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2012年03月22日(木) 学校とのつながりはどうやって作られるの?

ありがたいことに、今年度、科研費が採択(内定)されました。

テーマは『反社会的傾向をもつ生徒の「学校へのつながり」を強める環境づくりに関する実践的研究』です。

教師や友人など、学校の成員とつながっているという感覚をもてることは、その生徒が反社会的な問題行動をしようとするのを抑え、将来の犯罪を防止することにつながるということを示す研究は数多くあります。

たぶん学校でなくても、要は、この社会とつながっている、私もこの社会の一員だという感覚をもてるかどうかが大事なのでしょうね。学校はその象徴なんだろうと思います。

じゃあ、それはどうやったら達成できるのか?3年間の学校生活を、生徒や先生たちと関わりながらみていこうというのが、この研究の主眼です。すでに研究は先行してスタートしており、データも集まりつつあります。今秋以降の学会で順次、成果発表していきたいと思います。


2012年03月21日(水) 減少に歯止めかからぬ暴走族の保護

ニュースで暴走族が激減しているというをやってました。東京では特攻服なんてかっこうわるいとか、厳しい上下関係はうっとおしいとかいう若者が増えているとも書いてました。

ここ数年、警察や児童自立支援施設での聴き取り調査をすすめていますが、そこでも、しばしば子どもの姿が昔とは違ってきたという話をききます。昔はもっと堂々とといったらおかしいけれど、外で問題をだして大人と衝突していた子たちが、今はそうではない。ベテランの補導職員の方にいわせると、昔だったらこちらがみつけようと思わなくても、勝手に見つけてしまえる子たちがたくさんいたが、今はどこでどうやっているのか大人がなかなかつかめない子たちが多い。施設でも表立って大人にはむかってくるような子や、無断外泊するようなエネルギーのある子が少なくなったというのも聞きました。

ニュースになっているところから感じる印象は、友だちと遊べない子どもとか、子どもの社会性の低さとして議論されていることと通底しているように思えます。遊べない子どもには教育の必要性が叫ばれることが多いですけれども、では、暴走族もできない若者たちを支援して、昔のように暴走族をやらせるというのは、もはや虚構新聞のネタですよね。

いずれにしても、一時、少年犯罪の凶悪化とか低年齢化だとかが問題化されましたが、上記の語りは逆のことをいってるように思えますね。ただ、かといって子どもたちがなんの問題もださないよい子になったということではないように思えます。むしろ、もっと大人の目のふれないところで、誰からもケアされずにこの世から排除されていく子どもたちになっているように思えます。子どもの問題は、それを問題化する枠組みをつくる大人の問題でもあると考えると、暴走族一掃作戦的なものではないような、子どもの困りを可視化するための新たなスキームをつくらないとならないということかもしれません。



2012年03月20日(火) 卒業式、みなさんおめでとうございます

今日は卒業式と謝恩会でした。

一昨年にサバティカル研修で後期を留守にしていたので、今年の卒論生は3回生の後期は別ゼミに武者修行にでてもらっていました。例年、わがゼミでは3年の後期にインタビューやフィールドワークを通したミニ調査をやり、分析の初歩的なところまでをひととおりグループでやってみることにしています。3回生はそこが抜けてしまってるので、そこで自分としては一抹の不安があったんです。

まあ、お世話になった他ゼミの先生が、すごい先生ばかりだから、かえってそれがよかったんじゃないかという説もありますが(笑えない)、今年のゼミ生はみなしっかりと問題意識をもって着実に言ったことをやってくるので頼もしい面々でした。

会ではみなが一言くれるんですが「考えさせるような助言をくれた」「最初はわかってないことが考えられるようになった」みたいなことを言ってくれました。まあ、さすがに悪いことはいわないだろうけど、そういう感想は僕としては少しうれしかった。懇切丁寧に赤をいれまくって、結局のところ、自分好みの文章にしてしまうのもなんか違うなと数年前から思うようになったからですね。もっと自分で考えてもらわないと、と思います。

それにしても、、、

僕がこの学校にきたとき、僕の次に若手といわれた先生が学科長になられ、僕の採用にかかわった先生が今年で退任。そして気がつけば僕よりも若い先生がとても多くなりました。時代はうつりかわっていきますねえ。






2012年03月14日(水) 発達心理学会にいってきた&報告書完成

 3月9-11日に名古屋国際会議場でおこなわれた日本発達心理学会にいってきました。私の出番はK氏と連名での一連ポスター発表です。これは4年間かかわってきた科研プロジェクト「発達障害の疑われる非行少年の包括的再犯防止策」(田中康雄代表)の成果発表の一部です。

 近年、児童自立支援施設では「発達障害」や虐待からくる「愛着障害」の子どもが増え、指導困難をもたらしているといわれます。なぜ困難なのか?というときに、それを生徒本人の障害特性に帰していくような問い方をすることも多いかもしれません。しかし、こうした問いのたて方は「なぜ今」「なぜこの状況で」、さらに言えば「なぜ私にとって」問題なのかを見えにくくします。困難にならしめる構造を明らかにしなければならない。そのような問題意識で、インタビューや質問紙での調査を行いました。

 結果はくどくど述べませんが、結局、重要なのは、職員の方々にとって発達障害や愛着障害の子どもが無条件に困難なのではなく、あくまでも彼らが大事にしている実践スタンスへの挑戦になるかぎりにおいて困難になるということです。精神医学や心理学がもっている発達障害や愛着障害についての知識を単に注入するだけではなく、職員が目指している実践や価値観を理解し、それらをふまえてともに考えていくことが求められているといえるでしょう。

 報告書はもうすぐすりあがります。読んでみたいと思われる方は是非ご一報ください。


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