日記
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2004年12月05日(日) オランダの光

「オランダの光」を観てきた。アムスでは陰影がくっきり見えるというか、明暗のコントラストが鮮やかだなあと僕が感じていたのは、別にキマっているからだけでもなさそうだ。低地だとか雲だとか湖が太陽光を反射するとか、そういう物理的要因がちゃんとあるようだ。よかったよかった。映画でも「一日のうちに四季がある」と言われてたけど、天候がころころ変わるのだけでも、旅行者の心情に与える影響は大きい。そこに「おー、これだ」というような、明暗くっきり、光の粒が踊るようなのがあるからたまりません。

もっとも映画ではアムスの街中での話はほとんど出てこない。ボートハウスに住んでいる芸術家とかはアムスにいるのかもしれないが。クラブのライティングとかも調べればいいのに。

前回無料のフェリーで北岸に渡ったとき、地図だと「イエ湾」とか書いてあるから、つい海を渡ったような気になっていたが、これはなんと湖でした。そんな気もしていたが、大堤防のことなんか普段忘れているからなあ。オランダ人は偉大だ。大阪にエッシャーの親戚だかが来て淀川の治水をしたんでしょ?

あとはジェームス・タレルが出てて驚いた。何年も前アムスに行くもっと前、彼の個展に行ったことがあったから。合法トリップとか言われてたんで、すけべ心で行きましたよ。小さな個室プラネタリウムみたいな装置に入って、網膜に写った像そのものを見るという体験をした。まあ面白かったけど、素面でやってもなあという感じだ。しかしその彼が、セスナでアリゾナだかどっかの砂漠を飛び回る人だとは思わなかった。カウボーイハット被って。もっとヒッキーぽい人かと思っていた。

バラバラでもないが違う方向だと思っていた興味の対象が重なるのは面白いものだ。


けん