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モクジ 雑念

ラブハジメマシタ

オマエさ・・・こんな静かな場所で、そんなデカイ声出すなよ。
すっげー恥ずかしいんだけど、オレ。
ってかさ、なんでオマエが居んだよ。


「ノリ悪すぎじゃない?ヒサシ。
 せーっかく一緒に飲んでるんだから、もっと楽しめないの?
 アンタさ、昔っから、そういうとこあるよね。
 他の人はワイワイ楽しんでるのに、隅っこでボーっとしてるの。
 変わらないねー、1人遊びの旨さだけは。
 なんで楽しめないかなー、一緒に。
 あ、すいません・・・えーと・・・・カシスオレンジ下さい。」


一緒に呑みたい、なんて一言も言ってないし。
オマエが、寄ってきたんじゃん。
逃げる隙もなく、肩を掴んだの、オマエだし。
ノリ良すぎなんだよ。
それに・・・ノリの問題じゃないしな、今日は。
だいたいさ、オマエ、煩いってば。
ホントに。
大人だったら、その場の状況で分かるだろ、フツー。
音量下げるとか、オレを気遣うとか・・・・って、無いか。
無いな。
此奴に限って、ありえないよな。
ありえないな。
頼むからさ、カウンターで1人で呑ませてくれよ。
ってか、おかわりすんのかよ!
・・・・其れ呑んだら帰れよな。


「ビーックリしたよー。
 1人で呑みに来たら、ヒサシが居るんだもん。
 で、なんだっけ・・・あ、そうだ。
 振られたんだっけ?
 振られた、ね。
 ま、いーじゃん、振られるくらい。
 慣れっこでしょ?
 女の1人や2人、なんだってのよ!
 アンタもアンタよ。
 なーにをそんなに落ち込むことがあんの?
 あ・・・そっか。
 よっぽど好きだったんだ?
 よーっぽど惚れてたんだ、そうでしょ?
 いーなあ・・・アタシも惚れたい・・・惚れられたいわよ。」


確か、こないだもそうだった。
テッコとスタッフと呑んでる時に、来たんだよ、此奴。
どっから現れたのか、誰に聞いたのか知らないけど。
振り向いたら居るんだもんなー。
今夜みたいに、片手にカシスオレンジ持ってさ。
「ひーくん!」なんて満面の笑みで言うなよ!
あの後、オレ、どーなったか知ってるか?
散々、タクロウとテッコに「ひーくん」呼ばわりされたんだよ。
(タクロウにはテッコが漏らしたと思われる。
 「ひーくんは、お昼どうするでちゅか?」って言ったタクロウ、覚えとけ/怨)
女の1人や2人って、オマエさ・・・辛いから、今は。
たくさん惚れてたぶん、反動がデカイんだよ。
おまえが振られた時、オレ、そんな言い方しなかったじゃん。
朝まで付き合ってやったのに・・・恩を仇で返す気か?
オレだって惚れられたかったよ。


「思い出した。
 そういえば、アタシが振られた時、一緒に朝まで呑んだよね。
 何にも聞かないんだもん、ヒサシ。
 他の友達はさ、早く忘れて次の恋を見つけろ!だとか、
 あんな男、別れて正解!とかさ。
 ま、友達なりに慰めてくれて、アタシも、いつものノリだったけど。
 結構、堪えたなあ・・・アレは。
 で、な〜んかアンタに会いたくなって・・・一緒に呑んだんだよね。
 アタシが振られたこと、友達づてに聞いて知ってたはずなのに。
 あ、そっか。
 アレが、ヒサシの優しさだ。」


ノリだけで強がってたオマエに聞けるわけ無いだろ。
考えろよ、そこらへん。
痛々しかったんだよ、電話口の声が。
優しさとかじゃなくて。
オマエを見てたら、自然とそうなったんだよ。
なのに・・・・なのにさ。
なんで、オマエは、そうなってくれないかな・・・。
黙って側にいるとか、女らしいことは出来ないのかよ。
って、そんなの求めるオレが間違ってるか。
オマエは、昔っからこうだもんな。
オレが一言喋れば、オマエはペラペラペラペラ・・・止まらないもんね。
ま、あれだ。
そういうオマエが、好きなんだけどさ。
オレは、そういうオマエの優しさが好きだよ。
だから、ずーっと友達やってられんだろうな。

































 と も だ ち











































「な、何よ・・・そんな目で見られると、怖いんですけど・・・。
 アタシが来る前に何杯飲んでたか知らないけどさ。
 其の目は、相当呑んだ目だよね。
 1人で帰れんのぉ?
 車で来たの? それともタクシー?
 なんだったら、送っていこうか?
 あ、知ってた?
 此処の上、ホテルなんだよ。
 うちの上司がさ、愛人との密会で使ってるの。
 外から見た感じは、ホテルって分かんないじゃん?
 それを良いことに週3だよ? 週3!
 50前のオヤジなんだけどさ、やってることは若いよねー。
 社内全員知ってるのに、知らんふりだもん。
 あの根性には負けるわ。
 ま、こんな話しは、いっか。
 送ってくから、それ呑んだら帰ろう。
 そんなボロボロなのに、1人で返せないよ。
 あ、もしくは・・・・上に部屋でも取る?
 優子(ゆうこ)さんが慰めてあげようじゃないの!」


普通さ、こんな時に気付くか?
酒が、まわってんのかな。
だいたい、なんで今なんだよ。


「・・・・な〜んてねv
 ってさ・・・ホント、今日のアンタ、ノリ悪いわ。
 相当、落ち込んでんだね、今回のは。
 今まで、こんなことなかったじゃない。
 いや〜あれだね。
 アタシが来て良かったよね。
 アタシが来なかったら今頃、東京湾にでも沈んでそうな形相よ?
 っつーかさ、一言くらい喋んなさいよっ!」

















































「だったら、慰めろ。」















































今頃気付いたオレを、慰めろよ。
上の部屋でも。
オマエの部屋でも。
オレの部屋でも。
何処でもいーから。
オレを慰めろ。
どんな顔でも良いから。
慰めろよ。
オレを。





































さあ、飲み終わったぞ。
送ってくれんだろ?
何処行くのか知んねーけど。
ボロボロのオレを、早く慰めてくれよ。



































ってか、オマエ。
こういうときは、静かなのね。
ま、其処も好きだわ。


ほら、行くぞ。


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キリ番を踏んで下さった、エミに捧げます。

頂いたリク内容↓

 ・ヒサシの失恋から始まる
 ・ヒサシを振る女は出なくて良い
 ・相手は昔からの友達で最初は意識してなかったけど、だんだん意識し始める。
 ・振られたヒサシをとことん凹ませる
 ・ちょっとどーなのよ!というモキモキした終わり方でも良い
 ・(エロ)掛けそうなら書いて良し

↑でした。

ヒサシの恋愛物を書くのは、初めてなので頭を抱えると思いきや、
これが結構スラスラとキーが、進むんだ。(笑)
調子良かったのか、書いていて楽しかったです。
貴重なリクを頂きました。(笑)
因みに、タイトルは、ミスチルの曲です。
いつもパクリでスイマセン ヽ(;´Д`)ノ

リク主のエミから「掲載OK」の許可を頂きましたので、此処に記します。

20050715 宇野 花


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宇野 87 |メイル