2000年04月02日(日)
 

大きな窓から行きかう人々を眺めて
景色って変わらないものなのだな、とわたしは思った。
普段あまり飲まないコーヒーを、ひとくち口に含むと
懐かしいほのかな苦味が口の中に広がった。

(遅いなぁ…。)

待ち合わせにこのカフェを選んだことを
わたしは少し後悔し始めていた。
もうずいぶんも前のことなのに
忘れたはずの思い出が、次から次へと蘇ってくる。

今よりもうだいぶ前、
わたしはこの恋が最後だと。
この恋と一緒に死んでもいい。
と、思うような恋をした。

優しく笑うしぐさが好きだった。
ほんの少し低い声が好きだった。





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