ…と言うか。
押し合いへし合いしながら校門を出てきたお気に入りの後輩を。
クラクション一つで呼び止めたのは、そう、ちょっとした悪戯心からで。
周りに囃し立てられながら助手席に押し込まれた彼が、革張りのシートに深く身を沈めたなり、一言も口をきかない所か視線一つ此方に寄越さないでいる事に気付いた時も僕は。
いつもの調子を崩さないでいるつもりだった。

「成績でも下がったのかな?それともこの後、連中と何か、予定でもあったのかい?」

軽い口調で話しかけても、「別に特に」とそっけない言葉がそびやかされたままの肩越しに返ってくるだけで。

「つれないねえ…まさか、この前の事を根に持っているとか?」

さらっと差し出した餌につい釣り込まれたようにぴくりと動いたその肩を視界の隅に認めて、口元を軽く緩ませる。

「悪かったね。せめて、別の日に誘うべきだったかな?」
「そういう冗談、いい加減やめてもらえませんかね」

いつもならうんざり口調で返って来る決まり文句が今日ばかりは随分と真剣な響きを湛えていて。ちょっとやり過ぎたかなと軽く反省する。

「悪かった。でも、助かったよ」

あの日、一大決心と共に最愛の妹を遊園地に誘い出した従妹のはしゃぎっぷりと、予想通り人混みで崩れ落ちた姿とを交互に思い出しながら、出来るだけ真摯な声音を心掛けて呟くと、ほんの少しだけ、此方に向けられていた背中から強張りが解けるのが分かった。
基本的に、この後輩は、人が好い。
理由も告げずに「ちょっと手を貸して欲しい事があるんだ」の一言に応じる形で期末テスト休みの一日を割いてくれたのだから。
その上。
そうして連れ出された先に、自身の実の姉とその「お姉さま」である僕の従妹のデート現場があった事に対しては、それなりの衝撃を受けたようだけれど、僕の主な目的が従妹のエスコート以外に……再度に渡って彼の姉君と二人切りで話すことにあった事を見抜ける位には、聡明で。
だから。

「本当に、助かった」

駄目を押す意味でも、僕は、繰り返し感謝を言葉に表した。
けれども。

「先輩」

一瞬緩んだかに見えた彼の背中が、再び鋼にも似た硬質を取り戻し。

「……降ろしてもらえませんか」
「どうして?」

鋭い冷気さえ滲ませた声音に、僕は反射的に笑みを含んだ言葉を返すしかなかった。

「お礼に、昼飯でも奢るつもりなんだが…気に入らなかったかな」
「……ええ」

敢えてフロントガラスから視線を戻さないで呟いた僕の頬は、彼の視線を感じて不本意ながら軽く震えた。

「お望みなら、夕食にもご招待するけれども」
「ふざけないで下さい」

ぶっきらぼうに彼が言い放った時、目の前の信号が赤になり。
僕はブレーキペダルを思いっ切り踏みつけると同時に、ドアロックの為のボタンに力任せに指を押し付けていた。

「いい加減にしてくれ」

僕の反射的な行動など意に介した風もなく。
彼は、シートに強く背中を押し付けたまま、吐き出すように呟いた。

「俺は、あんたが手を貸してくれっていうから乗ったんだ。祐巳…姉や祥子さん絡みの事だって分かった時も、ちょっとは驚いたけれども、あんたなりに考えがある事は分かっていたから……でも」

ぎり、っと、車内に響き渡る程の音を立てて、彼が奥歯を噛み合わせるのを聞きながら、僕は右足をアクセルに乗せ変える。

「でも?」
「その理由を事前に話せないなら…話したくない程度にしか俺を信用してくれていないのなら、もう、こういうのは、勘弁して欲しい」

踏み込み掛けたアクセルから、足がするりと抜けて。
がくん、と大きく揺らいで。
僕の車は、交差点を抜けた所で、すとんと停止した。
瞬間、後方から鳴り響くクラクションやパッシングも、酷く遠いものに感じられて。

「……心外だな」

ゆったりと、手足が自動的にクラッチやハンドルやギアやアクセルの上を滑っては動くのに任せながら辛うじて僕は囁くように言葉を紡ぐ。

「誰が誰を信用していないって?」
「あんたに利用される事自体は不快じゃないよ、俺も」

遮る様に飛んできた言葉はそれでも、酷く穏やかで。
僕は、いつも以上に慎重に、車道に立ち尽くしていた愛車を走り出させる。

「結果的には、正しいことだったって後から分かることも多いですしね。けど、今度ばかりは、ちょっと、我慢出来ない」

彼の言わんとしている事の意味を掴み損ねて。
僕の思考は、問題なく走り出した車と裏腹に立ち往生してしまった。

「祐巳ちゃんの事かい?」
「それもある、けど」

気難しげに引き結ばれた口元は、今まさに話題に登った彼の姉を思い出さずには居られないもので。

「結局、あんたが一番、何の為に…誰の為に動こうとしてのか俺にはさっぱりわかんねえから…」

思わず見入っている間に零れ落ちた言葉が、ほんの少しの時差を伴って耳朶を打った。

「それをちゃんと説明してくれる気がないんだったら俺、今日は――」
「僕が動くのは、僕の為だよ」

今度は、僕が彼の言葉を遮る番だった。

「さっちゃんが望むものを与える事も、君のお姉さんに後を託すのも、その為に君を利用したのも、全ては、僕自身の満足とか充足とか、その為に決まっている」

何故なら僕は。
どれほど望もうが、求めようが。
愛そうが。
彼女が本当に身も心も僕のものになったとしたならばその瞬間。
彼女を見失うに違いないから。

自分でも上手く説明の付かない感情や心を。
幼い頃から、僕の後を追うようにして歩いて来た彼女に。
問答無用で押し付ける真似だけは出来ないといつからか思っていた。
彼女が、生涯の伴侶に求めるものを。
僕だけは決して彼女に与える事は無いだろう。
そんな一方的な関係はあの気高く誇り高い彼女をいつしか。
貶めくすませ、台無しにする事だろう。

いや、違う。
僕は、怖かった。
年追うごとに、自分を取り巻く現実に気付くたびに。
僕に対する信頼を深めていった彼女の瞳に。
失望が浮かぶのを見るのが、怖かった。


2003年02月21日(金)




物凄く、意外だった。
あの、祥子が、あんな(失礼)平凡な子に。
ああも、惹かれて振り回されているという、事実が。






ついうっかり、思い出し笑いを漏らしてしまったようだ。
怪訝そうに、それでいて、何もかも承知しているように。
紅薔薇の名を冠する親友が、そっと眉を顰める。


「何、考えていたの?」


どうせ、碌でもない事でしょうけれども、といった風のため息すら。
今の自分には、何だかとても、心地良い。


「べーつにー。それよかさあ」


お返しに、にやりとばかりに、口角と眉を引き上げて見せる。


「随分と、楽しくなってきたと思わない?」


何が、と言いたげな彼女は、それでもきっと全てお見通しで。


「……まあ。祥子が選んだ結果だもの。今度こそは、大丈夫じゃない?」


微笑みの中に寸鉄を含ませたその表情を。
こちらとしては文字通り、眩しいものを見る時のように、目を細めて見やるしかない。


「その節は、紅薔薇さまには多大なるご迷惑を」


わざとおどけて言ってのけたけれども。
それすら、彼女には、すっかり想定内の反応に違いなく。
その事を裏付ける、彼女の頬にうっすらと浮かんだ苦笑いから何とはなしに目を逸らしながら、席を立つ。


「あら、白薔薇さま、どちらへ?」
「ちょっと外の空気を吸いに」


今日は定例の会合がある予定で、でも今は。
割り当てられた掃除が思いの外早く終了した彼女と。
このやる気のなさを理解してくれているらしい級友たちに送り出された自分しか居ない。
その事に特に何か思う所がある訳ではなかったけれども。
引き止めない彼女の視線が、手元の書類に落ちるのを確認して。
扉を開いて、外へと向かった。

薔薇の館を出て直ぐの中庭にも。
勿論当番を割り当てられた子羊たちがいる訳で。
はにかんだように、それとも、おっかな吃驚といったように。
ごきげんようを繰り出すそんな下級生たちに愛想良く返礼しながら。
この足は、いつの間にかすっかりと陽の熱を留め切れなくなりつつある煉瓦敷きの小道をふらふらと巡り巡って。
気付けば、講堂を回りこんで裏門へ向かう銀杏並木の辺りに辿り着いていた。
一体、いつ頃からこの地所に植え込まれ根を張り葉を生い茂らせてきたものやら。
少なくとも、自分が生まれる前から此処に生えていたのだろうなとどうでもいい検討を付けていたら。
見覚えのある背中が、不意に、目に止まった。
今時、めったな場所ではお目に掛かれない竹箒をゆったりと使い。
時折、身をかがめては何かを拾っている、体操服姿。

「大漁ー?」

前置き無しに投げ掛けた言葉に、一瞬動きを止めて振り返る。

「お姉さま」

微笑むその手には、竹箒と、本来はゴミを掴み取る為のものであろう火バサミと、随分頑丈そうなビニール袋とがあって、思わず苦笑する。

「もう、そんな季節なんだねー」
「ええ、学園祭も終わりましたし」

悪びれる事無く受け答えする彼女が、趣味と実益を兼ねて環境整備委員などという役職を高等部に進学以来務め続けているなんて。

「ファンが知ったら泣くかな?」
「……はい?」

選りすぐりの銀杏で一杯になった袋の口を厳重に縛りながら、小首を傾げる彼女に、軽く頭を振って見せる。
銀杏なんて、彼女の自宅である由緒正しいお寺さんの境内に植わった、樹齢数百年の公孫樹の雌株の足元には幾らでも転がり落ちているだろうに。
彼女は、このリリアン女学園に進学して以来、敷地内の公孫樹の樹に出来るだけ近い場所に居てこうして。銀杏を拾い集めていたのだ。

――縁日があるんだ。

と。
遠い声が耳元で、教えてくれる。
その境内にささやかな屋台が立ち並び、本道近くの店では毎年、銀杏を炒ったものを売っている。それがとても美味しいんだ。

「……お姉さま?」

訝しげな声に、意識を呼び戻され。
軽く、頭を横に振る。

「後、どれくらい掛かりそう?」

わざとおどけて言葉にすると、律儀な妹は手首を返し掛けて一瞬、戸惑った様子を見せたので。その目の前に、右手首に掛かった古風なデザインの腕憧憬を差し出してあげる。

「……4時に一旦集合して、それから、薔薇の館に参りますから」

ほんの少しだけ視線を逸らしながら答えた彼女に、軽く頷いて身を逸らす。

「じゃ、あっちで待ってるから」

言い置いて踵を返す。
その背中に、何故だろう、今日限って。
彼女の視線を重く、強く、感じていた。





続きますです。


2003年02月20日(木)


寒空に聳え立つ巨大な樹が、視界の真ん中に一本の境界線を描く。
その景色が、とても、好きだった。






冬枯れてしまった風景なんて寂しいだけじゃないのかと、寒そうに肩を竦めながらそいつは笑った。秋の盛りに、ちょっと匂うけれどもキレイに色づいた葉と実を文字通り鈴なりにぶら下げた姿のほうが、奴の好みには合うらしい。

「妹が、好きでね」
「食べるのか?」
「ああ。火鉢に銀杏炒り掛けてね。ごろごろ言わせ出したらそこからぴくりとも動きゃしない」

何が嬉しいんだかにやにやしながらのたまう奴の横顔に、それじゃなんでわざわざ寮暮らしなんか選んだと口にしそうになって、止める。問うたところで素直に答えはしなかろうし、返す刀で自分を斬る羽目に陥るのも御免だ。

「んで、三者面談はどうなったのよ?」
「結局、お流れだな。来た所で、どうと言う話も無かったから別にいいんだが」

年内最後の三者面談では、後2ヶ月を切った大学受験に関する確認くらいしか話題に上らなかっただろう。たかだか5分もあれば十分な会話の為には養幼稚園で何やら揉め事を起こしたらしい妹を放っとけない母が、電話の向こうでヒステリックに言い訳を重ねている間、俺が覚えていたのは、お陰で色んな手間が省けた事に対する安堵だけだった。

「そういうお前は?」
「んー?」

空惚けた顔してさあなぁと、窓枠に掛けていた腰を上げて、奴はこきこきと肩を鳴らす。

「出入りの菓子屋からは、いつでも住み込んでくれてかまわねえって言って貰ってるんだが」
「そんな話を鵜呑みにする程、可愛い奴じゃないだろうお前は」

なんだとう、と一応乗ってみせるそいつの顔なんて、俺の目には映っていなかった。
ただ、その向こうに聳え立つ、大きな樹の姿をいつまで覚えていられるだろうかと、そんな事ばかりが頭の中を一杯にしていた。



2003年02月16日(日)


目を閉じると、蘇るものがある。
常緑の木々に囲まれ、四季を通じて緑に埋もれるようにして佇む白い姿。
いつかは、指先に稚気と揶揄を込めて打ち抜こうとした事があった。
怒りや恨みや憤りに任せて睨み付けた事すらあった。
それが、今になってふと思い返すとまるで嘘のようにそれは、穏やかで懐かしいものとしてこの瞼の裏に浮かび上がる。
そう、丁度今のように。
そんな自分自身の心にこそ、弾丸を撃ち込みたくなる。
勿論、自嘲気味な、揶揄を込めて。




リハビリです(毎度)。


2003年02月15日(土) 秋のリハビリ週間その1(何)。

こちらに胡乱に書き書きしておりました。
20050915付の小話「秋の気配。」は。
本サイト『マリみて部屋』「未完の断片」へ加筆訂正の上移動致しました。
お探し下さいました方。
有難う御座いましたです(深々)。

さて。
今度は何をやらかそうかなあ……(ヲイ)。


2003年02月14日(金) ブランク(表からお引っ越し/何)。

だもんで。
ちょこちょこっと、リハビリ中……(伏し目)。


さて。
何処にたどり着けるものやら。





 土曜日とはいえ、期末テストの真っ最中だし。
 取り立てて用がある訳でもないしで。
 終業の鐘を聞いて直ぐに鞄を担いで廊下に出た所で。
 見慣れた涼しい顔にばったりと出会ってしまって、正直鼻白む。

 「何?今日って、何かあったっけ?」

 本日初めて会ったにも関わらずわざと挨拶抜きで言葉を投げつけてみる。
 勿論、そんな事くらいで、彼女の鉄壁の笑顔は崩れない。

 「あるわよ」

 これまた挨拶抜きでさらりと返しながら、わざとらしいため息まで零してくれる。

 「あなたの事だから忘れてるとは思っていたけれどもね」
 「何を?」

 言葉とは裏腹な笑い含みの言葉に心の何処かを引っ掛かれつつも、自分が何を忘れているのかは思い出せない。

 「今日は、何日? この前、約束したじゃない」

 少し低いところある目線が、だのに、頑是無い子どもを見やる大人びた色を含んでいるのがほんの少し気に障ったけれども、してもいない「約束」を持ち出す相手では無い事だけは確かだから。
 今日……と手首を返して腕時計の文字盤を眺める。小さな窓の中には、「7」の文字。

 「……あ」
 「5時に、K駅前でしょ。遅れないようにしてね」

 約束の内容を思い出させる事だけが目的だった彼女は、綺麗に切り揃えられた髪を頬の横で軽く揺らせながら踵を返し、周囲を流れる同級生たちとにこやかに挨拶を交わしながら去っていった。




 数年前に父が起業してから何かと慌しい私の家からは、家族の誕生日以外の年中行事に関わるイベント事はすっかり姿を消してしまっている。今夜も、両親は揃って仕事の為に遅くなる事がずっと前から決まっていた。だからというのではないけれども、期末テストが始まる前の最後の会合の帰り道、彼女から受けた誘いを軽い気持ちで受けたのだった。
 その事実すら僅か一週間足らずで忘れる自分にも呆れたが、そのことを見越して当日最終チェックを掛けてきた彼女にも、心底呆れた。

 「期末テストが終わった訳じゃないのに、大した余裕ね」

 待ち合わせの場所に着くなり、またしても挨拶抜きで言葉を投げつけた私に彼女は、今度は微笑みと共に「あら、ごきげんよう」と先ず返して来た。

 「明日はお休みだし、息抜きには丁度良いのよ」

 そういうあなただって誘いに乗ったところをみると余裕じゃない、などと微笑を深くする。

 「私たちは良いとして……」

 言い差した所で、あら来たわ、と彼女がその視線を私の後方へと流した。

 「まあ、取敢えず、気楽に楽しみましょ。折角のご招待なんだから」

 彼女の眼差しを追い掛けて振り返った私の目にも、黒塗りの乗用車が駅のロータリーにスマートに入り込んでくるのが映った。

 閑静な高級住宅地の突き当たり一帯を占める形で鎮座するそのばかでかいお屋敷に、お邪魔……というか、半ば強引に連れて来られたのはこれが始めてではないし、恐らく最後にもならないだろう。
 大型の乗用車が余裕ですれ違える程の幅を持つ巨大な門扉が、私たちが乗った車が近づくやゆったりと開かれ、そのまま、敷地内の林の中を巡る私道に乗り入れるのに一々驚くどころか居眠って居たため気付かなかった私は、邸宅の前の車寄せに到着した所で隣にきちんと座っていた彼女に頭を小突かれて目を覚ました。
 既に顔見知りになってしまった運転手氏が穏やかな表情と挙動で以ってドアを開けてくれたのに、曖昧な笑みと会釈で答えながら私は車を降りる。
 此処は、彼女の最愛の妹の家。
 
 「まあ、ようこそお出で下さいました」

 しかし、玄関で私たちを出迎えてくれたのは当の妹ではなく、そのお母さまだった。年齢を感じさせない、可愛らしいとさえ言えるその言動に接するのもこれが初めてではないものの、会う度面食らう心地を味わうのも事実だった。自分の親と引き比べて……などは兎も角、その人の娘である少女とその面差しや声音に酷く似通ったものを覚えるから、その気分は尚の事だった。

 「ごきげんよう。お言葉に甘えまして、遠慮なくお邪魔させて頂きますわ、小母さま」

 如才なく口上を述べた友人の言葉にようやく我に返った心地で、私も曖昧に目礼などしてみせた。が、うきうきとした、という形容がぴったりな所作で私たちを見比べたその人が、「堅苦しい挨拶は抜きよ」といそいそと私の手を取ったものだから、瞬間、息を呑んだ。

 「あの子が今、短冊を作ってくれているの。あなた方も手伝って下さる?」
 「ええ、勿論ですわ」

 答えた彼女は、私の戸惑いに気付いてか気付かなくてか、ちらりと視線を寄越しながら極上と言っていい笑みを浮かべたのが妙に気に障って、何事かを口走りそうになった瞬間。

 「あなた方が来てくれて、本当に良かった」

 その人が静かに零した言葉に含まれた真摯な響きが耳元に触れて。
 私は、開きかけた口元を軽く引き締め、大人しく手を引かれるままに付き従う事にした。

 


まだまだ続きますです……(05.08.16)


2003年02月13日(木)


伸ばした手が空を切る。
遠ざかる背中が見える。
一つ、二つ、三つ……。
仄暗い闇の底に佇んで、広げた両の掌をそっと見下ろす。
いつか何処かで、確かに、誰かに繋がっていた。
その温もりさえもが、生暖かい風に弄られ、不確かなものになっていく。

今更、何を、思えば、良い?
全ては、自分が望んだ結果だと。
口の端に上った、冷えた笑みがそれを思い知らせてくれた。


―繋いだその手が離れる時―


目が覚めた瞬間の気分は、流石に最悪だった。
無理矢理にこじ開けた瞼の隙間から矢鱈と狭い視界一杯に見えたのは、僅かに色褪せた畳表に走る細かい無数の線で。
それすら、奇妙に歪んで見えるのだから、これは相当に危うい状態としか言い様がない。
うっかりと覚醒してしまった意識が、全身を覆う思い空気に微妙に入り混じる甘ったるい匂いを感知した途端、その歪みがまるで波打つように踊り出し、思わず唇からくぐもった呻き声を零したその時。

「生きてる?」

至極そっけない声が何処からともなく零れ落ちてきた。

「生きてるなら取敢えず、これ飲んで」

言葉の意味を理解する前に、ぐらぐらに揺れ続けている視野の真ん中に何やら丸いものがぬっと差し出された。
ああ、ストローの吸い口か、と視覚情報を無意味に言語化しながら素直に唇を開いてそれをくわえ込むと、思いの外冷たい液体が舌の上を、そして咽喉を通過して行く。

「……ゆっくり飲まないと、また吐くわよ?」

感情の色を交えない声音を有難く聞き流しながら、知らない内に乾き切っていた胃の腑に無味無色な液体をそろりそろりと流し込む。

「……さんきゅ。助かりました……」

思ったよりも確りとした声が咽喉から零れて、ほっと一息吐く。ようやく感触の戻ってきた気がする頬に、ざらりとしたどこか懐かしい掛け布団シーツの感触が心地良い。

「良いのよ。もう、佐藤さんとは飲まないし」
「え?」
「お世話するのもこれが最後かと思うと気が楽ね」
「ちょ、ちょっとちょっと……」

慌てた素振りと苦笑いを振り撒きながら半身を起こすと、黒縁眼鏡の向こうから、常と変わらぬ平静な眼差しで此方を見下ろす彼女の顔が以外に近くにあって、思わず仰け反る。

「……お酒臭い」
「……海より深く反省します」

深々とそのまま平伏してみせた頭の上に、羽よりも軽そうなため息が一つ。

「それは良いから、いい加減、コンパ以外で飲む時の自分の限界量ぐらい把握してほしいかも」

静かな朝の空気を乱さない位穏やかな動作で立ち上がった彼女の真白い靴下裏を視界の上辺りに捉えながら、口元に張り付いた苦笑いを更に深くしてみる。
言いたい放題に言ってくれているようでいて、核心には決して触れないぎりぎりの言葉を無造作に選ぶ。彼女はそんな友人だ。

「善処します。つーか、もう泡盛は持ち込みません」
「一晩で飲み尽くさないで居られるなら何持ち込んでくれても私は気にしないわよ」

カラになったペットボトルを洗う音が、いつも以上に頭蓋骨に響く。けれども決してそれは、彼女の感情を反映するものではない。
寧ろ、自分の頭の中に充満したアルコールが脳味噌に入った巣を更に押し広げた結果齎されたものと言える。軽やかな水音が頑丈さだけが取り得の骨を打って回って、益体もなくぐるぐる回る言葉の渦を掻き乱してくれる。平衡感覚を失った心地悪さと打撃による鈍痛との相乗効果で、昨夜までの記憶を適当にシャッフルされる有難さに甘えて、再び、そのまま布団の上に身を投げ出す。

「私は、ちょっと出掛けてくるけど」
「うー」
「もし帰るのなら、鍵は母屋に預けてくれていいから」

慣れた調子で言葉と鍵を布団脇に出したままの卓袱台の上に置いて、彼女は出て行った。


夢を見ていたのだと、不意に思い出した。
何処までが素面で何処からが酔っ払いだったのか判然と付かないまま、グラスを重ね、呆れた顔で付き合ってくれた友人の声も遠ざかり、意識を手離してから暫く。

気が付いたら肩を抱いていた。
柔らかな髪が時折、近づけた自分の頬に触れていた。
明らかに、同席していた友人のものでは無い感触を、不思議とも思わなかった。
こんな風に抱きしめるのは、卒業を目前にしたあの時が最後だった。
それで最後にした筈だった。
あの時の自分は、まだ、あの子の姉で。
そのまま、姉であり続けるには、それで最後にするべきだと何となく思っていたから。

抱きしめていた少女の体が不意に、固くなる。
次の瞬間には、固い、というよりも頑固な強さを思わせる力が込められたそれが、妹のものとは違うことに気付いた。

―誰ですか?

見えない筈のその眼差しが、何処までも黒く深く、自分の胸を抉るのをただ、当たり前のように受け止めていた。

―あなた、誰ですか?

誰なんだろうなあ…。

夢の中で呟いた言葉を、もう一度唇の端からシーツの上に零してみた。
あの頃、あの場所ではあんなに確かな輪郭を持っていた自分という存在が、そこを離れた途端に随分とあやふやになってしまって。
何かに急かされるように、日常に、学生生活に向かって駆け出していた。
そうして辿り付いた場所があって。
置き去りにしてきたものがあって。
手離してしまったものが、あって。

今の自分がある。

まだ鈍い痛みを訴え続けている頭を勢いをつけて振り上げ。
いつもの倍は重く感じる腕で体を押し上げるようにして布団の上に半身を起こす。




続く……のか?(マテ)


2003年02月11日(火) ミカン箱(仮)に引っ越しました(泣笑)。

<04.05.14.>

★此処にありました、こっ恥ずかしい蓉子さま&さっちゃんさま小話は、
 『マリみて部屋』内『未完の断片。』部屋へ引っ越しました……。

ええと、御猫さま。
不備などないかチェックした上で改めてファイル送らせて頂きますですので。
取敢えず、晒し上げってことで(泣笑)。




2003年02月10日(月) hug.

壊滅的に。
文章といふか小話といふか、が。
書けない状態に近い所におりますもんで。
ちょっくらと。

書き出そうかなと。

しかしこういふ場合。
この組み合わせしか思い付けないっつのは。
どういふことなんでせうね(泣笑)。

まあ。ちょこちょこと、書き出します。

つーことで、今日は宣言のみ(えー?)







2003年02月09日(日) さくっと書き書き。


校門から続く、長い銀杏並木が青々と葉を茂らせている春。
あの子に、出会った。
凛とした背中に流れ落ちる、丈なす黒髪。
迷いの無い足取りで歩く後ろ姿。
いつもの分かれ道。
穏やかな表情で、子羊たちを見守るマリア様の前でその足を止めて。
あの子は、静かに、祈りを捧げていた。
そっとその横に並んだ私の事になんて、少しも気づかない。
その、抜けるように白い頬をそっと盗み見た時。
思えば、あの時が全ての始まりだったのかもしれない。






祐巳は、今日も、いつもより30分ほど早く背の高い校門を潜った。
ここ3日ばかりは空振りだったけれども、今日こそは。
そんな、根拠の無い予感が、胸の中で踊っている。
登校してくる生徒達のラッシュアワーにはまだ間があるから、人影もまばらで。
遠く高い青い空の下、さわさわと音を立ててて揺れる銀杏並木の下を歩くのは、気持ちが良かった。
ううん、と少し伸びをしてから歩き出す。少し、早い足取りで。

――あ。

予感的中。
いつもの分かれ道、マリア様の前に。
今まさに足を止めて、祈りを捧げようとしているあの子の姿があった。
真っ直ぐに伸びた背中を覆う、みどりの黒髪。
隙の無いその後ろ姿を認めた瞬間、思わず口元が綻ぶ。

――いけないいけない。

慌てて唇を引き締める。
今度会えたら、こちらから声を掛けようと心に決めてきたのだ。
只でさえ、紅薔薇のつぼみらしからぬ挙動で日々、お姉さまを始めとする山百合会幹部の皆にご迷惑をお掛けしている身。
この上、下級生を相手に、へらへらと話し掛けなどしたら、何を言われるやら。

――ええと。

不審に思われない様、出来るだけ自然な足取りで、まだお祈りを捧げているその子の斜め後ろに並ぶ。
両手を合わせながら、そうっとその横顔を盗み見る。
抜けるように、白い頬。それが今日は、いっそう透き通って見える。

――……って、ええ……!

驚く間もなく。
祐巳の視野の中で、あの子の肩がぐらりと傾いだ。
倒れる、と思うよりも早く、反射的に伸ばした腕に、ほっそりとしたそれが倒れ込んだ。

「だ、だだだだだ」
「……すみません……」

大丈夫、と言葉にする前に、か細いけれども澄んだ声音が耳元に触れた。
それが、初めて聞いた、声だった。




逆転姉妹のボツ小話でした。ちなみに、完全無欠のミカン製品です(泣笑)。

※最終更新 04.04.26


2003年02月08日(土) やっとできた(笑)。保存保存…。

うわさのキャラミルやってみたです。



あなたのツキアイゲノムはクール。


このタイプの特徴は・・・
●基本的に『なんかえらそう』です。
●みんなと楽しくがモットーです。
●ふやーっとモノを考えるのが好き。
●どっかでヒトはヒト、
 自分は自分と割り切っているタイプ




なんでも皆と一緒にやりたい「あははうふふ系発想」

ツキアイゲノムを受けた人:1059954人中、
「ピュア」は297783人です。

「ピュア」は
「皆と楽しめること」が大好物。
「常に皆で話し合って決めたほうがいい」という発想です。

誰の話にも広く興味を持ち、
様々な意見を交換することを好みます。
一人で考え込むよりも
皆とわいわい話し合ったほうが良いアイデアがでるし、
楽しいじゃないか!という心の持ち主です。
協調性、協力性をフルに発揮し
いいカンジの友好関係を築きます。

どこか子供っぽいところもあります。
利己的、打算的といったいわゆるズルい発想を嫌い、
そうしたおとなチックの現実世界に
少々ため息をつくことがあります。

しかしそういった無邪気さがこのキャラの持ち味。
ときに駄々をこねたり、わがままを言ったりも
気持ちよい関係づくりに使っちゃうセンスの人です。

行動特性
「遠足が楽しみで前の日寝れないタイプです」

・物事を柔軟に捕らえるのが得意です。
・感じたままのびのび発想し、仲間と一緒に行動します。
・目立ちたがり屋で、わがままなとこもありますが
 輪を乱すヤツは嫌いです。
・時にあまえたり、子供じみたわがままを言ったりします。
・気分がヘコむと突然ムクれたり、反抗したりします。


大胆な采配で物事を押し進める「重戦車系発想」

ツキアイゲノムを受けた人:1059957人中、
「ジェネラル」は293891人です。

「ジェネラル」は、押しが強い人です。
常に自分で高い目標を掲げて、
価値あるものを創造するために邁進します。
その障害になるものを取り払うためには、
あらゆる知恵と力を活用します。

仲間を導き、是が非でもやりとげる!という
重戦車のような精神。
根拠はともかく、その信念の強さが
「し、信じていいのね?」と周囲を酔わせてしまいます。

本質的に礼儀や責任感、モラルを大切にするので
チームメイトや意見の違うヒトとも認め合うことが
出来るのですが、自分の目標に酔いすぎて
無理強いしてしまうこともあります。

しかし、なにか大きな事を成し遂げようとする人は
このジェネラル発想は不可欠。
ピンチを打破する救世主か、厳しすぎる暴君か。
諸刃の剣を持ったパワフル・キャラです。

行動特性
「基本的に『なんかえらそう』です」

・イエス・ノーがはっきりしています。
・こうと決めたらガンガン行きます。
・人に厳しく、自分にもちょっとだけ厳しいです。
・つい、絶対だ!などと言って、
 後でひっこみがつかなくなったりします。


気持ちや直感で物事をジャッジする「フィーリング系発想」

ツキアイゲノムを受けた人:1059959人中、
「フィーリング」は683044人です。

「フィーリング」は
いわゆる「カンのいい人」です。
事実だけでなく、いまの気持ちや直感を考慮して
物事を決めます。

「気持ち」とか「勢い」とか「根性」とか
「みんなの元気をオラにわけてくれ」とか
そういうもので気持ちを左右されます。

がちがちのお役所的発想とはまったく逆。
ユルユルです。かたいこといいっこなしの柔軟さ。
ときには「いいよいいよ」のお目こぼしもアリ!
という寅さん気質です。

しかし、仕事やチームワークの場面では
当たるも八卦。当たらぬも八卦。
話に一貫性がない、約束したことを守らない、といった
風まかせの一面もままあります。
「えへへ」ですまされるか、どうかは
その人の愛嬌にかかっています。

行動特性
「ふやーっとモノを考えるのが好きです」

・じっくり考えるより、直感的に行動します。
・楽観的で悩みがなさそうに見られがちです。
・数字、データ、メモ、など。実は好きじゃないです。
・前に言ったことを忘れてることがあります。


ヒトはヒトカモメはカモメ。わりきり系のコミュニケーション

ツキアイゲノムを受けた人:1059959人中、
「クール」は390628人です。

主な特徴
私は私、ヒトはヒト。自分だけの世界観を持つ人です。
「みんなと同じ」であることに価値を感じず、
自分の個性/信念に基づいて行動します。
ある意味、オトナ。

自分だけの世界観とか言うと
頑固に聞こえますが意外にそうでもありません。

よくしゃべる相手には聞き役、
社交が必要なときは当たり障りのない話と
相手に応じたコミュニケーションを
すんなりと操ることができます。
こうしたスムーズなコミュニケーションも
「ヒトと自分は別なモノ」とわりきれているからこそ。

周りのヒトが反論や批判など強い意見を言っても、
心の中ではそれほど動じません。
もめ事も少なく、さらりと会話をこなすタイプです。




2003年02月07日(金) 原稿用紙20枚以内が限界だそうです(泣笑)。



※こちらに御座いました、ちょっちくどめの令祥小話(……)は。
 某さまへ進呈用決定稿として仕上げが済みましたので。
 この場所にあった下書きは撤去させて頂きましたです
 これまでに見つけてくださった&読んで下さっていた皆さま、
 誠に、有難う御座いましたです…(平伏)。

<2004.03.23. 最終更新でも読むほどのものは何もありません/泣笑>



分かっていてはまりこむ迷路。

誰からも許されない自分に酔いしれようとする小狡い自己陶酔的思考。

本当の事って?そんなこと、当の本人以外の誰に理解可能だと言える?

ましてや、その当の本人ですら持て余しているものを、

どこの誰が受け止め甘やかし理解を示してくれると言うのだろう。



ここまで考えた時、脳裏に浮かび上がった面影が一つ。

苦い笑いでそれを振り払う。



彼女に縋りたいかと言われればその答えはイエスでありノーでもある。

彼女が寄せてくれる好意や思いやりには。

これまでどんなに救われてきたか分からない。

あれやこれやと小理屈をひねくり回すよりももっと自然に。

まるで当たり前の事をしているに過ぎないと言わんばかりな態度でこの手を引き、

この背を押し、この肩を抱きしめてくれる。

でもだからこそ、その手に縋りきることが、躊躇われる。



そう、彼女の手は決して誰か一人のものにはなりはしないものだから。



気づいて笑いは更に苦くなる。

何て度し難い、この身が抱える罪。

求め願うこと自体が許されない行為だと断じることをもって。

更に自分を許し見逃し甘やかす。

そしてようやく、わずかな安息を手に入れる。

救い難い自分を笑いのめすことで辛うじて、その場に踏みとどまろうとする。

その浅ましさ。愚かさ。醜さ。

それらが全部自分という人間そのもの。

苦しい。辛い。悲しい。

でもそれは全て自ら望んで得た結果。

こうしてこの命をこの世に繋ぎ止める為に自ら生み出した、桎梏。



そうしてまで、生きようとするのは何の為?

誰の為?

答えなんてもう何処にもないのに。





酔っ払い、暗闇でダンス。

てか。何だろうな、これは(苦笑)。


2003年02月06日(木) 下書きスペース。よって半纏仕様( 0330)。

つーか。

★最初に此処にあった令祥ネタ下書きは、ミカン部屋の創作30−13に引っ越し済みです。
→03.02.08.の更新分。

★最初に此処にあった聖さん景さんの『未完成。』系小ネタは、
ミカン部屋の『未完成。』その2と3の間のミカン(笑)に引っ越し済みです。
→03.02.11.の更新分。

★最初に此処にあった「未成年の飲酒は法律により禁止されております」的小ネタは、
ミカン部屋の創作30−27に引っ越し済みです。
→03.02.13.の更新分。

★最初に此処にあった「ヴァレンタインなのにまた酔っ払いネタかよ」的小話は、
マリみて部屋に引っ越し済みです。
→03.02.20.の更新分。

★03年2月7日にあった「佐藤聖のひみつ。」的ネタ話は、
ミカン部屋の創作30−08に引っ越し済みです。
→03.03.07.の更新分。



削除後、覗きに来て下さった方、万が一にもおられましたら、スミマセンでした(叩頭礼)。


さて。
そろそろ品数も揃ってきたので『ミカン部屋』を表に出しました(泣笑)。
『マリみて部屋』のメニューにちょこっと追加。


<04.03.12 更新中>


こっから下はマジ覚え書きなので、お気になされませぬやう…(平伏)。
全然、書き上げる気ナッシングです(ええ?)。


寒空の下、風に震える銀杏の中の桜。
その傍らに立ち尽くして見上げる寒い空。
今日は、土曜日。
学年末テストを2週間後に控えて、辺りは閑散とした気配に満ちている。
そういう空気が結構好きな自分に久々に気づいて、ほっと息を吐く。

基本的に、一人でいる事が苦痛でない性質なのだ。
中学時代までは特に、何事に於いてもマイペースを貫く生活だった。
同じ世代の友だちには理解し難い趣味を持つという事実を抜きにしても、
どれだけ親しくなった友だちとでも、たとえば休み時間や休日に、
共通の話題で盛り上がったりだらだらと時間を過ごしたい、なんて思うことは、
あまりなかったような気がする。
とは言え、それなりに充実した15年間を自分なりに過ごしてきたのも事実。
大叔母に言わせれば、「つまらない」やりかたが多かったかもしれないけれど、
有り体に言えば、そんな自分さえも、とても楽しんで過ごしてきたのだ。
だから、一人でいる事を寂しいとか怖いとか思ったことは一度もない。
そういう自分を認めてくれる人が傍にいてくれさえしたら十分だってことも、
趣味を通じて知り合えた、文字通り「人生の先達」ともいうべき仲間たちが教えてくれた。

だからこそ、一人でも綺麗に咲くことのできるこの桜に。
どうしようもなく、心を惹かれたのかも知れない。

それにしても。

強く吹き付ける冬の風にスクールコートの衿を立てて、思わず微笑む。
この学園に来てからは……いや、そもそもここに来ることになった切っ掛けからして。
予想通りとは相当かけ離れた展開で。
入学してからこっちは、そういう毎日が連続して続いている感じがする。
自分自身は決して、大きく変わったとかそういう自覚はないのだけれど。

今思うと、やっぱり中学生の浅知恵だったなあ、なんて。
あの時の自分の浅墓な見通しとその結果の失敗を心から笑えるようになったのも。
高い門を潜り抜けてからの、およそ10ヶ月に及ぶ歳月を、
予想を越えて充実したものと受け止め、楽しめるようになったのも。
多分、自分ひとりが勝手に成長を遂げたから、では無い事も、知っている。

そっと目を閉じる。
今でも、目蓋の裏に鮮明に甦る。
雪と見紛う花びらの乱舞の中。
マリア様に出会えた、あの日のことが。

そのまま、どれくらいの時間を過ごしただろう。
下生えを踏む、柔らかい気配を感じ取って、薄く目を開く。
確かめるまでも無い。
聴き間違えようの無い、足音。

ゆっくりと目蓋を開きながら。
自然と口元が緩むのに任せてみる。
ヴァレンタインにチョコを用意して学校に来るだなんて真似も。
此処に来なければ……あの人に出会うことがなけれだ。
行うこともなかったろう、愚かで照れくさくて。
でも何故か心楽しい行為だ。

今日は。
今日だけは。
「お姉さま」ではなく、「志摩子さん」と。
名前で呼びかけてみよう。
そう思いながら、ゆっくりと、振り返った。





こりゃ、マジで下書き的覚書ですな(汗)。
形にできるかどうかも不明です。……ら、来年用?(コラ)


一橋@胡乱。 |一言物申す!(メールフォーム)

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