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2004年01月30日(金) 真実だけを

率直に言うと、恋多き人生を過ごしてきたかもしれない。恋をするというよりも、むしろ無闇に、無秩序に恋心を抱きやすい質だったのだ。恋と愛の違いとか、よく議論されたり、作家にも語られたりしているが、それぞれの定義などどうでも良い。今思えばあれは恋ではなかった、などと言うつもりもない。質の良い悪いはあったにせよ、その時々においては、全身全霊でその時の自分なりの恋にぶつかっていたのだから。愛とは何か、なんてわざわざ考えるまでもなく、恋をしているということはその対象に愛を見出しているわけで。気付かなかったのは、その愛と見なすものが、真の優しさからくるものなのか、あるいは単なる執着なのか。静かに、止まらない涙を流し続け、心の奥底からこみ上げる思いを抑えられない自分を認め、他人を愛することがそのにとっての幸せであり、ひいては他人の幸せが自己の幸せであると気付いた時に初めて、いわゆる本当の愛とは何かということが分かるのかもしれない。真実だと信じるものを謙虚に信じ、謙虚に生きる、それで良いのだと思う。


2004年01月29日(木) usual

いつもどおりに一日が始まり、いつもどおりに過ぎていった。

昼は玉子丼。考えてみるまでもなく、普段食している玄米が、純粋に不味いことがわかる。数週間前、F氏が北米の玄米一口に、ものすごい反応を見せていたが、その時初めて、こんな不味いものに「耐えている」自分に気付いたのかもしれない。元々グルメな体質ではないが、本当に美味しいものと美味しくないものとを区別できなくなる、むしろ日本の食材がいかに口にあっていたか、いかに良いものに恵まれていたかを忘れるほうが問題だ。違いに気付いていようといまいと、慣れきってしまうのは怖い。実家にあるピアノは、実は4年以上調律していない。ここ数年のうちに、数えるほどの作品しかマスターしていないが、その間に音感が失われたあるいは狂いはじめただけではなく、本来作曲家が作り上げた曲からはかけ離れてしまい、間違ったものを、マスターしたつもりになっているのかもしれない。その曲に似ているに過ぎない音楽を、私が演奏する限りの本物として慣れきってしまっているのだと。

書くことがないので、いつもの癖で行を無駄に使う。昨日、Yves Rocherで買ったばらのオードトワレだが、これはばらのイメージというのではなく、もうばらの花びらそのものである。花粉さえ残っているような。ばらの花束に直接顔をうずめているような。失敗かと思ったが、数時間後には花束から開放され、まるでばら園にいるかのような、良い雰囲気をかもし出す。


2004年01月28日(水) (箇条書き)

トロントへ。市庁舎を通ると、噴水だったところが屋外のアリーナになっていた様子。まだ整備中だったが。イートンセンターへ。買い物の目的は決まっているので、目当てとする店に直行。とりあえず探していたものは見つかったか。100%満足というわけではないけれど。ここまで探しに来たというだけで、妥協は許される。というよりこれで許して。ウィンドウショッピングには興味はなく、当てもなくモール内を歩き周る気力も暇もないので、いつものルートである書店へ。イートンセンターが便利なのは、本選びと本以外の買い物が同じ場所でできることくらいだろう。哲学と、フィクション小説のコーナーでかなりの時間を過ごし、結局雑誌とブックカバーだけを購入。バスターミナルへ。ロンドンまでの間、2nd to noneの19番以降ばかりを繰り返し聞いていた。ロンドンのターミナルから出た瞬間、目の前に雪の大きな塊が落下。"GREY HOUND"の立体になった文字盤の上に積もっていた雪だったようだ。しかしいつも吹雪いていますね、ロンドン。

Time is money.(5年以内に。)


2004年01月26日(月) Keep going

自分自身に対する認識は正確であり、自分の中でいかなる食い違いは起きるはずがないと信じていた。しかし、今現在のところ、同時に叶うはずがない2つの夢を持っているわけで。その時点で自分自身に矛盾している。どちらも譲れない夢であると断言しつつも、同時に叶わないことは前提であるし、少なくとも一方は心から願っているとはいえないのではないだろうか。

しかし、明らかなのは、選択肢は今の時点で自分には向けられていない。分かれ道に遭遇するまで上り詰めたら、その時初めて考えたとしても遅くはないがする。結局、常に前進せよという至ってシンプルな結論に落ち着くのである。


2004年01月25日(日) Stick to it

昨日の反動。1日の半分以上は寝ていた。秒読み段階に入っていることもあり、さらに勿体無さを感じた。貴重な一日を無駄にしたという。しかし昼寝のほうが、何故か疲れが取れやすいと思う。夢も見やすいと同時に、現実の中にいる自分自身を認識しやすい。

イメージトレーニングという言葉をよく聞くが、スポーツ選手はメンタルトレーニングとして、日々の訓練の中に取り入れているという。競技前に、自分の演技をイメージし、それを本番で復習するにすぎないらしい。長期的にみて、自身が実現不可能なことは、まずイメージする段階から不可能であると私は思う。あまりに能力不相応であったり、現実味がなかったりと、自分で気付いている気付いていないに関わらず、夢を抱くというのと、夢に向かって進むというのは全く違う。自分の目標とする姿をイメージできるということは、今確実にその一点に向かう道の上にいると思って良いだろうし、またイメージすることを忘れると、目標は薄れていくばかりであるだろう。

今晩はさすがに眠れそうもないので、もっと早く書くべきだったメールをまとめて書こうと思う。自分の目標に真剣になるのは結構だが、彼らによって生かされているべきである周囲の人々をなおざりにするのは許されることではない。

Little things I should have said and done
I just never took the time
You were always on my mind
You are always on my mind
You are always on my mind

from "Always on my mind" by Elvis Presley


2004年01月23日(金)

普通じゃない寒さで、バイトの行き帰りが毎日大変、しかも面倒。最近は歩道の除雪作業が進んでいて、歩く道は確保されるようになったが。しかし、雪の下に段差が隠れていたり、踏み固められ滑りやすくなっていたりで、ただ歩いている間じゅうも、緊張は絶えない。大袈裟か。

雪は青い。太陽が沈んだ後、暖かな空気の部屋から見える、窓の向うの雪は青く映る。昼間は雪に水晶が散りばめられたようにきらめき、見ているとほっと息を吐く、温かささえ感じる。街の中の銀世界に迎え入れられたように。一転して、夜の雪は極寒の世界を恐れる私を待ち構えているように見える。

深夜、あいかわらず読書。ルームメイトたちが遅くに帰宅する。ジェイミーがドアをノックする。そして、別れが近いことを知るのはドアを開けてすぐのことだった。

Memories, pressed between the pages of my mind
Memories, Sweetened through the ages just like wine

from "Memories"by Elvis Presley


2004年01月22日(木)

朝から、いつになく不機嫌。書かなければならないメールや、進めなければならないプロジェクト等、するべきことはたくさんあるのに、意欲は失せ、考えるほどに、かえって苛々が増すばかり。ストーンズをやや大音量で聞いていた午前中。

バイトさえ行く気がしなかった。意志も動機も、自分で自分に与えるしかないのに。原点回帰といわれても、自信が湧かない日にはどんな言葉も通用しない。仕事を探していた頃、バイトが見つかった時のあの嬉しさ、初日のときめくような期待と緊張感。だから何だというのだ。

とりあえず、疲れています。

午後にキューティブロンドを再度見ていたが、少しは刺激になったかもしれない。"Because I'm not afraid of challenge"、その台詞と主人公の表情は印象的であった。

He that travels much knows much.
−Thomas Fuller

誰かのために生きたい、そう思わせた、ただ一人の君へ。


2004年01月19日(月) No one can change him.

優しさに感動し泣き、我が身の愚かさに気付いて泣き、人を愛することの孤独をかみしめて泣き、気がつくと、流す涙さえも忘れていた。朝から吹雪で、ぎりぎりまで家を出る気がせず。学校へも行かず。

バイト先で、最近お客さんの残すチップが多いことをルームメイトに話してみたところ、クリスマスが終わったので、お金を貯めておく必要がなくなったからだという意見をあっさりと述べられてしまう。自信は打ち砕かれ、単なる勘違いであったことが分かった自分に、呆れるほかはない。


"soft and sweet"の発音が何とも柔らかで甘い響き。


2004年01月17日(土) Happy birthday

この日記とは別に、もっと微妙な感情の動き等内面的なことを中心に書き記している手帳も持っているが、最近は自分で理解することさえ不可能なくらいに込み入った心情を常に変化させるようになり、いつしか言語化を怠り、最近は行動範囲の記録(メモ)のみで終わる傾向がある。たとえば今日のメモなんかは「家→BK(バーガーキング)→バイト」のみで終わっている。

去年の今頃は知らなかったことを今は知っている。単に知識の数が増えただけでなく、以前は見えなかったものが今は見えていたり。当然のことだが。しかし、今この環境に居ることはむしろ必然であったと確信できる。他に選択肢はなかったであろう。

時差の関係もありますが、こちらの日付で「おめでとう」を伝えたいと思います。今どこでどうしているのでしょう。きっと、私よりも何倍も早く物事を吸収して、むしろ貴方からそれを分けてもらいたい、教わりたいと思うほど、大きな人になっていることでしょう。同じ学校に通っている頃からも、いつもそんな大人になるんだろうなと、思わずにはいられませんでした。ひたむきな、その瞳は忘れられません。かつて、全く素直になれなかった私、人を傷つけ、その痛みを分かろうともしなかった私。後に、それを悔やんで涙したこともありました。たとえそれが遅すぎて、今こうして一人でいるのだとしても、立ち止まってはいけないと教えてくれたのは貴方です。

いつか、会いたい。人間は、皿ではない。

Happy birthday, my close friend.


2004年01月16日(金) IOW

無償の愛だとか、簡単に口にしてはいけないものだと思う。理想であり、崇高なものであり、そう誰にでも実現できるものではないからだ。

今日も晴天。スリープエイドが効くようで、昨夜はあっという間に眠りに落ち、今朝は自然にまぶたが開く。午後の早いうちにルームメイト帰宅。だから毎週金曜日は、午前中にセリーヌかノラ・ジョーンズを聞きながらハーブティを飲んだりして優雅に過ごしていられない。早めに家を出てバーガーキングで昼食。ギャレリアに少し立ち寄る。エルヴィスの"Memory"が入ったCD買うつもりだったが、プレスリーのCD自体置いていなかった。どういうわけか。バスストップがある出口へ向かう途中、ティムのテーブルから誰かが私に気付く。セイコちゃんだった。良いタイミングだ。少し話をして、電話番号を交換。また学校で会う約束をする。

妙に落ち着いた眼差し。あの時、彼の視線の先に何があったのだろうか。

Growing up, that is knowing what is love.


2004年01月15日(木) Nothing's changed

心身ともに回復。完全に回復というには早いが、しかしそれを表すかのように晴れわたった空が目を覚ました瞬間、全身を包むのを感じる。しかし見事に寝坊しましたね。

午後のうちにトレイシー(仕事中)に電話。とりあえず長い間音信不通にしていたお詫びと、最近どうしているのか、元気なのかお互いに確認。クリスマスの休暇はお互いに素晴らしいひとときを過ごせたようだ。エリックも帰ってきたということで、一安心。バイトは久々なので、勘が衰えつつあった。とにかく落ち着いて、丁寧にという基本を常に謳いつつ次から次へとやって来るお客さんを迎える。何も難しいことではない。いくら英語が下手でも。最後のテーブルはチップが20%ほど残されていたが、これが答えだと思っても良いかもしれない。

朝から清々しい気分で、春でも迎えたかのように浮かれていたが、何気に人が愛しく思える。誰も何も変わってはいないのに。

「たくさんの夢がここでは叶う。」


2004年01月14日(水) coldest (Not yet)

一日中吹雪。昼間でもマイナス14度くらいまでしか上がらない。相変わらず体調不良と食欲不振を引きずっていて、おまけに風邪の気配がするので、ほとんど家にこもっていた。もったいない。しかし一度、徒歩10分くらいにあるグローサリーへ足を運んだところ、耐え切れない寒さというわけではなくむしろ、ああこんなもの?という程度。実際に顔面が凍るあの冷凍状態はNYのときと変わらない。

結局、後悔というものを常に生み出しながら日々を通り過ぎてしまった。しかしそれでも、いくら悔やんでも毎日は過ぎていく。確実に。


2004年01月13日(火)

早朝4時にグレイハウンドで14時間の移動から開放される。どのようにあの雪道を帰ったのか、ロンドンに着いたときには意識も遠のくほど疲れ果て、記憶があまりない。

車酔いは、帰ってからも1日中続いた。尋常でない様子だったそうなので、ルームメイトには、"still car sick"のように答えておいたが、果たして本当にcar sickだけによるものだったのか。思い当たることは、ないはずがない。とにかく、休息が必要だった。あと少しの時間と。

夜にジェイミーが訪れ、しばしNYの話。マルビーは喜んでもらえたようで幸い。ブルックリンエールも、まずまずの評判だった。初めてホッケーの試合を最初から最後まで見る。


2004年01月04日(日) 冬再び

何とも暖かなニューイヤーだったが、今日再び平年並みの気温に戻る。バイトの途中で窓の外に目を遣ると久々の雪景色。

風邪の気配。この冬3度目だが、今度は熱と咳が主な症状のようだ。しかし最悪のタイミングである。


川村 |MAIL