タフの方舟(1)(2)

ハリポタブームで「氷と炎の歌」が紹介された影響なのか,G.R.R.マーティンのSFの新刊が読める。うれしい。主人公は宇宙商人のタフ。何星人なのかよく分からない。無毛で巨漢で太鼓腹で無表情で白い。グルメで猫好き。こいつが第一話でかつての惑星間の大戦で使用された超巨大な生物兵器艦をゲットするところから話は始まる。

タフが色々な星でその星の問題を遺伝子テクノロジーと商人根性で解決していくのが基本ストーリーで,とんでもない変な生物が続々と出てくる(あるいはタフが作る)ので,そういうのが好きな人(オレ)にはたまりません。「サンドキングス」にあったような救いの無いトーンは鳴りを潜めていて,ライトなエンターテインメントといった感じ。

子供を産み増やすことを宗教的な命題にしているある星の人口問題をテーマにした物語が,連作の形で3編おさめられているが,「産児制限するしかないね」というその星を全否定する出発点からの飛躍がないので,おはなしの着地がうまく決まっていない。そのため全体の評価が少し落ちてしまう。残念。
2005年07月15日(金)

ま2の本日記 / ま2