-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 エージェントのつもり


昼過ぎにRafiと待ち合わせ。
毎年夏に行なわれる市庁舎前の
アウトドア・アートショーの申込みにいく。
何でRafiと?と思うけど
まぁ最近アイツがエージェント代わりに
色々と動いてくれてて
今回のアプリケーションも手直しから申請まで
すべて準備を整えてくれたのです。

「オイラのこと、金づるだと思ってるだろ!?」と聞くと
「Yes, ハイ!」臆することなく日本語で答える。

だってさ、この夏のショーだって
本当は出るつもりなかったし。
予算もないし、締め切りも近かったし。
ところがRafiが「出ろ、出ろ!」と
申請書まで用意して、連日電話を掛けてくるんだから
しょうがない。
よっぽどオイラの売り上げを当てにしてるんだろう。

事務局は、アートビル【401Richmond】の中にある。
ここはアート関係のオフィスや出版社、ギャラリーばかりの
集合雑居ビルなのだが
つい最近、友達のデザイナーTerryとシャンドラが
共同でスタジオを借りることになった。
引越しが終わった頃だろうと思って訪ねてみるが
あいにく不在のよう。
Rafiいわく、「一度も居たためしがない」そうだ。
ここ入居するの難しいんだぜ。
2〜3年のウェイティング・リストだし
審査も厳しいって言うし。
Terryとシャンドラには勿体無い物件だ。

近くのR-Shopでランチを食べる。
偶然、Yuukoもランチを食べていた。
昨日電話したら「今、ニューヨークなんですよ」と言っていたのに
もうトロントに帰ってる。
例のクリストとジャンヌクロードの【The Gate】を観たらしい。
すごーーーーく羨ましいぜ。










画材店に寄ってスタジオに帰る途中
かなり久々にSLOANのJayと出遭う。
ベースのChrisも一緒だった。
彼とは初対面。
「今度、少年ナイフ来るんだぜ〜」とか
またクリストとジャンヌクロードの話になった。
一応、ダメ元で17日からのArt Expoに来てよと言ってみる。
SLOANは今、アメリカツアーのリハ中だというから
トロントに居ることは居るし。



2005年02月28日(月)



 印象派の構図













昼頃目覚め、R子と美術館の近所にある
ドーナツ屋にて朝食を食べる。
スープにドーナツ。
よく考えると有り得ない組み合わせだが。

スタジオに一人戻って
昨日失敗に終わった新作に再チャレンジする。
念のため、電話線を引っこ抜く。
同じ轍は踏まないぜ。

この新作でのチャレンジは
ザ・風景画。
人物は描かないことにしたの。
カナダでは風景画が売れ筋だからって
そういう理由じゃなくて
オイラの人物画の完成度が上がるにつれ
それまで描いてきたような都市の風景画(っていうの?)
【Rhapsody in blue】とか
【Yesterday is here】みたいなのの完成度が低いなって
漠然と思っていたんだよね。
そこからまた一歩前進しようというのが、今回の試み。

言うなれば、オイラにしか描けない風景画を極める
ということになるか。
風景画といえば、印象派のモネやセザンヌを
連想する人が多いと思うが
オイラも例に漏れず、この辺の作家には影響を受けている。
影響といっても、色や画風って意味じゃなくて
究極には【構図】の取り方だが。
何を題材として描くかじゃなくて、
それを画面の上で、どう配置するかって部分では
ゴッホも加えたこの辺の巨匠たちがチャレンジし、
後世に残した功績は未だに大きい。

黄金分割を配したキャンバスに
モネの【ポプラ並木】からヒントを得た
「ちょっと中心からズレてますよ」風なバランスで
Markham Stの夜景を描いてみる。

大きいので、何度も遠ざかっては
全体のバランスを確かめる。
今夜は眠れなさそうだ。

2005年02月27日(日)



 朝のヤル気が・・・

今朝方、作品を完成させたばかりだが
一刻も早く、次の巨大(48インチ四方)な作品に着手しようと
数時間の睡眠で目覚める。
さらに珍しいことに、めったに食べない朝食を
と言っても、ベーグルにチーズを塗るだけだが
ササッとかき込み準備万端。
こんなにヤル気を漲らせたのはNY行き以来のことだ。

そこへ一本の電話が鳴る。
「これからスタジオに絵を観に伺いたいんですが?」

マジかよぉ〜。
言わずもかな財政難のオイラは
金とヤル気を天秤に掛けるまでもなく
「お昼頃ならOKですよ」と
その来訪者を迎え入れることにした。


こっちも生活が掛かってる。
珍しくヤル気を出していた自分には申し訳ないが
昼間の一時間くらい、どうって事無いよな、と
自分に言い聞かせ
筆を持つはずだった手に掃除機を握らせる。
少しでも綺麗な部屋にしなければ。

予定の時間だったお昼が過ぎ
一時になり、やがて二時になっても訪問者は現れなかった。
えぇー、うっそ〜。
スッポカシの匂いが強まる。
・・・。
白い目で見つめるオイラの画家魂。
描き始めてから邪魔入ると嫌なので
訪問者が来るまでは決して筆を入れたくない。
しかし、もう三時だ。
しょうがない、もう絵を描き始めよう。

朝のヤル気とはうって変わって
非常に落ち着かない、そわそわした気分でキャンバスに向かう。
もしも100m走のランナーだったら
調整不足を理由に出場キャンセルするところだ。
それは大げさな例えだとしても
少なくとも何かを生み出す時には
それなりの段階を経て、集中できるように
自分自身をもっていく作業が必要な気がする。
特に、
この新作のように
下絵を描かず、頭ん中のイメージをブァ〜ッと
即興で描こうと思ってる時には。

そうは言っても、訪問をOKしたのは自分だし
誰に不満をぶつける訳にもいかないので
ポツポツとキャンバスに当たりをつけ始める。
絵の具をパレットに大量に出す。
アクリルは乾きが早いので
速攻で塗ってしまおう・・・。

ピンポ〜ン!

嘘だろ!?
吉本新喜劇のようにコケそうになった。
5時間遅れの来訪者だ。
出したばかりの絵の具はカピカピになる運命のようだ。

その来訪者は若いカナディアンの夫婦だった。
そして1歳になる赤ちゃんも一緒。
遅れた理由は、子供を預かってもらうはずだった両親が
急に無理になって色々とゴタゴタしてしまったらしい。
まぁ、しょーがないか。

ダウンタウンにコンドミニアムを買い、
二週間後に引っ越す予定らしい。
そこにオイラの絵を三点・・・まじですか?
オリジナルじゃなく、プリントだった(凹む)
それにしても奥さん、綺麗だ。
ユマ・サーマンそっくり。
【パルプ・フィクション】の時のオカッパ頭の頃に。

旦那は大手ブックチェーン【Indigo】の取締役で
「本なら安く手に入りますよ」と気を遣ってくれるのだが
オイラの目は奥さんに釘付け。
夫婦というよりは、女優とマネージャーに見える。

あいにく希望した作品が手元に無いので
引越し日頃までにこちらで用意することになった。

そして、朝のヤル気が戻ってくることは無く一日を終えた。



2005年02月26日(土)



 救いの神


3月17日に迫った【Toronto Art Expo】ですが
実は、危機だったんです。
出展の。

去年の夏に申し込んだ祭、デポジットで数百ドル払ったあと、
先日まですっかり全額振り込むのを忘れてて
オーガナイザーから「すぐ振り込まないとキャンセル」と脅された。
そうは言っても、現在わたくし
カナダに来て最大の財政難に見舞われておりまして
数百ドルをポンと出すなんて無理。
今月の家賃すら、まだ支払っておりません。
うーむ、どうしたものか?
どう足掻いても金が無いならしょーがない。
出展はキャンセルしかないな・・・。
と思っていたです。はい。

ところが世の中には【神】と呼ぶに相応しい人がいるんです。
こういう時に助けてくれる人を、オイラは神と崇めます。
画家・熊澤慎也
人は彼を神と呼ぶ---と、ナレーション付きで読みたいくらいです。
そうなんだよね、同じく出展予定だった慎也さんが
それを立て替えてくれることになった。
本当にありがたい。

今日の午後、慎也さんの自宅に出向き
ありがたくお借りした。
ちゃんと借用書も書きました。
しかし、慎也さんだって決して余裕があるわけじゃない。
子供も産まれて、家も買って
その絵筆に一家の生活が乗っかってるわけだから。
そのお金は、他の人から借りるよりも
ずっしりと重く感じました。

地下にあるアトリエを覗くと
描き掛けの巨大なキャンバスがたくさん。
奥さん曰く「彼は地下に住んでいる」。
ほんと多作だなぁ。
また刺激を受けました。

帰ってから、その刺激が消えないうちに
描き掛けの絵に着手。
そして完成!















去年、友達にモデルになってもらったやつだ。
一時、陰影をなるべく減らしたフラットな画面を追求してたけど
最近また、絵の中にある光と影のコントラストが強まっている。
これもギリギリのところで止めたけど
もっとコントラスト上げようと思ったくらい。

光と影

太陽と月

表と裏・・・

絵だけじゃなく、自分の中で再燃しているのが
こういった二面性の探求だ。
光れば光るほど、その影は濃くなるように
一方が強まれば、もう一方も強まるという原理を
様々なことに当てはめたりして
自然界と、そして生命の不思議なんかを考えちゃってるわけです。


2005年02月25日(金)



 ファッションブランド【PUBLIC】

先週くらいだったかな、
【PUBLIC】というQueen Westにある
洋服店のデザイナー、Marie から
トロントで年に二度開かれる【Fashion Week】という
ファッション祭での ショーの舞台美術を頼まれたんだよね。

Japanese Popみたいのをイメージしてて
オイラがやったら日本人のお客さんも集められると思ったらしい。
結局、時間も無いし、ノーギャラだというんで断ったんだけど
日本人のお客さんを呼ぶくらいは手伝ってあげようと
Bitsに広告を出してあげることにした。

ただ広告出しても人は動かないんで
タダ券を何枚かプレゼントしたら?って提案したところ
何と、クーポン広告持参で、全員タダ!という
もの凄い太っ腹な答えが返ってきた。
オイオイ、Marie本気か?!
一枚$25もするのに??

要は、オイラに払うギャラ(現金)は無いけど
現物支給だったら幾らでも出来まっせ!ということらしい。
あとは、実際に日本人が動くかどうか。
一回だけの広告だし、
いくらタダでも興味ない人は行かないだろうし。
どうだろう?

オイラだったら、行かない(ははっ)
実も蓋もないじゃん。
もし興味のある人がいたらここのウェブサイト
Bits3月2日号の広告を見てね。



2005年02月24日(木)



 【ダ・ヴィンチコード】


小説【ダ・ヴィンチコード】をむさぼり読む。
それこそ四六時中
電車の中や
食事のときや
寝る前にベッドで読み耽り
昨日借りてから一日で上巻を読破。
面白いなぁ、コレ。

フィクションはフィクションなんだけど
ベースにある背景や組織なんかは
ノン・フィクションみたいなもので
嫌が王にも知的好奇心をビッシビシ刺激される。
世の中知らない事だらけだけど
よくもまぁ、こんな凄い事実を織り交ぜて
書けるもんだと関心する。

それにしてもダ・ヴィンチ=画家という認識を
完全に覆されたな。
それまで画家だけじゃなく
幅広く人体や科学に精通していた人だとは思っていたけど
画家は単なる彼の一側面でしか無かったということか。

この本が映画化されると聞いたけど
果たしてこのインテリジェンスをどう映像化するのか?
無理だろうな。
それを差し引いても、立派にエンターティメントとして
成立するだけの面白さはあるけどね。

2005年02月23日(水)



 短いミーティング


16日の日記で書いた【ある人】と
夕方に待ち合わせて初のミーティング。
ガッツリ時間を取るよりも
短いミーティングを頻繁にやる方が好みだし
実際、効率もいいので
馴染みのカフェでサクっと対面。

「二人だと緊張するので・・・」と
ビールを煽って待っていた彼女。
また意外な面を見た感じ。
旧知の仲なので、実際には緊張などしないのだけれど
改まって会うのは確かに妙な感じがする。
これまで仕事を通して
オイラが一方的に喋る側で
彼女が聞き手側だったので
それが並列に並んで何かを企てようとするのだから
その違和感は多少あるのかもしれない。

いつ
どこで
何をやるかの、
「いつ、どこで」はもう決まっている。
本題の「何をやるか」を話合うためのミーティング。
ひと口に【平和運動】と言っても
誰に向けて発信するのかで内容も大きく変わる。
思いつくままに言葉を投げていくうちに
自然と「子供たちだよね、やっぱり」という流れに。
しかし、子供たちが自発的に
平和運動の場へ足を運んでくれるわけじゃない。
その父親や母親たちが興味をもってこそ
はじめて子供たちの顔がそこに見えてくる。

好きなTV番組は、子供たちが自分で決められるけど
そもそも親がTVのスイッチを消してしまったら
そこには何も無いのと一緒。
せめてスイッチを入れさせる、
このチャンネルは見てもいいよ、
と思わせることが必要かも。

あっという間の2時間。
それぞれの考えを合わせてみて
大体の方向性が見えた。
宿題、課題もできた。
次回に日記を付けるときには
もうちょっと具体的に書けるかもしれない。


2005年02月22日(火)



 別腹(べつばら)


ノブ・モーリーとランチ。
スタジオの一階【スシ・タイム】で働く友達のジョバンニが
長年働いたそこを、もうすぐで辞めてしまうので
顔見せがてらにランチを食べに行った。
デザートに抹茶アイスをもらう。

スタジオに戻ってノブが制作した
【笑和ショー】の販売用DVDのパッケージをデザインする。
と言っても、チラシで使ったデザインを
ちょこっとレイアウト変更しただけなんだけど
プリントアウトしてDVDケースに入れてみたら
これがビックリ!
ちゃんと商品ぽく見えるじゃん!?
凄い、(ダサ)カッコイイ!
二人で盛り上がる。

調子に乗って【笑和ショー】のポスターも印刷。
あのアンディ・ウォーホルとバスキアが行なった
ジョイント展覧会での通称【Boxing Poster】のパクリ。
お笑い vs アートの対決を連想させる。















ポスター用に日本語でキャッチコピーを入れよう
ということで、幾つか案を出し合った上、以下に決定。
「過去 いま 未来
  気持ちいい?」
超、意味不明。
しかし、取りようによっては深いのだ、これが。

いつの間にか、外は大吹雪。
雪がガンガン積もりそうな気配だ。
Bloor x SpadinaでR子と待ち合わせ
インド・ネパール料理を食べに行く。
彼女の奢り。
実は雑誌の懸賞で、ここの食事券が当たったのだ。
きっと二人じゃ食べきれないと見込んで
同級生だという仲のいい友達を招待。
カレーやらチキンやらを適当にオーダーしたが
予想を超えて3人でも食べ残してしまった。

止む気配のない雪を見ながら
近所のカフェでまったりする。
雪見だ、雪見。
暖かい部屋の中から、吹雪を眺める。
北国に住んでいて、本当にいいなと思えるひと時。

しかし、女の子はスゴイ。
あれだけ食べたのに、デザートにケーキを食ってる。
お友達曰く、別腹(べつばら)は実在するのだという。
TVの検証番組で
満腹の人の胃をレントゲンで撮って
それからデザートを見せたら
その瞬間、ポコっと胃に空間が生まれたらしい!
驚嘆の事実だ。
脳に刺激が云って、胃が拡張するのだ。
そう言われると思い当たる節はあるな。

胃だけに限らず、視覚から脳に伝達されて
身体の機能が反応することってよくあるよね。
レモンを見ると酸っぱさを連想して
唾液が分泌されるのとか、
それまで空腹感がなくても
美味そうな匂いをかぐと、急にグ〜っとお腹が鳴ったり。

でもオイラは、デザートを見ても反応が無い。
男の人って結構そうじゃん!?
体の摂理に反してるというか
つまんない生き物だよね、男は。
女の子の方が変化に素直な分、
人生に楽しみが多いような気がする。
食べ物もそうだけど
泣いたり、笑ったり、感情を表に出すのもね。

オイラが描く絵に女性が多いのは
男性に比べて女性の方が
感情の変化が外面的にものすごく把握しやすいから
ってのが理由だったりする。
要するに、描きやすい、絵にしやすいってこと。



2005年02月20日(日)



 昭和40年代


昭和40年代に生まれた日本人を対象に
親睦会を開こうと友人のS女史が企画。
バッチリ、オイラも40年代入ってます。
Bitsなどの誌面を利用して宣伝したら
すごい反響があったらしく
何と、30人近くが集まった。
キャンセル待ちも出たらしいぞ。
何のイベントだよ?って感じだけど。

昼過ぎからキャンバス貼り+ジェッソ塗りに
没頭しすぎたオイラは、1時間遅れの夜7時、会に合流。
うわぁ〜、すんごい。
30人も集まると、ちょっとした団体だ。
ワーホリ最終組や
学生、インターン、
もちろん移民やワークビザでカナダに滞在する人々。
全員30代ということもあって
場は落ち着いた・・というか、渋い。
渋い空気だ。
熱海へ行く温泉ツアーか何かの雰囲気も漂う。

「遅いですよー!」とS女史に怒られ
そそくさと空いてる席に座る。
ゲッ、名札付けるの!?
見れば、皆の胸にはしっかりと名札が付いている。
カズさんやジョバンニまで・・・。
うーん
こういう場では「トモレノン」と書くのが躊躇われる・・。
誰も顔は知らないだろうと思いつつ
本名を書こうと思ったら
横でS女史が
「画家のトモレノンです」
って紹介してるじゃーん(凹)
よって自動的に名札にはトモレノン。
禁酒中のためダイエット・コークを飲んでいると
「あの・・、ニューヨークでこれ見ました」と
ある女性が新聞を手に寄ってきた。
【Daily Sun】じゃぁないですかっ!
12月30日号、オイラが表紙になったやつだ。
嬉しいけど、何でそれ持ってきてんのさ?

9対1で圧倒的に女性が多く
座ったテーブルに男はオイラ一人。
これって、もしかして合コン!?
自慢じゃないですが、
生まれて一度も合コン行ったことないです。
ただ縁が無かっただけです、ハイ。

相変わらず渋い空気を
どうやって泳ぎ出そうか迷っているところに
救世主が登場!
S女史の亭主であるKさんだ。
カナダ生まれで、ほとんど日本語を話さないので
ちょっと場の雰囲気に飲まれていた彼。
音楽やアートなど、共通の趣味が山ほどあるので
自動的に二人だけの空間が出来あがる(笑)
無人島で出会った、久々の人間のようだ。

やや暫くして、一次会がお開き。
しかし20名ほどがまだ飲み足りないというので
二次会の場所探しを命ぜられる。
ここはオイラのお膝元、Queen Westだからか?
何軒かTELして、知り合いのスシ・バーを確保。
ぞろぞろと歩いて移動する。
人は何の集会だろう?と思うだろうね。

二次会でもKさんとトークに花が咲く。
タバコで外へ出る時も一緒。
周りを見渡すと、それぞれ相手を見付けて
既に打ち解けた雰囲気を作り出している。

R子から、もうすぐこっちに着くと電話が入って
それを合図に一足先に離脱する。
それまでずっとKさんとマンツーマンだったので
40年代会っていうよりは
Kさんと飲みに行っただけのような気がする。
しかし、この会は来月にも開催されるようだ。
対策を練らねば。


2005年02月19日(土)



 結婚の美術担当


友達から「結婚する」とメールがあった。
トロントで知り合った友達で数えたら
何人目になるだろう?
たぶん、右手から始まって
もう左手の真ん中くらいだ。

そして、お祝いとして絵を注文されるのも
ほぼ同数になるだろうか。
まるで映画を作るなら
美術担当:トモレノンだな、みたいな
暗黙の了解が友達の間であるのだろうか?

いずれもオイラがまだ絵で食えずにいた時代の仲間だ。
売れない頃を
彼らが支えてくれたとは言わないが(ヒドイ)
それでもポストカードを買ってくれたり
ショーの手伝いやボランティアをしてくれたり
何かとサポートしてもらってたことは
時にはお金以上のありがたさで
オイラを何度も救ってくれた。
一生忘れることはないだろう。

また、時には
周りの友達に知れ渡るまえに
こっそりと「結婚するんだけど・・・」と
絵の相談を持ちかけられたりもする。
そうなると
罰せられることのない重大な秘密を共有する
奇妙な連帯感も生まれる。

我ながら幸せなことだと、その知らせを受け取る度に思う。
一生に一度(多くの人にとって)の儀式に
ささやかながらオイラの作品が一役買える幸せ。
考えようによっては
その人の人生の一部になるのと同等ではないか。

午後、Bloorのカフェでその
半年後には新郎・新婦と呼ばれるであろう二人に会う。
トロントに来た一年目に出会った友達は
ほとんどが移民となってカナダに留まっている。
こんなに長く居て、移民じゃないのは
オイラただ一人だ。
そして年齢が違っても皆、タメぐちで会話する。
一見、「人生百戦錬磨」に見える彼女も
まだ二人で並んで座るのが照れくさいのか
初々しいほどの気遣いを相手に見せる。
へぇ〜、意外だ。
でも、一体どんな絵を二人が望んでいるのかは
その場の空気を吸うように、スッと肺に入ってくる。

美術担当は、決してメジャーなポジションではないが
ガンコな職人みたいに「オイラに任せとけ」っていう
経験で勝負みたいなところがある。
わずか30分ほどで話をまとめる。
あとは良い絵を描くだけだ。



2005年02月18日(金)



 読書の環境


今日、R子がロンドンから帰ってくる。
空港へ行くまで時間があるので
久々にケンジントンへ足を伸ばす。
【Kara】でコーヒーを飲み、DianとKimとお喋り。
彼らの地下室が空くので、そこにスタジオを移さないか?という。
地下室といってもバレー・コート2面くらいは取れそうな広い部屋。
おまけに天井も高いし、キッチンもある。
金額は、絵のトレードも換算して
びっくりするぐらいの値段でいいという。
(今のオイラの家賃に数百ドルのプラス)

かーなり魅力的な話ではある。
一階がカラオケ屋で、深夜はちょっとうるさいというが
それでもQueenに住んでいて
24時間、路面電車の音と
週末のクラブの馬鹿騒ぎと
横のブルース・バーから流れてくる大音量に
慣れているオイラからすれば
さほど大きな問題とは言えまい。

でもなぁ、今年のオイラの目標は
パトロンに無料で住居を提供してもらうことだから
いくら広くて快適でも
家賃を払ってまで引越ししようとは思わないんだよ。
でも、話のタネに一度見に行くことにした。

夜9時、空港へ向かうには少し早いが
読みかけの本(村上春樹【シドニー】)を読破したいので
早めに行ってコーヒーでも飲みながら読書しようと
静かなひと時を求めて空港に着いたオイラだったが
何と、コーヒーショップはおろか
売店すら開いてないではないか!
こうなると俄然、空港なんて単なる陸の孤島じゃねーか
と思えてくる。
別にコーヒーが無くたって本は読めるが
喉が渇いたとか、そういう問題ではない。
ページを捲る合間にコーヒーをすするという行為、
その二つが合わさってこそリラックス空間なわけだ。
無一文ニューヨーク旅行じゃあるまいし
無機質な待合席に座って
飛行機が着くまでじーっと本を読んでるだけなら
ぐるぐると周るシャトルバスの中で読んだ方が
まだシチュエーションとしては合格だ。

ブツブツ言いながらも、結局はそこで
皮に似せたビニールシートに座って読んだ。

予定より、やや時間が経ってからR子が出てきた。
ゲートはさほど混み合ってはいない。
いとも簡単に、その小さな身体を発見。
疲れたのだろう、髪の毛の艶は失せ、
顔色もあまり良くない。
聞けば、ロンドンに飽きてアイルランドまで足を伸ばしたらしい。
とんぼ返りでロンドンに戻って、
トロント行きの飛行機に乗り込んだという。
あれだけ「アイルランドは俺より先に行くなよ、
俺の行きたい国ベスト3だからな」と言ってたにも関わらずだ。
かなり嫉妬する。

ちなみにあと2つは
アイスランドに
フィンランドだ。
3つとも【ランド】が付いてる。
しかも、みな北欧(圏)。

お土産に、今最も気になっている作家の絵本
Raymond Briggsの【スノーマン】なつかしい!を貰う。
流石、分かってるね。と言いたいところだが
これってロンドン土産かい?

オアシスで就寝。


2005年02月17日(木)



 窓辺のひまわり


「色んな事をやってますね」と言われる。
今だと特に、部屋のデザインだとか
ノブモーリーのお笑いイベントに出たり
アートと関係ない事やったりしてるし。
それでも、オイラ的には3つの柱を立ててアート活動してるつもり。

一本は自分の絵を展覧会で発表すること。
一本はキュレーションや記事を書いたり、アート自体を支援する活動。
一本は【Let's Have a Dream】に集約される平和運動。

最後の一本、長らく休止していた平和活動を
再び進めていくことにした。
「〜ことにした。」というのは
これから何か考えますということではない。
やる!見通しがついたということだ。

平和運動は他人まかせじゃ気が済まない。
そのことをNYで黒田征太郎さんに会って自覚した。
やっぱりオイラの中には、その血が流れてるんだなと
それまで蓋をして薄っすらと埃をかぶった
「平和」という名の箱を
もったいぶらずに開けてしまえ!と思ったのだ。
開けないと中身が腐っちまうぜ、と。

しかし
やった事がある人なら分かると思うが
平和運動にはお金が掛かる。
プラカードを持って、ビルの前でデモをするわけじゃないのだ。
それなりの費用と、時間と、労力を投入しないと出来ない。
【Let's〜】を休止しているのもそのためだ。
自己資金で賄えるくらいに自分がビッグになったら再開しよう
そう思って、蓋をかぶせて押入れにしまっておいたのだ。

トロントに帰ってから暫く考えた。
自分のやりたい事と、出来ることをすり合わせるため。
今の自分が出来ること、出来る範囲で
小さいながらも継続してやっていけるものを。
その小さな流れが、やがて【Let's〜】という大きな潮流になり
いつかは【ノーベル平和賞】を・・・
史上初の辞退!してやるんだという意気込みで(マジで)。

そしてオイラはまず、ある人に連絡を取った。
文字を書くことを仕事としている人で
内面にある種のドグマを抱えている人だ。
彼女の書く文章はとても詩的で、時に幸福、時に絶望を味わう。
まるで誰も見たことのない世界の果てを
ファインダーで覗いてしまったかのように
彼女の文章は剥き出しに綴られている。
常々、いつになったら本気で
この才能を自分の名刺に刻み込むんだろうと思っていた。
その名刺で世の中に出て行くべきだと
言うチャンスもなくここまで来てしまったけど。

それから幾度かメールをやり取りし
おぼろげながらも着地点を見い出したところだ。
オイラ、文章を書くのは好きだけど
それが人様にお金を払って頂くほどのモノではないと自覚している。
餅は餅屋で、自分は絵という専門分野で表現し、
この人が文章を受け持ってくれるなら
今考えられる最高の条件で平和運動を再開できる。

開けた平和の蓋が閉じてしまわないように
ひまわりの種とともに窓辺に置く。
きっと夏頃には見事な花を咲かすだろう。


2005年02月16日(水)



 Gladstoneホテルの葛藤


Gladstone ホテルにて第一回目の打ち合わせ。
アシスタントとして建築学校に通う隣人アツシと
そのまた卵、マスミを連れて行く。

それまで電話のみで話していた
責任者のスワンと初対面。
作業着に身を包んで
いかにも【現場監督】って雰囲気を漂わせている女性。

いよいよ実際に部屋を見て
どの部屋を手掛けるかを検討する。
もう館内大改装といった雰囲気で
職人達があちこちで作業をしているけど
以前とは見違えるほどキレイになった館内に驚く。

歩きながらスワンと打ち合わせを続ける。
オイラの【巨大繭玉】のアイデアは
会議の段階では絶賛だったらしいのだが
物理的な問題で断念する方向へ傾く。
え!?そうなの?














主だった理由として
破損した場合に取替えが効かないことと
日々のメンテナンスが難しいことが挙げられる。
確かに、宿泊客がどういう行動に走るかは予測できないし
あのデザインがそれを誘発させる可能性は否定できない。
数日間のアートショーだったら完璧だけど
実際にそこに人が泊まり、
何年も同じコンディションを保つのは
確かに難しいだろうね。

壁面のペインティングも「キュートすぎる」という理由で
縮小もしくはデザイン変更を要求される。
うーん、【巨大繭玉】もダメ、壁面も変更となると
オリジナルのコンセプトからどんどん遠ざかってしまう。
せっかくアーティストを使って部屋をデザインするのなら
そのくらいは飲んで欲しいよな。
ちょっとイライラする。

3、4階の各部屋を見て廻り
それぞれに順位を付ける。
他のデザイナーとバッティングした場合の予備だ。
オイラが一番気に入ったのは
南向きの明るい窓と、レンガの壁がある408号室。
広すぎず、狭すぎず丁度良いサイズだ。
しかし、コンセプト自体が変更されるので
自分でもハッキリと確信が持てないまま
単に好みだけで選んだような気がする。












一階ラウンジに戻って
今度はテーブル上で議論する。
インテリアデザイナーではないので
専門的な事はよく分からないが
お互いの求めている事が相対するものであると認識する。
オイラはコンセプトありき、だ。
Room designed by tomolennonと表記される訳だから
やっぱり一環したコンセプトに基づき
自分で恥ずかしくないデザインをやりたい。
それはホテル側も理想とするところだ。
しかし、理想と現実は違う。

外には「アーティスト達がデザインした部屋」と理想を謳うが
内情は、いかにリスクを減らし
実用的でメンテナンスに手間の掛からないものにするかを
第一優先で考えているようだ。
それだったら、いっそのことアーティストになんか
デザインさせなきゃいいのに。
でも、分かるのだ。
【それ】をリニューアルの売りにしたいんだから
今更「普通」のデザイナーに発注は出来ないと。

プロ、アマ問わず70組以上の候補者の中から
わずか14人だけが最終的に選ばれた。
その一人として、オイラは恥ずかしくない仕事をしたい。
ここで

「やっぱ辞めるわ」

と言えたらどんなに楽かと思うけれども
一方では、与えられた条件の中でツッパッて
最高の仕事をした方がカッコイイと思うところもある。

5年前、英語も喋れずにトロントに来たオイラが
今ではアーティストとして飯を食っていけるようになって
今また、ホテルの部屋をデザインするなんていう
その分野の人が聞いたら嫉妬するようなチャンスに恵まれて
これ以上、文句なんて言ったら罰が当たる。
何に対してツッパるか?が昔と今では全く違う。

そう思ったら、何故かポジティブな気持ちになってきた。
【巨大繭玉】はダメになったけど
壁面の縮小プランと、第二候補として温めていたデザインを
この代替案として提出することにして
今日のミーティングは終了した。

カフェに立ち寄り、建築を勉強している2人からの
アドバイスを受けようと
どんなデザインがいいか?
また、自分だったらどんな事をしたいか質問をする。
自分で言うのもイヤラシイが
オイラの発想の豊かさには誰も敵わないな、と思った。
2人に対してだけでは無い、
これまで色んな異分野の人と交わってきた中で
オイラよりも斬新で、現実的で、なおかつ速く
いくつものアイデアを出せる人なんて居なかった。
居たらもっと謙虚になれてたはずだ。
ホント嫌な奴だね。
でも
人がオイラに対して
「根拠のない自信満々」と言うが
根拠はそこなのかもしれない。
人がどう言おうと
オイラが自分の将来を信じて疑わないのは
その発想力がケタ外れだからだ。
この妄想は年々ひどくなっていく。
10年後には、妄想を通り越して
それで食ってるかもしれない(笑)


2005年02月15日(火)



 自信と不安


レンタルビデオで【松紳】を借りる。
言わずと知れた松本人志と島田紳助のトーク番組だ。
初めて観た。
紳助のトークってすごい。
面白くない(笑えない)のに説得力がある。
なぜだろう?
松っちゃんは、ずるいタイミングで笑いを取る。
いつも通り。
ふんふん、と観ていると
驚くべき発見があった。
二人に共通する喋りの理論ていうか
文法みたいのがあるね。
同じ仕組みやん!ていうのが。
ま、天性なんだろうけどね。
その理論通りに組み立てても
喋る人が違ったら全然ダメかもしれないし。

さて、昨日はちょっと休んだし
今日からまたバリバリやらねば!
NYへ送らなければいけない絵が二枚ある。
一枚はもう完成間近で
あと一枚はまだアイデア出しの段階。
二つとも、あっちでお世話になった方達からの注文だ。

オイラが絵を描く時も
ある程度、理論ていうか仕組みみたいなものがある。
これまで積み上げたものに乗っかって描くタイプの絵と
そこから離れるためにチャレンジを課すタイプの絵だ。
行き先が決まっている場合
おのずと守りに入ってしまいがち。
それはやっぱり、相手が求めるものに答えようとするから。
これには、あまり当たり外れがない。
言ってみれば鉄板だ。
一方で、チャレンジしたやつは
己の満足感とは裏腹に
どこか自分では無いような薄ら寒さが付きまとう。

でも、過去の作品を見返すにつれ
そういった「薄ら寒い」作品こそが
キャリアの幅を広げ、境地を開拓してきたことが分かる。
別の言い方をすると、オイラの歴史のポイントとなる
大事な作品になっているということだ。
だから今回、NYに送る作品は
チャレンジしたやつでいくことにした。

自信満々で描いたものは
以外とすぐに色褪せてしまう。
「あれ?大したことないかも・・・」って。
その時は不安でしょうがないモノに限って
後々、それが大きな自信になったりする。



2005年02月14日(月)



 搬入


搬入終わった〜!
2年ぶりの【College Street Bar】での展示。
壁の色など、所々リフォームしてあって綺麗になってた。
オーナーのマリーンさんは
オイラの絵のファンでもあるので
「リアルタッチになったわね」とか
絵の感想を色々と言ってくれる。










手伝ってくれた慎也さんも、この場所を気に入った様子で
マリーンにスケジュールを伺っていた。
奮発して大量に絵を持っていったので
かなりギッシリと壁を埋め尽くしたな。
ちょっとした個展て感じ。

夕方から4時間くらい寝た。
もぉ〜本当に体がシンドい。
でも搬入も終わったし
何だか休み前の子供みたいな気分なんだよね、今。
そうは言っても
実際には休日なんて無いので
ポツポツとWEBサイトの更新(全然してなかった)とか
友人の文章に目を通したりとか
普段、余裕がないと出来ないことをやり出す。


2005年02月13日(日)



 ベッドで寝たい


朝9時まで描いて
そのままソファで居眠りしてしまった。
腰が猛烈に痛い!

午後、ノブモーリーとの待ち合わせを一時間ずらす。
3月末に開催の第三回
【Showa Show】にゲスト出演するんだけど
個人的に知り合いである某漫画喫茶に
そのスポンサーをお願いをしている。
今日はノブを一緒に連れて本格交渉。

決まった!
かなり良い条件+アドバイスまでもらった。
ノブは初めてのスポンサーということもあり
かなりご機嫌な様子。
調子に乗って、二軒目に行ってみたけど
残念ながら担当者が休みだった。
今日はこれで良しとしよう。
帰って絵を描かねば!

搬入は明日の午後1時なので
今からだと残り時間は18時間ほど。
3枚目が7割方、4枚目がまっ白な状態。
これは手強い。

頭で考えるより
手を動かす時間が長くなってきた。
普通は逆なんだけどね。
いつもは、じーーーっと考えるのが長くて
描き始めたら早いんだけど
今日は筆が乗らず
塗り直しや、塗り潰しが多くなってきた。
まずい兆候。

深夜3時、気分転換に夜食を食べながら
隣人AとGladstoneホテルの
デザインについて打ち合わせ。
あの【巨大繭玉】は
かなり実現は難しいデザインであると判明。
材料費は出るので
無理すれば業者発注できない事はないけど
もっと実生活に適した改良を派す必要があるな。

朝7時、ついに4枚目が完成!
おぉぉ、手首が完全に固まった。
動かすだけで痛い。
無理して描く代償は、決して少なくないよな。
腰に、手首に、睡眠不足・・・。

さて、まだ寝れないです。
それから作品全部の梱包、
ガラスが入ったやつは埃をふき取る。
全てパッキングしてから
今度は値段ラベルの印刷や
壁に貼る解説シートの制作。

あぁ、あと2時間で昼だ・・・。
2日間、ベッドで寝ていない。



2005年02月12日(土)



 大人なメンツでディナー


目を開くと、そこには描きかけのキャンバス。
どうやらソファで寝ていたらしい。
寝起きでキャンバスを見るのはキツイ。
早速、気に入らない部分が目に付き
タバコを一服しながら手直しする。

シャワーをぱっと浴びて
それからまた描き出す。

GladstoneのクリスティーンからTEL。
例のホテル部屋をデザインする件で
どの部屋をチョイスするかという質問。
出来れば一番大きい部屋がいい。
本当は今日、ホテルに下見に行くはずだったけど
絵が押してるのでキャンセルした。

3月半ばに始まる【Toronto Art Expo】の
電源やらゲスト用招待券の書類を受け取る。
そうか、あと一ヶ月しかないじゃん!
すっかり忘れていた。
それ用の作品もそろそろ描き始めないとヤバイ。
ニューヨークで描いた作品がたっぷりあるけど
それは展示しないつもり。
パステルだから、全てガラス入り額装しなきゃいけない
っていうのもあるけど
春先に個展っていう形で一気に発表したいのが理由。

夕方、Bitsの入稿日なので
オフィスに少しだけ顔を出す。

今日の夕食は
慎也さん、Kさん、Mちゃんと
ちょっと大人なメンツで
ノブモーリーが働いてる【NINKI SUSHI】へ行く。
彼曰く、
夜は暇で【INKI(陰気)SUSHI】になるというイカした寿司屋。
皆がビールを飲む中
オイラはお茶で我慢。
帰って絵を描かなきゃいけないからね。
酒がダメなら、腹だけでも一杯にしようと
チキンカツカレーを注文。
う〜ん、微妙。
そもそも寿司屋でカレーってのが間違ってたか。

食後にコーヒーを飲もう!ってことで
Mちゃんオススメの
Eatonセンター内のステーキハウス【Baton Rouge】へ。
てか、何でステーキ屋なのさ?
「雰囲気が良く、テーブルも広くていい!」とのこと。
寿司屋のバイトくんも仕事を終えて合流。
ウェイトレスの
「え、ほんとにコーヒーだけ?」っていうプレッシャーを
物ともせず、ゆったりした雰囲気の中でくつろぐ。

さて、深夜になる前に帰らなきゃ。
一足先に帰宅してキャンバスに向かう。
お腹一杯で気持ち悪い・・・。



2005年02月11日(金)



 ロンドン


今日から一週間、R子がロンドンへ旅行に行く。
大学卒業前の、最後の春休みだ。
アイスランドへ行きたいと言っていたのに
何故かロンドン。
羨ましすぎる。
ロンドン・イングランドといえばビートルズ。
そうさ、ビートルズのHomeさ。
オイラは未だ足を踏み入れていない聖地さ。

R子はビートルズに無関心で
【ストロベリーフィールズ】や
【アビーロード・スタジオ】さえも行く気が無いらしい。
ビートルズ巡礼を外せばロンドンの魅力も半減だと言うのに。
そんなR子を空港で見送り、ダウンタウンへ戻る。

日曜日から始まる【College〜】でのショーのため
4点の新作を描いている。
描いている、というか
描き上げる予定・・・。
今日から3日間が勝負だ。
1枚はほぼ仕上がり
これから2点目に取り掛かる。











もう朝。
2点目が7割方に達するので
同時に、3点目にも取り掛かる。

時間がないというより
きっと技術が足りないんだな。
頭に思い描いたヴィジョンに
色や形が到達するまで
紆余曲折、たくさんの回り道をする。
ストレートにそこに到達するには
やはり技術が必要だと痛感する。


2005年02月10日(木)



 【via JAPON】に決定










スタジオから10分くらいのところに
R-shopというカフェがある。
家具屋(って書くと陰気だが)に併設された
小さなカフェだ。
写真家であり、友達のMが
切り盛りしているのは知っていたが
長い間、未攻略だった。
多分それは【夜行性トモレノン】ゆえの問題であり
昼間のみ営業というR-shopの問題ではなかった気がする。

さて店内、ワーホリの女の子(清楚な感じ)たちが
生真面目に動き回っている。
それだけで清潔感を感じるというのは
いかにカナダ流小汚さに馴れてしまったかを物語る。
カフェの判断基準は、やはりコーヒー。
ほほ〜ぅ、美味い。
細挽きエスプレッソタイプの豆を
スチームで抽出するスタイルだ。
それからMが
【カツサンド】や
【ジンジャーアーモンドチキン】や
【インド風カレー】を次々と出してくれる。
どれも美味い。

普通、軽食が取れるカフェというのは
料理とコーヒーの美味さが反比例だったりするが
ここは両方とも一定の基準(オイラの)を満たしている。
へぇ〜。
ウチからも近いし、あとは営業時間が延びれば
かなりの確立で常連なんだけどなぁ。
惜しい。

夜7時、Rafiとミーティング。
例の浮世絵プロジェクトのタイトルが正式に決まった。
題して

【via JAPON】

飛行機の日本経由トロント行きみたいな感じで
オイラが描いた絵が、一旦日本のフィルターを通って
出てきたようなイメージ。
JAPANじゃなくて、JAPONなのは
別にフレンチとは関係ない。
単に音が良かったから。
ヴィア・ジャポン!
って語感がいいでしょ。

あとは今回作ろうと思っているカタログについて。
出版業界は常に不況なので
おいそれとホイホイ出版してくれるところなんて無い。
前途はかなり厳しいと予想される。
とにかく展覧会用の作品を作って
一軒一軒当たっていくしかない。


2005年02月09日(水)



 ホテル客室をデザインする!


Rafiとのミーティングをキャンセルし
電話で簡単に打ち合わせるだけにする。
とにかく描かねばならんのだ。
2枚の絵を同時進行。

1枚は来週から始まる【College〜】用のもの。
1枚は【浮世絵プロジェクト】用のもの。
技法、支持体など2つともスタイルが異なるので
休憩を挟みつつ、頭を切り替えて進めなければならない。
これが以外とシンドイ。

Gladstone HotelのクリスティーンからTEL。
150年前に建てられた、トロントの歴史的建造物である
このホテルは昨年、大富豪によって買い取られ
大リニューアル準備中なのだ。
その一環として、50を超える客室を様々なアーティストが
デザインするというプロジェクトが浮上。
オイラはその一人として選ばれ、簡単なラフスケッチを提出し
この度、正式にそれが受諾される運びとなった。

一瞬「マジかよっ!?」と
驚きと同時に、一抹の不安が過ぎった。
何故かと言うと
オイラの提案したアイデアは
部屋の中央に、ベッドを覆うようにして巨大な繭玉が発光するという
かなりイケてるが、はっきり言って突拍子も無いものだからだ。
クリスティーン曰く、

「こんな斬新なアイデアを提示したのは
あなただけよ。皆、すごく期待しています」

えぇ〜、マズイよそれは。
そう思いつつも、引き下がれないのがオイラ。

「ホテルを代表するような部屋にするんで、ヨロシク」と
よせばいいのに快諾してしまった。

もう悩んでもしょうがない。
又とないチャンスであることには変わりないし
やるしかないのだ。
隣人A(建築、IDを勉強中)を引っ張り出して
デザイン具体化のための相談をすることに。


2005年02月07日(月)



 後遺症


昼前に目覚める。
体中が痛い。
筋肉痛が直後にあるってのは、体が若い証拠って言うけど
はぁ〜、若いのか若くないのか、とにかく気力が無い。

スタジオの大家から「鍵開けて」と連絡があったので
一旦家に帰る。
ピンポーン!とベルが鳴ったので
大家だと思いドアを開けると
そこには見慣れないカナディアンのカップル二人が。
先日「絵を見にスタジオに行きたい」と連絡をくれた人だった。

アポ無しで来るなよ、オイ!
と思いながらも30分ほど待ってもらい、中へ。
オイラも常にアポ無し人間だから、人の事は責められない。
【Till there was you】が目当てだという二人。
かなりデカイし、値段も張るので
とにかく見るだけでもイイから、と訪問したらしかった。

彼氏は文筆家。現在二冊目の著書に取り組んでいる。
トロント大学などで講演多数。
彼女はインテリアデザイナー。
偶然にも、オイラが関わっている極秘プロジェクト(インテリア関係)
の関係者であることが判明!
俄然、盛り上がる。

どうしても【Till there was you】が欲しい!という二人。
いくら気が合って、盛り上がったとしても
オイラにとって大事な作品であるから、値引きは出来ない。
しかし、漠然と2004年の作品は全部売ってしまいたいと
考えているオイラは、いくつかの条件を提示。
それを二人が飲む形で、ついに手打ち。
目出度く【Till there was you】を御購入となった。

それにしても、お互いラッキーだなと思った。
たまたまオイラが帰ってきたから会えたわけだし、
オイラもまさか今日、絵が売れるとは思ってなかったし。

R子と待ち合わせて、カズさんの家へ遊びに行く。
いや、遊びじゃないや。
最近オイラ達の間で密かに研究を進めている
「シュークリーム」の試作、試食のためだ。
何のため?
ははは、一発当てるためです(笑)

夜、一人スタジオに戻って画家モード。
スキーに行って、一日ロスしたんで
ハイピッチで作業を進めなければならない。
細部を描き込んでいる時
ずっと腕がピリピリと震えている。
筋肉痛のせいか?
今夜は寝ないつもり。
体がもてば・・・。



2005年02月06日(日)



 ゲレンデの酔っ払い


Bits主催のバス・ツアー。
昨年に続き、今年で二回目。
絵の方が追い詰められてたんで
実のところ「キャンセルしようか?」と思ったんだけど
この企画自体、言い出しっぺはオイラなんで
責任果たさなきゃな、と。

昨夜、ノブモーリーの焼酎で眠れなくなり
【北の国から】を明け方まで観て、そのまま出発。
朝7時にYonge x Bloorに集合してバスに乗り込む。
47人乗りの大型バス。
司会のクミコが喋り出してから、速攻寝る。

3時間後、Blue Mountainに到着。
驚くような快晴!
雲ひとつない。
眠さと二日酔いから来るダルさを何とか叩き出し
いざゲレンデへ。

参加メンバーは、それぞれバラバラに散っていく。
オイラはカズ、清美さん、シホさん、イオリン、ノブモーリーらと
至近のリフトからチャレンジ。
尾根を伝うように、横へ横へと移動していった。

雪のコンディションは「やや悪」。
アイスバーンの上に、さらさら雪が乗っかってる感じ。
何本か滑るが、一向に調子が戻らない。
一年のブランクか、
それとも寝不足か、二日酔いか、
はたまた年齢から来る衰えか(!)

ゲレンデで「トモレノンさんですか?」と声を掛けられる。
結構日本人も来てるんだなぁ。
偶然、SUZUKIカナダの社長にも出会う。
せっかくなんで、皆で一緒にランチを食べる・・・いや、
食べる前に飲む。
ビールをジョッキで2杯。

この時点で、もう復活は無理だろう。
体内にはたっぷりとしたアルコールが沈殿しているのだ。
それからは、Enjoyモードに切り替え
ハーフパイプに突入して、ジャンプ→脳天から着地
ノブモーリーとスピード競争したりして
かなり適当に楽しむ。
アスリート根性の欠片もない。

夕方までタップリ滑って、ロッジに戻って再び飲酒。
もう飲みっ放し。
若い頃は、ゲレンデで酔っ払いを見るにつけ
「こんな大人にはなりたくない!」と思っていたが
いざそうなると、平然と
「飲んで滑るから楽しいんだよ」とのたまうように。
最悪だ。

夜、8時半にトロント到着。
そのまま皆でディナーへ雪崩れこむ。
オイラは味噌ラーメンを、皆もカレーやらカツ丼やら
日本でスキーに行ってたら、ロッジで食うであろう品々を注文。
やっぱ、こっちのスキーって食事がダメだよね。
ピザとかホットドッグじゃ、雰囲気出ないもん。

その後、早くも体が筋肉痛を訴えてきた。
家に帰って寝ようかと思ったけど
オアシスに直行して爆睡。



2005年02月05日(土)



 手土産に焼酎


明日、トロントから3時間の所にある
Blue Mountainというスキー場にスノボしに行きます。
なので、今夜は早めに寝ようと思っていたところに
再びノブ・モーリーが登場。
手土産に焼酎【時代蔵】を持参で・・・。
てか、ノブも明日のスキーに参加だよね?
バスの中で司会&漫才やるんだよね?
「いやいや、大丈夫っすよ。焼酎は次の日に残らないから」
とか何とか言って、隣人Aに酒のつまみを発注してる。
恐るべし。

結局、ルームメイトも交えて酒盛り大会へと突入。
ノブのトークが白熱してきた。
そうか
愚痴りたい事があったのね。
毒舌、爆笑トークは4時間に及んだ。
合間に、紀州の梅干を入れたお湯割りで、焼酎をいただく。
笑いすぎて腹が痛くなってきた。

「もう帰る」
と言いながらもズルズルと滞在し
深夜にやっと帰宅。
何も準備をしてないオイラは
とりあえずスノボのウエアだけを引っ張り出して就寝。

・・・・。

眠れない!
焼酎が効いたのか、普段寝る時間じゃないからか?
とにかく1時間、布団の中でもがいたけど
頭は覚醒するばかり。
起床時間の5時30分まで、あと4時間もある。
う〜ん、どうしよう。

焼酎の残りをチビチビとやりながら
【北の国から'83 冬】を観る(笑)
あどけない蛍の演技に、またも涙!
しかし、飲酒+不眠でスノボ大丈夫だろうか!?
もう若くないのに・・・。


2005年02月04日(金)



 自画自賛


夜中に食べた餃子が効いたのか
何度も目が覚める。
7時ごろ、シビレを切らして起きた。
そっから怒涛のように絵を描く。
たまにね、あるんですよ。
パチッと回路がONになるように描かされる時が。
それが何時であろうと、次の日が何であろうと。
で、そういう時は
何をやっても上手くいく。
迷いが無い状態というのかな
まるで答えをなぞるようにライン(線)を引いて
初期のプロセスを4時間ほどで終わらせる。
はぁ〜。
集中してるので、終わった時にドッと疲れがくる。

昼までちょっと休んで
午後には画材屋へ繰り出し、カンヴァスを購入。
しかも3枚。
あ、そうそう昨日【College St Bar】から連絡があって
今月の13日から展示が可能になったんだよね。
本当は新作を出す予定は無かったんだけど
会場も広いし、最近溜まってる鬱憤を晴らしたいので
今日買ったカンヴァスは、それ用のものなのだ。

鬱憤ていうのは、【浮世絵プロジェクト】の事で。
頭ん中はすんごい事になってるのに
まだ一枚も完成できてない事実。
それがストレスになってるんだ。

【College〜】用のは、これまでの作風なんで
何も考えず(考えてるけど)筆を動かす事が出来る。
早速カンヴァスに下地剤を塗る。
いつもは2回しか塗らないジェッソを
3回も重ねる。
昔、アシスタントがいた頃は
それを彼女にやらせていたのだが
「私には3回塗らせるのに、トモさんがやると2回。ずるい!」
と言われていた。
もし彼女が見たら「トモさん、やる気ですね!」
と言うに違いない。
そう、やる気なのだ!










気分がノッてる時は、オイラは非常に筆が早い。
下地が乾く間もなく一枚描き始め
もうすぐ完成という所まで一気にいく。

やっぱ、これだよな。
自分で自分に満足することは大切である。
文字通り自画自賛。



2005年02月03日(木)



 50〜60歳になったら


昨晩、食事に御呼ばれしたMさんの元オフィスが閉鎖になる。
事務用品や家具など、「何でも好きなもの持っていって」
というので、お言葉に甘えて参上。

Yonge x Kingの一等地に立つビルのワンフロア。
所狭しとオフィス用品が並んでいる。
本当はソファや、机、キャビネットが欲しかったんだけど
運ぶ手段がないので、泣く泣く諦める。
その代わり、ビジネス書籍やファイル、ノート
クリップや金庫など、事務用品を大量にもらう。

二月に入って、スタジオのあるフロアに
新たに二人の日本人が入居してきた。
人見知りなんで、あんまり愛想良く出来ず。
一人の女の子は同い年ということでちょっと安心。
もう一人は、アンティークショップでバイトしてるとか。
面白い。

夜、カズさんがやって来た。
一昨日のミーティングの続きみたいな感じで
オイラなりの考えを聞いてもらう。
歳はカズさんの方が三つ上だけど
オイラ的には、タッグパートナーみたいに思ってて
ふと、将来オイラ達が50〜60歳になったら
お互いどんな立場になってるんだろう?と
想像してみる。

堅実派のカズさんに、感覚派のオイラってのは
変わらないだろうな。
カズさん→金持ちに
オイラ→相変わらず貧乏ヒマなし
ってのが妥当な線だろう。嫌だな。

もうすぐ夜中。
昨晩、Mさんにお土産でもらった餃子でも食べようと
レンジで暖めたところで、R子が突然来た。
週の前半は学校で忙しいので会わないし、
水曜日は遅くまで授業なので来ないと思い込んでいた。
二人で仲良く餃子を食べる。
夜中なのに。


2005年02月02日(水)



 食事に御呼ばれ


二月!
早いね、もう二月かよっ。

日頃からお世話になっているMさん家族と食事。
前々からずーっと誘われていたのに
全然予定が合わなかったんです。

夕方6時。
ちょっと早めに着いたんで
ビールを飲みながら、餃子を包むMさんとトーク。
去年、起業した会社の話が中心。
来月早々にも日本へ行き、営業活動をするそうだ。
地元が名古屋ということで
名古屋にいるオイラの知人を紹介したので
そのお礼も兼ねての食事会だった。

思い立ったら即行動!の人なんで
バイタリティに溢れてて、人脈の広がりも尋常じゃない。
こっちまで「起業しなきゃ!」と焦らされる。

Bitsのカズさん夫妻も合流。
娘、息子らと共に腹いっぱい食べる。
ソファに移って、大人の時間になってからも
話は尽きることなく、気付いたら深夜2時!

オイラは明日、何もないけど
カズさんはBitsの発行日なんで配達のために7時起きだ。
慌てて退散する。

2005年02月01日(火)
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