White Room - 2022年01月02日(日) “その駅”の近くにある、黒のカーテンに閉ざされた白い部屋 黒い屋根で覆われた国…黄金の舗道も無く、疲れたムクドリが佇む 銀色の馬が月光を駆け下り、お前の黒い瞳に宿る 暁陽が微笑み、俺を満たしお前は去りゆく 俺は待つ…太陽の決して輝くことのない、この場所で ここで待つ…影さえ逃れんとするこの暗闇の中 お前は言った…“その駅”にお前を繋ぎ止める弦など無い、と 駅の入場券…休みなく駆動するディーゼル…別れの車窓… あぁ、これ程まで悲しい時間の渦に足を踏み入れてしまった “その駅”で… 立ち去る刹那から、湧き上がる新たな情動を抑え切れぬほど 俺は待つ…列に並び、列車の帰りを お前の幻影を抱き…影さえ逃れんとする暗闇の中 パーティの人混み…彼女は親切だった 古傷にとって救いは、今はそれも癒えたこと 黄色い虎がジャングルに身を屈め、彼女の黒い瞳に宿る 身支度を整える女…別れの車窓…疲れたムクドリ… 俺は眠る…孤独な群れと共に、この場所で 影さえ逃れんとする、暗闇に横たわり… ...
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