あふりかくじらノート
あふりかくじら



 中国からやってきた「世界に一つだけの花」

荒涼とつづく砂漠に鮮やかに映える赤いドレスは
わたしも知らないわけではなかったけれど、
とうとうこの週末、思わず手にとってしまった。

「女子十二楽坊」というなにやら狙ったような名前で、
ずいぶんと受けのよさそうなアレンジと選曲をしている
けれども、なによりもビジュアル的にきれいだし、
その中国の美しい音色はじゅうぶんな魅力だ。

唐の時代の宮中音楽につかわれるそれらの楽器の名前が良い。
二胡、琵琶、竹笛、月琴、フールースー(どれだろう?)、トゥーリャン。

「世界に一つだけの花」というやさしい曲。
非常に面倒見が良くて皆にしたわれていた上司が
名古屋へ行ってしまう日、一生懸命に考えた送別会の
イベントでその曲を流そうとしたあのひとを思い出す。
SMAPが歌うその曲はまだ新曲で発売されておらず、
結局その思いはかなうことなく、上司は東京を去ってしまった。
それをツタヤに探しにいった自分はとても残念だった。

いま、その曲をあの場に添えようとした彼も会社からいなくなり、
ちょっと哀しいこともおきた。
どこの街で生きているのか知らないけれど、もう会うことはないだろうと思う。

わたしのなかであの曲は、彼のちょっと淋しい思い出とともによみがえる。

赤いドレスを着たきれいな女のひとたちが、悠久の歴史の重みをもった
すてきな楽器達で奏でている。

2003年09月21日(日)



 スローな風景について。

スローな風景とはなんだろう、って毎日考えながら
お気に入りの古いコンパクトカメラ、オートボーイ・ルナを
片手に浦安の端っこの海辺まで。

きれいな公園になっている。
すごく風が強い。
たくさんの人が寝そべったり、こどもとはしゃいでいたり、
犬の散歩をしたり、考えごとをしたりしている。

たくさん写真を撮ろうと思ったら、この写真好きのわたしと
しては珍しく初歩的なミスで、フィルムの残り枚数がほとんどなく
とりたいモチーフを目の前にひとり、髪を風に吹かれていた。

人工的な東京湾。
でも、ばかにしたもんじゃない。
ひとはそれぞれ、自分が暮らそうと思った土地を愛そうとしている。

ぱっとしなかった夏が巻き返しを図るかのように、残暑残暑。
悪くない週末だ。
考えるべきことが多い。

2003年09月13日(土)



 画材と文房具のこと。

土曜日の銀座は明るい。
ひとが多くたって、ひとりだと身が軽くて、
そしてなにより「歩行者天国」になっている
ところなんかがいい。

この土曜の午後は、きわめて贅沢な時間で、
わたしはひとりの銀座を文字通り満喫していた。

銀座伊東屋という老舗の文房具屋はあまりにも有名で、
わたしの愛する店のひとつである。
数万点の品質の良い商品が所狭しと並べられ、
足を踏み入れたとたん時の流れをすっかり忘れ、
何時間だってそこにいられてしまう。

思わずポストカードやら色とりどりの便箋やらを手にとってしまう。

かつて伊東屋はわたしにとって、宝物をうんざりするくらい
つめこんだ画材屋であった。
(一生かかってもつかいきれないたくさんの種類の画材!
それはいつだって、ものすごくわたしを興奮させ、そして
焦らせる。あの、色辞典!じつにうつくしい色鉛筆なのだ)

昨日、とても質の良いたくさんの手帖をみて、そこは
ひどくすてきで良心的な文房具屋でもあることを再認識。
滑らかでうつくしい皮の手帖。分厚くて、手に馴染む。
たくさんのスケジュール帖、細かく予定を立てることが
できたり、三年日記みたいなアンティークな装丁のものも。

ノートや手帖は、じつに自由だ。
手にすると、いつもたくさんの思いが駆け巡り、その手帖を
使い込んだ自分の姿が浮かんできたり。

色んな想像をする。
真新しいノートは贅沢な幸福だ。

モールスキン・ノートを購入。
父にプレゼントした。
もともとイギリスの服飾メーカーがつくったそうで、
ゴッホやマティスなんかが愛用したような、伝統ある良品
なのだそうだ。
インディ・ジョーンズの『最後の聖戦』でも、インディが
つかっていた手帖がそれだ。

ノートはやっぱり、使い込んで良さが出てきて、思わず
ちょっと厚みが増してしまうようなのが良い。


2003年09月07日(日)



 生意気な女と言われるかしら。

残業して、しかもたまたま重たい荷物を抱えながら、
残暑の中、額を汗でべたつかせて自宅の最寄り駅の
改札を出た。
21時。

よく、銀座だとかをひとりで歩いていると、
自称「メイクお姉さん」とか「美容師お姉さん」だとか
名乗る女性に声をかけられたりする。

基本的にそのことを好きなひとって、あまりいないんじゃ
ないだろうか、とわたしはいつも疑う。
とくに、くたびれた顔をした自分のときは、あんまり
「この美貌だし、そんなもの間に合ってます」感を演出できないし。

とにかくそのような女性たちにもいろいろなタイプがいるが、
その中でも、自分は女の子たちのハートをがっちりつかむのなんて
ラクショーよ!などと思っているに違いない「ベテランタイプ」は
はっきり言って嫌いだ。

そして、そのときわたしに声をかけてきた女性はまさにそれだった。

「すみませーん、わたしは美容師をしているんですが〜
(ごにょごにょ→常套句)ちょっとアンケートを〜(ごにょ)」
などと、にっこにことフレンドリーさを演出しながら近寄ってくる。
おもむろに、ああいやだ、と思う。
そもそも、わたしをみて「お勤めの方ですかー?」と
いきなり明るく訊いてくるところも気に食わない。
女子高生にでも見えるのだろうか。(そりゃないか)

思わず立ち止まって露骨に不機嫌な顔をするわたしも
ちょっといやな女だなと思うのだが、いつもそうしてしまう。
ときには、彼女たちを哀れんですらしまう自分が憎らしい。

しかし、その日はちょっと見事に、ぷっちりと切れてしまった。
その主な理由は二点ある。

 屮瓮ぅとヘアーとネイルのどれがいちばん興味あるか」と
訊かれること。

わたしは、化粧もするし好きな美容院やヘアケアのブランドも
あるし、爪に色を塗ることも好きだけれど、それはそれ。
化粧は化粧だし、わたしにとっては、営業ギャルとしての
礼儀とか、気持ちをぱりっとさせるだけの意味合いしか
もたず、それ以上でも以下でもない。
よって目くじらを立てて新しい化粧品を買いあさることもないし、
ファッション誌などをのぞくこともない。
ましてや、ネイリスト・サロンなど足を踏み入れたこともない。
しかし、その「自称美容師」の行うアンケートの前提として、
「女のコはみいーんなそのようなものに非常に興味を
示して、新しい情報には飛びついてくるはずなので楽勝」的
アプローチに、おもわずカチンときてしまう。
(自分はあまりに勝手だろうか)

◆屮瓮ぅとヘアーとネイルのどれがいちばん
興味あるかナー??(幼児語風)」
ぷちっ。誰、あんた。
ジョシコーセーと間違ってるわけー??

というわけで、いくら彼女らの仕事とはいえ、こういう女性たちに対し
非常にいやな態度をとってしまうわたしは、やっぱり
生意気なのでしょう。

でも、自分の哲学と違ったことを連続してこのように
やられてしまうと、どうしてもぷちっときてしまう、
そんな短気な女でもあるのです。

やれやれ。
あんまりかわいくないな。

2003年09月05日(金)
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