# 雨と星
2001年01月27日(土)
たくさん雨が降っていた。
でも、僕が帰る頃にはもうやんでいて、
星なんかが出てた。
綺麗だったよ。
僕は星座って、“オリオン座”くらいしか見つけられなくて、
彼が、あれはなんとか座で・・・なんて説明するのがすごいと思った。
尊敬する、本当。
だって、僕は見分けられないもの。
今日は彼が一緒じゃなかったから、
僕は自転車をこぎながら、一人でのんびり空を見上げてたの。
そしたらさ、車にぶつかりそうになっちゃって。
時々彼にも怒られる。
君は余所見が多いってね。
道の片隅に咲いてるたんぽぽを見つめてて彼に置いて行かれたり、
ベランダから見えた虹を追いかけて行っちゃったりするから。
本当に、よく怒られる。
ちょっとは大人になれよって云う。
でも、僕はこんな自分のこと、嫌いじゃないんだ。

# 凍
2001年01月25日(木)
さっきまで笑って話をしていた彼が、突然黙り込んだ。
どうしたの、と訊いても何も答えてくれない。
笑ってもくれない。
何か僕は気を悪くするようなこと云ったかしら、と考えてみる。
でも、何も思い当たらない。
色々試してみる。
最近発見した僕の変な顔とか。
おやつを食べながら宿題をしていたら、間違えて消しゴム食べちゃった話とかさ。
ようやく笑った、と思ったらまたすぐ黙り込む。
なんだよ。なんだっていうんだ。
いいかげんにしてよ。
僕は君のご機嫌をとるために君と一緒にいるわけじゃない。
君と一緒にいるとタノシイから、心地好いから、一緒に居るんだよ。
今日はどうしちゃったの。
あーあ、今日はもうなんにもやる気しなくなっちゃったよ。
つまんないんだ。

# 廻
2001年01月24日(水)
世界をぐるぐる廻る僕。
ふらふらと流れるままに歩き続ける。
果てがない。
何処まで続いているのか判らない。
多分、終わりなんてないんだと思うんだ。
人がいる限り、世界は何処までも続いていくんだ。
誰かが誰かにココロを開いて、そしてまた次の誰かにココロを開く。
そうやって、温かい輪が広がっていくんだね。

「君は何処まで行くの」
彼がそう訊く。
「何処までも行くよ」
僕がそう答える。
何故君はそんな顔をしているの。
僕は歩き続けるよ。
でも、君とさよならするなんて一言も云ってないじゃないか。
ずっと隣に居てよ。
口に出したら彼は笑った。
はにかんだ笑みが、僕のココロにふんわり残って染みていく。
「何処までも行くよ。君と一緒に何処までも」
ずっと隣に居てよ。
そうして、はしゃいだ僕が転んだら、手を貸してよね。

# 水分
2001年01月23日(火)
仰向いて目を閉じたら、
眦から何かがつうと伝って落ちた。
なんだろうって僕は思った。判らなかったんだ。
君はその細くて骨っぽい手を伸ばして、
親指の腹で僕の眦を拭った。
そして、悲しいのか と訊いたね。
でも僕は気付かなかったんだ。
自分の目から涙が零れていること。
君が悲しそうな顔するから、
僕は可笑しくて笑った。
だって、僕は全然悲しくなんかなかったんだもの。
ただ、欠伸が出ただけだったんだよ。


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