詩のような 世界

目次


2002年06月23日(日) 魔力



ああ もうこんなの信じられない
貴方以外の何もかもを考えられない

誰かと話していても
本を読んでいても
貴方の顔が頭の中でちらついて
まったく集中できないの!


これは恋?恋なの??
これは愛?愛なの??

そう
きっとどっちもだわ
感情に適当な名前をつけてしまえば
それは本当になるから



ああ もうこんなの信じられない
幸せで何もかもが見えない

恋は盲目って本当だったのね

貴方に感謝したい
今までこの目は
余計なものばかりを見てしまっていたから


恋愛感情は嘘臭いけれど
持つパワーは絶大
無条件で人を幸せにし馬鹿にする

馬鹿を承知で便乗するの
これも1つの知恵だと思うわ



ああ
もう貴方だけ……





2002年06月17日(月) 色のない唇を



貴方を笑わせてあげられなかった
私が悪い

貴方を幸せにできなかった
私が悪い


私の唇は白く
貴方の唇は黒く

私の唇は徐々に青く変化し
貴方の唇は色を失った?



but

貴方のことを考える余裕を私に与えなかった
貴方も悪い

私を幸せだと勘違いさせた
貴方も悪い


貴方は私の青ざめていく唇に気づかず
強引にキスをした
貴方の優しさとエゴを
どう融合させていいかわからなかった

私は戸惑い
それでも
馬鹿な振りをして自分を守ったりして

貴方はもともと馬鹿だったけど
それに気づいてなかっただけ
まだよかったのかもしれない



つまり何が言いたいのかってね
貴方の唇を誰にも渡したくなかったの
生き返らせたかっただけなんだ

死にかけた唇を








2002年06月08日(土) 鼓動



ああ
灰色のプラットホームに包まれ
あたしは耳鳴りに怯える

人の群れが
生ゴミのように汚らわしいものに見え
時には
野獣のように恐ろしいものにも見え


「もういやだぁ」
顔を歪め呟くと
誰かがあたしを指差して笑った

そうやって誰かを嘲笑って
見下して蹴落として
それで自分の価値を見出そうとする

ホームと同化する灰色の塊たち


自信がない
あたしはこの先生きていけるのか
染まらない確信がある
たとえ染まってしまいたくても


ほら
また耳鳴りが始まった
それは高らかな音ではなく
あたしの落ち着かない鼓動







2002年06月02日(日) A feeling of exhaustion



キッチンに行くと

換気扇がゴーゴーうるさかった。

うるさくてうるさくて

頭がひび割れそうだ。


まるで攻撃されているよう


リビングに戻ると

これまた不快なテレビの大音量。

いい加減にしてくれ

リモコンはきっとまた見つからないから

探してやんない。


見つけてくれなんて言われてないし


窓を開ける。

静寂な夜の闇を期待したのに

今度は田舎臭い暴走族のパラリラパラリラ。


窓を開けっ放したまま

石より固いベッドに入ろう





2002年06月01日(土) デラウェア



デラウェアを噛みながら
紫に染まった指先を見つめた
どろどろしたココロの醜い部分を流れる血は
きっとこんな色をしてるんだろう

笑顔を絶やさないように努力してきたけれど
もう限界みたいだよ
君の悩み相談にはもうウンザリだ
僕の知らない誰かを想い苦悩する君を見て
その誰かさんに嫉妬する僕
君は僕の気持ちなんか知らないから
残酷な言葉を平気で投げつけるんだ
だけどその純粋さ素直さに
僕は何も言えなくなるんだ
できることはただ一緒になって悩むフリをすることだけ

君は知ってるだろうか
甘く程よい酸味のデラウェア
しかしそこから染み出る液は毒々しい紫で
服についたらなかなか取れないんだ


しつこくてしつこくて






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