西日が差したら枇杷の実を食べよう
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2004年10月16日(土) 男も女も大嫌い。『モンスター』

『モンスター』をみた。
美人女優シャーリーズ・セロンが、
デブになってブスになって、デニーロ・アプローチをして
売春婦で連続殺人犯という女を演じた映画。

ふぅ。
ひさびさに見終わった後、ズシンと何かを引きずる映画に出会ってしまった。
けっして後味が悪いというんじゃない。
歯医者で麻酔をかけられた後のように、何かが残るのだ、しばらくの間。

この役でオスカーを取ったシャーリーズ・セロンもすごかったが、
クリスティーナ・リッチも巧かった。
いや巧いとかなんとかいうよりも、
小心者で依頼心がつよいくせに強引に人をひっぱりまわす、という
どうしようもなく哀しいレズビアンの女の子が、
ものすごい存在感で確実にそこに「いた」。

これまで幾つもの女性同士のラブシーンをみてきた中で、
この映画の二人が一番、自然に思えたのは、
わたし自身が、ヒロインのアイリーン(セロン)のように、
セルビー(クリスティーナ・リッチ)の魔力にハマってしまっていたからかもしれない。

しかし、まぁ、
人間って、なんて愚かでかなしくて、不器用で切ない生き物なんだろう。
野良猫が傷をなめあうように抱きあったセルビーに
「女は嫌いかと思った」と言われ、
「男も女も大嫌い」と吐き出すようにつぶやいた
アイリーンのセリフが忘れられない。


otozie |MAIL