-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 アカデミー賞

こういう権威ものはほとんど見ないけど
今年は渡辺謙が出るとかで
彼女に付き合ってTVの前に座る。
だいたいノミネートされてる作品を見てないし、
なるべく映画から遠ざかる生活をしていたから
興味も何もない。
グラミーもアカデミーも観ると
胸クソ悪いのと
感嘆の気持ちとが
交互に入れ替わる。

この数年、いちばん惹かれる俳優
ショーン・ペンが、
【デッドマン・ウォーキング】でも
大好きなウディ・アレン監督の
【スウィート・アンド。ロウダウン】でも
ビートルズのサントラがツボに入りまくった
【アイ・アム・サム】でも
主演男優賞にノミネートされてたにも関わらず
一度も来場しなかったのに今回はやっぱり来た。
ジャネット後遺症で
5秒遅れの映像を眺めながら、
世間が心配するような【爆弾発言】など
あるはずもない。とタカをくくっていた。
そして、
やっぱり無かった。
「ノミネートされたことのない名優は沢山いる」
と、名前を挙げて称えただけの簡潔なコメント。
別に何かを期待してたわけじゃない。
何か言ってくれると思ったわけでもない。
かつての権威を否定する態度や姿勢が
カッコいいなという、
不良アニキに憧れるような(笑)
感覚があったから
大人しく賞を受け取る姿をみて、
ちょっと寂しくなっただけだ。
でも、
受け取ることに理由がある人と、
ただ「ワーォ!夢みたいだ!」
という人の違いはある気がする。
かつて否定していたものを
受け取ることの理由があるのなら
それも有りだな。

日本の【芥川賞】ブームもそうだが、
賞に権威があればあるほど
その恩恵ビジネスがデカくなる。
無論、アートの世界だってそうだ。
肩書きが増えることで、値段がボンっと上がる。
自分には無縁の世界だが、
アーティストなり作家なりが賞を受け取ることは
やっぱり取り引きなんだなと。
自分の魂込めた作品を、
商業、産業の世界へ駒として提供する。
それで他人がビジネスしようが、儲けようが
磨耗されないだけの作品や人間であればいいだけの話で、
今までカッコいいと思っていた
権威や賞を否定し続けてきたアーティスト達は
本当は怖かったんじゃないかと思う。
賞もらって、
ダメになって
堕ちていく才能を横目で見てたから。
かたくなにそれを拒否することで
かろうじて作品を守ってたような、
純粋性を獲得していたような、そんな感覚?
誰しも自分の作品を消費されるのは嫌。
消費されるルート(賞)に乗れるのは、
ある意味幸せなノー天気な馬鹿か
消されない存在感を獲得したツワモノのどちらか。
そういう観点でショーン・ペンをみると、
【爆弾発言】などあるはずないじゃない。
だから、
今の彼はカッコいいかもしんない。
それが「今」だけでないことを祈りつつ・・・

2004年02月29日(日)



 スノボー!

朝5時起床。
無謀にも2時間の睡眠で
スノーボードに行くことにした。
【Bits】主催のスキー・ツアー。
彼女とその友達の3人で参加で
朝からオニギリとか作っちゃって
かなりヤル気満々。

大型バスをチャーターして、全32人が参加。
多すぎず、少なすぎず丁度良い空間。
若い子がほとんどだったけど、
イケイケ君みたいのが居なくて良かった。
お陰でスキー場に着くまでの3時間で爆睡。

人生で、こんなに天気が良く、
気温が高い中で滑ったことはあっただろうか?
そのくらいよい気候。
雪はシャリシャリだったけど、
そんなのお構いなしにガンガン滑った。
多少待つリフトもあったけど、
日本の混雑にくらべたら、屁みたなもの。

このブルーマウンテンというスキー場は、
ズッこけるほど低い山だが、横に広い。
ツアーの連中には全く会えず、
3人だけで来たような感覚。
ランチに朝作ったおにぎりを食うと、
周りに座ってたカナディアン達が
興味深そうにソレを見つめる。
そっかー、
マルチ・カルチャル(多民族)なのは
トロントなど都心部だけだった。
ちょっと郊外へ来れば、
アジア人とかは他所者に見られるんだ。

午後4時頃にバスに集合。
ちょっと滑り足りないくらいで丁度良い。
帰りはもちろん爆睡。
バスは順調に7時頃トロントに到着。
解散してから
Mさん達と6人で日本食レストランへ。
スキー場で飲まなかったビールで乾杯。
やばい、速攻で回りそう・・・。

KazuさんからTELがあって
ケンジントンの【Kara】でジョヴァンニと4人で飲む。
周りではトランペット吹いてる奴いるし、
日本人も多くて、
うるせーなー、と思ったら
今夜はトランペット吹いてる日本人の誕生会だったようで、
イアンとかも後からノコノコやってきた。
日帰りスキーの後で深酒はヤバイ。
ビール2−3本で足に来た(笑)
ので12時頃に退散。
寝るべし
寝るべし!



2004年02月28日(土)



 ケンジントン・マーケット

ケンジントン・マーケットに営業に行く。
Rafiの縄張りでもあるこの地域
古着屋とエスニックマーケットが混在する
ちょっとした異次元空間。
奴と仕事をしたお陰で、
挨拶を交わす店員やご近所さんが増えた。
個展のカードをひと通り配って
T-シャツやベルトを衝動買い。
いかん、いかん、
本来の目的を忘れてる。
チャリンコ屋のJohnとカフェでお茶する。
「この辺に引っ越して来いよ」と
さかんに誘惑されるが、
この辺の家はどこも古いし汚い。
1,600スクエア(めっちゃ広い)というロフトが
空いてると言うが、
ネズミとゴキブリとの共同生活は嫌だ。

ただ、ケンジントンで昼下がりにブラブラすると
時間の流れがゆっくりで、
それだけで心に余裕が生まれる気がする。
そんなのはトロントでココだけかもしれない。

夜、【You Looked at me】を修正。
女の子の表情を変えてみる。
最初にイメージした視線に近づいてきた。
テーブル部分に飾りを加えたり、
本や灰皿など小物を描き足す。


2004年02月27日(金)



 英語のインタビューは苦手だ

トロントの【Inter Access】(?)の取材を受ける。
やっぱり英語のインタビューは苦手だ。
こっちが喋った事に対して、向こうも質問してくるから
愛想笑い+相づち戦法が通用しない。
とにかく、こっちが喋らないことには進まないんだ。
で、
なるべく分かりやすく答えるんだけど、
回りくどい話になってしまって、
逆に分かりにくくなってしまうんだな・・・。
う〜ん、
編集さん頑張って!
って感じです。

英語の取材って
すごく上辺だけのものと、
すごく突っ込んだものの両極端。
今日は、割と突っ込んだ内容が多かった。
後で聞いたら、
今回は「ジャパニーズ」のアーティスト
としてじゃなく、
単に一人のアーティストとしての取材だったとかで
あぁ、そうか。と納得。
日本の事とか、生い立ちとかに全く触れず、
純粋に作品の事だけ取り上げてくれるようで、
こっちとしてはありがたい。

夜は【Bits】のマーケティング・チームがウチに集まって
打ち合わせ+食事。
その後、軽く飲んだ。
個展一週間前だとは思えない、この余裕。
どうだ。

DVDで【クレイマー・クレイマー】を観る。
多分、中学校以来なので
すごく新鮮に観れた。
ダスティン・ホフマン最高。

2004年02月26日(木)



 揃ってるじゃん!?

Wagner Rosenbaum Gallery のPaulaからTEL。
「どう?絵は何点くらい仕上がったの?」
そう言われて、初めて数えたら
全部で16枚。
え!?もしかして、数足りてる?
今手を加えてる作品がフィニッシュしたら
個展用の絵は全部揃うじゃん!
夢中になりすぎて、数かぞえてなかった。
それからギャラリーの見取り図に合わせて
絵を並べてみたらやっぱり足りてる!
レイアウトをあれこれ考えつつ
プライスリスト(値段表)を作成する。
事前にPaulaと大体の価格を決めておいたけど、
心持ち高く設定してみた。
多分、もう一回修正入ると思うけどね。

レンタカーを予約して、3月2日の搬入予定を決める。
もう来週だ。
髪もボサボサで、切りたいけど
美容師のCちゃんが日本に一時帰国してるので
切るに切れない。
ま、いっか。

急に落ち着きを取り戻した俺は、
逆に落ち着かない。
28日の【Bits】主催のスノボー・ツアーにでも行こうかな。


2004年02月25日(水)



 【日系VOICE】の取材

編集のTさんとは半年くらいの付き合いだが
年末のJohn Lennonトリビュートで歌ってもらったり
彼が翻訳した本を読ませてもらったり
絵をオーダー注文してくれたり
そんな交流をしていた。
娘さんがモントリオールでアートを学んいて
今日たまたまトロントに戻ってくるというので
取材に同行するのをOKした。

まず娘さんが先に登場。
Tさんと待ち合わせが出来ず、先に来たという。
作品とか見せてるうちにTさんが到着。
なぜか親子の会話が始まる。
娘「お寿司が食べたい〜」
T「俺さっき食べてきたんだよね」
・・・・
取材なのにすごくアットホームな雰囲気を作り出す。
インタビュー中も娘さんから質問が出たりして
お陰でとても楽しみながら話せた。
内容は、
幼少の頃からの歴史と
ほとんどアートと音楽に関するもの。
Tさんもミュージシャン入ってるから
おのずと音楽談義に花が咲く。
娘さんも混じって、
アートと音楽の融合の可能性みたいなテーマになった。

あ、これっていつ発行されるんだろう?
聞くの忘れた。



2004年02月24日(火)



 スライド撮影

朝7時に作品が完成した。
何とか間に合ったので、2時間ほど仮眠。
起きてから、スタジオの家具をほとんど外へ出して
カラッポにし、撮影に備える。
10時にカメラマンのYuukoが来て
部屋を撮影用にセッティング。
こうやって見ると、家具のないスタジオは結構広い。

今日のは、作品をスライドにする為なんだけど、
ギャラリーやコンペに応募する時には、これが絶対必要。
だから、作品が溜まると定期的に
スライドを撮り増しないといけないんだ。
もちろん、カメラで自分で撮ることも可能だけど、
機材やライティングのテクニックなど、
プロとアマの差が歴然。
作品を実際に見せるのでなく、全てはこのスライドで
判断されるので、やっぱりクオリティにはこだわりたい。
カメラマンのYuukoとは旧知の仲なので、
何かあれば必ず彼女にお願いする、
云わば【お抱えカメラマン】なのだ。








順調に撮影が進んで、5時間で10枚の絵が撮れた。
機材を借してくれたYuukoの師匠
写真家Sのところへ、機材を返却に行くというので
俺も挨拶しようと思って、同行。
Sさんのスタジオは、今日は撮影無いと見れて、
のんびりムードだった。
スタジオで使うコンピューターをMacのG5に
総入れ替えにしたとかで、アップルの空き箱が
あちこちに積み上げられてた。
たぶん、総額ウン百万の経費だろうけど、
Sさんは「機材に金は惜しまない!」と言い切ってて
俺もいつか、あんなセリフを言えたらなぁ、と思う(笑)
それにも増して羨ましいのが、
社員全員連れてのジャマイカ旅行。
旅費も滞在費も小遣いも全部Sさん持ち。
この人、親分だなぁ〜と
つくづく思う。


2004年02月23日(月)



 イライラ モード

彼女がバス・ルームのペンキを塗りだしたので
気分転換にちょっと参加。
自分の絵にはできないような、
ペンキを刷毛につけてガーン!
と、ぶっ掛けるような塗り方をする。
かなり気分爽快。

油性のペンキだったので、手に付くとなかなか落ちない。
ちょこっと残ってたペンキが、描きかけの作品に付着!
猛烈にイラつく。
10分かけて、手を洗った。
最近、ちょっとの事でもイライラしてダメだ。
それから全く描けなくなり、中断。

夕方、領事館のMさんの「鍋パーティー」に参加。
ヤケ食い気味に、大量に食う。
早めに帰宅して、
明日締め切りの【Bits】の記事を仕上げる。
深夜4時に再びキャンバスへ向かう。
そうだ、朝10時までには完成させる必要があったんだ!
明日は、作品のスライド撮影日。
ヤバイ。
やれるか?俺。


2004年02月22日(日)



 クエンティン・タランティーノ

【Bits】のHさんに借りた日本の雑誌【BRUTUS】で、
映画監督のクエンティン・タランティーノ特集をやってて、
無性に観たくなり、向かいのHMVへ走って
【パルプ・フィクション】のDVDをゲット。
ついでに【クレイマー・クレイマー】もオマケで買う。
【パルプ〜】のトラボルタとウマは、超絶にかっこいい。
前に持ってたビデオは、日本語字幕だったので、
今回初めて英語で観たら、また色々と発見があった。
クエンティンの書く台詞のテイストって、
とてもトム・ウェイツ(大好きなミュージシャン)に近いってこと。
トムも、若い頃働いていた深夜のピザハウスでの
客同士の会話や、
実生活で得た小ネタを作品に取り入れていたが、
クエンティンもそうで、そういうのが
ああいうバイオレンスな中にも
凄いリアリティを生んでいることを痛感。
人間味を感じれて、とても好き。

夕方、強烈な睡魔にやられて撃沈。
深夜2時ころ起き出して、昨日の作品をさらに加筆。



2004年02月21日(土)



 案内状を発送

夕方、Danforthにある日本食レストランで送別会。
微妙にテーブルが【ヤング】と【アダルト】チームに別れてて、
俺様はもちろん【アダルト】チーム。
若い頃は、年上の人と飲むのが楽しくて、
よく顔を出したものだが、
ウチの【ヤング】チームは、同時代の枠内で楽しんでる印象。
ガツガツした奴があんまいないし、
どこか大人しい。

その後、バーに移って飲んだあと帰宅。
新作に取り掛かる前に、旧作の中からリニューアル予定の
作品を2つ選んで、同時に修正していくことにした。
両方とも昨年の【Artfocus】に出したもので、
一旦は完成したけど、いつも未完成の??マークがあった。
思い切って加筆and加筆!

そのまま朝を迎えて、郵便局へ。
個展の案内状を50通発送。
こうやって送るのは、過去に絵を買ってくれたクライアントだけで、
あとは直接手渡しか、メール。
メールで招待状って味気ないけども、
それだけ住所も分かって、手紙が送れる人が少ないんだから
しょうがない。
新しく人と出会っても、交換するのはメールアドレスくらいで、
名刺持ってる人以外、住所なんて聞かないもんな。
余計なお世話だけど、
郵便の利用率が減ってきて、経営大丈夫なのかな?
郵便局。


2004年02月20日(金)



 人の価値ってどこで決まるんだろう?

近頃【Bits】のミーティングなどに参加して思うんだけど、
人の価値ってどこで決まるんだろう?と。
「あいつ、いい仕事するね」って、よく聞くけど
皆はどこを指して「いい仕事」と言ってるのか。
たぶん、10人いれば微妙にズレがあると思うんだけど。

人の価値=結果が全てではないことは分かってる。
ミーティングでは全く発言しないで、チームの和を乱すけど、
デザインやらせたら文句の付けようが無いとか、
営業で広告が取れないけど、その人がいることで
チームが一丸となれる雰囲気を作る人とか。

たぶん
経営者から見ると、結果の出ない人間より
利益を生み出す人間がいいに決まってる。
でも、部外者から見ると
「あいつ、仕事は出来ないけど、
チームの潤滑油としては一級品だな。」
とか、人間味のほうを評価しちゃったりする。

じゃあ、仕事が出来ないからといって、
一級の潤滑油をクビにするのはもったいない。
結論言っちゃうと、どっちも必要なんだよね。
やっぱり【人材】と言うくらいだから、
会社の資材であることは間違いない。
大切なのは、
良い部分をどれだけ伸ばしてあげるかだと思う。
それには、上に立つ人間が目利きでなければ
ダメだとも思う。
部下が放った、快心のショットを「すげぇぞ、おメエさん!」
と、いちいち気づいてあげないと。

本題に戻ると、人の価値って
やっぱり人に必要とされることと同義語じゃないかと。
結果だけじゃなくても、何かを求められる人、
それが人の価値じゃないかと思うんだ。

「私は社会から必要とされてない人間だ」
とか言い出す奴が必ずいるけど、
世捨て人でもない限り、皆だれかと繋がっている。
繋がっているということは、
少なくともアンタを必要としてる人がいる。
価値っていうのはイコール結果じゃないことだけは
確かなようだ。

2004年02月19日(木)



 感動のゴール

昨夜は、あれから朝9時まで描き続けた。
で、目の焦点が合わなくなってきたので
倒れこむように夕方まで爆睡・・・
しようと思ったら、隣のビルの改築工事が始まり、
ドカーン!ドッカーン!
と、もの凄い音と振動で寝れやしない。
必死に布団にしがみ付いてると、
今度は玄関のベルが鳴った。
【トロント・アート・エクスポ】のPeterだった。
午前中にミーティングに来るのをすっかり忘れていたのだ。

「Hi Tomo, How's going?(どう、元気?)」

「Y..Yeah, I'm okay(オ、オーケーだよ・・)」
笑顔も引きつるっつーの。
寝れないじゃん!

契約書にサインして、出展の詳細を色々と聞くが、
ほとんど耳に入らず。
それを察してか、Peterもほどなく帰った。

ぼ〜っとしながら、とりあえずコーヒーを飲み、
今朝まで描いてた絵を眺める。

う〜ん、

見えた!

それからまたキャンバスに向かい、
何と、一気にフィニッシュへ!
感動です。
これがスポーツだったら、
勝利者インタビューがあるはずだが、
さすが孤独な絵描き業にはスポットライトは当たりません。
誰もインタビューしてくれません。
おまけに、完成しても誰も喜んでくれません。
ちょっと嫌になる。

気分転換にメールをチェックすると、
励ましのお便りが一件あり。
「体に気をつけて、良い作品を描いてくださいね。」
これですよ。
あなたの一言のお陰で、安眠できそうです。
おやすみ・・・。


2004年02月18日(水)



 やっぱり塗りつぶしました。

あ〜、やっちゃった。
一昨日悩んでいた新作、「完成だ!」というところで寝て、
翌朝起きたらやっぱり納得いかん。
で、
塗りつぶしちゃいました。YAY!
我ながら、締め切り作業には向かないタイプだと再認識。
まだ、会期には時間があるけど、
これが後々響いてくるんだな、きっと。

いつもはJAZZ系の音楽を聴くところを、
今夜は【Incubus】とかアッパーなものに変えて
気分をハイテンションにする。
それで一気に遅れを取り戻す・・・予定だが、
ただの灰・テンションになる予感もあり。
慢性的な睡眠不足なので、体が火照ってしょうがない。



2004年02月17日(火)



 チャレンジ中

描きまくってますよ、順調に。
そして
順調に24時間という枠も無くなってきました。

描く

寝る

食う

この3つで人間は生きていけるらしい。

ただ、今描いてる新作、やばいです。
全然見えてこない。
慣れないグレーとかブラウンを選んだのが
ハマった原因。
「新境地!」とか言ってチャレンジしてみたら
ぜんぜん良くないじゃん。
女の子の顔もインドの漫画みたいになってきたし、
あーもう最悪。
得意な色に塗り直しちゃおうかな?とも思ったけど、
でもやっぱりチャレンジしていくべきなんだろうなぁ。
それは別に個展でいいもの見せたいとかじゃなくて
自分が見てみたいという欲求。
この欲求だけは、どうすることもできない。

あと最近、アクリルやめて油絵に戻ろうかなと思ってる。
綺麗だけど、塗り重ねても重ねても
一向に深みが出ない。
厚化粧のおばさんみたいに、
ただ上っ面が厚くなっていくだけ。
ギャラリーのぞいても、いいなと思うのが
油で描かれてたり、好きな作家も油が多いしな。
乾燥時間が長いのと、
筆やパレット洗浄するのがめんどくさいのが
いまいち戻れない理由。



2004年02月15日(日)



 すげーかっこいい男の話。

去年の夏、
【Distillery】のアウトドアショーに出展してた時だ。
20分くらいの間、じーっと俺の作品を見つめる
ちょっとインテリ風の男がいた。
「リビングや寝室に飾る絵を探してるの?」
と聞くと、
「いいや、ホテルなんだ。」
そう答えた男が残した名刺には
【The Drake Hotel】と書かれていた。

それが俺と、DrakeのオーナーJeffの出会い。

それから半年、
全財産(5億!)と第二の人生を賭けたホテルが
2年の改装期間を経て、今日オープンした。









・・・・・・・・・・・・・
「残りの人生、アートと共に生きたい。」

ニューヨークにある【チェルシーホテル】のように、
アーティストやミュージシャン、作家、俳優・・・
夢を追いかける者たちが巣くうホテルをつくりたい。
それが彼の夢だった。

彼はほんの数年前まで、ITベンチャーの旗手、
青年実業家として富も名声も手にしていた。
その彼が、あっさりと会社を売り渡し、
手に入れたすべての金を使って一軒のホテルを買った。
Queenのギャラリー街中心部に位置する
その古びたホテルは、長い間買い手が付かず、
廃墟のように横たわっていた。

メディアや新聞は、事あるごとに彼を取り上げた。
「現代の夢追い人」というのもあれば、
「TOO クレイジー(トチ狂ってる)」という声もあった。
しかし、アート界からは常に暖かい励ましと
サポートを受けたという。

気の遠くなるような長い時間をかけ、
内装にも徹底的にこだわった。
建物に入った瞬間から壁も天井もアート。
一部屋ごとにコンセプトもインテリアも違う。







ヨガ・ルームや、ルーフトップ・パティオ、
鞭をもった番人がいる「セラピールーム」なんてのもあった。
一階には50年代ニューヨークを思わせる
巨大なボールルーム。
地下にはライブステージ。
そして、無料でアーティストに貸し出す予定の
アトリエまである。

プレ・オープンの今夜は招待客オンリーで、
いかにも皆アート界のパトロンですって人達でギッシリ。
ジーパンでノコノコ行った俺が馬鹿だった。
明らかに浮いてる。
ほら、アート系のホテルっていうから、
アーティストとかも沢山来ると思ったんだよね。
しかし、ギャラリーのオープニングとは明らかに人種が違う。
よくさ、グラミー賞とかであるじゃない
セレブ達がここぞとばかりに露出したドレスを着るの。
あんな感じの、オッパイ出そうな女性がいっぱいいてさ、
トロントにもこんな場所があるんだな〜、って
オッサンらしく感動してしまった。








顔見知り誰もいないし、
ジーパンのオッサンには誰も話しかけてくれないので
仕方なくバーのにいちゃんと喋っていたら
そこにJeffが登場。

おおーー!
「ジーパンじゃん、Jeffも!」

それが第一声(笑)
輝かしいオープンの日、
この雰囲気の中でジーパン一丁。
それでこそ男。
「今日、招待客は200人くらいいるんだぜ、
その中でジーパンは、俺とトモの2人だけ(笑)
俺たちってカッコいいじゃん!」
って、
何故かジーパンの話で大盛り上がり。

やっぱりアンタかっこいいよ。


(そんなかっこいい男に興味を持ったら
http://www.thedrakehotel.ca/home.asp
↑ウェブサイト見てみて)

2004年02月13日(金)



 ファクトリーみたいに

Marcel Dzamaの展覧会を観に【Olga Korper Gallery】へ。
2001年に同じ場所でやった時は
オープニングは酷い混雑だったから
今回は外して平日にしたんだよね。
そしたら大正解。
俺以外、誰もいなくて貸し切り状態。
ゆっくり作品見れたし、
ギャラリーのディレクターも暇だったので
一点一点付いて回ってくれた。

どうも、Dzamaの作品は【感染(うつ)るんです】の
吉田戦車とダブって仕方ない。
ヘタウマのキャラクター作りといい、
シニカルな視点といい、
「Dzamaは吉田戦車だった!」と言われても
「やっぱりね」と思うかもしれない。

近くの【Butler's Pantry】やあちこちに個展のカードを
配りつつ、SPINギャラリーへ。
ちょうどTVクルーが入ってて、Junoがインタビューしてた。
名前は忘れたけど、日本の【ミヅマギャラリー】で
やったことのあるアーティストの取材で、
彼女の載った【ぴあ】とか【東京ウォーカー】があったりして
すごい懐かしかった。









あらためてSPINの新スペースを見渡すと
とにかく「広い」。
これから窓際にカプチーノ・バーを作ったり、
奥にバックギャラリーを作る予定らしい。
ビルの一階には別のギャラリーが入るというし、
春にはMOCCAが近くに移転してくるし、
この辺がトロント・シーンのコアになりそうな
雰囲気がプンプンする。

Junoが「1950年代のニューヨークだったら、
ウォーホルじゃなくて、シュナーベルになりたい」
と言うので、
「だったら、メアリーブーンみたいなギャラリストに発掘
されなきゃいけないじゃん。
ここSPINだったら、ウォーホルのファクトリーみたいに
なれる可能性だってあるよ。」と答える。
あながち冗談じゃなくて、
本当にそうなったらいいな、と思う。
いつでも
アーティストや
ミュージシャンや
ジャーナリストや
クリティックらが出入りし、
お喋りをし、作業をする。

シーンっていうのは、そうやって交流することで
盛り上がっていくのだと思う。
日本みたいに、ジャーナリストや評論家とアーティストとの
隔たりがありすぎるのは好きじゃない。
自分の作品がどう見られているのかを
聞きたいし、時には「そうじゃないよ」と反論したい。
そういう直接的な交流が熱を生んで、
シーンが活性化していく。

その「場」にSPINがなって欲しいな、と
勝手な希望を抱いてるわけです。

2004年02月11日(水)



 コルシカ島

ずっとイタリアだと思い込んでいたけど、
実はコルシカ島(フランス領)だった。

2月6日の日記にも書いたけど、
今夏にコルシカ島で個展をやって欲しいというので、
本日【Gallery Hittite】にて、ウガンダのアーティスト
David Kibbukaとコルシカ財団のMr. Harvieと3人会談。
一応、7−8月くらいに考えていたんだけど、
Mr.Harvieは先日、ロスで某有名アーティストと
その時期をブッキングしてしまったらしく
無名のオレは、その前後にせざるを得なくなった。
前は無理だろうから、9月以降になるかな?

そこで、オレが「イタリア行ってみたかったんだよねー」
と言うと、「バカ!コルシカ島はイタリアじゃない!
それにフランスでもない!コルシカはコルシカなんだ!」
と、お叱りを受けました。
フランスとイタリアのほぼ中間に浮かぶ
美しい小島、コルシカは、
ヨーロッパの人々にとっては手軽なリゾート。
あのナポレオン一世の出生地でもある。
現在フランス領でありながら、
断続的に民族主義運動が起きているのは、
カナダにおいてのケベックに酷似している。

Davidは来年の夏にやるらしく、
出来れば同じ時期にやらないか?と誘ってくれた。
やっぱ、夏がいいよなー。

とりあえず今日は話がまとまらなかったので、
明後日、スタジオで実際の作品を見ながら
詰めることにした。



2004年02月10日(火)



 Inside Art Expo

ずっとオファーを受けていた
【Inside Art Expo】への出展を決めました。
会期が3月18−21日と、
思いっきり個展(3月3−21日)と被るので
渋ってたんだよね。作品もないし。

けど、今年の【Inside Art Expo】には
特別に「日本コーナー」が設けられて、
領事館やJCCCの協力による日本庭園や
日本画の展示があるのだという。
そこに、カナダで活躍する日本人アーティスト
を展示する。これが概要。

去年も出た、油彩風景画の慎也さんは
すでに出ることを決めてたんだけど、
オレはさっきの理由で出ないつもりだった。
けど、オーガナイザーのPeterに
何度も説得された時に、
「観客は、伝統的な日本の美術と共に、
現代のコンテンポラリーの作品を見たがってる。
その部分を埋めるのはTOMOの作品じゃないか?」
という、心トキメク台詞(笑)を言われて、
「よし、じゃあやったるか!」
と思ったわけです。
そう、おだてに乗りやすい性格です。

でも、ほとんどの作品は個展に回っちゃうので
新たに描かなきゃいけないのは明白で、
個展がスタートしても制作に追われることになった。
これでよし!か?

2004年02月09日(月)



 目からウロコの発見

忙しい時期に限って、色々なお誘いがくる。
スノボー
パーティー
食事
オープニング・レセプション
Etc...

「暇なときは何もないのに、
忙しい時に限って、いろいろ重なるんだよね」と
当然、個展の準備で忙しいと断るのだが、
果たしてそうなのか?

いろいろと用事が重なるから
あっち行って、こっち行ってと
【忙しく】なるんであって、
暇なときは
用事が重なってないから
忙しく感じないだけなのだ。

だからリゾートなどへ避難すると
人は、【忙しい】状況から開放されて
Happyになるのはすごく理に適ってる。

ウェイトレスを見てても、
一人はすごく忙しそうに
あっち行って、こっち行ってと
動き回ってるのに、
一人はヌボーっと
暇そうに突っ立ってたりする。
もしも
その子が突然やる気を出して
「お皿を下げなきゃ!」
「3番テーブル、コーヒーね!」
となれば、
状況は同じになる。
用事が重なることによって
人は忙しくなるのだ。

自分的には
目からウロコの発見でした。


2004年02月08日(日)



 Marvish villageへ

個展のプロモーションでMarvish villageへ。
オタク御用達のコミックストアや
アート専門書店、ギャラリーなどが並ぶ地区。
ポストカードを置かせてもらう。

ジュエリーショップ【Draganov】に寄って
工房で遊ばせてもらいつつ
しばし雑談をする。

休業日で誰もいない【Bits】オフィスで
Kazuと3時に待ち合わせ、二人で作業。
ちょっと煮詰まり、
思ったより時間が掛かった。
気付いたら夜10時半を過ぎてて
慌てて帰宅。
今夜は俺が腕をふるって
レバニラを作る予定だったのに
こんな時間にレバニラなんて
頭おかしいと思い、ラーメンに変更。
どっちにしろ中華系が食いたかったみたい。

ようやく絵の制作に入ったのが
深夜2時・・・
「絵は勢いがたいせつだ!」
と荒っぽくやってみる。
が、失敗・・・。
塗った部分を元に戻す。
明日は慎重にいきます・・・。


2004年02月07日(土)



 ウガンダ

Yorkvilleにあるギャラリー【Hittite】にて、
Batik(アフリカン・アートの技法)アーティストによる
グループ展があり、オープニングに顔を出す。

このギャラリー【Hittite】は、
以前の日記【マフィアに脅される2003年1219)】
に出てきたいわく付きの場所で(笑
新年初顔合わせになった。









ショーの方は、【Let's Have a Dream】に
出てもらったRoxaneが出展してたり、
今回連絡をくれた日本人の牛堂さんの
作品がとても良くて驚いた。

さらに驚きだったのが、
会場でカメラを回していた黒人男性に呼び止められ
挨拶をした時だ。
「Nice to meet you,僕も絵描きです」と挨拶して、
「tomolennonです。」と名乗った途端
「Oh, My God!君がトモレノンかい!」
・・・何だこの反応!?
こっちがビックリした。

実は、彼David Kibbukaさんは
去年からオレを付け回してたらしい。
春に【Just Dessert】で初めて絵を見て、
それから夏のイベントや【Artfocus】にも
来てくれてたらしいのだが、
オレがブースに居なかったり
何だりで、一度も会うことはなかったのだ。

毎回、彼は名刺を残していってくれてて、
それで俺も思い出した。
しかも2度くらいメールをもらっていたにも
関わらず、俺は一度も返信してなかった・・・(反省)

こんな場所で初対面するなんて
お互い思いもよらなかった。
Davidさんはウガンダ生まれのカナダ育ちで、
Batikアートの継承者として著名な人だとは
この時はじめて知った。

ガーッと一方的に話されたので
あまり覚えてないが、
どうやら俺をウガンダに連れていきたいらしい。
展示なのかな?
世界中でBatikのワークショップをやってるらしく、
来月もヨーロッパやどこかへ
出掛けると言っていた。
「ウガンダ行きの詳しいことはメールで送るよ」
と言われて別れた。

ひょっとして俺、ウガンダ行くの?
ていうか、ウガンダがどこにあるのかも知らないんだけど・・・。
どうやら今年は外に出て行く年みたいだ。



2004年02月06日(金)



 有り得ない光景

領事館のD氏に招待されて【いちもく会】に参加した。
カナダ人と日本人の交流団体らしく、
参加者はカナダ50%、日本50%くらい。
今日は、【アーティスト特集】ということで
参加費免除のうえ、
ドア・プライズ(懸賞)で図書券まで貰ってしまった。

会場のカラオケ・バーは超満員。
どこにも空席がなく、ずーっと立ちっぱなし。
最初は全然知ってる人もいないし、
「どこが【アーティスト特集】なの?」って
ツッコミたくなるくらい、誰もアーティストなんて居なくて(笑)
早めに引き揚げようかな、と思った。

D氏に
「誰かアーティスト紹介してよ」と頼むが
ほとんどパートタイム・アーティスト(本業が別にある)
ばっかりで、まるで興味が沸かない。
そもそも
意味不明の飲み会に参加するほど
体力を消耗するものはない。
自己紹介を繰り返し、
聞きたくもナイ相手のプロフィールを尋ねたり
まったく不毛だ。
そのくせ、
「どうやったらギャラリーでショーをやれるの?」とか
「どうやったら○○?」
「どうやったら△△?」
「どうやったら××?」
の質問責め。
そんなの自分で考えろって感じ。

ビールを一本飲み終わった頃、
ようやく知ってる顔がポツポツ来はじめた。
Inside Artのオーガナイザー、Peterには
3月のショウに参加するよう再三頼まれてるが、
未だにYesとは言ってない。
電話で呼んだRafiも来た。
弾けモード。
目の輝きが違う。
ダイスケやケンイチくん、
領事館のMさんに
IVラウンジのオーナーやJavaのNさんも来て、
今度は喋るのに忙しくなってきた。

先日、新企会で絵を買ってくれた三井物産の社長や
Butler'sで同じ絵を二枚も(?)買ってくれたお客さんに
偶然会ったりして、トロント狭し!を実感する。

ようやくエンジンが掛かってきた頃、
会はお開き。
ほとんどの参加者が帰った。
残ったメンツでカラオケ・バトルが始まった。

Rafiは領事館のMさんと【In my Life】を肩を組んで激唱。
有り得ない・・・

俺もD氏と【All my loving】を歌う。
これも有り得ない・・・

三井物産の社長がデュエット。
セクハラすれすれ・・・

なんだ、この光景は・・・
この「有り得ない」組み合わせにすっかりヤラれて
結局最後まで付き合った。
外は猛吹雪。
ウェイトレスの冷めた目線が痛かった(笑)

2004年02月05日(木)



 

新作【Till there was you】が完成!
(またもBeatlesのタイトルナンバー)

雪国独特の淡い夕暮れを表現しようと思って
たびたび外へ出ては、
実際の夕暮れを見つめました。

自然の風景はあまり描かないけれど、
雪が降ってる時だけは、
人工建造物と自然の境い目があいまいになって、
とても好きだ。

自然界にある【白】って色は、
空に浮かぶ雲や、
雪の結晶のように、
ふんわりと柔らかいイメージがあるが、
ひとたび太陽を浴びると
目を開けられない眩しさや、
火傷するような光度の強さ、
キャンバス上に置き換えられないほど強い光を発する。

さらに、どんな色でも
明度を上げていくと最後は白になるように、
すべてのものを含んだ崇高な色なのである。
俺の部屋の家具は
なるべく白で揃えるようにしている。
もう1つこの色が好きな理由に、
夕焼けになれば赤く染まり、
ランプを灯せば黄色く色づくように
どんな色をも受け入れる大きさが好きだ。

この新作では、雪をたくさん描いた。
夕暮れの街明かりを浴びて、
様々に変化する雪の白色をじっくり観察しながら
内心は完敗宣言。
こんな色、決して絵の具では出せそうもない。

YOKOさんは、
「空の美しさにかなうアートなんてあるのだろうか?」
といい、
ガラスを宙に浮かせただけの作品
【空を見るための絵画】をつくった。
俺もほとんどそういう心境。
蛇に睨まれたカエルのように、
アートって
自然の前では無口になります。


2004年02月04日(水)



 文化に合ったサイズ

昨晩は大変だった。
俺よりも慎也さんの方が大変だったはず。
本当なら、
今日も同じトラックで自分の引越しをするはずだった。
朝イチでレンタカー会社に文句を言い、
料金をタダにしてもらって、別の車を借りたらしい。

で、俺も引越しをお手伝い。

一軒家を買ったんだよね。
うらやますぃ〜!
子供ももうすぐ生まれるので、
Wうらやますぃ〜!ですよ。

こっちでは、
家を借りたり買ったりすると
壁の塗り替えや配線など
自分の手で改装工事をする人が多い。
慎也さんも例に漏れず、
せっせと新居作りに励んでいる。
俺も引っ越す度に
新しい工具を買ったり、
新しいことに挑戦しているので、
そのうち本気で家一軒くらい建てれるようになるかも?

こういうのって、
日本にいたら決してやらなかっただろうな。
改装ダメなところばっかりだし、
「気分転換に壁の色を変えてみよう!」
なんてのも無理。
工具箱すら持ってなかった気もする。
今さらながら、日本の住宅事情って悪いと思う。

こっちの建物って、平均して日本より天井が高いので
描く絵のサイズもどんどんデカくなっている。
やっぱ、その辺は文化なのかなぁ?
こっちで描いてる絵をそのまま日本に持っていったら、
「デカすぎるかな」と思うだろうけど、
ここだったら、全然普通に見えるんだもん。
逆に、小さい部屋だったら
作品もどんどん小さくなっていく気がする。
それぞれの文化に合ったサイズってあるんだね。

そう考えると、
日本の美術館のサイズはおかしい。
だって、天井の高さは欧米並みなのに、
制作するアーティストの自宅は日本規格なんだから。
小さい部屋で
無理矢理大きな絵を描かなきゃならない。
それって不自然です。
いっそここと、
日本の美術館の天井は、
日本家屋を基準に高さを考えた方が良いんじゃないだろうか?



2004年02月02日(月)



 落とし穴

【新企会】という、トロントのビジネスコミュニティの新年会で、絵の展示と販売をやった。
日本で言うと、地域の商工会みたいなもので、
トロントの大小様々な会社が会員となっている。
会長のM氏には、展覧会の度に絵を買ってもらったり、
スポンサーになってもらったりしているので、
「お世話になっている御礼」として
展示の話しをOKした。
けど、新年会という場で
絵の販売をしてどうなるの??という気がして
慎也さんと一緒だったからOKしたけど、
一人だったら嫌だったな。

幹事のSさんからは
「食事無し」を宣言されている。
つまり、パーティーには参加できない。という事。
それに、展示場所に宛がわれたのは、
パーティー会場外のホール。
「えっ、中じゃないの?!」
パーティー始まったら、完全に蚊帳の外じゃん。

会場時間になると続々と人が来て、結構盛り上がった。
知ってる顔が多かったし、
絵は知ってても、自分の顔を知らない人と交流もできたし。
日本式に名刺がバンバン飛び交う。

しかし、さっきの予感は的中。
扉の向こうでは、パーティーの余興がはじまり、
ホールには俺と慎也さん、バーテンダー2人がポツンと取り残された。
「飯でも食いに行こう」
ホテルを脱出して、近場のレストランで飯を食う。

会場に戻ると、オークションが始まっていて、
品物が足りないから絵を寄付してくれないか?と、
弁護士のIさんに頼まれる。
「プリントならいいですよ」と言ったら、
すぐにステージに連れて行かれて
俺の絵がオークションに掛けられた。
「じゃぁ、$20から・・・」とスタートして、
みるみるうちに値段が上がり、
「$250!!」
三井物産社長が落札。
俺は内心、
「え〜、原価はたったの$150なのに・・」
と思いつつも、ほくそ笑む。
売り上げは奨学金のために新企会に寄付。
俺って偉いかも。

パーティーが終わった頃に、
数点が流れるように売れた。
これも、さっきのオークションに出た効果だろう。

機材をかたずけて、さぁ帰りましょうという時に
更なる事件が・・・
車を取りに行った慎也さんが、
歩いて戻ってきた。
「エンジンが掛からない。」
・・・
レンタルしたトラックは、廃車寸前の年代物。
外の寒さでセルが回らなくなっていた。

CAA(日本でいうJAFね)に電話したり、
ケーブルを買ってきて、車と車を繋いだりしてみたけど、
バッテリー自体がイっちゃってるから無駄骨だった。
結局、CAAの修理車に来てもらい、
何とかエンジンが掛かった。
時計はもう深夜12時を回っていた。
せめてもの救いは、
気温がそれほど低くなかった(-10℃)ことと、
雪が降ってなかったこと。



2004年02月01日(日)
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