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2004年02月21日(土) 留学日記:SecReg中間テスト

Securities Regulationの授業はセメスターを二分割して行われる。前半が終了するとテストがある。前半の範囲はSection 5のディスクロージャーが中心。相当細かいところまでつめておく必要があるのでテストが近づくにつれて余裕がなくなってきた。

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というわけで、しばらく日記の方は更新をお休みします。blogの方は個人的に興味のあるトピックがあれば、投稿すると思います。ただ、エントリを投稿したとしてもコメントは簡潔になってしまうと思います。

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2004年02月19日(木) 留学日記:フィラデルフィア美術館/デュシャンの「遺作」


Marcel Duchamp, Bicycle Wheel, etc.

学生時代の一時期、マルセル・デュシャンにはまっていた。デュシャンが好き(だった)というのは、ミーハーな学生にありがちな症状であって、あまりおおっぴらに言えないような趣味ではあるが告白してしまう。

それはともかく、彼の初期の作品(「階段を下りる裸体」Nude Descending a Staircaseとか)と、大ガラス(「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」The Bride Stripped Bare by
Her Bachelors, Even)それに、彼の遺作(「(1)流れ落ちる水(滝)、(2)照明灯、が与えられたとして」Given: 1. The Waterfall, 2. The Illuminating Gas)が謎めいていて好きだった。既に時効なので言ってしまうが、ポンピドーでは、椅子の上に付けられた車輪を回して遊んだりもした。(というか、ああいう作品は触りたくなるという衝動を挑発しているものなので、触ってやらないと作品および彼に対して失礼である。)

彼が晩年に沈黙を守りつつ長期間にわたり製作を続けた「遺作」は、絵画や彫刻ではなく、インスタレーションである。インスタレーションの仕掛けは、実際の現場で見なければ判らないことが多い。そして、それはフィラデルフィア美術館にしかない(注)。学生時代から是非とも一度見たいと思っていたものであるが、フィラデルフィアという場所が若干アクセスが悪いため、今まで実現しなかったのだ。今のロースクールに行くことに決めたとき、真っ先に頭に浮かんだのが、治安が悪いという噂とこの美術館の存在だった。

先週の日曜日の午後、ついに行く機会を得た。1階のコンテンポラリーアートが集められたウィングの一番奥に、薄暗い部屋が用意されている。のぞき穴が二つ空けられた、古めかしい扉が据え付けてある。覗くとこのようになっている。


Marcel Duchamp, Given I :1.waterfall, 2. illuminating gas, 1946-66

美術書で見たものとまったく同じであるが、やはり彼の意図は写真では伝わらないことを実感する。まず、前提条件の一つ、「流れ落ちる水(滝)」というのは、奥に見える滝である。どのような仕掛けになっているかはわからないが、ともかく青い光を明滅させながら流れているように見える。しかも、その流れ方はすこぶるチープだ。背景の青空と森の絵も陳腐この上ない。あの安っぽさがデュシャンらしい。

そして、肝心の「ランプ」を持った裸体であるが、覗き穴の角度が固定されているため、裸体の顔を見ることができない。美術館というかしこまった場所で、Peepingのスタイルという決まりの悪い姿勢を観客に強制させるという悪戯心と、同時にどうしても顔を見たいという欲望を掻き立てておいて、絶対に見せないという態度が挑発的である。あの顔に、デュシャンのことだから何か悪戯を仕掛けてあるはずである。(たとえば、顔にL.H.O.O.Q.におけるような髭を書き加えているかもしれない。あるいはランプと流れ落ちる水というタイトルに関係する何かが用意されているかもしれない。)覗き穴のある扉を点検してみたが、いくつか割れ目のようなものがある。そこから覗こうとするも、埋められていて中を窺うことはできない。角度的には、そこに穴が空いていれば見える角度になっている。おそらくこれも彼の戦略であろう。

そして、最後まで謎は謎のままに残される。その秘密の鍵を握っているデュシャンは、文字通り墓場の中までそれを持っていった。さぞ満足であろう。

(注)フィラデルフィア美術館(Art Museum of Philadelphia)は、デュシャンのコレクションがもっとも充実しているので有名である。
(Note on Fair Use: The purpose of the use of Marcel Duchamp's work in this website is purely non-commercial education use, especially for the purpose of criticism. See 17 U.S.C. Section 107. Furthermore, to take pictures of the copyrighted work in the Philadelphia Museum of Art itself is expressly permitted. Marcell Duchamp's works:© 2000 Artists Rights Society (ARS), New York/ADAGP, Paris)

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2004年02月12日(木) Advertisement: "bom Websters"pelo artista

Isto é verdadeiramente bom Websters pelo jovem e levantando artista Gustavo von Ha. Por favor visita e desfrutar dele mundo de " frasco "!

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Gustavoから相互リンクの許可をもらったので、linkとdiaryの上部に彼のwebsiteを追加。知人の彫刻家にウェブサイトを作ろうかと持ちかけているのだが、彼のサイトを見た後では、自信喪失。

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2004年02月08日(日) 留学日記:NYの夜は更けて(2)/ウィリアムスバーグの画廊


ウィリアムスバーグの街並み

前日の続き。美術史専攻の友人Oの薦めにしたがって、MoMA Queensを駆け足で見る。MoMAは現在仮移転中で、移転先はクイーンズ区である。Kiki Smithの展示が目玉。常設展示のスペースは狭く、かなり前の記憶にあるMoMAに比べて段違いに見劣りする。

その後P.S. 1へ。P.S.1は、パブリックスクールを改造してコンテンポラリーアートの美術館に仕立てている。最近は、ここが面白いらしい。夏には、毎週末にここでイベントが行われ、音楽やダンスで盛り上がるとのこと。

実際の展示は、ちょうど谷間だったようで、展示点数が少なかった。それでも、意欲的な現代のアーティストの作品があり、Barry X Ballの素晴らしいオニキスの石彫を見れたのは収穫。

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その後、Oと彼の行きつけのルーマニアレストランで落ち合い、ウイリアムスバーグの画廊へ。さすが専門分野だけあって、Oは非常に顔が広く、どの画廊でも受け付けの人と話し込んでいる。


Black & White Galleryや、PIEROGIといった有名どころを見つつ、Oが説明してくれる。説明を自分なりに解釈すると、ウィリアムスバーグは、次のような位置づけらしい。

1. 若手のアーティストはある程度広いアトリエを必要とするため、(かつ貧乏であるため)家賃の安い地域を探して移り住む傾向がある。
2. アーティストが住むようになると、画廊やおしゃれなレストラン、ブティックが後を追いかけてくるので、家賃が高騰し始める。10年前から比べると現在の家賃は3倍程度。
3. もともと家賃が安かったこの地区に日本人のアーティストが比較的多く、現在5つの画廊が日本人経営である。
4. 現在は50程度の画廊が存在しているが、日本人経営の画廊が全体をリードする立場にあると言われている。

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Naoki Iwakawa氏の作品とCaveの中の様子(お詫び:ShigeMoriya氏の作品と表示しておりましたが、写っているのは、Naoki Iwakawa氏の作品でした。大変申し訳ございません。お詫びの上、訂正します。2004年2月14日。TU)

Naoki Iwakawa氏の作品とアトリエ



日本人アーティストのアトリエCaveを訪問させてもらう。
Caveはアトリエであるがギャラリーと住居も兼ねている。ShigeさんやNaokiさんの製作途中の作品が無造作に壁にかかっている。作品のスケールもさることながら、展示会を活発に行ったり、ベトナムからの若手芸術家と批評家の養成を目的とした受け入れプログラムを行ったり、積極的に活動している様子が伺えた。こういったところから、日本を代表する芸術家が旅立っていくのかもしれない。Websiteは必見。

Driggs St.とBedford Av.沿いのいくつかの画廊を回る。LunarBaseなど意欲的な画廊が印象的であった。タクシーを拾って帰途に就く。Amtrakで友人を空港まで送る途中、電車が停電するトラブルがあったが、何とか送り届けることができた。

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2004年02月07日(土) 留学日記:NYの夜は更けて(1)



サンパウロ大学で研究生をしている彫刻家の友人(彼は彫刻で日本初の博士号を取得した。)がNYに来るというので、週末に会うことに。せっかくの機会なので、大学の同級生で、NYで美術史の博士課程に在籍中の友人Oを誘って一緒に食事をすることにする。

ブラジルの画家であるGustavo von Ha氏やNYの画廊の関係者、それに数学のポスドクをしている彼の友人とshimaで食事。やはり美術の世界の人間同士、非常に狭い世界で、共通の話題が多い。現代美術に関心はあるが、NYのアートシーンにそれほど詳しくない人間としては、実に興味深い会話であった。von Ha氏は、ロンドンでの展示会を終えてNYに来ているが、ロンドンの展示会は大成功で、作品は全部売れたとのこと。

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ちなみにvon Ha氏のサイトはこちら。非常によくできたサイトで、氏の作品の魅力が余すところなく表現されている。

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その後、バーをはしごする。ジャクソン・ポロックやウィレム・デ・クーニングなどの抽象表現主義の芸術家が集っていたCidar Barにも行くが、残念ながら満席。ちなみに友人Oいわく、ポロックとデ・クーニングはこのBarで殴り合いの喧嘩をしたこともあるらしい。

夜も更けてからグリニッジビレッジのJazz Bar "Fat Cat"へ。くつろげるソファに座り、コロナビールを飲みながらJazzを聴く。最後列なので、会話をしながら聴いていてもかまわない雰囲気である。ブラジルの音楽の流行などの話で盛り上がる。Bossaなどはアメリカでは人気があるが、ブラジル国内では余りpopularでなく、古い音楽で言えば、Choro(ショーロと読む。)の方がよほどいい音楽があるとのこと。おすすめのアルバムの名前などを聞く。

石の彫刻家である友人いわく、ブラジルは、石の宝庫であって、その種類の豊富さだけではなく、世界のほかの場所で採れない貴重な青い石が取れるとのこと。彼とNYの街を歩いていると、ホテルやデパートの入り口に使われている石などを鋭く見て解説してくれるので、見えているものが違うのだな、と実感。

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美術館と画廊めぐりに行くことを約束して、Hotelに戻る。

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2004年02月05日(木) 留学日記:Blog再び

合間を見てはblogの運用スタイルを確立しようとしているのだが、なかなか時間が取れない。

今日は面白い事件があったので、blogの方でちょっと考えてみた。おかげで時間が足りなくなり、明日の予習がまだ終わっていない。現在午前3時を回ったところ。

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明日は後輩がPennに来る。その案内のために早起きしなければならないのだが、このままだと眠らない方が寝過ごさないためには安全かも。

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ブラジルから彫刻家の友人がNYに来ているが、半端でなく寒いと言っていた。
が、こちらに長く居る者としては、寒さはようやく緩んできた気がする。春が待ち遠しい。







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