昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2003年09月30日(火) そして9月は喋って終わる

 朝起きて、さあ今日から10月だ、と家中のカレンダーをめくってしまってから、9月がもう一日残っていることに気づく。あらら、でもまいいか、一日くらい。と、細かいことは気にしない。

 今日の仕事は電話で喋り続けること。別に喋りたくて喋っているわけではなくて、何回も何回も同じことを言わせるあのオッサンが悪いのだ。かなり腹に据えかねるところもあるが、温厚を絵にかいたような私はじっと我慢をする。しかし、腹が立つ。
 私達が今進めていることはプレゼン準備にすぎなくて、この企画が通らなければ、今日の喋りまくった一日は何の意味もなく、無駄に終わる。でも無駄が仕事でもあるのよ今は無駄のように見えてもいつかはあなたのプラスになるのよ、などと腕を組んで言う女約一名がいて、それにまた腹が立つ。そんなことはいちいち言われなくてもわかってる。当たり前のことをえらそうに言うな。

 今日をもってマルビルの電光掲示板がなくなり、撤去されるというので、しばし眺める。何人か同じように立ち止まって、携帯電話で写真を撮ったりしていた。くるくる回る電光掲示板を、信号待ちの時やバスを待つ間に、よくぼーっと眺めたなあ。ぼーっとするのが好きなのに、私をぼーっとさせてくれるものが街中からどんどん消えていくような気がする。

 洲之内徹の「気まぐれ美術館」を読んでいる。再々々々読くらいかなあ、でも何回読んでもおもしろい。美術館で絵を見た後は特に読みたくなって、読んだらまた絵を見たくなる。洲之内徹を読むようになってから、絵を見る楽しさがよりいっそう増したようで、それがとてもうれしい。

・購入物:なし

・朝食:デニッシュパン、珈琲
 昼食:お弁当(筑前煮、ゆで卵、ご飯)
 夕食:チンゲンサイと人参と豚肉の炒め物、キノコ(エリンギ、マイタケ、シメジ)と枝豆(昨日の残り)のスープ(最近これに凝っている。おいしいの!)、ご飯

 


2003年09月29日(月) 気分はしんみり

 朝刊で夢路いとしさんの訃報を知る。週明けそうそう気分はしんみり。これでいとしこいしの漫才はもう終わるのか。とうとう劇場で見ることができなかった。「我が家のワンガン戦争」、大好きだったよう。残念だ、とても残念だ。

 今日は朝から一日、気持ちが晴れない日だった。その他、本日見たり、聞いたり、やったり、したこと。

 夕方、中央郵便局へ行って、カナダ在住の友人に向けて阪神優勝記念ゴーフルと優勝記念トランプを送る。これをもらって嬉しいのかどうかはいまいちわからん。ちょっと泣かせる手紙を書いて、一緒に送る。でも泣かせるなあ、と思っているのは私だけで、アイツは笑うかもしれない。

 帰って宅配野菜を整理して、料理をする。泥だらけのレンコンと泥だらけの人参をコンニャクと鶏肉と一緒に煮る。こういう料理は何というのだろうか、筑前煮?

 キリンジの新譜の中では、「the echo」という曲もかっこいい。キリンジを聞き始めて随分になるけれど、最初の頃はへえーという感じで、こんなに好きになるなんて思ってなかった。でも今はとても好きだなあ。

 夜、寝る前に桂枝雀「つぼ算」のビデオを観る。この噺、もう何回聴いたかわからんが、いつもいつでも大笑いしてしまう。瀬戸物屋でのやりとりもすばらしいけど、店へ行くまでの二人の男のおしゃべりがほのぼのしていて、のどかで、とても好きだ。

・購入物:なし

・朝食:トースト、目玉焼き、りんごジャム、珈琲
 昼食:サツマイモ、ほうじ茶
 夕食:筑前煮、カボチャの味噌汁、塩ゆで枝豆、ご飯
 


2003年09月28日(日) 「神坂雪佳展」

 天王寺で円山応挙を見るか、京都で神坂雪佳を見るか、迷った末、神坂雪佳を見に京都へ行くことにした。円山応挙もいいとは思うけれどちょっと写実にすぎるし、今日みたいな天気のいい日には天王寺より京都のほうが気分に合っているような気がして、なんとなく。

 というわけで、京都国立近代美術館で「神坂雪佳展」。『近代デザインの先駆者』というだけあって、鉢や文庫の図案はトリミングが斬新でおしゃれ。草花の絵も美しいけれど、動物がとにかくかわいくて、特に「狗犬図」の2匹の犬がフニフニとカタツムリをじっと見つめている絵は、もう持って帰りたいくらいかわいい。神坂雪佳はきっと自然や動物がとても好きだったのだと思う。愛があふれているもんなあ。
 1階のミュージアムショップで「元禄舞図」がプリントされたミニクリアファイルを買う。

 絵を見る前に「アローン」でワラジみたいにでっかいチキンカツを食べて、三月書房で最新の「ブッキッシュ」と、三田村鳶魚の文庫が50%引で売っていたので一冊買う。
 絵を見た後は岡崎周辺を、南禅寺あたりまでうろうろ散歩。どこまでも晴れわたっていて、気持ちいい。それから三条に戻って、スムースで珈琲を飲んでから、アスタルテ書房で「ARE」の喫茶店特集号を購入。他にも金井美恵子と渡辺兼人の「既視の街」など、欲しい本はあれどもちょっと高くて手がでないので、おとなしく帰ることにする。

 お昼に食べたチキンカツが効いて全然お腹が減らず、晩ご飯は抜き。もう当分揚げ物はいらない。

・購入物:三田村鳶魚「近松の心中物・女の流行」(中公文庫)
     ブッキッシュ5号「落語の本あらかると」
     ARE9号「特集・喫茶店の時代」
     
・朝食:月見うどん
 昼食:外食、アローンのチキンカツとポークカツを半分づつ、サラダ、ご飯
 夕食:バナナ、ヨーグルト


2003年09月27日(土) 野菜はおいしい

 朝から夕方4時頃まで、図書館にて子どもに本を読んで聞かせるイベントに参加する。ほとんど子どもと遊んでいたようなもんだけど、まあ無事終了した。
 帰りがけに深刻そうな顔つきのKさんに呼び止められ、何かややこしい話をされそうになったので、適当に理由をつけて逃げる。ここではいつも誰かが誰かの陰口を言っていて、私はそれを聞くのが嫌なのですぐ帰ることにしている。誰がどんな人であろうと、それと子どもに本を読んであげることとは関係がない。どうでもいいことだ。

 自転車でジュンク堂まで行く。何冊か本を買って、昼食を食べ損ねたので、堂島の地下でちょっと早めの晩ご飯を食べる。
 それから天神橋筋商店街まで行って、矢野書房で装丁がかっこいい吉田健一の本を買って、その隣の産地直送の八百屋さんでおいしそうなトマト3個とシシトウと山芋を200グラムに切ってもらって買う。

 夜、本を読んでいたらお腹が空いてきたので、買ってきたシシトウを焼き、トマトはそのまま、山芋は短冊に切って海苔と醤油をかけて食べたら、もう最高においしかった。じーん。とれたての野菜をそのままか、さっと茹でるか焼くかして、何もつけずに食べる(時には塩か醤油をつけて食べる)、というのが世の中で一番おいしい食べ物なんじゃないかと思う。
 それと焼酎のお湯割わりを3杯ほど飲んで、いい気分になって寝る。

・購入物:吉田健一「不信心」(朝日新聞社)古書
     安野光雅「絵のある人生」(岩波新書)
     近藤信行編「山の旅 明治・大正編」(岩波文庫)
     片岡義男「日本語の外へ」(角川文庫)
     ユリイカ10月号「煙草異論」(青土社)
     en-taxi 3号

・朝食:バターロール、ハム、珈琲
 昼食:抜き
 夕食:外食(和風カレーのあんかけ丼、味噌汁つき)


2003年09月26日(金) 勧誘撃退

 朝はテレビを見る習慣がなく、ここ最近はずっと音楽を流しているのだけれど、今日は久しぶりにラジオをつけたら北海道の地震の速報をやっていて、びっくりした。おそろしい。馬はどうしているだろう、大丈夫だろうか。

 仕事帰りにタワーに寄ってキリンジの新譜を買う。試聴したら、継母の従兄弟に会って姪を歯医者に連れて行って親父の通夜でからまれる、という曲が流れてきて、相変わらず冴えてるなあお兄ちゃん、と思ったらやっぱりお兄ちゃんが作った曲だった。詞だけ読んだら、大丈夫かこれ、という曲も、聴いてみるととても美しい。今のところ『繁華街』というのが一番好きかな。

 帰ってお料理。カボチャをおいしょおいしょと切っている時、どこかの宗教の勧誘みたいなのが来た。「どうぞこの冊子をお読みください」というやつ。あの人達はものすごくゆっくり喋るので、話を切るタイミングが難しい。今取り込み中なんで、と切り上げようとすると「はい、よく承知しております。現代人はみな忙しくて疲れています。そんなあなたのような方にこそ読んでいただきたいのです。この本はあなたをいつも守ってくださいますよ」と微笑まれる。守ってくれるのは大いにけっこうだけど、私は特に疲れていないし、忙しいわけでもない、どっちかというとヒマだ。ただ、今は早くカボチャを切ってしまいたいのだ。料理には次の段取りというものがあるんだから。
 私よりもっと忙しくて疲れた人にあげてください、と言って追い返す。私の読書計画は3年先くらいまでもういっぱいで、一冊だって無駄なもの読んでいる時間はない。

 夜は「私の作家遍歴」をペラペラと。これを読む前に「私の作家評伝」を読むべきなのかもと思いつき、夜中に我が家の本棚探索に乗り出す。ようやく見つけだした時にはもう眠くなっていて、枕元に並べただけで満足して寝てしまった。

・購入物:CD キリンジ「For beautiful human life」

・朝食:チーズパン、珈琲
 昼食:サツマイモ、フルーツヨーグルト、珈琲
 夕食:カボチャの鶏そぼろ煮、蛸と白ネギの白ワイン蒸し、みょうがのかき玉汁、ご飯

 


2003年09月25日(木) お悩み相談室

 すっかり日が暮れるのが早くなった。午後6時頃にはもう薄暗くなる。
 仕事を早く切り上げて心斎橋へ。年上の友人であるIさんと待ち合わせ、喫茶店で話す。彼女は今いろいろ悩みを抱えていて、それを聞いてほしいと言われて会うことにした。
 私は何故か昔から、いろんな人の悩みや愚痴や打ち明け話の聞き役が回ってくる。私は別にアドバイスもしないし、励ましもしないし、叱りもしないし、ただふんふんと聞くだけなんだけど、それで本当に何かの役に立っているのだろうか。今日もIさんが話をしながらさめざめと泣いていたのだが、何にもそれらしいことを言えなかった。目の前で妙齢の女性に泣かれると、もうどうしていいかわからない。
 それよりも話しているうちに、お腹が空いて空いてたまらなくなってきて、何でもいいから食わしてくれえ、とそればっかり考えていた。でも泣いている人の前で、「何か食べ物頼んでいい?」なんて言えなかったのだ、辛かった。隣席のカップルが食べていたサンドイッチ、おいしそうだったなあ。

 午後8時半頃、解放された。ちょっと気が晴れました、と言ってIさんは帰っていったけど、私の気は全然晴れない。帰りに寄るつもりだった図書館も閉館してしまったし。がっくり。

 家に帰って、買ってきたお寿司と冷蔵庫の残りものでビールを飲んでいたら、飲み会からTが帰ってきて、オレはとうとう見つけてしまいましたよ、と古本屋で発掘してきた小島信夫の「私の作家遍歴・全3冊」をカバンから取り出した。すごい、よくあったねえ、と褒めてやる。褒めてやったのに半額請求された。
 これに「アンナ・カレーニナ」のこともたくさん書かれているよ、とTが教えてくれたけど、「アンナ・カレーニナ」はもう当分けっこうです。人の悩み事ばっかり読んだり聞いたり、頭がおかしくなるわ。

・購入物:小島信夫「私の作家遍歴」(潮出版社)半額出したので

・朝食:きつねうどん
 昼食:ゴルゴンゾーラのパン(まずい!)、珈琲
 夕食:サラダ巻、トマトサラダ、ボイルソーセージ、笹かまぼこ、麦酒


2003年09月24日(水) 日野さん

 6時半頃起床。雨が降っている。今日はちゃんと起きて、会社に行かなければならないのか、と思うとちょっと気分が暗くなる。今日も休みたいよう、寝ころんで本を読んでいたいよう。でも傘をさして家を出る。私は真面目だから、いやそうじゃなくて、会社をズル休みする勇気がないから。

 お得意先にO次長という人がいて、この人は日野啓三に似ている。もう本当にそっくりで、私は密かに心の中で「日野さん」と呼んでいる。例えば仕事の手帖のメモ書きに、「○○の件、日野さんに電話すること」とか書いたりしている。
 今日、その「日野さん」がウチの会社に来て、仕事の打ち合わせをした。もう少しで、「日野さん」と呼びかけそうになる。「私、『夢の島』大好きなんです」とか言いそうになる。この人が本当に「日野さん」だったらいいのになあ。でもO次長は本物の日野啓三を知っているんだろうか。

 雨が降っているので、バスで帰る。バスでは井伏鱒二の「仕事部屋」を読む。井伏鱒二を読むと、いつも心が和む。

・購入物:なし

・朝食:トースト、ツナタマゴ、キノコのスープ、珈琲
 昼食:お弁当(昨日の晩ご飯の残り、プラス巨峰)
 夕食:ゴーヤチャンプルー、ワンタンとネギのスープ、笹かまぼこ、ご飯


2003年09月23日(火) 「アンナ・カレーニナ」読了

 くもり空の休日。テレビをつけて、普段はめったに見ることのできない料理番組を見る。「3分クッキング」とか。私は子どもの頃から料理番組が大好きなのだ。料理は作るのも好きだけど、人が作るのを見るのも楽しい。

 計画どおり、「アンナ・カレーニナ」を最後まで読んだ。うーん、なるほど。
 読む前から、最後にアンナが列車に身を投げると知ってはいたけれども、私はこれが納得いかなくて、なんとか死ななくていい方法はなかったのかと考えながら読んでいた。トルストイは最初からアンナを死なせるつもりで書いているのだから(多分)、死を選ぶまでの心の流れはごく自然で悲劇のアンナに同情して読むこともできるが、私はイヤだ。私を捨てたあの人に死んで復讐を!、とかそういうのはイヤだ。鬱陶しい。生きて復讐してやれよ、せっかく自分の足で生きようと決めて、ダンナを捨てて、子どもまで犠牲にしておきながら、ウロンスキイのようなへなちょこな奴のために死ぬなんてもったいないよ。
 
 でもウロンスキイだってそれほど嫌な男でもないのだ。彼は彼なりにアンナを愛したし、誠実であろうとした。でもうまくいかなかった。どんどん気持ちがすれ違っていっちゃって、ダメになっていくくだりは読んでいても辛かった。人が思い描く希望や夢がたとえ実現したとしても、それが本当に幸せをもたらすとは限らないのだ、哀しいけれども。
 
 この小説は、恋愛や結婚や家庭のことだけでなく、政治や哲学、宗教まで、書いてあることが広くて深くて、じっくり読んで考えていたらものすごく時間がかかる。トルストイにしてもドストエフスキーにしても、これほどまでに明晰に物事が見えている人って、頭がおかしくならないのだろうか。自分が理解したこと、考えること、想像したこと、思想したことを言葉にしなければ気が狂ってしまうから、この人達は小説を書いたんじゃないのかなあ、となんとなく思った。

・購入物:なし

・朝、昼食:天ぷらそば、梨
 夕食:茄子とニシンの炊き合わせ、高野豆腐の卵とじ、キノコ(エリンギ、しめじ、まいたけ)のスープ、ご飯
 


2003年09月22日(月) 並んでまで買ったもの

 帰りに阪神百貨店に行く。3度目の正直、今日こそはと腹をくくって列に並ぶ。外で並んで、8階に上がってからさらにぐるぐる周りながら並んで、売場に入ったのは約1時間後。1時間も文句を言わず並ぶなんて私にしては上出来だ。警備員と従業員の手際の良さはディズニーランドなみ。慣れたもんだ。

 入ったはいいが、あんまり買うもんがない。マグカップを買うつもりだったが、黄色と黒のストライプに赤字ででかでかと「優勝」と書いてあるデザインがあんまりにもあんまりだったので、とうとう手が出なかった。
 結局、Vマーク入りの缶入りゴーフル(お菓子、3つ入り)を4つ買う。自分の分と、私とTの実家にあげる分と、もう一つはカナダに住んでいる友人に送るのだ。こんなものをカナダくんだりまで送るなんて、とほほ。

 それから自転車を転がしてぶらぶら帰る。涼しくなったし、明日はお休みだし、月を見ながら自転車をキコキコこぐのも気分がいい。ちょっと古本屋に寄り道したりして。今月はもう本を買わないと決めたような、何かそんな戯言を日記にも書いたような、でももう忘れた。
 河上徹太郎の「日本のアウトサイダー」は常識社会の枠外にある小説家や批評家、思想家について書いてある本で、「岩野泡鳴」についての章があったので読みたくて買った。岩野泡鳴は1,2編小説を読んだだけだが、確かに世間の常識では計り知れないオッサンだと思った。楽しみ、楽しみ。

 「アンナ・カレーニナ」読了までもう少し。明日中には絶対おしまいまで読んでやる。でもまた「天才バカボン」を読んでしまいそう。

・購入物:河上徹太郎「日本のアウトサイダー」(中公文庫)
     吉野秀雄「鹿鳴集歌解」(中公文庫)
     谷沢栄一「完本 紙つぶて」(文藝春秋)

・朝食:トースト、ハムエッグ、珈琲
 昼食:マカロニと野菜のサラダ、豆のパン、珈琲
 夕食:豚肉とターサイの炒め物、ししとう焼き、サツマイモの味噌汁、ご飯
 

 


2003年09月21日(日) 「ジャッキーブラウン」

 寒ーい。どうなってんの。今日はセントジェームズの長袖Tシャツを着ていたがこれ一枚では寒くて、上にカーディガンをはおってもまだうすら寒い。雨は終日、降ったり止んだり。りんごジャムを作る。それから掃除をして、読書。「アンナ・カレーニナ」には少々飽きたので(飽きたのかー)、「天才バカボン」を読む。雨降りで憂鬱な日には「天才バカボン」を。ああ、すばらしい。

 レコード棚の整理をする。たまりにたまってわけがわからん。おっ『仕立て屋の恋』なんてこんなサントラ持ってたっけ、と思ったらレーザーディスクだったりして、やっぱり整理整頓って大事だ。

 整理してでてきた『ジャッキーブラウン』を観る。これもレーザーディスク。
 ディスクをデッキから出す時、ビービーギャーギャーと気がふれたような音がする。急に意味なく再生をストップしたりするし、もう故障一歩手前、という感じ。故障する前に買いためてあるLDを片っ端から観ていかなくちゃ。

 タランティーノ監督作品で一番好きなのは『レザボアドッグス』だけど、『ジャッキーブラウン』もかなり好き。映画館で見た時はそう面白くも思わなかったけど、何度か見直してみるとディテイルがかなり凝っていて、たいへん楽しめる。タランティーノについては良い事も悪い事もいろいろ語られるけど、やっぱりセンスが抜群にいいのだと思う。
 パム・グリアーの家でのシーンが好き。あの家で暮らすのは気持ちよさそうだ。丸いルームライトがかわいい。マグカップで飲む珈琲もおいしそうだ。おいしそうといえば、ブリジット・フォンダが冒頭で食べている得体のしれないパスタみたいなものや、パム・グリアーがマイケル・キートンと食事するシーンも、何を食べているのかよくわからないけれども、おいしそう。
 別に鳴り物入りの大作でなくていいから、タランティーノがこういうシブイ映画を一年に一本くらい撮ってくれたら、細かいところをちまちま見つけて一人で楽しむんだけどなあ。とりあえず『キル・ビル』を楽しみにしておこう。

 映画の後、テレビでやっていた『御法度』のラストシーンを観る。ラストだけ見るとヘンな映画。これは何年か前の元旦に映画館で観たけれど、見事になあんにも覚えていない。主人公の俳優(名前忘れた)の棒読みはすさまじいなあ。

 夜は「ゲッツ/ジルベルト」を聴きながら就寝。スタン・ゲッツのテナーサックスがうるさい。

・購入物:なし

・朝食:珈琲、ココナツビスケット
 昼食:たこ焼き8個(近所で買ってきた)、麦酒
 夕食:鍋焼きうどん(あまりにも寒いので)、いなり寿司(近所で買ってきた。手抜き)


2003年09月20日(土) 悲しいできごと

 久しぶりに雨。朝から晩まで、一日中降っていた。涼しくて、扇風機の風も冷たく感じられる。こう涼しいと、作っておいた冷たい麦茶もなかなか減らなくて、いよいよもう秋だなあと思う。

 午後から仕事。つまらんつまらんつまらん。

 ジョアンのライブに行ってからというもの、なんだか毎日のようにCDを買っていて、タワーレコードのポイントが全部たまったこともあって、今日もジョアンとマーヴィン・ゲイのCDを買ってしまった。でもポイント割引してもらったから2枚で300円。得した気分。
 悲しいできごと。探そうと思っていた「Live in montreux」のブラジル盤CDはもう市場に出回っていないことがわかった。ワールドミュージック専門店のお店の人が教えてくれた。どこかで見かけたことあるように思うんですけど、と呟いていたら「それは多分見間違いか、夢の中のできごとですね」と言われちゃった。ああ、夢かなあ、そうかもしれない。
 そのお店ではエリス・レジーナのCDを買った。白額縁の中でエリスが俯いているジャケットの「ELIS」。これも、ほとんど見かけなくなった気がするので。

 悲しいできごと、パート2。アマゾンで3ヶ月前くらいに注文したアッジェの写真集が入手不可だというメイルが来た。あまりにも送られてこないからきっとダメだと思っていた。でもこの3ヶ月の間にライブに行ったり、全集を買ったりして、予定外の出費がかさんだのでまあいいことにしよう、と自分をなぐさめる。

 本屋さんで「クウネル」立ち読み。これは「雰囲気雑誌」だな。地に足が着いていなくて、底が浅い。
 Tに頼まれたビーチボーイズの文庫を買って帰る。

・購入物:JOAO GILBERTO「EN MEXICO」
     ELIS REGINA「ELIS」
     MARVIN GAYE「I want you」

・朝食:野菜たっぷりオムレツ、巻寿司
 夕食:スパゲティナポリタン、筍と蓮根の煮物、きのこのスープ、麦酒

     


2003年09月19日(金) 糸瓜忌

 おそるおそる、帰りに阪神百貨店に行ってみる。もうそろそろほとぼりも冷めてるかな、と思ったが、全然冷めていなかった。タイガースショップの1時間以上待ちはまあいたしかたないとして、閉店間近だというのに一般の売場も人だらけ。上り下りのエスカレーターに人がびっしり詰まっているのを見て、早々に退散。あそこで買い物をするような根性は、私にはない。

 それからかっぱ横町の古本屋さんで「座談会明治文学史」を発見。これで明治、大正と揃った。嬉しい。
 「漱石」のところを読んでいてふと、今日が正岡子規の命日だということを思い出し、パン屋さんでアンパンを買って帰る。甘い物が苦手なので小さいのを選ぶ。正岡子規が好きだったアンパンを、子規をしのんでしみじみ食べる。
 アンパンには牛乳が合うと思うんだけど、今日は緑茶にする。アンパンと牛乳じゃ、張り込み中の刑事みたいな感じだもんなあ。

 帰ったら「虎辞書なる」をやってたので観る。1995年10月6日横浜戦、真弓の引退試合。阪神の暗黒時代だ。私はこのゲームを当時球場で観た。真弓の最後の試合だというので、会社を早退して甲子園に行ったのだ。
 真弓の打席以外のことは、もうほとんど忘れてしまっている。なかなか点の入らない、じれったい試合だったような。でも真弓が右中間に一本打ったヒットのことはよく覚えている。涙が出た。うれしくて、さみしかった。
 私が高校生の時、初めてつくったキャッシュカードの暗証番号は、真弓とバースの背番号を組み合わせたものだった。その銀行も、今はもう利用していない。

・購入物:柳田泉、勝本清一郎、猪野謙二「座談会明治文学史」(岩波書店) 古書

・朝食:フランスパン、ウィンナー、珈琲
 昼食:お弁当(ピーマンとちくわの炒め物、ゼンマイの煮物、ご飯)
 夕食:野菜いため(ピーマン、人参、玉ねぎ、キャベツなど)、大根とひろうすの煮物、麦酒、ご飯
 


2003年09月18日(木) 愚痴

 残業。一銭にもならないことで忙しく、夕方からは私の苦手なMさんと打ち合わせがあり、いつもの倍、疲れる。Mさんは真面目できっちりしてて助かるけれど、融通のきかないところが、ちとしんどい。まあここはテキトーに、とか、だいたいの感じでザッとやって、とか、アカンかったらその時また考えましょう、というような、私のいいかげんな考えを許してくれない。
 「失敗したら、もう取り返しがつかなくなります!」と大変怒られた。そうかなあ、何とかなると思うけど。でも大人しくMさんの考えに従うことにする。ああ、窮屈。

 仕事が終わって、スーパーで買い物するのが午後9時前。家に着いたら、朝は時間がなくて洗えなかった、汚れた食器がシンクに山積みのまま。洗濯物も干したままだし、これから米を炊いて何か作るのかと思うと、毎日のことながら気が遠くなる。こういう時に限って、卵を冷蔵庫に入れる時に一個割ったり、醤油を醤油さしに移すとき入れ損ねてこぼしたりするのだ。汚れた床を雑巾で拭いている時の、この情けないような、みじめなような気持ち。
 なんとか作った夕食も、バケモノみたいな食欲のTにぺろりと食べられてしまう。食べるために作ってるんだからいいんだけど、なんかむなしい時がある。

 今日の朝刊に宮沢和史によるジョアン・ジルベルトのライブレビューが載っていた。あれは夢じゃなかったんだなあ。ギターを弾いている写真を見て、ああこんな手だったなあ、と思う。美しい、綺麗な手だった。

 本日の「アンナ・カレーニナ」。遅々として進まない。やっと半分まできた。
 ヴロンスキイがアンナにちょっと飽きてきつつある。ほらね、やっぱり。この男はきっと、とても薄情な奴だと思うよ。

・購入物:なし

・朝食:鮭、卵焼き、ワカメの味噌汁、ご飯
 昼食:カレーパン、くるみのパン、オレンジジュース
 夕食:鯵のフライ、茄子とピーマンの梅ゴマ和え、大根と揚げの味噌汁、麦酒、ご飯


2003年09月17日(水) おばちゃんと本を探す

 今日も帰りにタワーレコードへ。前にレンタルしただけでまだ持っていない、ジョアン・ジルベルトのCDを買い占めるため。試聴したらかっこよかったので、予定外のチーフタンズまで買ってしまった。ちょっと買いすぎ。
 ひとつ失敗した。ジョアンのライブアルバム「Live in montreux」はアメリカ盤で、アメリカ盤はブラジル盤より3曲収録曲が少ないことに帰ってから気づいた。しかもその3曲は先日のライブでも演った曲のようだ。しまった、間違えた。またどこかでブラジル盤を探さねば。
 このアルバム、ものすごくいい。特に「フェリシタージ」を観客みんなで歌うところなど、涙なくして聴けない。

 タワーの後、ジュンク堂で本棚をうーむと眺めていたら、ちょっと鶴瓶に似た声のバカでかいおばちゃんが、つつつと近づいてきて、「ねえ、横山なんとかという人の『中落ち』ていう本、どこにあるやろ?」と聞いてきた。中落ち。マグロか?
 『半落ち』じゃないですかね、と言ったら「ああ、それそれ、そんな題やった!」と喜ぶ。いいかげんなおばちゃんだ。
 近所の人(だったかな?忘れた)が足の骨を折って入院していて、お見舞いに何を持っていったらいいかと職場の人に相談したら、きっと退屈だろうから本がいいんじゃないと言う人がいて、最近読んだ中で面白かったからと「半落ち」を薦めてくれたのだ、と本を探している経緯をくどくど説明してくれる。必要以上に声がでかいのでうるさくてしょうがない。
 もう見捨てるわけにいかず、一緒に本を探す。売れている本なのですぐ見つかった。「よかったわー、でも1700円もするなんて本って高いなあ」とぶつぶつ文句を言いながらレジに消えていった。1700円なんて高いうちに入らないよ。
 そんなことより、なんで私に聞くんだろう。店員と思われたんだろうか、もしかして。

・購入物:CD=joan gilberto「Live in montreux」、「gets/gilberto」(special edition)、「三月の水」
       The Chieftains「further down the old plank road」
       ハナレグミ「レター」
     市川雷蔵「雷蔵、雷蔵を語る」(朝日文庫)

・朝食:ベーコンオムレツ、トースト、珈琲
 昼食:トラッキーパン(サツマイモのパンの上にトラッキーの絵が描いてある。優勝セール、80円)、シナモンロール、牛乳
 夕食:いわしの煮付け、ネギ焼き、チーズちくわ、麦酒、ご飯


2003年09月16日(火) よかった、よかった

 バスは、朝7時30分頃大阪駅に着き、いったん帰ってお風呂に入って着替え、朝ご飯も食べず出勤。元気に労働した。我ながらよくやるわ。でもバスの車内が乾燥していたせいか肌は大荒れ、化粧のノリが悪い。4,5年前はこんなことなんでもなかったのに、これも年をとったということだろうか。まあ何でもいいけどさ。

 会社では、昨日の優勝までの一部始終をみんなから聞かされ、静かに喜びをかみしめる。よかったねえ。これで今年優勝しなかったらオレはもうショック死する、と言っていたYさんの、命が助かっただけでもよかったね。

 早朝すでに阪神百貨店前には長蛇の列ができていて、お昼休みに見た時にはもっとのび、夕方にはとぐろを巻いてさらにのびていて、唖然とする。しかし入場制限をしているため列に並ばなければ中に入れない。私はただ珈琲を買いたいだけなのに。仕方がないので成城石井で買って帰る。
 それから今日から3日間、タワーでWポイントセールをやるので、買いそびれていたジョアンとサム・クックのCDを買う。

 今週は野菜の宅配を休んだので、スーパーで買い物。このところの食生活の乱れを反省し、今週は野菜ばかり食べることにする。宅配を休むと冷蔵庫の野菜室ががら空きになって、野菜好きとしては実にさみしい。

 本日の「アンナ・カレーニナ」。ここんとこ忙しくてあんまり読めてない。
 アンナはダンナにヴロンスキイとのことを打ちあけてしまい、全てを捨てて家を出るか、このまま生き地獄にとどまるか、選択を強いられている。何かを得るには何かを失わねばならないことはわかってはいても、なかなか踏み切れない気持ち、すごくわかる。でも自分のやったことの落とし前は自分でつけなきゃね。でもあのヴロンスキイは信用できないなあ、なんか。

・購入物:CD=ジョアン・ジルベルト「ジョアン」
       サム・クック「portrait of a regend 1951-1964」

・朝食:食べず。というか食べる時間なし。
 昼食:ジヤーマンポテトサンド、珈琲
 夕食:焼サンマ、小松菜と揚げの煮物、モロヘイヤのゴマ和え、ご飯 

 


2003年09月15日(月) 歴史的な一日

 横浜まで、ジョアン・ジルベルトのコンサートを聴きに行く。チケットを取ってからずっと、このコンサートのために生きてきたのだよ。ジョアン・ジルベルトの声とギターをしっかり聴くために、この前耳鼻科で診てもらったんだよ、病院大嫌いなのに。

 いろいろトラブルがあって開演時間に30分遅れて開場到着、もう神も仏もないのかと思ったが、ジョアン・ジルベルトも私以上に遅れて来てくれて、ちゃんと最初から観ることができた。よかった。
 コンサートは、ジョアンがステージで固まった約20分を入れても3時間近くあって、たっぷり、本当にたっぷり至高の音楽を聴かせてもらった。ジョアン・ジルベルトの声とギターがあれば、もう何にも要りません。横浜まで遠かったけど、あなたがギターを奏で歌ってくれるならもう私はどこへだって行く!という感じ。幸せでした。

 私がジョアンの「デサフィナード」など聴いて胸をふるわせ泣いている間に、阪神が優勝してしまった。コンサートの後、友人のくれたメールで知った。
 もし今、おじいちゃんがここにいたらどんなに喜んだだろうと思うと、胸がつまる。勝利の美酒を一緒に飲みたかったね。18年間辛いことも多かったけど、阪神ファンをやるのはやっぱり楽しいものです。この喜びを胸にまた20年、私たち生きていくよ。

 なんだかんだで歴史的な一日。東京駅で号外をもらって、夜行バスで大阪に帰った。

・購入物:ジョアン・ジルベルトコンサートパンフレット

・朝、昼食:ポールボキューズのパン、紅茶
 夕食:外食、茄子の味噌煮込み、野菜炒め、ご飯、スープ、サラダ

 
 


2003年09月14日(日) フリーダ・カーロ展とお買い物のこと

 午後からおでかけ。天保山のサントリーミュージアムで「フリーダ・カーロとその時代展」を鑑賞する。
 フリーダ・カーロの出展数が少なかったのが残念。フリーダ・カーロの苦難に満ちた生涯については、昔図書館で評伝を借りて読んだ。でもその苦しみがあったからこそ、これらの激しく、美しい、それからどこかおもしろい絵が描けたのだということは、これまた人生の皮肉だと思う。
 
 美術館の5階から4階に下る場所に休憩スペースがあって、そこから大阪湾が見渡せる。ソファに座って、しばし海を眺める至福の時間。今日は素晴らしくよく晴れていて、眺めは抜群だった。

 その後、バスにゆられて難波まで行く。タワーレコードでずっと探していたポルトガルの全盲の女性歌手ドナ・ローザのCDをやっと見つける。チチ松村が薦めていて、気になっていたのだ。家へ帰って早速聴いてみたら、やっぱり素晴らしかった。懐の深い、魂の歌だ。

 本屋に行ったら「読者が選んだ私の好きな岩波文庫100冊」というフェアをやっていて、100冊の中から3冊買ったら何かもらえるらしい。企画に乗せられているだけのような気がするが、とにかく3冊選ぶ。持っている本ばかりなので選ぶのが難しい。ついこの間、今月はもう本を買わないと宣言したような気がするのだけど、まあ予定は未定でしばしば変更されるのだ。
 3冊買って何がもらえるのかというと「特製蔵書票」だって。「蔵書票」って何?

・購入物:ドナ・ローザ「通りに響く声」(CD)
     岡倉覚三「茶の本」(岩波文庫)
     島崎藤村「千曲川のスケッチ」(岩波文庫)
     寺田寅彦「随筆集 第3巻」(岩波文庫)

・朝食:カボチャの煮付け、味噌汁
 昼食:外食、天保山近くのうどん屋にて、鶏なんうどん
 夕食:外食、心斎橋の中華料理店にて、マーボー丼


2003年09月13日(土) 今日も「アンナ・カレーニナ」を読む

 台風の影響か、風が強い。風が吹くのはけっこうだけど、この熱風を何とかしてほしいなあ。太陽が出ているのに雨がパラパラ降ったりして、ヘンな天気。

 今日は一日ひとりで、ちまちまお惣菜を作ったり、ちょこちょこ掃除したり、シーツを洗濯したり、低温殺菌牛乳と無添加のラップを求めて近くのスーパーを何軒かまわったり、CDで仁鶴と枝雀の落語を聴いたり、ラジオで「世界の快適音楽セレクション」を聴いたり、ほとんど外出せずおとなしく過ごした。

 昨日から読み始めた「アンナ・カレーニナ」は上巻をもうすぐ読み終わる。人妻アンナはヴロンスキイと恋に落ちたけど、今のところそれほど罪の意識はないようだ。しかしこのヴロンスキイという男はヤバイと思うけどなあ、そこそこ遊んだら手を引いたほうがいいんでないか、って、そんな理性的なことができたら誰も苦労しないわな。

 ポラリスの「檸檬」をよく聴いている。ポラリスの今までの曲の中で、一番好きかもしれない。はかない幸せを感じる。

・購入物:なし

・朝、昼食:カボチャの煮付け、赤玉ねぎのサラダ、カレー(こないだの残り)、ご飯
 夕食:チンジャオロース(牛肉とピーマンを炒めてでたらめに味付けしただけ)、こがね芋の味噌汁、カボチャの煮付け、麦酒、焼酎、ご飯


2003年09月12日(金) こうして私は「アンナ・カレーニナ」を読みたくなりました

 どういうわけかここのところ、金曜日は仕事が比較的ヒマなので気が楽だ。今日も平和な一日、Nさんとますますわけがわからなくなってきた渡辺淳一の新聞連載小説について話し合ったりする。そして明日から3連休。

 夜は「島村利正全集」をシミジミ読むとして、通勤電車の中など移動中は、今日からぽつぽつ「アンナ・カレーニナ」を読み始めることにする。いきなりなんで「アンナ・カレーニナ」なのかというと、先日読んだロジェ・グルニエの「水の鏡」の中の一編で、モチーフとして使われていて読みたくなったからだ。
 
 それは『女像柱』という短編。神経を病んだ妻を入院させた夫が、妻のいない夜をもてあまし、寂しさを紛らわせるため「アンナ・カレーニナ」を読み始める。この長い小説を読み終える頃には、妻は回復し自分の元に戻ってくると信じて。
 夫が「アンナ・カレーニナ」を読んでいると知った妻は、面会の度、小説のあらすじを聞かせてほしいとせがむ。優しい夫は妻に話す、「今ちょうどヴロンスキイが、アンナに愛の告白をしたところだよ…」。
 しかし、夫は妻の不在にどうしても耐えきれず、偶然出会った妻の友人と事を起こしてしまうのだ、罪の意識に押しつぶされながら。
 結局妻は、一度は退院してくるが、完全に健康を取り戻すことができず、また病院へ帰っていく、というなんともかんとも哀しい小説。

 今日から読み始めた「アンナ・カレーニナ」、今のところ、ダンナの浮気でもめているところで、ここまでは近松秋江の小説とあんまり変わらないような。

 それで今日もまた本を買ってしまった。もう今月はこれで打ち止め、もう買いません、たぶん、きっと、おそらく。

・購入物:桂米朝・筒井康隆「対談 笑いの世界」(朝日新聞社)
     古今亭志ん朝「志ん朝の落語」(ちくま文庫)
     トルストイ「アンナ・カレーニナ上・中・下」(岩波文庫)
     レコードコレクターズ10月号「特集マーヴィン・ゲイ」

・朝食:カレースパゲティ
 昼食:おにぎり(高菜、ちりめん)
 夕食:外食、古潭にて(味噌ラーメン、餃子)

 


2003年09月11日(木) こうして私は「島村利正全集」を買いました

 ユリイカの川上弘美と堀江敏幸の対談を読んで触発され、「いつか王子駅で」を読み返す。3度目。心が揺さぶられる、たいへん好きな小説。
 「いつか王子駅で」を読んだ人の多くが多分、島村利正を読みたくなるはずで、私もやっぱり読みたくなる。
 1年くらい前、古本屋さんで100円で買って、本棚で熟成させていた「妙高の秋」を取り出して読んだ。わお。すばらしい。何ひとつ難しい言葉を使わず、凝った言い回しもなく、平明で美しい文章。それでいて、書かれていることは思いっきり、深い。心の底がジンジンする。
 おまけに、島村利正は私と同じ生年月日だということがわかった。バースデイブックにも書かれていなかったこの驚愕の新事実。これは何かの縁だ、運命だ。

 これだけでは全然足りない、島村利正の文章をもっと読むにはどうしたらいいのかなあ、図書館で借りて読むしかないのかなあ、とつらつら考えてみるに、そうだ全集を買えばいいんだわ、と思い至る。早速本屋に行ってみるが、全4巻で4万円はちと高い。
 とぼとぼ家路をたどるも諦めきれず、とある古本屋をのぞいてみた。そしたらさあ、ちゃんとあるんだよ〜、すごいなあ。私を待っていてくれたのね。古本の神様、ありがとう。新品同様で4冊揃って2万5千円。予定外の買い物で、今月買うつもりだった靴とカバンが買えなくなっちゃった。小津安二郎のDVD全集も、しばらく見送りだ。

 こうして私は「島村利正全集」を買ったのだ。本棚に置くスペースもないのに。
 手に入れた宝物を枕もとに並べて、これから毎晩少しづつ読むのです。ああ、幸せ。

 「ラジオ深夜便」で山田稔の話を聴こうと、楽しみに起きて待っていたのに、野球が延長になったせいで今日はなかった。くそー、阪神が辛気くさい試合をするせいだ。残念。

・購入物:「島村利正全集 全4巻」(未知谷) 古書

・朝食:きつねうどん
 昼食:サツマイモのパン(3日連続サツマイモ)、牛乳
 夕食:チキンと野菜のカレー(茄子をトッピング)、トマトサラダ、麦酒


2003年09月10日(水) お買い物

 仕事帰りに、お買い物。
 まず無印良品で、タオルとかクッションカバーとか座布団カバーとか、なんだかんだと雑貨を買う。これでまた家が無印良品の展示場みたいになるなあ。
 白いシャツと靴下も買う。高校生の時、学校指定のカッターシャツがダサくてどうしても嫌だったので、無印の白のシャツを制服がわりにずっと着ていた。その頃からワンシーズンに1枚は買う。今から思うと、高校にちゃんと制服を着て行ったことが一度もなかったような気がする。

 それから阪神百貨店で化粧品を買って、タワーレコードへ。探していたCDは見つからなかったけれど、買った3枚のCDはどれもこれもとても良かった。
 ポラリスの「檸檬」、かなり好きだ。
 『この夜風の音色には覚えがあるんだけど いつもそうさ 憂鬱は思い出に残るものかな?』だって。切ないなあ。

 帰って、さあご飯食べましょう、と思ったら冷蔵庫にビールがない。これは非常事態だ、と近所の酒屋へ買いに行く。ビールがなかったらご飯を食べられないというここ最近のわたくし、大丈夫でしょうか。

・購入物:無印良品にていろいろ
     リキッドファンデーション
     Polaris「檸檬」
     大工哲弘「ウチナージンタ」
     DAVID GRISMAN「HOT DAWG」

・朝食:クロワッサン、牛乳、オレンジジュース
 昼食:ふかしサツマイモ(2日連続。いくら好きでも飽きた)、ヨーグルト
 夕食:ミンチカツ、キャベツサラダ、赤だし、ご飯、麦酒


2003年09月09日(火) 「大阪の宿」

 最近2、3人から、痩せたねと言われたので久しぶりに体重をはかってみたら、3キロ確かに減っていた。ダイエットもしていないのに、何故だ。何か病気かしら。まあいいや、素直に喜ぶことにする。

 ここんとこ凝っている米焼酎を飲みながら、水上瀧太郎「大阪の宿」読了。
 東京生まれで、正直者で潔癖で正義感の強い江戸っ子の見本みたいな主人公が、仕事の都合でしばらくの間、大阪のとある宿に暮らした時の話。出てくる大阪人はみな、合理的で商売熱心、噂話好きの世話焼き、好色で酒好きと、まあわかりやすい人物造型。
 男っぽい宿のおかみさんが、宿賃を滞納した上に元妻と愛人との間で騒動を起こす客に向かって、「出ていきなはれー」と啖呵を切る場面が痛快で好き。もし「大阪の宿」を映画化とかすることがあったら(ないと思うけど)、私におかみさんの役をやらせてほしいなあ。

 水上瀧太郎自身は、どこかの御曹司で、慶応か何かそのあたりの大学を出て、なんとか生命の専務か常務かなんかになったエリートらしい。はあ。私の苦手なタイプだ。お金とか地位や名誉のある人、苦手なの。

・購入物:なし

・朝食:チキンサンド、珈琲
 昼食:ふかしサツマイモ、珈琲
 夕食:甘長唐辛子と牛肉の煮物、茄子のごまだれづけ、冷奴、麦酒、ご飯

 


2003年09月08日(月) 川をながめる

 午後から外出。何軒か会社を回るため、しばらく街中を歩く。バカみたいに暑い。1ヶ月季節を間違えてるんじゃないのか。
 
 途中、橋の上から土佐堀川をぼんやり眺める。今、ちょうどこの辺りが小説の舞台である水上瀧太郎の「大阪の宿」を読んでいるので、主人公の住んでいた宿はどのあたりかなあ、などと考えながら川沿いを歩いてみる。毎日のように歩いているところだけど、小説の中に書かれると全く知らない場所のような気がする。改めて見てみると、普段は気がつかない、古い家やお店が残っていたりして。
 織田作之助を読んだらよくやるように、「大阪の宿」を読み終わったら、またゆっくりこの辺りを散歩しよう。それにはもうちと、涼しくなってほしいなあ。

 帰宅途中ドトールで休憩していた時、隣のおばちゃん二人連れが話していたこと。
「こないだUSJ、楽しかったなあ」「ホンマやわ、ガーッといってキューッと曲がってザァーッと行ってバババーンてなって、ほんで最後は燃えてなあ、楽しかったわあ」
 USJにはそんなおそろしい乗り物があるのかね。行かんとこ。

・購入物:なし

・朝食:トースト、オムレツ、珈琲
 昼食:お弁当(ピーマンの甘辛炒め、きんぴらゴボウ、カボチャの煮付け)
 夕食:豚肉の梅焼き(豚肉を梅肉入りのソースをかけて焼くだけ)、エリンギと玉ねぎのソテー、みょうがのかきたま汁、麦酒、ご飯


2003年09月07日(日) 永井龍男の「昨日今日」

 冷蔵庫に残っている野菜をかき集めて、朝からかき揚げを揚げる。こないだ読んだ、古井由吉の小説のあぶらっこさを思い出して、ちょっと気分が悪くなる。2、3本あまっていたちくわを磯部揚げにしたら、これまたおいしかった。

 昼から久しぶりに掃除。お風呂とトイレも念入りに。
 この時期、やっぱり掃除は午前中にしないとダメだ。ものすごく暑い。

 夕方から家の近所をうろうろ散歩。途中「古本市場」に寄り、何冊か買う。やっと本棚の整理をしたばかりなのに、また本が増えた。でも永井龍男の文芸文庫が一冊250円で、旺文社文庫の山田風太郎が100円で売られていたりしたので、見逃せなかったの。こういう古本屋は本の価値がわかってないので、びっくりする値段をつけてくれるから好き。
 永井龍男に「昨日今日」という短編があって、昔図書館で借りて読んで好きになって、この日記のタイトルはここからとったのだけど、それが今日買った「一個、秋その他」に収録されていた。久しぶりに読んでみたら、やっぱりとてもよかった。しみじみする。じーん。

 夜は、本を読んだり、テレビで野球を見たり。この状況下でも、甲子園にしっかり応援しにくる横浜ベイスターズファンの方々の愛と勇気には、頭が下がる。ホントに好きじゃなきゃできないよ。あの姿を見ていると、私も応援したくなるもんなあ。阪神がこんなことにさえ、なってなかったらね。

・購入物:永井龍男「一個・秋その他」「朝霧・青電車その他」(講談社文芸文庫)
     山田風太郎「怪異投込寺」(旺文社文庫)
     水上勉「私説・東京図絵」(朝日文庫)
     水村美苗「続・明暗」(新潮文庫)
     森達也「放送禁止歌」(知恵の森文庫)

・朝、昼食:かき揚げ、ちくわの磯部揚げ、茄子と鰊の炊き合わせ、サニーレタスのサラダ、ご飯
・夕食:外食、とん塩ラーメン


2003年09月06日(土) 「編集室」

 昼間は暑いけれど、日が暮れると涼しい風がふいてくる。虫もリンリン鳴いているし、秋だなあ。
 大阪は晴れていたのに、実家に帰る途中、枚方あたりから強い雨が降ってきて、京都に着いてからもまだ止まず、傘を持たずに出てきたので少しぬれた。

 行き帰りの電車の中と寝る前に、ロジェ・グルニエの「編集室」を読む。短編集。
 起承転結があって、いかにも作り上げたような巧い短編はあんまり好きじゃないけど、ロジェ・グルニエの書く短編のほとんどが淡々としていて、特にオチもなければ飾ったところもなくて、好き。誰も彼もことごとく人生うまくいかないのは、変わらないけど。
 『親愛なる奥様…』と『冬季オリンピック』の2編が特に良かった。どちらも悲劇で、この「もうどうにもならない感じ」が、とびきり寂しい。

 夜はETVスペシャル、養老孟司の「人に壁あり」を見る。「バカの壁」は読んでないけど、この番組でだいたいわかったぞ。
 昆虫採集、楽しそう。私もわりと虫が好きなので、興味津々で見た。奥深い世界だ。

・購入物:水上瀧太郎「大阪の宿」(講談社文芸文庫)
     J.Gバラード「コンクリート・アイランド」(太田出版)
     スチュアート・ダイベック「シカゴ育ち」(白水Uブックス)

・朝食:焼きそばパン、目玉焼き、牛乳
 昼食:バナナ
 夕食:実家にて、豚ヒレ肉の梅肉ソース、グリーンサラダ、ブロッコリーとエリンギのサラダ、茄子と鰊の炊き合わせ、麦酒、ご飯
 


2003年09月05日(金) 「アダプテーション」

 週末。山あり谷ありの、いや違う、谷ばっかりのこの一週間も終わり。今日は嵐の後の静けさ、という感じでとてもヒマだった。何でもいいけど、もう仕事のことは考えたくありません。

 夜、一人で梅田ブルクにて「アダプテーション」を観た。客が少なくて、びっくり。多分20人もいなかったと思う。金曜日の夜なのに。
 「バートンフィンク」と「ブロードウェイと銃弾」と「川口浩の水曜スペシャル」を足して丸めて蘭でくるんだ、という感じの映画。見終わってみれば、割とイイ話にまとめたなあ、いう印象がある。ニコラス・ケイジの身体つきと髪の毛は、大丈夫なのか?でも力演だったと思う。
 脚本家養成セミナーで講演するオッサン(名前忘れた)が、物語のない映画なんてクズだ淡々とした日常には意味がない、みたいなことを言うのだが、それはウソだ。ストーリーがなくても、おもしろい映画はできる。絶対できる。
 それから、クリス・クーパーがかっこよかったなあ。前歯がなくてあれだけかっこいいのはすごい。

 梅田ブルクという映画館は完全指定席で、チケットを買う時席を選べる。窓口の女の子が「見やすいお席がよろしいですか?」などと聞く。そりゃ見やすいお席がいいよ、見にくいお席で見たい人いるの?映画によっては、字幕がヨコにでるのかタテにでるのかで席の位置を考えたい時もあるけど、そんなこと窓口の女の子が知るわけないから聞かない。

 映画の後、Tと待ち合わせて、カレーを食べて帰る。寝る前にスポーツニュウスを見る。あー今日は映画をやめて野球を見とけばよかったなあ。しまった。

・購入物:なし

・朝食:パン、牛乳
 昼食:お弁当(棒々鶏、千切り大根の煮物、ご飯)
 夕食:外食、印度屋(ステーキカレー)


2003年09月04日(木) 電話

 私のミスが引き起こした仕事のゴタゴタは、最悪の事態は免れ、なんとか片が付きそうで、助かった。いろんな面で、とてもラッキーだった。運が良くて、どうにか今までもってるなあという気がする。この運がつきたら、私には何にもなくなるかもしれない。

 まあとりあえずかなり心も軽くなったので、あちこちお店をまわって洋服や靴をうっとり眺めたりして帰る。地下街のチケットショップで、フリーダ・カーロ展の前売り券を買う。

 夜、友人Yちゃんより電話。彼女は、浪人していた時に通っていた予備校で知り合った友人。久しぶりなのでつい長電話になってしまった。
 小学校から大学まで通った学校の中で、私が最も楽しかったのは予備校だ。学校に行くのが心底楽しいと思ったのは、あの一年だけだ。私の浪人生活は全然暗くなくて、成績はぐんぐん上がるし、彼氏はいい男だったし、友達はいい奴ばっかりで、大学受験を失敗してホントによかったと、私は今でも思っている。きっとYちゃんもそう思っているはずだ。
 Yちゃんは今や一児の母で、保育園で先生などから「○○ちゃんのママ」と言われて、自分の名前で呼ばれないことにひどく怒っていた。一緒に遊びまくっていたYちゃんが、子どもを生み育てているなんて不思議な感じがする。こうしてみんな少しづつ、変わっていくのだろうか。

・購入物:なし

・朝食:チーズパン、カレーパン、ミルクチャイ
 昼食:めかぶとワカメのそば
 夕食:ズッキーニとキャベツのガーリックソテー、枝豆の塩ゆで、冷奴、ご飯


2003年09月03日(水) 落ち込んでいても仕方がないから

 ジャック・タチの映画を観に行くはずだったけど、取りやめて仕事をする。いくらなんでも私だって、自分の起こした問題を放っておいて悠長に映画を観てはいられないということくらいは、わかる、かろうじて。
 
 落ち込んでいても仕方がないから、取引先のMちゃんに「仁義なき戦い」の松方弘樹と金子信雄の名場面を、物真似つきで再現してあげた。あんまりうけなかったけど、金子信雄は自分でも似てると思うんだけどなあ。
 「えらいことになったのに、明るいですねえ、私なら泣いてしまいます」とMちゃんは言う。私だって泣きたいよ。泣いて事態が好転するならいくらだって泣いてやる。でもそうじゃない。深刻な顔をするのはいつだってできる。絶対、笑って乗り切ってやるんだ、って思う。

 落ち込んでいても仕方がないから、本を読む。ロジェ・グルニエ「水の鏡」。
 ロジェ・グルニエの小説をここのところ何編か読んだけど、いまだかつて登場人物の誰一人、幸せになったことがない。断崖絶壁から暗い孤独の底をのぞき込んでしまったような人たちばかりがでてくる。「水の鏡」は女性が主人公の小説が2編収録されているけど、どちらの女性も辛く厳しい現実から逃れられず苦しむ。希望はかなわないし、ささやかな夢も打ち砕かれてしまう。
 ロジェ・グルニエは何にも答えを出さないし、甘い言葉もかけてくれない。そういう手厳しさが、私はとても好きだ。

 落ち込んでいても仕方がないから、ネギとかキャベツとか長いもとかキムチとか、大量に入れたお好み焼きを焼いて、お酒を飲む。ビールだけでは満足できず、焼酎をグビグビと。焼酎は悪酔いしにくくて、あんまり翌日に影響しないとかよく聞くけど、やっぱり飲みすぎたら影響するね。当たり前か。

・購入物:なし

・朝食:メロンパン、牛乳
 昼食:ハムサンド、珈琲
 夕食:お好み焼き、麦酒、焼酎(ロック)


2003年09月02日(火) 失敗

 9月になってから、暑い日が続く。日増しに暑くなっていくような気がする。もうそろそろ、夏も飽きてきた。

 仕事でミスをした。これは自分一人で進めていたことで、誰も悪くない、私の失敗だ。私はこの決着をどう着けるつもりなんでしょうかね、って誰も知らんわな。自分の身にふりかかっていることなのに、他人事のような気がする。
 とにかくやってしまったことは仕方がないので、四方八方できるかぎり手を尽くし、謝って頼み込んで、「何とかなること」を祈って帰る。まあ、明日は明日の風が吹くだろう。吹かなければ無理矢理吹かせてやる。

 イヤなことがあった後は本屋さんで本を買う。いろいろ散々迷ったあげく、何冊か買う。一番迷ったのは川上弘美特集のユリイカの増刊で、川上弘美はまあいいとしても、この中で堀江敏幸と対談していて、しかもその写真を撮っているのが島尾伸三だというので、やっぱり買ってしまった。私はこうして、いつも島尾一家に振り回される。
 この写真の中で川上弘美の持っているカバンは、私と同じやつだ。それから最後の「川上弘美の本棚」であげられている本のほとんどが、私も好きな本ばかりだ。私はこの人と趣味が合うのかな。でも例えば高校の時なんかに同じクラスだったら、多分友達にはならなかったタイプだという気がする、なあんとなく。

・購入物:東京人「特集:小津安二郎」
     ユリイカ9月号増刊「川上弘美読本」
     内田樹「ためらいの倫理学」(角川文庫)
     ジェームズ・ブラウン、ブルース・タッカー「俺がJBだ!」(文春文庫)
     フランシス・フォード・コッポラ編「ZOETROPE(noir)」(BOOK PLUS)
     竹本住太夫「文楽のこころを語る」(文藝春秋)

・朝食:チキンサンド、牛乳
 昼食:お弁当(ピーマンの甘辛炒め、カボチャの煮付け、きんぴらゴボウ、ご飯)
 夕食:お刺身(ハマチ)、味噌汁(豆腐としめじ)、ししとうとジャコの炒め煮、あご野焼き、漬物、麦酒、ご飯

 


2003年09月01日(月) 夏休みの宿題

 今日から新学期の小学生たちが、ワラワラと学校へ向かうのと一緒に出勤。この感覚久しぶり。朝からすさまじく暑くて、まだまだ9月って感じがしないけど。

 夏休みが終わりに近づくと決まって、宿題をやったとかやらないとか話題になるけど、私は夏休みの宿題なんか一回だってまともにやったことなかったよ、だけどこうしてちゃんと大きくなったぞう、なんて会社で言ってたらNさんに「アンタみたいな大人になりたくないから、みんな宿題をやるんだよ」と、鼻で笑われた。へえ、そうなのか?それは知らんかった。

 小学生の時から、夏休みの宿題でちゃんとやったと言えるのは日記つけることと読書感想文を書くことだけで、自分の好きなことしかしない私の性格は、思えばこの頃既に形づくられていたのだ。友達が私の日記を読んで、「ようこんなバカバカしいこと、毎日毎日書けるなあ」と言ったことがあって、それは今でも充分当てはまって、私は20年前くらいから何一つ進歩していないのかもしれない。

 今日届いたサニーレタスに、ナメクジがペタリと引っ付いていた。振り落として台所の床でにょろにょろ動くのをしばし眺める。ナメクジって結局、何なんだろう。考えてもわからないので、塩をふりかけて成仏してもらった。
 Tが「アダプテーション」を一人で観て帰ってきて、まだ観ていない私に向かって、ああだこうだと内容を話すから腹が立って、アンタが今食べてるサニーレタスからナメクジがうにょうにょ出て来たんだよ、ということは食べ終わるまで言わずに黙っておいた。

・購入物:なし

・朝食:パン、オムレツ、珈琲
 昼食:ポテトサラダサンド、牛乳
 夕食:茄子とピーマンの味噌いため、サニーレタスのゴマサラダ、あご野焼き、麦酒、ご飯

 

 


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