メモ


罪と罰

時々唐突に思い出す。
以前、すきだった、ひと。
過ぎてしまった日の、今はとっくに冷え切ってしまった、熱かった思い。

今あのひとは一体どうしているだろう?
しあわせ、なんだろうか。
時にはわたしと同じように、わたしのことを思い出したりするんだろうか。

ふと思う。
わたしのことを忘れられずに苦しんでいたらいい。
しあわせになんかなっていて欲しくない。

ふと思う。
わたしのことなどすっかり忘れて毎日しあわせに暮らしていたらいい。

多分どちらも真実で、どちらも偽りなんだ。
だっておしまいになったあの日、心底あのひとに興味を失ったのだから。

愛することの反対は憎しみなどではなく、存在を認識しないことなのだろう、と云ったのはあのひとだった。
皮肉なことにそれを実感させてくれたのもあのひとだった。
ひどいことをされたのに、憎しみさえ覚えなかった。
なんだっていい。どうだっていい。
生きていても死んでいても関係ない。

それなのに、思い出すのは。
無かったことにはならない罪とそれを忘れないための罰なのかもしれない。




いつも強がるあなたへ

何をそんなに怯えているの?

アタシはこんなに強いのヨ!!!

って主張してるようにしか聞こえないよ。

そんなに肩肘張って生きてたら疲れちゃわない?
ああああ! 待って待って。
別に莫迦にしてるわけじゃないから、そう不機嫌にならんでさぁ。

そんなに頑張ってアノコよりアナタよりダレよりも一番凄いんだなんて証明しなくたって、わかってる人はちゃあんとわかってるって。
そんな世界中敵だらけみたいに云われたら、目の前に居るワタシが物凄く悲しいじゃないの……。

ひとつ何か負けたら格下、だなんて極端な。
いいじゃない、「負けてあげ」れば。
そういう見方だってありでしょ。

あ。ほら、そのため息。疲れてる人の証拠発見。
生きてることに勝ちとか負けとか、なんでもそんな二極で見てたら疲れちゃうって。

たまには負けちゃってるかっこ悪いとこ見せてよ。
そのバリバリの雷みたいなバリア解いて、弱味見せて甘えてみてよ。




関係に名前をつけてしまうことが怖い?

ただわからないだけだって?
わからないだなんて不思議なことを云うもんだね。

迷う要素があるってのは、既にトクベツってことじゃないか?

ふふ……
急ぎたくない時にむりやり答えを決める必要なんかないよ。
気長に流れに任せてみるのも立派なひとつの選択肢だと思うよ。
うん、悪くは無いと思う。

ただ、ね、気長に様子見ってことはつまり
横から誰かにかっさらわれても平気だって
いや少々落ち込んだとしても後悔しないって云う覚悟が

ん?
ああわかったわかった、もう云わないよ。

たまには泥んこ○×クイズ、やってみる気持ちで飛び込んでみちゃえば?
ってね。
ぐだぐだ云ってるなんてあんたらしくないじゃん?

なに、泥んこ○×クイズ知らないの?
やーだーなー。ジェネレーションギャップ。




殺し文句

「どうして恋とかしちゃうんだろう」

「ひとはひとりじゃ生きていけないから、だって」

「だれかと一緒に居たい、なら恋じゃなくてもいいと思うんだけど」

「まあね。それはアレだ、子孫繁栄という本能」

「本能……ねぇ」

「おぉ。本能を思い出した! 狩猟本能!」

「ひゃあぁ」

「……好きだよ」




つまり、時の流れに身を任せ?

「恋人って云う間柄にはいつか終わりがくるって本当?」

「あー……夫婦になっちゃったとか?」

「別れちゃいましたーとか。」

「人間いつかは死にますからネ」

「なんか前向きなんだか後ろ向きなんだかわかんない発言だね」

「お望みの回答じゃなかったかな」

「恋人になってもならなくても、終わる時は終わっちゃうと思うんだけどなー」

「始まる時は始まっちゃうしねー」




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