-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 律儀って、いいですね


昼よりRafiとミーティング。
昨晩のノブ・モーリーとの夜更かしが効いている。
眠い。
個展に向けて、オイラの書類関係をまとめてるんだけど
今まで雑誌や新聞、メディアに掲載された
オイラの記事を編集することになった。
掲載されたやつは一応、スクラップ状にして
コピーを取ってあるんだけど
それをコンピューターに取り込んで再編集。
これが思ったより量が多いんだ。
何とかレターサイズ5枚に押し込むのに苦労する。

それからRafiとケンジントンをぶらぶら散歩して
日本食品店【Little Tokyo】へ立ち寄る。
店長さんが「Jazz Exchangeのポスター人気ありますよ
販売しませんか?」と言う。
マジっすか?
大量に余ってます。
もう全然OKですよ、よろしく頼みます。
と言うことで、これから【Little Tokyo】で販売します。
よろしく。

Bitsにてカズさんとミーティング。
戦略的な部分で、オイラとカズさんの間に
意見の食い違いがあるので、その辺を修正。
今年、来年とBitsも変わるだろうなぁ。

本業のアートでオイラも忙しくなるし
去年みたいなスタンスでは協力出来なくなるけど
メディアが育っていく様を見届けたい気持ちは変わらないので
これからも、ぶらっとオフィスに立ち寄っては
アレコレと口を出していくのではないでしょうか。

夜、ニューヨークの【COOL】マガジンのKさんから電話。
色々とメールのやり取りで作業を進めているにもかかわらず
律儀に電話を掛けてくれるなんて
さすが【COOL】を完全自費で出してるだけの事はある。
小さい事だけど、その律儀さ一つで印象って変わるよね。
あとニューヨークに送った絵やカレンダーが届いたと
メールを下さった方もいるし、電話を下さった方もいる。
一本もらうだけで安心するもんね。
そういうの大事にしていきたい。

オイラも負けてられない!と思い
数日間ほったらかしにしてあったメールの返信などを
夜中まで掛かって処理。
最近、筆不精なんですわ。



2005年01月31日(月)



 ノブ・モーリーの相談


暖かい!
この時期のトロントには珍しく
気温はマイナスひと桁台。
R子と【Tim Horton】で朝食。
最近、めっちゃドーナツにハマッてる。
ほぼ一日置きに食べてるくらい。
甘いものはあまり好きじゃないのに、おかしい。
カナディアン化してきてる証拠??

それから二人で図書館で勉強。
というより、日曜の午後をダラダラと
本を読みながら過ごしたと言うべきか。

頭の中では悶々と【浮世絵プロジェクト】が渦巻いてる。
目下、悩みの焦点は【技法】だろう。
街を歩いていると、とにかくポスターや看板
その外、あらゆるヴィジュアルが気になる。
「これはどうやって描いたか?」と
見たそばから考えてしまう。
オイラがやろうとしてる事を、誰かが先にやっていないか
その辺が凄く気になる。

オアシスに戻って夕飯を作る。
久々の自炊だ。
と言っても、オイラはフライパンを振っただけ。
茄子の味噌炒めとスープ。
漫才師 ノブ・モーリーからTELがあり
折り入って相談があるというので
今夜はスタジオに戻ることにした。

ノブ・モーリーは、カナダに来て一年に満たないが
今じゃ、ちょっとした有名人だ。
「日本のお笑いを世界に広める」として
Bitsで自虐ネタ系コラムを書き、
【昭和ショー】というコメディーショーを主催してたりする。
その【昭和ショー】にオイラが何か協力できないか?という
話から今夜のミーティングはスタートした。

オイラは「もっと高度な漫才が観たい!」と言った。
変にカナディアンに合わせず
日本のレベルそのままでやって欲しいと。
(彼がやろうとしている事も分かるのだが一ファンとして、あえて)
松本人志に代表される禅問答スタイルの
即興インプロヴァイズみたいなやつを
ノブ・モーリーがやったらどうなるか?を観てみたい。

そっから色々ありまして
何と、オイラも出演してしまうことに決定!
お笑い VS アート
そんなんぢゃないよ。
絵なんか描かないし。
思いっきりノブ・モーリーの手のひらに乗せられるつもりです。
あーやばい。

他に、スポンサーを取る方法とか
印刷の事とか話してたんだけど
真面目だね、すごく。
頭がいいし、客観的に自分のことを見れてるし。

ひょんなところから
二人の共通の趣味(?)を発見!
【北の国から】オタクだったのです!
オイラは、リアルタイム観てたし
今でも二年に一回はビデオで全話見返すので
その辺の奴には絶対負けないと自負していたけど
ノブ・モーリーには負けた。
反則なんだよ。
モノマネやるんだから。
田中邦衛が超そっくりで
大滝秀治とかまでやっちゃうんだから。
しかも、セリフ完璧に憶えてるし。
あまりにも【北の国から】で盛り上がって
ノブモーリーが帰ったのは朝6時(笑)
オッサン二人して何してんねん。


2005年01月30日(日)



 あっちの世界と、こっちの現実

前夜の疲れから、昼に起床。
運転研修を終えたR子が来たので
しばしマッタリする。

彼女がロフトの上で寝てしまってから
ニューヨークから届いているメールの返信。
この先、数ヶ月のうちにトモレノン作品が
あっちで露出されるかもしれない。
今、複数のメディアとコンタクトを取りつつ
慎重に事を進めている状況です。

「心ここにあらず」ではないが、
ニューヨークと仕事をしていくことが
オイラのモチベーションになっているのは確か。
ここ数日、レストランやカフェを廻って
展示場所を確保したりしていても
自分の作品に需要があるのは実感するが
気持ち的には、もうすでに一歩先へ行ってしまってるので
あのままの絵を展示することに
多少の義務感を伴う感情が生まれている。
いや、でも必要なのは分かってるよ。
アレはアレで、継続してやる意義がちゃんとあるのは。

夜、寿司が食べたくなり、久々に【HoSu】へ。
オイラはチラシ丼を注文。
R子は“韓国風”チラシ丼。
具は同じだが、単にコチジャンが入ってるだけと見た。
それからパーティーへ出掛けるR子を見送り
再びスタジオで作業。

ニューヨークで始まる某誌の連載記事の草稿。
書いては消し、書いては消しの繰り返し。
う〜ん
マジでスランプだ。
絵も、文章も書けないのだよ。
原因は分かるんだけどね。
単に、意気込みの空回りさ。
気持ちをニュートラルに、
出したいものを自然に出せれば
きっと全てが上手くいくんだろうけど
今はその過渡期。

オアシスへ移動して
映画【Chelsea Walls】を観る。
そう、イーサン・ホークが撮った
チェルシーホテルの映画だ。
ロビー、階段、スタンリー、屋上のタールビーチ・・・
一ヶ月前の出来事が蘇る。
ここにオイラは居たんだなぁ。
あっちが現実?
それともこっち?
隣で寝息を立てるR子の存在が
辛うじてオイラをこっちの世界に繋ぐ。


2005年01月29日(土)



 本音でビックリ


ジャパン・ファウンデーションの図書館にて勉強。
巴水の画集を探すも、無し。
本のセレクション、偏りすぎだっつーの。
ここのギャラリーで展示した作家の本を中心に集めてんのか?
4時半の閉館も早すぎ。

Yorkvilleへ行き、数軒のギャラリーへ入る。
もう終わってるな、この地区。

用事があってHiltonホテルへ寄り、
それからブラブラとFront Stへ。
洒落たレストランがあったので
作品でも売り込むことにした。
そんな感じで3〜4軒廻ってKing Stへ。

久々に【Wagner Rosenbaum Gallery】を覗く。
去年、個展をやった会場だ。
風景画を描くグループの定期エキシビションだった。
ディレクターのPaulaに挨拶でもしようと思ったが
すでに帰宅していたので
一階のレジのおばちゃんと雑談する。

「売れてるねぇ、上のアーティスト達」と言うと
  「彼らはビジネス上手いもの」と返してきた。
「え?どういうこと?」
  「ほら、BMOとかファイナンス関係のスポンサー付いてるから」
「あぁ、なるほど。バリュー上げるの上手いかもね。」
  「ビシッとしたカタログ作ってさ、まるで“プロ”みたいじゃない?」
「いいんじゃない?それでお客さんの信用得てるんだから」
  「ま、盲目よね」
「ははは・・(苦笑い)」

何だよ、おばちゃん。
しっかり見る目持ってんだなぁ。
本音トークでビックリしたよ。


2005年01月28日(金)



 リトルイタリー


リトルイタリー地区にて営業活動。
絵を展示してくれるレストラン、カフェを物色。
2軒決まった。
【Utopia】と【College St Bar】。
後者は2年ぶり、2度目の展示で
オーナーのマリーンさんは
以前の展示の時に
原画を買ってくださったので
Wオーナーでもある。
ここで問題発生。
2つの店の会期が重なってしまった!

それぞれのレストランでは
現在、別のアーティストが展示していて
それが終わってから・・・と言われ
後で確認してみたら
ほぼ同時期に終了することが発覚。
どちらかをズラすか
別々の絵を2店同時に出すか。
それしかないんだけど。

今夜は送別会。
Bitsの編集部で1年間のインターンを終え、
アヤヤが帰国します。
素直で本当にかわいい奴でした。
何度泣きッ面を見たことか(笑)

まずタイ料理店で食事。
それからリトルイタリーのクラブへ移動。
また戻ってきちゃったよ。
今日2度目です。
前日から続く【別人格ミーティング】の疲れもあって
ちょっと早めに退散してオアシスへ。
夜中、Rafiから電話。
「Tomo、どこにいるんだよ!」
クラブの場所が分からず
タクシーでグルグルと探し廻ってたらしい。
う〜ん、2時じゃもう終わってるんじゃないか?!
遅すぎだよ。



2005年01月26日(水)



 人格くん


うーん、描けない・・・。
スランプです。

いよいよ【浮世絵プロジェクト】に出す作品を
少なくとも2枚は仕上げなければいけないのに
全く手が出せない。

頭の中では、ここ数ヶ月溜め込んだ
膨大な浮世絵に関する知識や、オイラの見解、
そしてNYでのワンダフルな経験がプラスされて
混沌ミクスチャー状態なのである。

ひとつに絞ろうとすると
次から次へと連想ゲームのように発展していって
気付けばまた、元に戻っているという袋小路。

オイラの中にある別人格たちが
それぞれの主張を携え、ミーティングを繰り返している。

「は、早く!」
締め切り担当の人格くんが
何とか結論を導き出そうとしているが
理論担当の人格くんが
「ちょっと参考書読みたいから、待って」と
ミーティングをストップさせたりしている。
そして、素の人格くんが
「おい、今晩ノブ・モーリーの漫才観に行くんだぜ
早く支度しろよ!」と急かしているんだけど
最後にマネージメント担当の人格くんが
「今日は漫才行っちゃダメ!」と
NGを出した。

よって、今もミーティングは続いている。
記録担当の人格くん、つまりオイラは
「ちょっとだけ日記書かせてよ、
もう3日も更新してないんだからさ!」と
逆ギレして、これを書いています。
v

2005年01月25日(火)



 運が良かったのは・・・?


このクソ寒い中でも、路上を彷徨うストリートキッズがいる。
もう夜中、R子をバス停まで送って
さて、帰ろうかと思ったその時、
オイラの背後には3人組みのキッズ(男2、女1)がいた。
酒が入ってるらしく、大声で
「ファーーーック!」
叫び声を上げたので
ふと振り返ると、その中の1人と目が合った。
顔面にピアスが数個。
若い。

オイラの視線が気に食わなかったらしい。
そいつはツカツカと歩み寄り
「hey, can i ask some money?」とオイラに言った。
タダでさえ図々しい事なのに
コイツは「金くれよ」と言ってきたのだ。
しかも、その言い方が気に入らない。
丁寧語のPlease?もないし、
Change(小銭)と言うべきところを
わざわざMoney(金)と言ってきているのだ。
明らかに挑発している。

昔なら、その瞬間にブチのめしているところだが
伊達にオイラも年輪を重ねていない。
全く無視して、目も合わせずに歩き続けた。
しかし、「話しかけてるんだから答えろよ」と
執拗に絡んでくる。
連れの1人は「よせよ、そいつPolite(かしこい)だぜ」
と宥めるが、そいつを止めようという意志はない。

思うんだよ。
コイツが犯している罪を、一体誰が罰してくれるんだろう?と。
本人はそれが罪だとは思ってないだろう。
でもさ、もしオイラがブン殴って、失明でもしたら
オイラは加害者となって、逮捕されてしまう訳じゃん?
国外退去とか、裁判とか、いくらでも最悪なことに成り得る。
人生狂っちゃうわけだよね、そいつのせいで。
一度、痛い目見てるんだよ、オイラは。
20歳前半の頃なんて、それが将来どんな形で
自分に返ってくるかなんて考えてなかった。
それで大いに苦しんだことがある。
だからさ、どんなにムカついても手は出さないって
そう心に決めてるんだけどさ。
じゃぁ、一体誰がこのバカどもを処罰してくれるんだろう?って。
考えるだけ無駄なんだろうけど
オイラが代わって、バシバシっとお仕置きしてあげたい
そんな2つの感情を抱えながら
ゆらゆらと歩き続けた。

相変わらず
そいつが横でゴチャゴチャほざいている。
やべーな、どんどんムカついてきた。
ついに家の前を通り過ぎ
ピザ屋のところまで来た。
連れの2人がピザ屋に入り、そいつも中へ。
やっと飽きたのか。
オイラはそのまま少し歩き
Uターンして家に戻ろうとした。
その時、そいつがピザ屋から出て
横の路地で立ちションするのが見えた。
一瞬、ここならボコボコにできる、と思った。
うーん、マズイ。
それをやったらダメだ。

戻ってきたオイラの姿を見て、明らかにそいつは驚いていた。
オイラはじーっと立ち止まり
イカン
イカン・・・と、静かに葛藤している。
立ちションが終わったそいつは
直立不動でオイラの動向を伺っている。
目を見開いて、オイラはそいつに向かって歩き出した。
何をしようとも思っていない。
何も言うべき言葉もない。
ただそいつに向かって歩き
ついに正面に立った。
饒舌だったはずのクソガキが
一言も発しないオイラの
瞬きひとつしない目をみて
明らかにたじろいでいる様子だった。

ケンカだったら、この時点で勝負アリである。
戦わずして、勝つ。
本当の喧嘩師とは、戦わないものだ。
英語でアレコレ言うのも面倒くさいし
オイラは、どうしようかな?という感じで
「う〜ん」と唸った。
こういう時は日本語だ(笑)
本当にどうしようかと思っていたのだ。
そいつは完全にビビって
足元を見ると震えている。
多分、オイラのことを中国マフィアか何かみたいに
思ったのではないか?

そして、口から出た単語が
「Nothing(何もないよ)」・・・。
本当、殴るつもりも、説教するつもりも無かったし。
そいつはピザ屋にそそくさと戻っていった。
時折こっちを振り返りながら。

そいつがピザ屋へ戻ったのを見届け
しばらく外で待ったが戻ってくる様子がないので
そのまま家に帰ってきた。

オイラが尊敬する格闘家の前田日明は
現役時代、オヤジ狩りをする若者グループを
ボッコボコに制裁したことがある。
地位も名誉もある人がそんなことをすれば
一歩間違えれば社会から抹殺されるのに
日明兄さんは平然とその行為に及んだ。
それって実は凄いこと。
昔、近所にいた「説教じいさん」を思い出し
オイラはちょっと感動した。

「悪いことは悪いんだよ」
有無を言わさぬ強引なやり方だけど
大人にはそのくらいであって欲しい。
子供をいい子いい子しすぎて
逆に手を噛まれちゃってるのが現代だからな。
「殴られた!」って裁判とかする
アホガキもいるから嫌になっちゃうね。
オイラが裁判長だったら
「帰ってクソして寝ろ!」って判決下すけどね。
権利がどうのっていう前に
義務を果たしてから言えって。

親も
弁護士も
裁判所も
法律も
国も
いちいちそんなの取り合わないで
「お前が悪い」
「自業自得だ」
で終わらせちゃえばいいんだよ。
骨折れたって、怪我したって
そんなの自業自得ですよ。

あの島田伸助が女性社員を殴ったのだって
昔の芸の世界だったら
女性社員が「アホか、お前が悪い!」って怒られて
終わりですよ。
一応、伸助さん本気で謝罪してるけどね
誰か擁護してやれよ!って思う。
「芸の世界はこうなんじゃ!」って。

話はズレたが(笑)
要するに、その顔面ピアスのガキんちょみたいのを
生んだ責任はオイラ達にもあるってこと。
子供って素直だからさ、
これをやったら怒られる、殴られる、痛い
って知ったら、そこで学ぶのに
誰もそういうことをせず
見てみぬ振りをしてきたから
奴らみたいな半端なボンクラが
舐めくさったような行為に及ぶのね。
それ、分かるもん。
オイラもそうだったから。

運が良かったのはアイツかオイラか?
神のみぞ知る。

今夜はちょっと熱くなった。
この文章の中でもさ、
さんざん汚い言葉、クソガキとかボンクラとか言ってるけど
自分自身の過去に向かって言ってるところもあるのね。
過去の自分へ向けてのメッセージ(笑)


2005年01月24日(月)



 見送り!?

本来なら、先頭をきって
「ショーゴ、頑張れよ!」と見送る役目だ。
しかし、それが出来そうもなく自己嫌悪気味。
今日、夜の便でアイツは帰国する。

昼間はR子にくっついて図書館で勉強。
空港へ出発する時間が決まり
St.George駅でショーゴと待ち合わせた。
R子がいるお陰で、少しは明るく、多少の笑みを浮かべて
再会することができた。
道すがら、オイラ達はいつものように
とりとめのない会話をし
まるで明日もまた会えるかのような雰囲気。

空港に着くと、別便でクミコも到着。
4人になった。
Cathey Pacificでトロント→バンクーバー→香港を経由して
帰るショーゴの便には長蛇の列ができていた。
それにしても他の航空会社に比べ
この列の異様なまでの長さに驚く。
やがて、その理由が判明…

「飛行機はキャンセルになりました」

えぇーー!?
意味わかんない。
吹雪なわけでも、他の離陸不可能な理由もない
単に【飛行機が一機もない】というだけのキャンセル。
まったく意味が分からない。
カウンターでは、搭乗客のホテル手配が進み
めでたくショーゴもヒルトンホテルに一泊できることになった。
4人で笑う。

ヒルトンへチェックインし
このシチュエーションには不釣合いなくらい豪華な部屋で
とりあえずコーヒーなぞ飲む。
昨晩、「最後の晩餐」を済ませたはずだが
エクストラで用意された今宵を満喫するべく
近くのステーキハウスへ。
昨日とはうって代わって満腹になった。
それからホテルには戻らず
バス停でショーゴと別れることにした。
さらっと。
永遠に会えないわけじゃないんだから。
世の中がこんなに小さくなって
国と国とが近くなって
日本とカナダに住んでるのなんて
全然大したことないよな。
ちょっと電話が長距離になるくらい。
まぁ、電話もしないけど(笑)

とにかくショーゴ、
これからもよろすく!


2005年01月21日(金)



 ショーゴの帰国


突然ではあるが
ショーゴが明日、日本へ帰国することになった。
それを奴の口から聞いたのが月曜日。
NYから帰って、ちょうど一週間が経った日のことだった。

トロントへ来て4ヶ月
目まぐるしくも、充実した日々の中で
きっと何かを掴んだことだろう。
「思い立ったが吉日」の言葉どおり
すぐに帰国のための航空券を手配した。
あまりにも唐突で、その現実を受け入れるまでに
オイラにはまだ時間が必要のようだ。

ショーゴは言葉で表現するのは苦手な人間だ。
だから帰国する理由というのも
本当のところオイラには理解できていない。
トロントでお世話になった人達にも
まともに挨拶していないというのだから
ショーゴの中でもきっと迷いがあるのだろう。
それが何であれ、友達なのだから明るく「頑張れよ!」と
送り出してあげるべきなんだろうけど、それが出来ない。
勿論、そういう「頑張れよ」的な気持ちはある。
しかし、
しかしなのだ。
あえてキツイ表現で
「なんだかスッキリしない、モヤモヤした帰国だな」と言ってしまった。

その言葉が的確にオイラの気持ちを代弁してはいない。
だが、心の中にある、ある部分を表現してることは確かだ。
他の誰かでも言えるセリフを言ってもしょうがない。
思った言葉をそのまま放とう。

今夜、ショーゴとR子、3人で食事をした。
「ベトナム料理が食べたい」という奴の希望だった。
とりあえず料理をオーダーしたものの
目の前が霞んで食べられない。
長い沈黙。
そしてショーゴもまた箸を置き
霞む目を覆うようにうつむいている。
最後の晩餐だというのに、お通夜のように暗い。

オイラは「スタジオに戻ろう」と言った。
この日のために用意したアイスワインで乾杯する。
このホロ苦い気分を溶かすように
50mlの小さな瓶に入ったその液体は甘く心に染み渡った。
明日、空港へ見送ることを約束して別れた。

2005年01月20日(木)



 模様替え


スタジオの模様替えをする。
荷物が増えまくって、手狭になったのと
個展に向けて作業するスペースを増やすため。

最後に模様替えしたのが2年?くらい前。
屋根裏部屋、ロフトの荷物もガンガン捨てる。
圧倒的に増えたのが、本、雑誌だ。
洋服とか、身の回りのものはガンガン捨てれるのに
本だけはダメだなぁ。

只今、朝5時。
8割がた片付いて、やっと寝れそうです。
日中は、ずっと個展のステイトメントに掛かりっきりで
かなり脳が疲れてたけど、模様替えで身体を動かしたんで
よく眠れそう。
英文、ダメだ!苦手だ!と思いつつも
今までで一番良く書けた気がする。
ボキャブラリーが少ないのは相変わらずだけど。
だんだん日本語→英語に訳すんじゃなくて
最初から英語で書き始められるようになってきたのが大きいかな。
次は喋りで人を説得できるようになりたい。
ネイティヴ並に喋るのは諦めたけど
言葉ごときで不自由な思いはしたくない。
これからも日々精進するのみです。

2005年01月19日(水)



 個展の見通し


午後、Rafiがやってきて個展のミーティングをする。
企画の内容も然ることながら
トロント→バンクーバー→オタワと廻る巡回のための
スケジューリングが主な懸案事項。
ところが、ここにきてNYで情報を得たギャラリーでの
展示の可能性が急浮上。
ならば、バンクーバー→オタワは一旦棚上げして
トロント→ニューヨークの二箇所開催に絞るのはどうか?
という方向へ傾く。

オイラとしても、出来るだけ早い段階でNYへ戻りたいし
カナダの拠点、トロントとニューヨークを制覇すれば
バンクーバー→オタワは簡単に決まるだろう、という計算も立つ。
明日の夜、もう一度ミーティングして書類をまとめ、
近日中にJCCC側と接触することにする。

夜、もうすぐ帰国するアヤヤと食事。
本当はショーゴも誘ってたんだけど、風邪気味らしくキャンセル。
タイ料理を食べつつ、NYの出来事などを話す。
R子も合流して、スタバへ移動。
アヤヤはR子が大のお気に入り。
「かわいい」を連発し、触る触る。
おまけに歩くときは腕を組む。
レズぢゃないよね?

今日のトロントは、めっちゃ寒かった。
スタジオの暖房だけじゃ効かず、予備のヒーターを出す。
それでもセーターを着込まないと寒いくらい。
R子をバス停まで送りつつ、またスタジオに戻って
一仕事することを考えると憂鬱になった。

明日の夜までに、個展のステイトメントを
英文で書き上げなければならない。
がんばるべ!

2005年01月18日(火)



 そろそろ

NYから戻って一週間。
これまで少しのんびりしたので
今日、月曜日を区切りにまたギアを入れていこうと思う。
が、のっけから躓く。
午前中に起きるつもりが、昼にR子の電話で起こされる。
全然ダメじゃん!

30分で身支度を整えて郵便局へ。
絵画 計3枚をNYへ発送する。
関税チェックを避けるため中身を【Framed Poster】と
記入するが、いつものことながらヒヤヒヤする。
しかし、下手に【美術品】とすると
余計な税金+税関で開封のうえ
もとの梱包をバラバラにされ
結果、破損して受け手に届くということが
過去に何度かあったので、仕方ないね。

それから期限切れの免許証の更新へ。
去年の11月から切れたままになってたんだよ。
そんで一昨日、カズさんとナイアガラのカジノへ
行った時に入館を拒否!された。
これはもう年貢の納め時と思い
やっと今日更新できました。
更新料$39。それは良いとして・・・
所要時間4時間!
掛かりすぎだっつーの!
待合所で待ってる間、日本の美術のお勉強。

それから図書館へ行って、さらにお勉強。
こっちの図書館にあるのは
【広重】、【北斎】ばっかりで資料探しに苦労する。
コピーするのも勿体ないので
デジカメでガンガン撮影した。
拡大すると文字までも結構クリアに読めるんだよ、これが。

電話にてRafiと帰還以来初のミーティング。
いよいよ個展へ向けての本格的なプロジェクトがスタートする。
過去最大級というのが、机上の話だけでも分かる。
期待の中にも不安あり。



2005年01月17日(月)



 【Motorcycle Diaries】

ちらちらと舞い落ちる雪の中
念願の映画【モーターサイクル・ダイアリーズ】を観にいく。
原語がスペイン語なので、英語字幕を読むのが面倒くさい。
R子はこれで二回目の鑑賞。

この映画は、チェ・ゲバラが革命家になるきっかけを掴んだ
南米大陸縦断のエピソードを映画化したもの。
主演のガエル・ガルシア・ベルナルは
【Y Tu Mama Tambien】を観た時に印象に残ってて
しかもカストロの伝記映画【Fidel】でもゲバラ役をやってたので
いわゆる『ゲバラ顔』なんだろう。
でも、綺麗すぎる。
オイラ的には、アントニオ・バンデラスこそが
ゲバラのハマリ役だと思ってるんだけど。

余談だけど、JMEのチャコさんが初めてオイラを見た時の
印象が【ゲバラ】だったらしい(笑)

何だか最近、【チェ・ゲバラ】ブームが再燃してます。
一回目のブームは、90何年か?にゲバラの遺体が発見された時。
三好徹さんの本とか読み漁った。
ジョンレノンも言っていた。
「あの時代、一番カッコよかったのがゲバラだった」って。
カストロに会いたい。
そういえば猪木はカストロと会談したんだよなぁ。すごい。

映画を観終わったあと、なぜか絵本の話になって
小さい頃読んだサンタクロースの絵本を思い出した。
「サンタクロースがラスベガスとか行ってさぁ・・・」と
うる憶えのストーリーを話すと、R子が
「それ知ってる!」と言うではないか。
すげぇマニアックな本だと思っていたら
結構有名なやつらしい。
しかも【スノーマン】の作家だという。

なんだか急に懐かしくなって
どうしてもその本が読みたくなった。
IndigoやChaptersといった大型書店へ探しにいくが
どこも在庫切れ。
うーん、ネットで注文するしかないか。



2005年01月16日(日)



 帰還ラッシュ


昨晩はR子とショーゴ、3人で韓国鍋を食べ
そのままオアシスに宿泊。
「なんだか小奇麗になったね」と言われる。
うるさい、NYでは好きで汚い格好をしてたんじゃない!
その反動で、今日は少しお洒落してみたくなったのは確かだが。

NYで撮り溜めた写真2000枚以上をショーゴがCDに焼いてくれたのでそれをマッタリ見ながら注釈をいれていく。
それからオイラはNYの日記を書く。
R子はせっせと宿題に精を出す。
一見すると机に向かって勉強家っぽいが
お互い気が散って、やっぱり無駄話大会となる。
つっても、平和問題についてや養子問題についてなどけっこうマジ話っぽい内容。こういうので熱くなるR子は可愛いが、面構えは不敵だ。

明けて翌朝、
まだ【お疲れ休日】中なので、トロントの友達にも
直接「帰ってきたよ」と電話もしていない。
よって、掛かってくる電話も一切取らず。
もうちょっと待ってよ、明日にはギア入れるからさ(笑)

そうは言いつつも、一応お世話になってるBitsのカズさんのところへ顔をだす。
そしていつも通り長いミーティングになった。

その後、Markhamの【BEGUILING】に寄って
カレンダーの在庫を引き取る。
今回は6部ほどしか売れなかったが
あの値段($25)からしたら「よく売れた(オーナー)」方だそうだ。
中でも熱心にオイラの事を聞いてきたお客さんがいたそうで
「ポストカードとか出さないか?」とオーナーからオファーを受ける。
続いて、来年にブックフェアを開催予定だから
その時期に間に合うように、何か本や、ポスター、グッズを作って
出品するように勧められる。
そのフェアには、日本からカリスマ【水野純子】や
天才【日野日出志】を呼ぶそうで、ちょっと興味をそそられる。
マネージャーのクリスって奴も出てきて
その話の輪に入ると、「もしかしてTokyo Dollをオーナガイズしてた?」
と聞かれ、YESと答えると「探してたんだよ〜!」とハグされる。
ああやって日本からガンガン アーティストを呼んだり
一体誰がやってるんだ!?と思っていたらしい。
そこで日本人アーティストの招聘について
色々とアドバイスを求められ、帰るに帰れなくなる。
う〜ん、ツライ。
後で資料を郵送するように頼んで、その場を去る(笑)

オアシスに戻ってR子とパスタを作って食べた。
NYでは一度もパスタを食べられなかったので
軽い禁断症状に似た【パスタ欲】を満たす。
それから映画【Motorcycle Diaries】を観に行こうとしたが
あいにく夕方の回ではR子が授業に遅刻してしまうので、見送り。
仕方なくブラブラと街へ出ることにした。

まず漫画喫茶【Mitz】へ行って
KABAちゃんが出たと言う【なるほどザワールド】を借りる。
それからHMVにて【上原ひろみ】の1st、【Love Actually】DVDを購入。
みさきちゃんの働いてるコーヒーショップへ行って
タダでコーヒーをもらう。
R子はホイップクリームたっぷりの甘いヤツを注文したら
余りにもホイップが大盛りで、洪水、テーブルが酷いことに。
それを「何やってんだよぉ」と言っていたオイラも
コーヒーの蓋が開いてて、思いっきりこぼす。
ズボンびしょ濡れ。
俺ら2人、何やってんでしょう?
激しく迷惑者でした。

R子を駅で見送って、自宅に帰るとサエコがちょうど帰宅。
そう、ヤツもNYからの帰還です。
それから数十分後、隣人のアツシも2ヶ月の旅から帰還。
なんだよ、帰還ラッシュだな今夜は。
タイ料理をデリバリーでとって、食い終わったころ
今度は漫才師ノブ・モーリーが現れる。
太宰治の【走れメロス】を読んで、メッチャ笑ったという。
それを身振り手振りで解説を受け、オイラもメッチャ笑う。
何だかおかしいぜ、今夜のアパートのテンションは。

2005年01月12日(水)



 帰還


ただいま。
ニューヨークより帰ってきました。

ハァ〜、っと溜息が出そうなくらい目まぐるしい日々で
ショーのBlog【A VAGRANT LIFE】を読んでてくれた人なら分かると思うけど、様々な出会いと体験があった旅でした。これから徐々に展覧会や本の形にまとめて発表していきたいと思う。

3週間ぶりの我が家に帰宅して、R子に再会。
話したいことは山積みだけど、まずは「綺麗になりたい!」と思って
丸3週間着続けてボロボロになった洋服を脱いでシャワーに突入。
洋服はもはや皮膚の一部と化していたし
バックパックには穴が空き、靴は切れ、かかとは極限まで磨り減っていた。
その間、まったく洗濯しなかったわけじゃないし
シャワーも毎日浴びれていたけど、やっぱり仮の住まい。
我が家で浴びるシャワーほど気持ちいいものはない。

さて、どれから手を付けるか・・・。



2005年01月11日(火)
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