ささやかな独り言。...琴代 諒

 

 

僕の言葉 - 2001年12月20日(木)

僕の心を残しておきたくて
僕は数々の言の葉と
  数々の絵とを
たくさん紙に留めたけれど
今更 おかしいね
僕の心達を残しておくよりも
僕と一緒に葬った方が
僕は幸せになれるのではないかと
誰かに知ってもらう事を期待しているよりも
僕と一緒に葬った方が
僕は幸せになれるのではないかと
僕の心を残しておきたくて
僕は数々の言の葉と
  数々の絵とを
たくさん紙に留めたけれど
今更
今更 おかしいね


...

ちっぽけ - 2001年12月19日(水)

僕はあまりにもちっぽけで
こんなちっぽけな僕を
あったかくて優しい手で
そっと包み込んでもらえたら
そんな人がいたらいいのにと
こんなにちっぽけな僕は
大きく大きく広い空に向かって
ちっぽけででっかい願いを飛ばす


...

月と花びら - 2001年12月18日(火)

君が切なげに溜め息をついて
窓の外を眺める度に
僕は君を背中から抱き締めて
首筋に 背筋に 肩胛骨に沿って
紅い花弁のように 跡を残していく
君が切なげに溜め息をついて
抱きついている僕の腕に 背に
白く細い指の先にある
綺麗に整えられた桜色の爪で
赤い三日月のように 跡を残していく

君の白い肌に紅い花弁
僕の小麦色の肌に赤い三日月

花弁を生むのは 僕の厚い唇
三日月を生むのは 君の桜色の爪

君が切なげに溜め息をついて
窓の外を眺める度に
僕の厚い唇は
君の白い肌に
紅い花弁を生む
君が切なげに溜め息をついて
僕が君を抱き締める度
君の桜色の爪は
僕の小麦色の肌に
赤い三日月を生む

月と花びら


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夜空 - 2001年12月17日(月)

冷たく澄みきった空気
僕の頬すら 感覚は鈍り
手に持った 缶コーヒーの熱さだけが
僕を現実に引き止めている
暗く暗く
だけど
澄みきっているが故に明度の高い闇が
空や街灯や建物を包む
澄みきった闇の中を降ってきそうな程に
星や月は鮮やかに鋭く重く
僕は空を仰いで
鮮やかさに胸を締めつけられ
その鋭さ重さで 僕を射抜いて
僕を地に縫い止めてくれれば良いと
この冷たく鋭く重く済んだ空気の中に
永遠に閉じ込めていてくれたら良いと

冷たく澄みきった静けさ
缶コーヒーの熱さだけが
僕を現実に引き戻して


...




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