NORI-☆
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目指せ、咲子さん!?--「恋何」watching その2--
「恋何」は3人の妻の物語である。 あまり関係ないが今の職場にも、同じく3人の「妻」がいる。 結婚後8年経過、二児の母にして最年長の私、 札幌-東京の別居結婚2年目の恭子姉 (私より1歳年下。「姉」のネーミングは本人の墓穴発言、 “三姉妹の長女だから叶姉妹なら恭子”によるもの)、 新婚半年のバービーちゃん(5歳下)。 この三人である日雑談していて、 三人とも「恋何」を観ていることが判明した。 やはりというべきか(笑) 当然のことながら三人は勤労主婦なので、 「あの人たちの生活は優雅すぎるよねぇ」 「ああいう付き合いってちょっとないんじゃない?」 という話になる。 しかし、大人はドラマの楽しみ方を心得ているので、 そういう嘘っぽいところはまた別に面白がることにして、 ちゃんとツボを押さえてウォッチングしているのであった。 「咲子さん、いいですよね…」 ひとしきり話したところで、バービーちゃんがふと言った。 えっ?? 咲子さん/黒木瞳とは、夫単身赴任中の銀行支店長夫人で、 「若くしてお見合い結婚したので恋をしたことがない」 とのたまい、大恋愛に憧れている浮世離れしたお嬢様奥様。 21歳の娘と一卵性母子しているが、こともあろうに 娘のお見合い相手として出会った青年(夫の部下)と 恋に落ちてしまい、これが恋なのね〜(はあと) と舞い上がっている困ったお方なのである。 「なに? 新婚のくせに、不倫に憧れてるわけっ?」 私と恭子姉が二人してあきれた顔をすると、 バービーは慌てて言った。 「いえ、そっちじゃなくて、あの生活、いいですよねぇ?(^^;)」 なるほど、バービーちゃんはもともと黒木瞳のような 優雅で美しく年齢不詳な女性を目指しているのだった。 「あー、んー、確かに優雅だねぇ、 あの生活はいいよね、全然現実味ないけど」と恭子姉。 「うーん、毎日何して暮らしてるんだろうね。 確かにあの生活じゃ退屈で恋の一つもしたいかも…」と私。 「家事とか全然してないですもんね〜」とバービー。 「家事はま、私もしてないけどさ…」恭子姉がボソリ。 「いや、恭子さんは普段一人だし、家にいる時間短いし…(^^;)」 「しょうがないのよ〜兼業主婦は手抜きでも〜(^^;)」 と私たち忙しいもんね〜という相互フォローをひとしきりやってから、 バービーがまた言う。 「そういう意味では、私は実はまゆみさんかも…」 まゆみさん/飯島直子は、ヘアサロンのオーナー美容師で、 売れない役者で家事マメな夫・いっちゃん/山口祐一郎を養っている。 夫婦逆転の家庭にギモンを抱き、 状況打開のため(?)子供が欲しいと思っているが、 夫はいまいちどころか全然頼りない。 (まゆみさんと自分を重ねているということは… え…?まさか彼失業??)と思いきや、 「彼の方が帰りが早いから、 ご飯作って待っててくれたりするしぃ…」 というのろけだったので、ちょっとホッとする。 別居結婚ながらいまだラブラブな恭子姉も 新婚のバービーちゃんも、 かなりの時間を仕事に費やす バリバリのワーキングウーマンであるということ、 独身時代からの自分のライフスタイルを大切にしていること、 けっこうポンポン夫に言いたいことを言うタイプであること、 そしておそらくとってもダーリンを愛している という意味でも(最後は推測だけどね)、 結局まゆみさんが一番感情移入しやすいのだろう。 だとすると… 「やっぱりNORIさんは有子さんですよね?」 この3人の中で子持ちは私だけなのである。 うーん…だいたいあのドラマは、有子ポジションにある人を メインターゲットに作ってるんだろうねぇ… 妻で母でという立場も年代的にも、まあそうなんだろうな。 「そうねぇ、同年代の子持ちの主婦だから、 断片的にわかる〜っていう所は一番多いかな。 …でも私は会社の人だから、有子どっぷりというよりは 礼子の立場で有子を見てるって感じかもね」 と私が言うと、なるほど〜とうなづくバービー。 「あんなメールを読まされる立場も辛いなぁとかね(笑)」 一同、確かに〜と爆笑した。 とはいえ、まあこの状況で愚痴る相手としては、 結婚前から自分と夫をともに知っている礼子である というのは妥当かもしれない。 そして親切な礼子は、有子に愚痴られて本気で心配し、 良平に不倫はやめよ、家庭を大切にせいよと 忠告したりするのである。 (その裏には自分が不倫している後ろめたさがあるらしいが) で、良平はその忠告が胸にこたえて、 不倫を清算して家庭に戻ろうと努力するのだが、 実は有子の方は愚痴るだけ愚痴っておきながら、 礼子のことはほとんどアテにしていないのだった(^^;) 単に自分語りの聞き手として、 状況をよくわきまえている礼子を選んでいるに過ぎず、 実際に頼りにしているのは、元恋人の島くんだったりする。 それってとっても礼子さんに失礼。。。 そうそう、この島くんの存在というやつも 実に都合のいいファンタジーなのであるが、 その話は、長くなるので、また別に。。。 ともあれ、妻三人はそれぞれ、 「札幌のいっちゃんを想いながらバリバリにまゆみしてる」恭子姉、 「まゆみな生活を送りつつ、咲子に憧れる」バービー、 「有子と礼子と半々な生活実感を持つ」私と それぞれのスタンスで、ドラマの展開を見守っているのであった。 それにしても…… 咲子さんはしゃぎすぎだよね……(^^;) ---つづく---
2001年11月30日(金)
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世間知らずの冒険
「定時内勤務」というのが、 保育園ママの勤務体制の鉄則である。 幸い上司が好意的に取り扱ってくれているのと、 自己裁量でペース配分できる業務内容であるため、 定時退社を批判されたり残業を強いられたりすることはないが、 仕事の絶対量が多かったり、会議に時間をとられてしまったり、 限られた時間で形にしなければならなかったりするとき、 「ちょっと残って片付けいこう」というのができないのは痛い。 家に持ち帰って夜なべすれば…とも思うが、 慌しく帰宅して食事を作って食べさせて、 お風呂に入れて寝かしつけて…を 子供たちの相手をしながらこなすだけでくたくたで、 添い寝から生還するのが至難の業なのであった。 …ま、要するに根性なしってことなんだけど(^^;) がんばって夜中に起きてきて仕事にかかるとしても、 一日仕事をしていて、その流れに乗って 数時間の残業で仕上げるというのと、 流れが一旦止められて全く別の思考回路で 全く別の流れの作業(つまり家事育児)をして、 しかも一眠りしてしまってからとりかかるのでは、 作業効率は全く違うし、多分出来も悪かろうと思う。 そんなわけで、昨日は 風邪でお休みの子供たちを母が見てくれているのをいいことに、 「仕事片付けて帰ります」と宣言して 思いっきり残業をすることにした。 普段なら「ごめん、あとはよろしく…」と 同僚に手を合わせて途中抜けする夕方からの会議も、 しっかり最後まで参加し、仲間たちと軽く夕食をとってから 資料作成を開始する。 ともに残った二人の同僚とともに、 カタカタというキーボードの音だけが流れる静かな時間。 大部屋だとだんだんまわりの島に人気がなくなり、 ブロック毎に電気が消されて、取り残されていくし、 フロア全体の消灯と戸締りを確認して帰るときの 侘しさったらないのだけれど、 今の職場は建物も部屋も独立した小さな空間なので、 3人いれば全く昼間と同じ雰囲気なのである。 …で、あっという間に時計の針は12時を回った。 同僚の一人は10時に「お先に〜」と帰り、 もう一人は徹夜の覚悟でいるらしい。 そこでふと気づいた。 「……終電って何時だっけ!?」 そう、普段定時で会社を上がる私には、 夜遅い時間の行動に関する常識がないのだった。 年に数回の飲み会で深夜に帰宅するときは、 迷わずタクシーに乗って帰るので、 「終電」という概念が欠落しているである。 もちろん、タクシーに乗ってもいいのだけれど、 酔っ払いならいざしらず、 今日は立派に仕事をしている私なんだから、 ちゃんと自力で電車に乗って帰りたい! と思いたったらもう居ても立ってもいられない。 資料の完成まではまだあとちょっとあるのだけれど、 今作った分だけ出力して持ち帰り、 読み直して残りの分の構想を練っておけば、 月曜の朝一には仕上がるだろう。 上手くいけば土日に家でできるかもしれない。 そう考えて「帰ろう!」と即決した。 印刷指定をすると同時に、 文書ファイルを自宅アドレス宛に送信する。 出力を待ちながら身支度を整え、 同僚に「お先に〜♪」と告げてオフィスを出る。 ときに12:20。 駅まで歩く間に、H"の情報サービスで終電検索をかける。 しかし、途中でなぜか通信が切れてしまい、確認できない。 んー、どうしよう。。。 通常の通勤ルートは地下鉄から私鉄への乗り換え。 しかし、私鉄の発駅まではJRでも行ける。 地下鉄とJRでは、どっちが遅くまで動いているのだろう? 全く見当がつかないが、JRの駅のホームは道からも見える。 まだ人がたくさん待っている…ということはまだ電車は来る。 地下鉄の階段を下りてみたら改札が閉鎖されていた、 という図式はなんか淋しすぎるので、 まあいいや、とJRに乗ることにする。 ホームに出ると、次の電車は3分後に来ることになっている。 電車を待つ間にもう一度終電検索をかけてみる。 今度はつながり、どうやらこの次の電車が、 私鉄に乗れる最後らしいことがわかり、ホッとする。 …が、しかし…待つこと5分、電車は来ない! 電車は時間通りに次々来るものだ、という 昼間の常識は、終電間際には通用しないものらしい。 結局電車は時刻表より8分遅れで入ってきたが、 駅でも車内でも何のアナウンスもない。 しかし、この時間に来られても、 もう私は私鉄の最終には乗れないのだった(TT) 私鉄の区間はほんの3駅、その気になれば歩いてだって 帰れる距離なので、まあいいか、タクシーで帰ろう、 と気を取り直してJRの改札を出てくると、 タクシー乗り場は長蛇の列!! こうなると、世間知らずはお手上げなのである。 きっと、慣れた人なら穴場のタクシー乗り場に黙って向かうのだろう、 また「この時間にこの列の長さなら待ち時間○分」と 見当をつけて悠々と列に並ぶのかもしれない。 しかし、そういう常識が全くない私は、 どーしよう?家にも帰れないし、会社にも戻れない… と寒風吹きすさぶ駅のターミナルで 途方に暮れて立ち尽くすのみなのだった。 こんなことならもっと真面目に、夫に 終電の時間とか乗り継ぎのこととか、 タクシー乗り場のこととかを聞いておけばよかった。 自分はそんなものを利用することはない、と タカをくくって、斜めに聞き流していたことを、 後悔しても後の祭りなのである。 何時間も寒風にさらされてタクシーを待つより、 歩いて帰る方が早いしあったかいかも?と かなり真剣に考えながらとぼとぼ歩いていたら、 ふと看板が目についた。 「乗合タクシー 700円 約10分間隔で運行中」 おおっ!これだこれだっ! 以前に夫が話しているのを聞いたことがある。 そう、確かこの乗合タクシーのルートは 家の前を通っているのだった。 深夜の乗合タクシーなんて、自分には縁がないと思って これも斜めに聞き流していた情報だったが、 この停留所の前を通ったとき、指差して教えてくれたのが 記憶に残っていたのだった。 見ると3〜4人が看板の前で待っている。 よしよし、これに乗れば700円で家の前まで帰れる(^^) さっそく列について文庫本を取り出し「待ち」の体勢をとる。 10分間隔はさすがに大嘘で、本当に来るのか?と 長い待ち時間の間かなり不安な思いもしたが、 やっと来たバスにぬくぬくと乗って、 深夜の街を抜けて家路についた。 こんなことは、多分夫にとっては、 いや普通の大人にとっては、全く普通のことで、 ほとんど何も考えないで行動を選べるのだろうけれど、 こと「夜」という時間帯に関して まったく世間知らずの私にとっては、 ドキドキハラハラの大冒険であった。 (飲み会のときは、必ず同行者がタクシーに乗せてくれるので、 どっちの車線から乗ればいいのかも考えなくていいのである(^^;)) 家に着くと、まだ居間に灯りがついていて、 テレビの音が聞こえる。 (あら、パパ待っててくれたのね〜♪) 今日の冒険を報告しようと、 手柄顔でワクワクと玄関に足を踏み入れた。 「乗合いタクシーのっちゃったぁ♪」 言いながら居間に入っていくと、 ソファの上には、長く伸びて安らかに眠る夫の姿があった。 ………聞いて欲しかったのになぁ……(TT)
2001年11月10日(土)
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