-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 【Bits】との関わり

最近
「Bits(トロントの雑誌)で働いてるんですか?」
という質問をよくされる。
日記なんか読んでると
頻繁に【Bitsのミーティングに参加】
という話が出てくるからだろう。
正直、Bitsで雇われてるわけじゃない。
かと言って、協力してないわけでもない。
【Marketing Director】という大そうな肩書きを
もらってはいるが、要するに企画部だ。

仲間と飲み屋で盛り上がって
「それやろうぜ!」
とかいうのは実現した試しがないが、
俺がやっているのは、正にその先。
盛り上がったやつを具体的に
どう実現させるかという部分。

無茶苦茶な思いつきアイデアを
垂れ流すのでなく、
これをやるには
こうして、こうやって
こうすれば出来るだろう。という
実現可能な道筋を合わせて提示する。
チャレンジとは、そこからスタートする。
あとは皆に頑張ってもらうしかない。

元々、アートの記事を書かせてもらってて
その中で社長のKazuとの人間関係が
成熟してきて、色んな相談を受けるようになった。
同じ世代が海外で味わう苦労や境遇という部分でも
共通点があって、他人には言えない悩み
なんかをお互い打ち明けたりするうちに
今の関係が出来上がったわけだ。

かつてアンディ・ウォーホルというアーティストが
【Interview】という雑誌を創刊させた。
現在も生き延びているその雑誌はアンディが
マス・メディアまでもアートに取り込みたいという
どん欲なチャレンジによってスタートさせた雑誌だ。

俺はアート界の王道を行くつもりはないし、
逆にアーティストらしからぬ活動をして
生き残るつもりだ。
あらゆる境界線を外して、
アーティストはこれをやっちゃいけないとか
これはタブーでしょ、というのを
どんどんやっていきたい。
というか、
覆していきたい。

俺が関われば、もっと面白くなるんじゃないか?
それが、このBitsに関わる最大の理由である。



2004年03月30日(火)



 【語りの会】

連日のようにイベントがある。
今日は日系文化会館にて
【語りの会】なるストーリーテリングを鑑賞。
以前、日系VoiceのTさんから
「出演してみない?」と言われていたものだ。
一日目は日本語で、
二日目は英語で
日本の昔話や創作を披露する。
俺が行ったのは、この二日目。
Book Readingという読書会には
何度か行ったことがあるのだが、これと
【語りの会】のストーリーテリングの違いが
良く分からなかった俺には
目からウロコの一日となった。

もう、まるで漫談である。
身振り手振りを交えて、ステージ全体を使って、
小道具を使って、時には楽器まで演奏して
物語を体いっぱいで表現する。
すごいパワーだよ。
ただ物語を朗読する、なんてお上品なもんじゃなくて
難波花月の吉本か
浅草演芸かというくらい
体を張って観客と対峙する姿は
たくましくもある。

途中のインターバルで抜け出し、
隣の教室で開かれてる「墨絵」を見学。
先日のArt Expoでご一緒した山本博さんが
教えてるクラスだ。
生徒のレベルによって描く題材が違う。
初心者は水仙、中級で竹林、上級で金魚など。
それを見れば、一目でどのレベルにあるかが分かった。
生徒に日本人は一人もおらず
皆カナディアン。
すごいなぁ。

【語りの会】に戻って後半出発!
オオトリのRui 梅沢さんまで十分に楽しめた。
でも、これを自分がやるとなると
話は別だ。
今、読んでいる、いかりや長介自伝にも
父の言葉としてあったが、
芸人と観客の間には一線がある。
いくら落語が好きといっても
見るのと演ずるのはまったく別だ。
それを、俺は落語が好きだからと言って
演ずる側に簡単に行けるはずがない。
勘違いのバカヤローってやつだ。
俺は観客側にいて
好き勝手に文句を言うほうが好きだ。


2004年03月28日(日)



 ツッコミどころ満載

白藤さんの合唱団が参加する
【Singing Together】という合同コンサートへ出向く。
さすが世界一の多民族都市トロントと言うべきか
7カ国の合唱団が参加。
それぞれに民族衣装を纏ったり、
母国語で歌う様は
まるで小さな万博会場。

会場は韓国人用の教会。
めっちゃ遠かった。
客席は大入り満員状態。
若者(とは言えないが)は俺だけか?
というくらい年齢層が高い。
と思ったら【Bits】の取材でYちゃんが来てた。
ちょっとホッとする。

合唱のスタイルって
そういうものかもしれないけど、
何で楽譜を全員持って、
見ながら歌うわけ??
初めて歌う曲じゃあるまいし、
何度も練習して歌詞もメロディも
覚えてるんじゃないのか?
あの楽譜は果たして【スタイル】なのか、
今度聞いてみよう。

そもそも何で俺が合唱のコンサートへ出向くか
と言うと、
5月に日本の合唱団とカナダの合唱団の
合同コンサートをプロデュースしているからで、
その下見や宣伝を兼ねて行ったわけです。
俺も初だからね、そういうの。
特にこういう年齢層の高いジャンルは
スタイルが凝り固まっているので
ツッコミどころが満載。
手を加えようと思ったら何でも出来るけど、
ある程度、様式やスタイルを尊重する必要も
あるのかな。
フム〜・・・。


2004年03月27日(土)



 ファッション・ブランド

今晩は新しいプロジェクトのミーティングでした。
友達のファッション・デザイナー、ユキコが
新しいブランドを立ち上げるんだけど、
そこに俺のアートがディレクションされることになった。
実際に彼女の服を持ってきてもらって
コンセプトやらゴールやらを話し合う。
一回目なので、ただお互いに漠然としたアイデアを
出し合って終わったけど。
Rafiが今、ファッションの展覧会を企画してるけど
あれは元々俺のアイデアで、
もしかしたら、そっちともリンクできるかもしれない。

ショウをやる時は
俺が絵に描いているモデルを用意して、
実際に絵から飛び出たりしたら面白いね。
それ、すっげぇやりたくなってきた。

夜中にかけて、その作業をやろうと思ったら
別件のプロジェクトが割り込み。
日本と連絡を取る羽目になって
結局朝まで掛かりっきりになってしまった。
最近、
何かヤル気になると横から邪魔が入る。


2004年03月26日(金)



 映画【Apartment Hunting】

日記を書くのも久しぶり。
エクスポと個展が終わったあとも、
別に死んでた訳じゃないよ。
Bitsの連中と飲みに行ったり、
イアンやMくんたちと飲みに行ったり・・・
飲んでばかりだったけど(笑)
まぁ、相変わらず色んな物が同時進行してて
ちょっと整理するのに大変だったくらい。

今日は大発見がありました。
去年の日記で
映画【Apartment Hunting】のサントラが最高!
という事を書いたんだけれども、
やっとその映画のDVDが発売されたんだよね。
HMVで偶然に見つけました。
制作会社もロケ地もトロントなんで、
多分すごいローカルでしか上映してないはず。
帰って早速観ました。

おおー、舞台がケンジントン・マーケットだよ!
行きつけの中華料理店が映ってるよ!
このロフトはArtscapeの建物だよ!
この公園、ウチから2分だよ!
とか、
地元要素満載な映画だったわけです。
肝心のストーリーは・・・
こんなオチでいいの!?という感じだったけど、
俺にとっては、サントラで恋に落ちた
歌手のマーガレット・オハラが
大フューチャーされてただけで大満足。

関係ないけど、いかりや長介が亡くなって
かなりショック。呆然とした。
ノブさんに貸してもらった【8時だよ全員集合!】
をしみじみと観る。
そしたら、俺の中の幻想「いかりや長介=黒人」説は
一層強まった。
黒い!
肌の色だけじゃなく、内面から黒さが伝わってくるのだ。
長さん、かっこよかった。
名著だという【だめだこりゃ】も読まなきゃ。

2004年03月25日(木)



 エクスポ最終日。

レンタカーをピックアップしてから会場入り。
朝からまあまぁの入りだが、外は風が強い!寒い!
マイナス10度くらい。

同じコンヴェンション・センターの地下の会場では
【Transfomer Expo】なる、いわゆるコスプレの
イベントが開催中。
ドラゴンボールやセーラームーン(男だった・・・)など
日本のアニメキャラの格好をした若者が大量に溢れていた。
オタクのイベントは世界共通で強烈に熱い!
一人の女の子のT-シャツに目が止まった。
なんと、【Tokyo Doll】のシャツを着てるではないか!
これは驚き。
ちょっと涙出ました。

午後から友達やクライアント、
BitsのKazuをはじめ編集ライターの面々が続々とやってきた。
トロント総領事の肥塚氏も激励に訪れる。
日系文化会館のブースでは折り紙の実演が行われ、
カナダの子供や大人達がワイワイやっている。












個展をやっている【Wagner Rosenbaum】で作品を
見たという人が結構来た。
それに、今までやったカフェや、去年のQueen West公園
で見たという人も多かった。
絵の値段交渉も多く、この4日間で一番の手ごたえ。
ポストカードは2日目で品切れになったので、
急遽、昨日からプリンターで刷ったカードを配ってるんだけど、
それも500枚があっという間になくなった。
このカード、実は失敗したな、と思った。
絵柄が違う二種類250枚ずつ、トータル500用意したんだけど
みんな二枚ずつ持っていくんだよなー。
だから速攻無くなってしまった。

7時になり、遂にエクスポが終了!
お疲れ様でした。
スタッフのMが搬出のヘルプに来てくれて
俺と慎也さんのブースを平行に撤去。
そして順調に撤去作業が終わって、
8時半にはスタジオに作品を運び込むことができた。
そこで慎也さんとはお別れ。
スタッフMと俺と彼女、3人で軽く打ち上げ。
寿司をたらふく食う。

明日はいよいよ個展【Smoko Screen】の撤去作業だ。
これが終われば、しばしの休息が待っている・・・はず。





2004年03月21日(日)



 3日目

久々にゆっくり寝て、10時に会場入り。
日本画の山本さんや、日塔さんらと沢山話しをする。
日本画の素材には前から興味を持っていたので、
チャンスとばかりに色々な質問をする。
以前、山本さんは日本画教室を開いていたんだけど、
最近は忙しいのでやっていないんだとか。
あれば行ってみたかった。











夕方、その山本さんが墨絵の実演パフォーマンスをした。
カナダ人も興味深々で見入っているが、
一番前に陣取っていたのは、この俺だった(笑)
迷いのない線や、墨の濃淡などは
さすがと言うほかない。
一流の人の手さばきを見ていると、
「こんなの簡単に出来そうだ」と思えてしまう。
見るのとやるのは大違いなのに。

今日は自分のクライアントもぼちぼち増えて、
立ちっぱなしで会話してたので疲れた。
9時にショウが終わってから、
Bits営業Nさんと、領事館のMくんやSさんと飲みに行く。
画家のSan村田が【一力】でジャズ・ディナーをやってる
というのでレストランに向かったが、
あいにく満席だったので、
St Clairのジャズバー【Rhodes】で夕食をとる。

Sさんとは以前、鍋パーティーで面識があったのだが、
Mくんとは初対面。かなり熱い経歴の持ち主。
カナダに渡るのに、人それぞれ理由があると思うけど、
彼みたいな代わりダネは初めてかも。
ホッケー選手になりたくて、高校生でカナダに来たという。
サッカーの三浦カズみたいだな、と感動。
11時頃、ライブを終えた村田さんが到着し、
隣のバーに移動して飲む。
この人もまた豪快の一言。
話を聞いてると、とても今世紀の話とは思えない。
きっとこの人は輪廻転生してるに違いない。
心地よいJazzの音色に乗せられて
酔っ払い度が増す。

明日はエクスポ最終日。
大丈夫か!?



2004年03月20日(土)



 二日目

あれから2時間ほど仮眠して
3枚の絵を同時進行。
会場に向かう9時30分ギリギリに間に合った。
おぉ〜、目の下にクマがある・・・










平日の金曜なので
客足はまばら。
会場をぐるっと廻って他のブースを偵察する。
マアマア。
去年に比べるとアーティストのレベルも高い。
カナダは【風景画が強し!】と実感する。
どこもかしこも風景画ばかり。
人物画は売れないのだ。
やっぱり、リビングなどに飾るには
人物画は個性的すぎるんだろうか?
一般的に言えばYesだろう。
なんだか悩むなぁ。

でも実際に、買う側の目で見てみると
風景画のブースの方がクオリティ高い作家が多いし、
事実、良い作品も多い。
そりゃ、買うわな。って感じ。
領事館のDonがRotterの新作を買った。
ゲッ、まじで!?ウン千ドルもするのに。

夜になって、ようやく客足が増える。
友達もちらほらやってきて、
彼女から弁当の差し入れもある。
絵のモデルになってくれた子とかも来た。
今日は坊主。
絵は売れなかった。


2004年03月19日(金)



 Art Expoスタート!

猛烈な勢いで絵を描き上げた。
そのままレンタカー屋に行き、搬入用のトラックを借りる。
まず慎也さんの新居で絵を積み込み、
俺のスタジオで残りを積み込んだ。
搬入するまえに、1Km離れた事務局で車のパーミットを取る。
アートエクスポの会場となる【コンヴェンション・センター】は、
サミットでも使われる国際会議場なので、
不法者の侵入に細心の注意を払うらしい。

同じ【ジャパン・セクション】に出展する日本画の
山本博さんに会う。初対面。
山本さんのお手伝いに来てたイラストレーターの日塔さんにも
久々に再開する。
駐車場はスタッフの手際の悪さもあって、大混乱。
200組以上のアーティスト達がスタックしている。

11時過ぎ、やっと会場に搬入して
ブースを組み立てる。
俺には時間が無い。
午後3時までに無理やり完成させて、
一旦スタジオに戻る。
【Bits】のミーティングなのだが、俺の都合に合わせてもらい、
スタジオに集合してもらった。
そして5時のオープニングに再び会場入り。











会場内はすでに大勢のお客さんと関係者で溢れていた。
今回の俺のブースは、【Bits】と【アートエクスポ】の間の
スポンサー契約で出展してるので、
社長のKazuらとエクスポの関係者達に挨拶。
中央には日本庭園が造られ、特設ステージでは
大和太鼓のパフォーマンスが始まっている。

バタバタと慌しい中、描き上げたばかりの新作が売れた。
絵のストックが無いので、会期が終わるまで引き渡せない
と言ったが、どうしても持ち帰りたいというので
仕方なく作品を渡すことになった。
ポッカリとブースに隙間ができてしまった。

夜10時にレセプションが終わり、急いで帰宅。
今夜中に、描きかけの残り3枚を仕上げねば!
けど、
体力的にちょっと自信ないので、
これから仮眠して、朝までに描くようにしよう。
それじゃ、お休みなさい・・・




2004年03月18日(木)



 アーティストの為のビザのようなもの

たまにこういう質問がくる。
「Visaは何で滞在してるんですか?」
俺は移民じゃないし
観光ビザでもない。
じゃあ、何なのか?
今日はそのお話し。

スカボローにある移民局にて面接をした。
アーティストとして合法に滞在するための手続きをする為に。
去年Tokyo Dollの為に取ったワークビザは
とっくに切れている。
それと入れ替わる形で個人ワークパーミットの申請をした。
係官は、厚さ5センチもある俺の資料を前に
頭を抱えている。
それは、
俺の経歴がどの判例にも当てはまらないことを意味する。

「貴方がカナダで数々の展覧会をし、高い評価を
受けているのは分かりました。ですが、なぜカナダなんですか?」

俺を求めてくれる人がいるから。
仕事の依頼があるから。
アーティストとして生活ができるから。

「日本ではそれが無いのですか?」

日本とカナダでは、アートの価値観が全く違います。
自分が評価されるところで仕事をする、それは
全く当たり前のことだと思います。

通常のワークパーミットでは
雇用主が身元と生活資金を保証することで成立する。
しかし、俺の場合は雇用主となる会社がない。

「どこかに就職をして、ワークを申請することは出来ませんか?」

どこかに所属するというのは、アーティストの活動と
相反するものです。

「確かにそうですね・・・」

短い期間、例えば展覧会の前後3ヶ月はAギャラリーと
仕事をする。その次の3ヶ月はBギャラリーと
という風に、あくまでも企画ごとに変動があるんです。
困ったことにその期間が重なることが通常です。

「ハァ~、まったくトリッキー(変則的)だわ・・・」
と係官が溜息をつく。

そこからの1時間は、互いに質問と答え、
ほとんど禅問答である。
最終的に出た結論がこうである。

「現在の法律では、ピッタリ当てはまるビザはありません。
各ビザの効力を継ぎ接ぎした変則的な形ですが、
あなたに滞在許可を出しましょう。」

Yes!
それじゃぁ、このビザは何と呼ばれるものですか?

「う〜ん・・・、ワークでもないしヴィジターでもない。
アーティストの為のビザとでも呼びましょうか。」

かくして、俺のステータスが確定した。
「アーティストの為のビザのようなもの」を手に
これからの活動がスタートする!


2004年03月17日(水)



 オタクの素質

また今日も一枚仕上がった。
朝日を浴びて、コーヒーを飲んだところで
慎也さんから買出しのお誘い。
Art Expo用のブースを買いにいく。

今日は強風で、ビル風に1mくらい吹っ飛ばされた。
いや、まじで。

近所のセカンドカップでコーヒーを飲みつつ、
理想のモデルと再会。
この人をそっくりそのまま
キャンバスに封じ込めたい、と思わせる。
やばい、それは犯罪。
目に焼き付けるだけにしておこう。
前にも一度、
俺の絵にそっくりな女性を見たことがある。
そん時にもそう思ったな。
これって、オタクの素質があるってこと?
モデル・コレクターとか名乗って(笑)
もしくは精神異常者か。
友達いなくなりそう・・・

夕方【Bits】オフィスでミーティング。
ここのオフィスは異常なくらい暖房が効いている。
っていうか、
ボイラー室じゃないかと思うくらい灼熱だ。
寝不足もあって、目の前が真っ白になった。
ヤバイと思って早々と退散。

家に帰って4時間くらい撃沈し、
再び夜中から絵の制作。
あと3日しかないぜ!



2004年03月15日(月)



 今の気持ち

かなりハイペースで描きまくってます。
そんな事が前にもあったな、と思って日記を読み返すと
昨年10月のArtfocusの時だ。
かなり似た症状。
あの時描いた5枚の絵って、
後で全部描き直してるんだ。
でも今、描いている4枚は
結構納得できるクオリティに仕上がりつつあって、
我ながら関心しているところ。

個展「Smoke Screen」で展示してる
【A change is gonna come】を描いた辺りから
新境地が見えてきて、
今描いてるのはその延長線上にある。
「だんだん女の人が美人になってきた」
と巷ではもっぱらの評判らしい。
別に、今までブスに描こうとしてたわけじゃないけどさ。
だんだん、こう、
自分の欲求に忠実になってきた。
それに描いてて楽しい気持ちが戻ってきて、
発表するために描くんじゃなくて
描きたいから描いてる。
そんな今日、この頃です。

2004年03月14日(日)



 病気カルテ

週末は家に引篭って絵の制作。
しかし風邪が一向に治まらない。
ひょっとして、
タバコの吸いすぎでCOPDになったのか!?
と錯覚するほど咳が出る。
寝れないので
もう徹夜とか言えないくらい
ほとんど起きてる。
日記で「徹夜明け」とか書いてると
高校生の自慢ぽく聞こえてしまうかもしんないけど、
一応、日々の記録として
もしくは
病状の記録として(笑
書き記すべきだと思ってる。

2004年03月13日(土)



 Retarder

6時間ごとにカゼ薬をがんがん飲んだので
眠いのに胸焼けで苦しむ。
新作はジェッソを塗って乾かしただけで
さほど進んでない。
まぁ、アイデアも詰まってるから
スケッチブックに10枚くらい下書きする。

今日は雪だ。
そして今日も電話日和だ。
セールスコールが山ほどきた。
最近は迷惑FAXも多い。
誰か取り締まってくれ。

コーヒーを淹れようとしたら豆がない。
近所のSecond Cupへ買いにいく。
誕生日に慎也さんがくれたクーポンを使ったのでタダ。
全くお得なクーポンだ。

帰りがけ、ふと画材屋に立ち寄る。
試したこと無かった、【Retarder】という溶液を買う。
アクリル絵の具は乾きが早いので、
油絵みたいにキャンバス上で色をブレンドするのが難しい。
これを混ぜると、乾くのが遅くなるんだ。
ついでに30x30のキャンバスも買う。

夕食の後から本格的に描き始める。
新作のテーマも決まったし
早速【Retarder】も使いたいし。

時は過ぎて、
今、朝の6時です。
新作と、旧作の塗りなおしを同時進行でやって、
そろそろ寝ようかというところ。
インターネットでニュースをチェックしていたら
天山がまたIWGPから陥落。
ほんと短命王者だなぁ・・。
スペインの列車テロの情報を収集。
150万人がデモ行進してるらしい。
扇動を煽るだけの人がいないことを願う。
咳もだいぶ収まってきたし、
今夜くらいはマトモに寝れるだろう(か?)。


2004年03月12日(金)



 やぶへび

今朝ようやく
因縁のキャンバスと決着がついた。
数えたら、昨日だけで18時間も描いていた。
グッタリきて
ベッドに潜り込んだが眠れない。
5分おきに咳が出るので
ウトウトした頃に目が覚めるんだ・・・。
30分くらい格闘したけどダメ。
諦めて朝食をつくる。

食べながら
仕上がったばかりの絵を見ていたら、
ちょっと気になるところが出てきて加筆。
一個直したら、他も気になってさらに加筆。
乾いてないところに筆を入れたら、

「ペリっ」

と絵の具が剥がれた!
たまに水分多すぎるとこうなるんだよなぁ
これが仇となり、昼までかかって修正。
ほとほと疲れ果て
再びベッドに倒れ込む。
さすがに今度は寝れた。

夕方、【Bits】のミーティングに参加。
原稿の締め切りが早まる。
何と一ヶ月も早まる。
はっきり言って、有り得ない。
月刊誌じゃあるまいし。
その後コリアン・タウンで知人と夕食。

ウチに帰ると
彼女がカゼ薬を置いておいてくれて
【大人ティースプーン2杯】のところ
6杯くらい飲む。
飲みすぎ。
超、胸焼けに苦しむ。

今夜はこれから新作に取り掛かります。



2004年03月11日(木)



 焦る

3時間くらい寝て
午前中からまた絵を描き続ける。

風邪が更に悪化。
咳が止まらない。
彼女に移してしまおうか、と思うのだが
よほどオレの体を気に入ったのか、
ウィルスが体から出て行かない。

因縁のキャンバスは
思うように色を乗せてくれず、
工事中の道路のようにデコボコになってきた。
ここまでくれば
「さすが、因縁のキャンバスだね」と
褒めずにはいられない。
ナイフで切り裂きたい衝動に駆られます。

午後になると電話のラッシュ。
スタジオの電話と携帯が交互に鳴りまくり。
10本くらいは取ったのだが、それで打ち止め。
今日はもう電話取らない。

隣の部屋をコーセイたちに貸してるので
彼女もスタジオにずっといる。
かなり暇そう。
食事の時間以外はずっとキャンバスに向かいっぱなしで、
ほとんど口も利いてない。
このキャンバスをどうにかしないと先へは進めないんだけど、
アートエキスポはもう来週だ・・・
一枚も絵が無い。
なんて事もアリ得る。



2004年03月09日(火)



 そして今夜も・・・

徹夜明けでランドリーへ行き
朝食たべたらもう11時。
1時間ほど仮眠して、13時に【Bits】でミーティング。
眠い、だるい、で要領を得ず。

夕方、帰ってまた仮眠。
ナポレオンは15分の仮眠でOKだと言ったが、
どうやらオレは最低でも一時間は必要らしい。
ちょっとナポレオンを尊敬する。

元ルームメイトのコーセイが日本からやってきた。
結婚という、とても目出度い報告と共に。
ちなみに奥さんも友達で
今日から3日間、隣の部屋を貸してあげるのだ。
日本土産は何でも嬉しいが、
【週間ゴング】をくれた奴は初めてだ。
さすが元ルームメイト。
友達も呼んでチャイナタウンで夕食のあと、
やはり今夜も因縁のキャンバスへ向かう。
4時、
5時、
そして今夜も徹夜・・・


2004年03月08日(月)



 因縁のキャンバス

風邪が悪化。
しかし、熱を出して寝込むほどヤワではない。
明日、日本から友達が来るので
今日くらいは丸一日絵を描き貯めした方が良さそうだ。
気合でイキます。

一年くらい前から
描いては消し、
描いては塗りつぶし、
という因縁のキャンバスがある。
48x48のデカイやつなんだけど
コイツとの相性は最悪のようで、
何を描いても納得いく仕上がりにならない。

そいつを引っ張り出して
今度こそ決着を付けようと意気込む。
ジェッソをぶっ掛けてキャンバスをリセット。
並々ならぬ決意で描くモチーフは、
ニューヨークの摩天楼。

最近、無性に高層ビルが描きたいのだ。
11時
0時
1時
2時
3時



朝9時、ほとんどぶっ倒れそうになりながら
第一段階完成。
熱は無いが、咳がひどくなってきた・・・。
夕方には友達が来て泊まるので
シーツなどをランドリーにもっていく。
もう徹夜はやめたい・・・。

2004年03月07日(日)



 レノンさん、と呼ばないで

熱はないけど
完璧に風邪の症状・・・。

個展開催中の
Wagner Rosenbaum Gallery
土曜日ということもあって
なかなかの人出。
一階のウィンドウ・ディスプレイ用に
展示中の中から一枚外す。
すると、
お客さんより「それ、まだ観てないんだけど」
というクレームあり(笑)
”これ買ったら、一生観ていられるよ”と
セールスしてみるが不発。
だいたい、
誰も俺が絵の作者だと思ってない。
新聞とか雑誌のインフォでは
tomolennon

Tomo Lennon
という、表記になっていたりするので
間違っても俺みたいなアジア人を
「もしもし、レノンさんですか?」と
尋ねたりはしない。
って言うか
「レノンさん」って何だ!?
俺は「トモレノンさん」であって、
決して外国人を名乗りたくて
「レノン」くっ付けてる訳じゃないぜーーー。

まぁ
そういうのもあって
初めて絵を見た人は大抵
白人の作家だと思うみたい。

夕方より
恒例になりつつある「領事館M氏と鍋を囲む会」参加。
風邪ひいてるのに酒飲んでどうすんだ?

2004年03月06日(土)



 SPINオープニング

昨日のお返しというか、
SPINギャラリーにて友達のアーティストが多数参加する
ショウのオープニングに顔を出す。
アーティスト総勢47人!
半分以上が知り合いというか、
何とRafiまでアーティストとして作品を出してるので
行かない訳にはいかん。

以前のスペースに比べて
オープニングの集客力が凄い。
あの広いスペースがギュウギュウである。
一人一人と挨拶だけ交わすのも時間がかかるし、
誰がどこにいるのか全く見えない状態。
しかも、
突然場内が真っ暗になって
恐ろしいパフォーマンスが始まるし、
途中で諦めて、観客に徹することにした。
背中に鉄棒を突き刺した人間が
天井に吊るされ、空中遊泳してる。
途中で気持ち悪くなった。








その後
皆でDrake Hotelで飲もう、となったけど
どうも風邪気味らしく
体調が良くないので断った。
昨日、オープニング後に飲みに行ったのが
効いたらしい・・・。

2004年03月05日(金)



 オープニング

沢山の人が来てくれました。
古くは、トロント1年目からの知り合いや、
出会ってまだ3日の人も。
たった5年のトロント生活だけど
着実に歴史が積み重なってるなぁ、と実感。
たぶん
このままずっとトロントに住むことは無いだろうし、
第二の故国となるカナダでは
この個展は一つの区切りとなるだけに
嬉しいような、寂しいような気持ちになった。
でも、そんな感慨も今日、明日までで
3月18日からトロント・アート・エキスポがあるので
またスタジオに逆戻りだ。
とにかく今年は国内も国外も目一杯やるつもり。
これからの10年は恐ろしく早いだろう。
頑張れよ、俺。

2004年03月04日(木)



 プレビュー

明日のオープニング・レセプションに先駆けて
ギャラリーと、自分のクライアントのみの内覧会。
昼間だったので、それほど多くはなかったけど
何人か顔見知りのコレクターが来る。
今回、力を入れた人物画がやはり評価が高い。
そういう評価をもらうと逆に風景画に
力を入れたくなってくる。
我ながら天邪鬼な性格。
また、日本人に人気のある作品が
あまり受けなかったり、
カナディアンに人気の作品が
日本人には好まれなかったりで、
やっぱりポイントのズレを痛感。
どっちに向けてという戦略は立ててないし、
今後も立てるつもり無し。
それはそれで良いと思ってる。

明日はオープニング。
コレクターの意見も大事だが、
やはり友達が気に入ってくれるかの方が気になる。

午後、久々にRafiが遊びにきた。
展覧会のタイトルが変更になったらしい。
「No Kimono」が新タイトル。
う〜ん、微妙だね。
とコメントしておく(笑)
再来週に日本へ行くので
色々とアドバイスする。

2004年03月03日(水)



 搬入

Baby誕生おめでとう・慎也さんのヘルプを借りて
ギャラリーに作品を搬入。
事前にレイアウト・イメージを作っておいたので
割とスムーズにいった。
けど、やっぱり会場に飾ると小さく見えるなぁ〜。

ディレクターのPaulaに突然言われたのが、
一階のショップ・ウィンドウに一枚飾れるかしら?
という、「前もって言ってくれよ」的なリクエスト。
どれか一枚選ぼうとしたけど、
レイアウトイメージが出来上がってしまってるので
どれかを外すのは無理だった。
こういう時にストックが無いのは辛いなぁ〜、
と痛感するね。
描き貯めする余裕を持たねば・・・。


2004年03月02日(火)



 追い込み

スノボーの後遺症、
筋肉痛にやられながらも最後の追い込み。
全ての作品をパッキングする。
ネームプレートも
ステートメントも
ゲストブックも用意した。
これで明日の搬入も安心。

Tくんの家や、JME、JCなどに営業。
個展の招待状を手渡しする。


2004年03月01日(月)
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