あふりかくじらノート
あふりかくじら



 ホーンテッド・エディンバラ

なんで、骸骨なんだろう。

それは、観光客に有名な街中の教会で
最初に建築されたのはたしか13世紀とか
そんなもので、そして壁にはめこまれた
雨風にさらされてすこし消えかかっている
石版の彫刻が、どくろ。
とてもこわいどくろだった。

よくみると、そこにもここにも、
お墓にも、どくろ。骸骨。天使とその手のひらの
頭蓋骨。

なんでだろう。



2001年02月20日(火)



 それも胃袋の魅惑。

胃袋が胃袋に入るとき、微かな気分の悪さを感じるのです。
ハギス。ハギス。スコットランド名物。

きょうは、いつもうるさいバグパイパーの小父さんが、
道の端っこで、譜面台に楽譜を広げて遠慮がちな音で
知らない曲を練習していたので、なんだか
寝不足な朝起こされた瞬間の怒りが遠のき、また
微笑んでしまいました。

そんなわけで、日本からのゲストがエディンバラの
わたしのところへ到着した今日この頃です。

ちなみに、「あふりかくじら4号」は
書き忘れたことがいっぱいあって、何だか悔しいです。



2001年02月14日(水)



 くじらのハーブ風。

ハーバリストにかかりました。
なんか草とか花とか種とか、植物をあれこれやっちゃう
ひとのクリニックです。
もちろん、はじめて。

わたしは、生活態度があまりよくなく酒癖も悪いくせに、
肌にも内臓にもたいした問題はなく、健康なんです。
不健康生活者なんですが。

でも、あまり気持ちのいい話ではないんですが、
簡単に話すとですね。わたしの問題はこんな感じです。

去年の夏、アジア学院という西那須野にあるNGOで、
農業などのボランティアワークキャンプをしたわけです。
通算4回目の参加で、すっかり気を抜いていたのですが、
夜、サンダルで外に出たときにやられてしまったんです。
ブヨ。ブヨ。ブヨ。
十匹くらいの子バエみたいなちびブヨが、わたくしの
うつくしい足首にくっついている図のショッキングな
ことといったら…!
で、計20箇所から30箇所ほど吸血されてしまったわけです。

当初は、さされた個所が少し腫れあがって熱くなるだけでしたが、
ずいぶんあとからでした、ひどくなったの。
それどころか、数ヶ月たっているというのに、さされていない腕や
足の膝下のあたりまで同じ症状が出てきてしまったのです。

で、最初は日本の皮膚科にかかった。
皮膚科の医者は、「それは痒針(ようしん)なんちゃらだ。」とか
いうんですね。アレルギーかなんかで、さされていない場所でも
症状が出てくるんだと。これくらい強い薬じゃなきゃだめだ、って
なにやら強力げな塗り薬をくれるわけです。

しかし、症状はひどく、そんなものはすぐ使いきってしまいました。
でも、英国から同じ医者に同じ薬を請求すると、保険がどうたらとか
言われて…まあ、ようするにもらえなかったわけです。

そして、行ってみたのが大学のクリニック。
これが、はっきり言ってだめでした。医者が、皮膚科の専門でも
何でもなく、てきとうに「一応この薬を塗ってみて」とか言って
あまり症状を見もせずに怪しげな薬をくれるわけです。
…そんなものは、ききません。

Centre of AfricanStudiesで、セクレタリーをやっておられる方が
非常に面倒見のよい方で、わたしたちはいつもお世話になって
いるのですが、彼女がそのハーバリストを紹介してくれた
というわけです。

で、けっこう保守的なわたしはちょっとどきどきしながら
そのドアをあけて、ハーバリストにかかった。

途上国の保健衛生を考えるとき、よく、対処療法ではなく
予防療法で、っていいますよね。病気になってから薬を飲む
とかではなく、保健衛生の知識などを得て、たとえば病気に
ならないように汚い水は飲まない、などで病気を予防する。
まあ、効率の面でもコストの面でも、なにより健康な人間として
生きるために、このほうがいいわけです。
で、いわゆる西欧医療は対処療法、つまり病気があって、そして
それに対処する薬がある、といった考え方をする傾向にある。
わたしがかかったふたりの医者もそうでした。

ところが、ハーバリスト。
彼らは、人間というわたしの健康全体について先に考えるわけです。
食事は何を食べているかとか、いままで病気をしたことはあるかとか、
消化器系の問題はないかとか、エトセトラ…。
で、全体的な概念としての健康と、それがそこなわれる根本的な
理由をつきつめるわけです。

ハーバリストの考えたわたしの症状の理由は、リンパ腺にある、とか。
よくみると、確かにそうなんですね、症状の個所が。
彼女によると、わたしのリンパ腺はブヨの毒に対処しきれず、
血液がきれいになりきれないから、こうなってしまうんだと。
(むずかしいことは、どうもわかりませんけど…)

で、彼女がくれたのは、あれこれよくわからない植物を混ぜて
つくった、血液をきれいにする飲み薬と、かゆみなどをふせぐ
もちろんハーブのクリームでした。

これがほんとうに正しいのかどうかわからないけれど、
なんだかききそうな気がしてきました。匂いもわるくないし。
第一、その考え方自体がたまらなく魅力的に感じられたし、
これの効果が大きかったら、研究はアフリカの医療人類学に
転向するかもしれません。
ハーブって、いままであんまり好きじゃなかったんですが、
ちょっとはまりそうな気がする一日でした。

で、いまわたしは植物くさいんです。



2001年02月07日(水)



 理解することされること。

「アフリカ理解」だなんて軽軽しく言いますけれども
どんな立場にたってアフリカについて言及するのかが
問題なわけで。

対象としてのアフリカ、ではなくて
もっと、同じ人間が生きる場所としてのアフリカ、
そこから自分が何を学べるのかというアフリカ、
アフリカのひとたちと、本当の意味で
ともだちになる。
わたしはそういうものを目指しているのです。

恵まれた物質社会に生きるものが、
ともすれば忘れがちな生きるという本質。
残念ながら、それを見失っている
アフリカ関係者もいるようです。

なぜ、アフリカか。

視野の狭い人間になってしまうことが、いちばん怖い。

ひととひとが理解しあえないことって
どうしてこんなにやりきれないんだろうね。

2001年02月05日(月)



 理不尽なくじら。

メールマガジンなるものを利用させていただきました。
発行いたしました。

たくさんのひとに読んでいただけるのは
恐れ多くはありますが、うれしくて仕方がないのです。

それにしても、いくら地球のことを心配しながらも、
結局自分のことで精一杯なのは自分でありまして、
まいにち大変です。

でも、自分の論文のことで動き出した瞬間から
それはもう
大興奮なのでございます。

とりあえず、チラシ寿司も「寿司」であることを
偏見でいっぱいだった英国人の方やスペイン人の方などに
ご説明できて、すこしニッポンも救われたかなと
ほっとしております。
(チラシ寿司をかき混ぜつつ、「それでスシはどこに入ってるの?スシ。生肉だよね、ほら。」などとおっしゃるんですもの。)


2001年02月04日(日)



 ソウルメイトとは何か。

通常国会が始まったわけで
衆議院議員のあの方は、
まためまぐるしい生活をしておられるわけです。

「知りて行わざるは勇なきなり。」
そのことば、直接いただきました。

恐れ多くもわたしの出した拙いメールに
あたたかいお返事をくださり、
わたしのことを
「ソウルメイト」ともおっしゃってくださいました。

わたしもそして、
地球の上で、たくさんのひとびとが幸せに笑えるように
あの方みたいに、努力しなければならないような
そんな気になりました。

ソウルメイト。
そのことばに、こうしてまた出会うなんて…。


2001年02月01日(木)
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