-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 ディスプレイについて対立

朝10時、Desing Exchangeにて【Tokyo Doll】のディスプレイについて会議。ギャラリーのディレクター主導による案が2〜3と、こちら側からの提案を掛け合わせたスタイルで検討。

整然と作品が並ぶ“ミュージアム・スタイル”も良いが、なるべくアーティストの展示案を取り入れた展示にしたい。それは多分、俺がアーティスト側の立場に立ってるからで、Rafiやディレクターとは対立した。

100%俺がコントロール出来るわけでは無いけど、会場も展示も美術館スタイルで統一するのはどうしてもつまらないと思ってしまう。やっぱその辺も日本人的な感覚なんだろうか?「ゴチャゴチャした〜」感じまではいかないが、雑然とした雰囲気を出したい。

その辺を説明しようとしても、なかなか伝わらない。それで作戦変更。とりあえずRafiとディレクターに概案を作ってもらって、そこに俺の考える「雑然感」を注入することにした。

数時間に及ぶ会議で、最初は0%だった俺の意見が40%くらい採用された。ディレクターからすれば、こんなワガママな奴は初めてだっただろう。最初は怪訝そうに聞いていたけど、最後には「まぁそれも面白いかもな」という態度に変わってきた。

参加アーティストの中には「こう展示して下さい」という展示図を付けてくる人もいて、やっぱりそういうアーティストとしてのこだわり部分は取り上げてあげたい。開幕までは実際のディスプレイが見れないので、あとは現場で対処したいと思います。

2003年09月30日(火)



 少年ナイフ

少年ナイフの直子さんと電話で喋った。去年の【Let's Have a Dream!】に参加してもらってから、早一年!!その時は忙しすぎてロクに挨拶もしてなかったなぁ・・・。

丁度【Tokyo Doll】が終わった頃の10月30日に、少年ナイフがコンサートでトロントにやって来る。5年ぶりとか言ってた。電話を掛けたのは、特別に【Bit's】のインタビューをやる事になったのと、コンサートがハロウィン前夜なので何か面白い事をやろうか!?という相談の為だ。

小一時間くらい音楽の事とか、プライベートの事とか喋っていたけれど、頭の中ではずっと「あ〜、何か俺と似てるわ・・・」と頷くことしきり。

絵描きとして俺は、日本じゃ一枚も売れたこと無いけど、こっちだとそれで生活できたりする。だから生活できるこっちに住んでるだけだし。少年ナイフの場合、デビュー前にアメリカ公演をやったのは「地元大阪よりお客さんが入るから」という単純な理由だったりするし。

英語喋れなかった頃も平気で英語のインタビュー受けてたり(笑)お互い英会話習った事ないけど、そういう必要性に迫られて喋るようになったり。歌詞で英語の文法が間違ってるのに後で気付いても直さないとか、絵のタイトルが間違ってるって指摘されても「いいじゃん」と開き直るとか(笑)そういういい加減なところも似てる。

4月に日本で美大予備校の講師をやった時に、「海外で活動していくコツは何ですか?」という質問に、“図太く生きる”ことだと答えたけれど、これは強ち間違っていないよね。センシティブ過ぎて波状攻撃に遭って立ち直れない人をよく見るし。

基本的に世界は色んな人種で成り立ってるんだから、どこに行こうと自分自身でいればいいのよ。けど、その自分自身がはっきりしないから言葉が喋れないと不安になるんだと思う。

フランス語喋れないのに「フランスへ行け!」って命令されたらどうする!?って話で、俺も直子さんも「とりあえずフランス語講座に通う・・・のが面倒くさいので、行ってから覚えます(笑)」という答え。やっぱそれだよなぁ、そうやって生きてきたもんな今まで。


2003年09月29日(月)



 年に一度のブック・フェスティバル

トロントで開かれるお祭りの中で、最も好きな【Book Festival】が開催された。会場はスタジオの目の前のQueen street。玄関を開けると、すぐそこが会場なのである。

午後から予定が詰まってるので、頑張って早起きして朝9時からウロチョロする。去年より若干少ないかな?と思ったが、それでもトロント中の大・中・小出版社が一堂に会してる光景は圧巻。

それはまるで年末セールのごとく「90%オフ!」とか「2冊で$5!」とか、投売り状態である。勢いにつられて5冊ほど購入した。

もっと見たかったけど、後ろ髪を引かれる思いで約束のあるCamillaのスタジオへ向かう。10月末にコンサートでやって来るS・Nと何か面白いことをやろう!という話になって、Camillaにキュレーションをお願いすることになった。

Mocca(現代美術館)のキュレーターであるCamillaとは、6月にBit'sの取材でインタビューを通して知り合った。彼女も大のS・Nファンということも手伝って、話がトントン拍子に進む。

盛り上がって話してると、同居する彼氏も首を突っ込んできて、このプロジェクトに参入することになった。彼も著名なアーティストで、この種のハプニングには目がないという。

こんな三人が集まったものだから、膨大なアイデアが出てきて収集つかなくなり、とりあえず頭の整理をするために今日は2時間ほどで終わらせた。これは楽しみになってきたぞ。

5時にRafiとのミーティング。最後の詰め詰め詰めめめめめ!!頭痛くなるくらいに詰まってきた。そうです【Tokyo Doll】まであと10日!!!!



2003年09月28日(日)



 スパシーバ!PAUL!!















今月18日に世界で初めて一度だけ放送された番組【Paul McCartney in Red Square】がケーブルテレビで再放送された。その時は見逃していたので、今夜は何としてでも観ようと、夜の予定を全てキャンセル。

そこまでして観た甲斐があった。映像は5月にモスクワの【赤の広場】で行われたポール・マッカートニーのライブ+ドキュメント映像。ビートルズ時代を含めてポールがモスクワに足を踏み入れるのは初めてで、「長年の夢がかなって嬉しい」というポールとロシアの民衆の待ちわびた表情が重なる。

圧巻だったのは「Hey Jude」で、ポールの第一声♪Hey〜..の所でドドドーッ!!と、群集のざわめきが凄まじい勢いで連鎖する。それは足を踏み鳴らす音であり、手を叩く、叫ぶ、人々がぶつかる音であり、魂が高揚の絶頂にあるときに生まれる音圧でもある。

一種、神がかり的とも言えるポールのパフォーマンスに観客は魂を解放された信者となり、あのような現象が起きたのではないか。そこに圧倒的な音楽のパワーを見せ付けられた思いがした。こんなにも人の心を掴む芸術は他には無いと、ある意味で俺がやってるアートなんて何てちっぽけな一人芝居なんだと脱力した。

もちろん、アートと音楽を同一線上で語ることは出来ないが、もしも“人に必要とされる”ものが芸術だとしたら、音楽はアートの非じゃないくらい強力なエネルギーをもっている。

そのポールだって、やがては老いて、この世から去っていく。作家が死後も美術館に展示され続けるアートとは違って、今この時、同じ時代に生きてる者しか触れることのできない特別な存在だ。ポールの死後には、もう二度と誰も彼の芸術には触れることが出来なくなるのだから。

ポールの前で人は歌い、喜び、そして涙を流す。普段僕らの周りでは、気軽にコンサートが観れ、CDが聴け、ポールのコンサートだってすぐに観ることが出来る自由がある。特別のことが当たり前になっている世界と、モスクワの民衆の間には大きな違いがあった。

それは心の底からの渇望であり、喜びである。それらに応え、与えることが出来る人間はポール以外に誰がいたというのか。本当に素晴らしいよ、ポール。


2003年09月27日(土)



 帽子にペインティング

朝10時、日本領事館にて【Tokyo Doll】の開催報告と8日の内覧会の件について打ち合わせ。まぁ政府機関だから当たり前かもしれないけど、とにかく細部まで突っ込んだ質問が多い。逆にそれによってこちらも見過ごしていた問題に気付かされる。

その足でKing Eastにある【Hiro Sushi】へ招待状を届ける。近くには趣味のいいインテリアショップが点在するので、ついつい長居をしてしまう。

さて、先日から取り掛かってる新プロジェクト【PULL】というショップから頼まれている帽子のペインティングを始めた。どんな画材がマッチするか相当試行錯誤したけど、結局ジェッソと布用顔料を混ぜたものを使うことにした。

試しにT-シャツにペイントして、それを洗ったりしたけど全く色落ちしなかったので。サンプルで渡された帽子の中からナイロン地で目が詰まったものを最初にトライ。

オーナーが気に入っていた【Bubble】シリーズを描く。思ったよりも絵の具の乗りが良く発色もいい。第一段階を終えたところで、別素材の帽子にも描き始めるが、こっちは繊維との相性が悪く、2,3度塗らないとムラになってしまう。

数時間後、最初に手がけた方は素晴らしい出来になったが、もう一つのはどうしてもムラが目に付く。意地になって塗り固めてもボテボテするだけだしなぁ・・・。

途中でストップして、改めて画材の研究をする。これまでの絵の具に少量のアクリルを混ぜてみた。やっぱりダメ。明日エアブラシか、シルク用の塗料でも買って試そうかな?


2003年09月26日(金)



 不健康そのものです

毎朝、まるでモーニング・コールのようにRafiからのTELで起きる。だからどんなに寝不足でも昼まで寝ることは無い。

Rafiは子供がいるので、朝7時には起きて、9時には仕事をスタートしてるのだが、俺が寝るのは朝5,6時だと知ってるので、いつもは11時くらいまで電話するのを待ってくれてる。けど、今日は朝9時前に電話があった。

【Tokyo Doll】の展覧会カタログがほぼ仕上がったのだが、そこに重大なトラブルが発生したという。すぐにウチに来てもらい緊急ミーティング。それは作業的なミスとか、人為的なものでなく、資金的な限界からくる予定変更と言うべきか。

作品がカナダに届くギリギリまで印刷所には待ってもらっていたが、ここで更に無理をお願いすることになりそうだ。とにかくここで、二人で悩んでいてもしょうがないので、Rafiに印刷所の件はまかせて、俺はポストカードの配布作業を終わらせることにした。

来年のコンサートのプロデュースを頼まれた件で、スカボローのRon氏とコンタクトを取る。基本的な条件では合意に達したので、あとは会場であるJCCCを押さえるのみ。シド・イケダさんを通して押さえようと思ってるのだが、一向に捕まらず。彼は“Busy Man”で有名だ。

夜9時、【Tokyo Doll】デザイナーであるTerryのオフィスに集合して、今朝のトラブルについてミーティング。腹へった・・・、気付いたら今日何も食べてない。ここ数日ほんとに食生活が悪い。ちゃんと食べたのは、日曜にRyanと寿司を食ったくらいで、あとは生パンをそのまま口に放り込むだけのもの。それに反比例してコーヒーの量が増え続けている・・・



2003年09月24日(水)



 お帰り、コンピューター!

月曜日。遂に修理に出したコンピューターが戻ってくる。それまではサブのノート・ブックでメールなどを処理していたけど、どうしてもグラフィック・ツールが必要なので、今日中にセット・アップを完了したい!

しかし「週の始まり月曜日」ということもあって、一斉に仕事の電話やメール、打ち合わせが詰まってしまって、一向にコンピューターを取りに行く時間が取れない。

【Tokyo Doll】のポストカード配布開始。スタッフそれぞれに400部ずつ持たせて、市内をエリア分けして配布作業。このカードは通常のより豪華で、3つ折りの見開きタイプだから、配布先でも結構評判がいい。

ちなみにデザイナーのTerryは、数々のデザイン・アワードを総舐めしてるカリスマ(?)。展覧会カタログも彼のデザインで進行している。

夕方6時、閉店時間ギリギリにコンピューターをピックアップ。早速セットアップを始めるが、これが膨大な作業・・・。一気にやるのは諦めて、まず必要なグラフィック系ソフトとCDバナーだけをセットアップする。

取り急ぎ、明日の締め切り2つをクリアしたのが朝4時。メールなどは未だにサブ・コンピューターでやるので、2つの間を行ったり来たり(笑)

とにかく、修理されて戻ってきたので良しとしよう。

2003年09月22日(月)



 モデルになりました

随分前から友人のカメラマン RYANに写真のモデルになって欲しいと頼まれていたので、午後の予定を空けて撮影に協力した。

モデルって言っても、別にファッション・モデルじゃなくて(当たり前か)、普段のまま汚い格好で、普段の生活を撮るという主旨なので特に気張る必要もなし。

でも、ご存知のように現在コンピューターの復旧で忙しいから、モニターの前に座ってばかりで、さすがに「ちょっと画家らしく、絵の前に座ってよ、Please」と言われて(笑)絵の前で数枚ポーズを取った。

今までも何度か、こういうポートレイト写真のモデルになった事がある。写真家それぞれに特徴やクセ、やり方があって、自分のテイストじゃないポーズとか表情を頼まれることもあったけど、Ryanの場合は好みが似ているというか、どういうショットを望んでいるのかがパッとイメージ出来る写真家だ。

映画【My Private Idaho】のような、埃っぽいざらついた画面に、“Natural”という天然ミルクをポタポタと落とすようなイメージを持った。

後半はリラックスしてきて、お互い共通の趣味であるBeatles話に夢中になった。その時もカメラを離さず、パシパシとシャッターを押している。本当に写真が好きなんだなぁ。

先日、作品が掲載されたという雑誌を見せてもらったり、前回の展覧会の作品をプレゼントしてくれたりで、彼の【写真】というものが、今日一日で俺の中にたくさん入ってきた。普段、他の人の作品が心を占領しないようにブロックしたりするけど、何故だか彼の作品はスッと受け止められた。

夕方、撮影が終わって2人で近所の日本食レストランへ行った。そこでやっと彼は写真家から、普段の22歳の青年に戻った。そして、またBeatles話(笑)

今回のセッション写真は、たぶん近々WEBにアップできると思います。もちろん彼の作品として。

2003年09月21日(日)



 大出費

長い間試行錯誤した結果、どうにも自分の範疇内では直せないと悟り、仕方なくパソコンを修理に出した。

スタジオからわずか一分の所にあるパソコン屋のオヤジには、これまで何度かお世話になっている。HDDがイってるのは分かったけど、古いCPUでは処理不足が起きたりもしていたので、ついでにアップグレードもお願いすることにした。

Pentium4にするってことは、マザーも変えなきゃいけないので、総額4万くらい掛かるんだよね〜。あぁ…



2003年09月19日(金)



 カーロス・ニュートン PRIDE参戦!

日加タイムス編集部にお邪魔する。【Tokyo Doll】の広告の件だったのだが、ここはいつも暖かく迎えてくれる。カーロス道場へ通う切欠を下さったTさんが丁度電話でカーロスと話してる最中だった。そして大ニュースが!!

10月5日さいたまスーパーアリーナ(ジョンレノン博物館があるアソコですな)で開催される格闘技【PRIDE・武士道】にて、あのヘンゾ・グレーシーと対戦することが決まったという!!!すげー!まじで。

試合はもちろんメインイベントだし、カーロスは日本軍の大将として出陣する。高田延彦いわく「サムライ精神を持ったニュートンが、本人の希望で日本チームとして出場が決定しました。」だって。見に行きたいけど【Tokyo Doll】があるし・・・(笑)でもまじで見に行きたいYo---!

夕方、Rafiの家で【Tokyo Doll】メイン・スタッフ達とゼネラル・ミーティング。とりあえず腹へったし、屋外に椅子を持ち出してバーベキューをやった。明日は嵐の予報なので、風は強いし空は今にも泣き出しそう。そんな中、平然とバーベキューをやってる俺らを見て、近隣の人はビビってた(普通やんない)。

夜9時半に慎也さんのオープニングのため自転車でGallery1313へ向かう。やばい雨降りそう。

昼間会った日加タイムスのKさんと、Bit'sのHくんがいた。慎也さんのインスタレーション作品はかっこ良くて、インテリアに欲しいなと思ったけど、値段が1500ドルもしたので聞かないことにした(爆)



2003年09月18日(木)



 バックアップはこまめに!

一体何が起こったのかと言うと、14日の朝PCを起動しようと思ったらウンともスンとも言わない。それでセーフモードで起動しようとBIOSの確認をしたら、そこでHDD(ハード)が壊れていることが分かった。

とりあえず分かってることは前の晩にメールに添付されたファイルを開けた時にウィルス感染したこと。それはほぼ間違いない。

この日は、来年度に関わる大きなミーティングがあったのでとりあえず放置して、帰宅後にBit'sのKazuさんに手伝ってもらい、サブのPC2台を使いながらハードの中から大事なファイルだけを取り出すことに成功した。

現在、まだディスクの初期化やフォーマットを繰り返し、何とか復活にトライしているけど先は見えず。とにかく日々のバックアップは大切だな、としみじみ感じた。

まず200件以上あったE-mailアドレスが飛んだし、大事な作品画像や年間の帳簿が消えた・・・。あ〜、最低や。

PCある無しに関わらず締め切りが重なってるので、沈んでる場合じゃない。サブのPCに無理やり詰め込んでこの場を乗り切ることにした。お陰で完徹2日!キーボード打ちながら何度も寝た(笑)

ここ数日で起きた出来事は、まず【Butler's Pantry】での展示がスタートしたこと。それに来年あるコンサートのプロモーターに就任したこと。【Tokyo Doll】の写真撮影やカタログ制作がスタートしたこと。そんな感じです。

2003年09月17日(水)



 更新できない理由



何も出来ません。

ウィルスにやられてパソコンのHDDがぶっ壊れたのです。

この3日間で、何とか大事なファイルをほとんど取り出すことができたけど、

完全復旧までには相当掛かると思われ・・・。


2003年09月16日(火)



 光と影

午後からRafiのショールームでオープニングがあったんだけど、キャンセルして新作に取り組む。そう、やっと【Butler's】用の新作に取り掛かれた。少なくとも2枚は描きあげたいが、明日はまた予定が詰まってるので、正直難しい。

自分の中での「風景画」というものが、少しずつ明確になってきている。よく人から「色使いがイイですね」と褒められるけど、実際“色”にはそれほど執着していない。それよりも“光と影”をどう表現するかの方に比重がある。WEBでは発表してないけど、木炭のみで描いたモノクロのスケッチが山ほどあるが、それらの方がカラー版よりも的確に制作意図を表現できてるものがある。

“光と影”と一口に言っても、強いコントラストだけじゃなく、ほとんど陰影がつかないほどフラットな画面の中にも様々な対比がつくれる。それを俺ならどう表現するか?という部分にのめり込んでいるんだな。

ウディ・アレンの映画【マンハッタン】には、いつ観ても画面に釘付けにされる。映画が公開された当時、撮影監督の元に「どこのラボへ行けば、あんなに美しいモノクロに焼いてくれるんだ?」という質問が殺到したという。冒頭で花火が上がるシーンがあるけど、白黒なのに花火があんなに美しく見えるなんて凄いと思った。それを見て、「色じゃないんだな」と、改めて感じるわけだ。

“光と影”は、“静と動”にも置き換えられるけど、躍動的に動いてるものを捉えるのではなく、じっと座ったままの人間が今まさに立ち上がろうとする直前の、静から動へ変化する一瞬というのに惹かれる。100m走の時に、スタートラインに立って「よ〜い、」と聞こえた瞬間の身の強張りが、「ドン!」で弾ける。その「よ〜い、」と「ドン!」の狭間を表現する言葉は無いけど、作品の中にもそれと同じような緊張があって、それを掴めるか否かが、作品の出来に左右するのだと思う。



2003年09月13日(土)



 愛国の日

9・11
セプテンバー・イレブンです。
アメリカでは【愛国の日】に制定されたそうです。
あれからもう2年、
人々はまだ、ひとつの村に住む準備をしていません。

どうでも良いという人は、他のどうでも良いという人を放っておくけど、どうでも良いと思えない僕は、どうでも良いという人を放っておけない。

*******************
午後、Rafiとのミーティング。日本からほとんどの作家の作品が届いた。ギリギリまで撮影を延ばしていたが、やっと目処が付きそうだ。

一旦スタジオに帰って次のミーティングの準備。先日のアパレル関係のプロジェクトが進んでいて、昨夜も徹夜でデザインを仕上げた。オーナーのDougと待ち合わせて、サンプルをピックアップ。商品化しやすいので、まずは幾つか帽子のプロトタイプを制作することに。

これが成功しない事には先が無いので、何度も質問を繰り返してアイデアを煮詰めた。この先に何があるかと言えば、今年初めに着手して、長いことスタックしたままの【I Love Toronto】プロジェクトを何とか建て直したいんだ。

Hiroに凄いデザインを出してもらってるし、ポテンシャルの高いプロジェクトだし、日本のBEAMSがポシャッてからずっと各方面に根回ししているから。

夕方、一旦抜け出してチャイナタウンのレストランへ向かう。Aちゃんが急に帰国することになり、送別会が開かれた。袖触れ合うも、多少の縁。この広い世界、偶然知り合って言葉を交わした事でさえも何億分の一の奇跡に思えてくる。

2003年09月11日(木)



 日加修好

結局2時間ほど寝て、Kingにある日本領事館へ。【Tokyo Doll】展のために祝辞を書いて頂いた。去年の【Let's〜】に続いて二度目だが、もらう度に心が引き締まる思いがする。

別に「お国のため・・」にやってる訳じゃないけど、個人で好き勝手にやってる時と違って責任の重さを感じる。Rafiの所にはトロント市長からもレターが届いたというし、何だかんだ言って日加修好に役立ってるじゃん、という感じ。

午後、別プロジェクトの打ち合わせ。近所のアパレル会社とコラボレートして洋服や帽子のデザインを発表することになった。知り合いを通して作品集を見てもらったところ、トントン拍子で話が進んだ。この話しはまた後日。

夜になって、友達から【トロント国際映画祭】の入場券をもらい、急遽その足で映画を観に行くことになった。題名も監督も何も分からないまま、指定された会場に入る。

上映前に監督の舞台挨拶で、ケベックからエントリーされた作品だと知る。映画が始まると、パッと英語字幕が出た。「ゲッ!フランス語じゃん・・」英語の字幕を目で追うのは本当に疲れる。が、内容は興味深くて楽しめた。

その後、深夜のダイナーで遅い夕食を済ませて帰宅。今日はほとんど外に出ていたので、溜まったメールと仕事をこなす。また朝になってしまった・・・。

2003年09月09日(火)



 徹夜だな・・・

昨夜の引越しパーティーで、ビール6本くらいしか飲んでないのに轟沈。今朝はRafiの電話で目覚めた。

すぐにミーティングのためにケンジントンまで行く。【Tokyo Doll】の作品が幾つか届いていたので、開封して破損がないかを確かめる。どれも無事だった。

日本の作家も、オープニングのために続々とカナダへ来ることが決定し、スケジュール調整をしなければいけない。あと、審査員のデハラさんの航空券の手配やら通訳の手配など、俺がやんなきゃいけない事柄が多い。

午後2時半。【Bit's】のKazuが迎えにきて、車でシェパードまで行く。来年開催予定のコンサートをオーガナイズして欲しいと、某Sさんから頼まれてしまって、その打ち合わせのため。

結局、イベントってものは、どんな中身(コンテンツ)かで決まる。それに魅力があれば、さほど苦労せずに肉付けをすることが出来る。逆に貧弱なコンテンツだと、肉を付ける場所もなければ、付けても落ちてしまう。

夕方Kazuさんと別れ、Yorkvilleのギャラリーへ。【Bit's】用の資料が中々送られてこないので、直接こっちから出向く。が、クローズしてた・・・。いい加減にせぇよ!

もう、そのギャラリーの記事はキャンセルして、予備に取っておいた方を採用することにした。写真や記事の書き直しを終えて、さっき入稿(朝5時!)。

あと数時間後には、日本領事館へ行かなければいけないんで、もう寝るのは諦めました。しんどい。

2003年09月08日(月)



 緩んでます

先日のFundraiserが終わった後、ちょっと緊張の糸が緩んだみたいで仕事のペースが落ちた。目の前には山のような仕事が溜まってて、それらを処理することを想像するだけでゲッソリする(笑)。

まずは締め切りがあるものから終わらせようと、【Bit's】のアート記事に着手するも、資料を要求していたギャラリーとの連絡がなかなか取れない。手元にある資料を基に、ある程度書いてみたけどイマイチ。

最近思うんだけど、ウェブサイトを持ってるギャラリーは増えたけど、ちっとも更新されてないんだよね。酷い所だと、ウェブを立ち上げた当時のインフォのまま、って具合に。

気分転換にカーロスの道場へ行った。今日はティムとダニーともう一人だけ。4人でボクシングのスパーを5ラウンドくらいやった。久々だったので、スタミナ切れてしんどかった・・・。

帰ってから、【Bit's】の件は後回しにして、メールの返信を30件くらいこなす。これだけで2時間かかった。

夜は彼女の引越しパーティーで、友達を招いて食事をした。俺は焼きうどんを料理。(自分で言うけど)これ絶品!

2003年09月07日(日)



 Tokyo Doll Fundraiser Party

今日は【Tokyo Doll Fundraiser】である。Una-Masという、トロント一イケてるクラブを借り切って、夜9時から深夜2時まで。

朝はゆっくり出来たんだけど、午後から急にバタバタした。DXに人形を引き取りに行って、ディスプレイ台もそのまま運搬しようと思ったら、大きすぎてタクシーに入らない!何とか大型のタクシーを捕まえたけど、相当な時間ロスになった。

7時に会場に入ってからは、スクリーンで上映するフィルムのセッティングとかに手間取って、スタッフ・ミーティングもそこそこに9時のオープンを迎えた。スタッフは、Rafiの奥さんや親戚の子も含めて5人。ウチからはYumiちゃんとMihokoちゃんがヘルプに駆けつけてくれた。

スポンサーや、雑誌・メディア関係の友人、知人が多く来場してくれて華やかなパーティーになった。領事館からは、MさんとDさんが「来られない」と言ってたにも関わらず顔を出してくれたし、カナダ版MTVである【Much Music】のVJ Hannahが特別に司会を買って出てくれた。ビックリした。

4人のDJ達も最高。去年【HYPE TOKYO】のオープニングでも出てくれたShingoがトップ・バッターで、元Una-MasのオーナーであるAkiさんも久々にSpinしてくれた。Stuartは【NOW】のインタビューでTokyo Dollの宣伝してくれてたしね。



更にビックリしたのが、5本用意した豪華景品ビンゴのウチ、4本が日本人に当たったこと!!名前出すけど、K澤S也!運あり過ぎ。それに日加タイムスのKさん。あまりにも当たりすぎなので、「裏取り引き疑惑」が浮上(笑)したが、そんなわけない。あれはきっと執念です(爆)



深夜を廻ってからは、踊り出す人も出てきて、Fundraiserというよりもオープニング・パーティーのノリに突入。いや〜、久々にクラブなんか来ちゃったので、全く酔えない。大声で話してるから喉は痛いし(笑)。

それでも無事に午前3時に終了!お疲れ様でし。




家に帰ってから、日本の審査員の為に航空券の手配作業が残っていた。途中で国際電話のコーリング・カードが切れて、何度もFAXの送受信を余儀なくされた・・・最低。

それにしても何で日本は、いまだにニコニコ現金主義なんだろう!?代金を払いたくてもクレジットカードを受け付けないんだからなぁ。「現金振込み!」の一点張り。


2003年09月04日(木)



 BIKE!

先日売れた絵(Secret Garden)の受け渡しで、Lawrenceまで行った。結構大きいやつなので、慎也さんに頼んで車を出してもらう。

購入者は20代の女性 サラさん。実は6月のショーと、8月のアウトドアの両方に来てくれてて、その時から「買いたい」と言ってくれてたんだけど、同居人の彼氏が「もうちょっと考えなよ」と、(余計な)ストッパー役になってたんだよね。

しかも、アウトドアの時は「せっかく今日は買いに来たのに・・・(泣)」と、半泣きになりながら彼氏に連れ戻されてたんで、可哀相だなと思ってたんだ。でも最近、遂に彼女ひとりでスタジオに絵を見に来て、やっと買ってくれた(笑)。彼氏と一緒じゃ、永遠に買えないと悟ったらしい(笑)

ダウンタウンに戻って、セント・ローレンス・マーケットで昼食を食べてから、今度はお返しに慎也さんの展覧会の搬入を手伝う。

会場のArts on kingは、建物も古くて雰囲気があって好きだ。3つあるフロアの内の、一番大きくて、グランドピアノがあるフロアが今回の会場。15点くらいの作品を、一気に壁に掛けた。

それから、卵の殻に電球を仕込んだインスタレーションの設置もお手伝い。結構楽しい。しっかし、よくこれだけ(1000個)の卵に穴開けたよな〜(笑)。

4時にケンジントンで、昨日買ったチャリンコの組み立て。でも、オーナーのジョンが一向に現れなくて、多少待ちぼうけを食った。その間にRafiの家に寄って、明日の【Tokyo Doll Fundraiser】の打ち合わせ。

結局、夜8時過ぎにやって、ようやく組み立て開始。1時間くらいでババっと組み上げた。見よ、この勇姿を!(笑)


2003年09月03日(水)



 チャリンコ欲しい

昨夜は、友達と一緒にアンティーク・マーケットから帰ってきて、ウチで朝までコースだった。久々に話し疲れ。

午前11時、Rafiとミーティング後に【Tokyo Doll】展の会場であるDesign Exchangeでスタッフと打ち合わせ。ディスプレイのことや、バナー、ポスター関係の立案。DXの正面玄関には、もう既に作品を一点ディスプレイさせてもらっている。これがまた評判がいいらしい。

その後、Hiro Sushiへ寄って木曜日のファンドライザーのパッケージを渡す。そう、もう明後日なんだな。Rafiに借りたチャリンコに乗りながら、携帯電話でボランティアの方々に連絡を取る。

あぁ、チャリンコ欲しくなってきた。一年前に自宅玄関でパクられて以来ずっと迷っていた。

一旦スタジオに戻って事務作業。たまたまRafiと電話で話した時に、チャリンコの話題になって、「$60くらいで近所にあるよ」と言うので早速見に行った。

これでも昔はチャリンコ屋で働いていたから、ひと目見れば良い品か、悪い品かが判る。そこで見たのは”最悪”の部類に入るやつ(笑)。タイヤは擦り切れて糸が出てるし、サドルは無いし、ブレーキすら無い!

「こんなの売り物じゃないでしょ!?タダだよタダ!」と店員に悪態をついてみた。それでも$60だと言い張るので、諦めて自分で全部修理しようかな?と思ったけど、パーツやらタイヤやらを買ったら、それだけでも$60以上はする。そしたら全部で$120以上の出費になるしな。

ダメ元で、「新品のタイヤとサドル、ブレーキを付けて$60にしてくれ。そしたら自分で全部取り付けるから。つまり、車体はタダで譲ってくれよ。」と言ってみたら、やや暫く考えた挙句「OK」と、驚くような答えが返ってきた!

言ってみるもんだね〜、しかし。こんな簡単にいくとは思わなかった(笑)。というわけで、チャリンコを組み立てる為に明日の午後に工房を借りることになった。久々に自分でチャリを組み立てるのでワクワクする。

2003年09月02日(火)



 アンティーク・マーケット

今日は【Labor Day・祝日】。友達とDistilleryで行われたアンティーク・マーケットに行ってきた。あんまりパッとしなかったけど、ひとつだけ凄くステキな銀の灰皿を見付けた。

とりあえず値段交渉して、$20くらいディスカウントしてもらったんだけど、イマイチ買う勇気が出なくてモゾモゾしてると、友達が口々に「いいじゃん、買えよ。」「買わないと後で後悔するよ」と、まるでセールスのように購入を薦めてきた。

そこで俺は「じゃあ誕生日プレゼントとして俺に買ってくれよ!」と、3ヶ月も早い誕生日プレゼントとして、皆で買ってくれと迫った。で、見事にGET!(笑)。我ながら嫌な奴だ。

午後、ArtfocusマガジンのPatからTELがあり、10月のショウに是非エントリーして欲しいと言われた。この時期になると、毎年のようにお誘いが来るので、拒み続けていたんだけど、最近至るところで彼女と偶然会うので、話しの流れで今年はOKみたいな事を言っちゃってたんだよね〜。

彼女には去年の【Let's Have a Dream !】でもお世話になったし、ここは一念発起やるしかないでしょう。とは言え、Artfocusのショウは10月20日〜24日!思いっきり【Tokyo Doll】に被ってるじゃん!(笑)

2003年09月01日(月)
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