きまぐれをジェット気流に乗せて。...菱安

 

 

鴎は謳うか - 2002年05月15日(水)

要らない人間なんていないって
笑い飛ばしたアイツ
聞こえないふりして
そっと後ろから世界を売り飛ばす
蒼く褪めた大地と
白く何処までも翳む地平を
色褪せた絵空事
成し得ぬ記憶の残像
ただ砂だけがするりと落ち往く

海原を舞う鴎たちは
果たしてうたうのだろうか
ひとならざるものたちの
悲鳴をかき消すだろうか
憂鬱なる機械頭は
今日もまわり続ける水車の様に
笑い狂う黄昏時に
負けじと我嘯く

せめての報いを受けよ
背中からの傍観者
いったいいつになったら
その噺はもう聞き飽きたし
かと言って代理の隣人は
最初からあてにならないでしょう

僅か残された視界の隅の角
鴎はうたうから
叶えられない希望は祈りとなって
世界に降り注ぐが見えたのさ






...



 

 

 

 

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