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2003年08月31日(日) 留学日記:アトランティックシティ


レイバー・デイの連休にアトランティックシティに出かける約束をしていたので、LLMのクラスメイト数名でグレイハウンドに乗る。Taiwaneseの女の子が酷いCarsickにかかるということを聞いていたが、ずっと話をしているうち、1時間30分くらいで到着。結局Carsickの症状は出ずに終わる。



アトランティックシティは、東のラスベガスと言われている。長く連なるビーチがあり、NYやフィリーから近いリゾート地として有名であったが、今から25年ほど前に住民投票でカシノ(カジノという発音はしない)を作ることを決定してから、ギャンブルのメッカとして知られるようになった。

しかし、ラスベガスに比べると、小粒であることは否めない。非日常感があまりないとも言える。遊園地もあるが、小さい。日本で言えば熱海か江ノ島といった風情である。

到着してからボードウォークを海岸沿いにひたすら歩き、Resortという名のカシノホテルのバフェで食事を取る。安くて美味しいので、皆満足する。話に夢中になって結構な時間を取ってしまう。その後2箇所で1時間くらいずつ色々のゲームをしてみるが、誰一人勝つものはいない。私も最初はスロットで結構勝ったが、トータルでは負け。

Rocketという人間を打ち上げるアトラクションに2名の怖いもの知らずが参加した。これは打ち上げの瞬間の写真。



帰りはチャイナタウンで食事をする。早くも来週の宿題が気になっている。






2003年08月30日(土) 留学日記:最初の週は無事に過ぎたが



Bar La Loie

本格的な授業が開始されて一週間が経った。アサインメントの多さと授業のハードさは改めて言うまでもない。日記の更新もままならないが、今後は簡潔に書くことにする。

Corporations(会社法)は週に3コマあるが、Black Law Dictionaryよりも厚いEisenbergのCorporations and Other Business Organizationsのケースブックを相当読み込んでいかないと付いていけない。授業は完全なソクラティックメソッドで行われ、教授と生徒の対話により進められる。LLMでも容赦なく指名される。単純なケースに関する質問だけではなく、いくつかの概念を横断するような質問をしてくるので深く理解しておく必要がある。

CyberCrimeはセミナー形式で、8人くらいが出席する演習である。小人数のディスカッションが売りなので、言うまでもなく、相当綿密な準備が必要である。英語の壁があるので、尚更念入りに準備する必要があるだろう。未公刊のケースブックを前提に行うがその量は半端ではない。

Legal Writingは、授業自体は短いが、法律事務所で弁護士が作成するメモランダムやチャートなどの作成の仕方を学ぶ授業であり、アサインメントは真剣にやろうとすると結構大変である。

これに加えてUSのLegal Systemの基礎の授業がある。Payment Systemという決済に関する授業は、Rubin教授が他のLaw Schoolに行かれてしまうためキャンセルになり、また、1Lのコントラクト(契約法)の授業は、希望者多数でWaitlistに載ってしまったことと、他の授業の負担との兼ね合いから今回は見送ることに決めた。

コマ数だけ見ると少ないが、それでも皆朝から晩まで図書館にこもったりと大変である。今後は、日記の更新の頻度と量は減るかもしれない。






2003年08月24日(日) 留学日記:Penn's Landing/旧市街

眩しくて目を覚ますと抜けるような快晴。


view from apartment

昼にRittenhouse Squareに面したレストランでクラスメートと4人で食事を取る。英語での会話は相変わらず心もとないが、それでも何とかなるようにはなってきた。素晴らしい天気で、しかも乾燥していて木陰に入ると涼しい。軽くRittenhouse Squareを散歩して解散。

その後、いったん帰宅して生活必需品を買いに出かけるも、目当ての店は棚卸で早めに閉店してしまっていた。そこで、予定を急遽変更し、Penn's Landingまで歩くことにする。


Penn's Landing

Penn's Landingは、この街を拓いたウィリアム・ペンが降り立った場所である。デラウェア川に掛かる橋を目指して、ひたすらWalnut Streetを歩く。いわゆるOld Cityに入ると雰囲気が変わる。煉瓦作りの瀟洒な建物が立ち並び、庭園などの手入れも行き届いている。街並みの美しい場所もフィリーにはある。ただし、それは本当に限られた場所だけれども。


Liberty Bell周辺

その後、陽が傾いてきたので、ワシントンスクエアの周辺を巡って帰宅。明日からは授業が始まる。心の余裕を持てるのは、今学期はこれが最後かも知れない。








2003年08月22日(金) 留学日記:日々の移ろい



City Hall

昨夜もLLMの連中と飲み。ペンシルヴァニア州の飲酒に関する法律は厳しく、生年月日を含むIDがないと、アルコールを売ってもくれないし、レストランでも酒を飲めない。結局、チャイニーズの同期のdomに転がり込んで酒盛り。山手線ゲームを英語でやる羽目になる。もちろん、山の手線の駅名ではなく、USのスターの名前や映画のタイトルとかが題材となった。

ここに来て、やや疲れが出てきたようだ。数日来、軽い頭痛を覚えることが多い。毎日が新鮮なことばかりで、刺激には事欠かないのだが、その反面、緊張を強いられる生活でもあることは確かで、日本やParisにいるときのようにリラックスはできない。

あと少しで秋学期の授業開始である。かなりタイトな授業登録をしていることも、心配の種である。生活のセットアップはおおむね完了したが、細かい点を見ていくと、まだまだ綻びだらけである。この綻びをそのままにしておくと、破綻することは目に見えている。

用心せよ。








2003年08月12日(火) 留学日記:フィラデルフィア2003年8月12日



12th & Chestnut St.

20歳の時に想像していた10年後は、きっとこんなではなかったはずだ。だが、もう、よく思い出せない。現実に、僕はフィラデルフィアにいて、こうして法律を学んでいる。

今日で、30歳になった。








2003年08月10日(日) 留学日記:日曜日の図書館は5時で閉まる


日曜日の図書館は5時で閉まることをすっかり忘れていて、追い出されてしまった。明日の午後が提出期限の課題は中断せざるを得なくなった。センターシティへ戻ろうとSurface Lineの入り口に行くと、青い回転灯が点滅している。運行していないことを示すサインだ。仕方なくバスに乗る。

Barnes & Nobleに併設されているスターバックスでトール・カプチーノを頼む。そもそもショート・サイズは存在しない。メニューはTallから始まる。日本では常にダブル・トール・カプチーノなのだが、こちらではまだ試したことがない。(1 shot追加という表示が見当たらない。)様子をしばらく見てみることにする。

途中までの課題の記述を整理して、見直す。単に英語を洗練させる以上のことはできない。WestLaw(*)を使うよう指定されたリサーチなので、課題をこれ以上先に進めることはできないのだ。明日の朝、図書館が開く時間帯から再開するほかはない。

(*WestLawはLexis-Nexisと並ぶインターネット法律情報有料検索サービスの大手である。判例情報へのアクセスのためには、非常に便利である。個人的な意見を言えば、ユーザビリティの配慮の点ではLexis-Nexisの方が上のように思われる。)

これから、Iron Chefがフィラデルフィアのジュエリー・ロウで開いたMorimotoという店にディナーの予約が入っている。Iron Chefというと何かと思われるかもしれないが、料理の鉄人のことであるらしい。日本で放映された料理の鉄人がこちらでも放映されていて、全く構成の同じIron Chefなる番組が好評を博したらしい。Zagatによれば、非常にゴージャスな内装で、雰囲気は最高とのことである(Morimotoはnew comerなので、まだratingはない。)。しかし、非常に高いので、頻繁には行けないだろうとも書いてある。Ratingがない店は、Price rangeの表示は概略のみである。曰く、VE (very expensive)。

後ほど(値段も含めて)ご報告申し上げることにする。

* **

追記


morimoto

一言でいうなら、morimotoはかなり上出来の部類に属するといえる。勿論、ここは東京ではなく、ParisでもNYでもないという事実を前提にした場合の話である。内陸のフィラデルフィアで新鮮な魚介類を用意するのは、かなりの困難が推測されるので、使用される食材の新鮮さだけでも十分な価値がある。日本風の食材がベースだが、それぞれ独特の工夫が凝らされている。首を捻りたくなるような組み合わせもないではないが、(例えばワサビ・ティラミスとか、掬い豆腐にspicyなチップスのコンビネーションとか)それも一応遊びの範囲にとどまっている。懸念の値段は、270$。4人でビールをそれぞれ1杯とワインを1本頼み、Tipを15%くらい入れて、この値段である。料理の水準からいえば妥当なラインというよりやや安いという感じもする。









2003年08月05日(火) 留学日記:NY Bar雑感



Broad St.

NY Barと言っても、ニューヨークの飲み屋(バー)ではない。NY州の司法資格のことを言い、その試験をBar Examという。LL.M.プログラムに参加する弁護士は、LLM取得後、NY Barの資格を取得し、一年間NYの法律事務所に勤務した後、日本に帰ってくるケースが多い。

私には特殊事情があり、このNY Barの試験をそもそも受けるかどうかというところから検討しなければならない。

ここ五年ほど、私のような法学部以外の出身者(俗に「他学部出身者」という。)は、EligibilityがないとしてBarを受けられない事態が続いている。どうやらミシガンでは受けられるようだ、という情報もあるが、その正確性は確認できていない。それにミシガン州にPermanentに居住する資格がないと、Bar Examに通っても、資格は得られないようだ(だいたい、ミシガン州弁護士という資格があっても、私の場合、使用しないことは明らかなので、その価値には疑問がある。)法学の専門課程のアカデミックヒストリの要件が緩いカリフォルニア州の場合にも、一定のプラクティス年数を要求するなどの制限があるようである。(注:調査を開始したばかりなので不正確な記述があるかも知れません。)

もっとも、最近の流行は、NY Barを受けないで帰ってくるというものであるらしい。それは、いくつか理由はあるが、NY Barの試験に費やす時間がもったいないというものである。その時間を別のものに当てるという選択、例えば、アメリカでの生活をエンジョイしつつ、例えば、アメリカの法制度との比較の視点を交え、日本の法制度についての論文を日本の雑誌に投稿するというスタイルもあるようだ。こういった姿勢にも興味を惹かれる。

私の場合に限っては、Bar Examを初めから受けないとすることも十分理由があるのだが、あとは意地や見栄をどこまで気にするかということかもしれない、と最近は思うに至っている。

***

追記:

最近、他学部でもNY Barを受けた方が居るらしいとの情報を入手したので、今コンタクトを取ろうと試みている。









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