2009年02月28日(土)
百万年

百万年先のことを

いま考えようとしても

すぐに頭がどうかなるから


いま考えるべきことは

明日の君と僕のこと

それっくらいがちょうどいい


自転車に乗ろう

春までゆっくり走っていこう

そして


そんなことの繰り返しが

百万年続けばいいって

思ってる


バカみたいだけど

ちょっと真面目に


まずは春まで

そしたら夏まで





2009年02月25日(水)
ID

答えを探して走り続ける

そのときの僕は

なぜだかいつもすこし悲しい


パーティーが終わる

最後の挨拶を頼まれた気分

にも近いなにかだこれは


願わくばこのまま

夜も朝も次の夜もその次の朝も

終わらずに走り続けていたいのに


楽しいことはエンドレスに

つまらないことはシャットダウンして

全てを解き明かす答えが落ちていても

見えないフリして騒いでいたいのに


アイデンティティとは何か

暗黙のルールを破る疑問が

今夜も僕の心をノックしている




2009年02月23日(月)
銀世界まで

戻ってきた寒空に

ふわりと舞い降りた

粉雪のような安らぎは

とても温かく

そして脆く


手に入れたくて

手を伸ばしたら

簡単に溶けてしまうもの


だからいまは

ただ見守っている

安らぎが降り積もるのを

ただ待っている


いつか

大地を白く染めるほど

降り積もった安らぎの

上で2人で大の字になるから


いまはただ

ただ見守っている

不安は続くけれど

見守ることしか

できないでいる





2009年02月21日(土)
ピットイン

長く過酷な戦いの

狭間にやってくる

束の間の休息は僕らを

深い深い安楽の海へ

いざなうのだろう


それでも

ピットインのあと

アクセルを踏み込めるのは

遥かまだ見えぬゴールを

心の中に描けているからだ

と誰かが言ってたね


いま

僕にやってきた休息

堕ちながら見上げた空が

やけに高く見えたのは

僕の足が

アクセルから離れた証拠だ


両足をばたつかせて

必死に浮上して

アクセルを探し出したなら

もう一度走り出そう


僕はまだ

何も成し遂げちゃいない




2009年02月20日(金)
歌えない歌

降り出した雨の音が

荒れ果てた部屋に届くころ

夜はようやく優しくなる


近頃の乾燥で

いかれてしまったこんな喉では

君を包む歌さえ歌えないけど


君のためにできること

ひとつ見つけた気がしたんだ


答えはいまだ見つかってない

けれどこのさきの未来を

雨音さえも祝福してる


だからこうして

画面に向かい

歌えない歌を重ねていく


届くかどうかではなく

伝えるかどうかだということ

教えてくれた夜に

ありがとうを





2009年02月17日(火)

どうにも僕は気分屋で

ときどき歩くことすら

億劫になってしまう


ついさっきまで

君の背中を押していたはずなのに


人生の意味も

秋空のような君の気持ちも

同じことを繰り返す日々も

僕の足を止めるあらゆるものを

ごちゃまぜにした空を眺めて


また春が来ようとしてる


春は優しいから

その優しすぎる優しさが

僕を不安にさせているんだ





2009年02月10日(火)
燃えないゴミの日

会いたい気持ちを

オブラートに包んだら

あやうく間違って

ゴミ箱に捨てるところだった


きつく縛って月曜日

燃えないゴミに出しかけた

ときに届いた君からのメール


愛はまだ

其処にいますか


自分に嘘をついていた

自分をゴミに出したくなる


ゴミ袋から丁寧に

取り出した会いたい気持ち

もう隠さなくていいよね


だって愛は

此処にあるから




2009年02月07日(土)
放浪癖

本当の幸せは

手を伸ばさなくたって

きっと気付けば

となりにいる


手を伸ばして頑張って

むりやり引き寄せた幸せの

居場所はたぶん

そこじゃないから


昨日の君みたいに

ちょこんと横に座ってる

そのさらに横に

ちょこんと座ってた幸せ

君は気付かないで

いたみたいだけど


放浪癖のある幸せだ

ときどきふらっといなくなるし

ときどきふらっとやってくるし

何も求めなくていい

ただ隣にいるときは

ほんの少し撫でてあげる


そしたら幸せは

昨日の君と同じように

しばらくおとなしく座ってて

くれるかもしれないでしょう





2009年02月06日(金)
ここにいるから

待たせてゴメンって

君は言うけど

待っているこの時間さえ

幸せだってこと

君はまだ気付いていない


駅のホームでひとり

風はまだすこし冷たいけれど

心はさっきからずっと温かい


ゆっくりおいで

あわてなくても

僕はずっと

ここにいるから





2009年02月05日(木)
だからまずは

どうせひとつになるのなら

何もかもひとつにしよう


二人の喜びも

二人の悲しみも

二人の未来も

ひとつにまとめて

信じた道を歩いていこう




だからまずは

手をつなぎたいんだ




2009年02月04日(水)
ミックスジュース

気付いたときにはもう

手遅れなコトだらけだ

なんて嘆く君が

僕の胸におでこをつけた


雨とか雪とか雹とか

だけでなく

大抵のものは

空から降ってくる


良い知らせも

悪い予感も

美しい閃きも

悲しい現実も


たぶんこの大嫌いな空は

森羅万象をごちゃまぜにした

ミックスジュース

みたいなにドロドロしてて

僕らの顔色を窺ってる

窺いながら笑ってる


君のおでこにあてた手が

すこし熱い


今日の雨が

予想以上にキレイじゃなかったら

たぶん僕は

君さえも傷つけていた




2009年02月03日(火)
咀嚼

ゴミ箱の中に

会いたい気持ちを

くしゃくしゃに

して投げ込んだ12月


いつのまにか

アイロンをかけられて

余所行きの服を着た

会いたい気持ちがまたそこにいた


糸の切れた凧みたいに

飛んでいけたら幸せなのに

糸の切れた凧みたいに

目的地すらあやふやな

生き方でさえ幸せなのに


なんてつぶやいた僕を

小さく笑い飛ばしてくれた

君にありがとう


こみあげてくる言葉を

咀嚼しながら自問する

その瞬間さえ

君との距離は縮まっている





2009年02月02日(月)
ふわふわり

君の声に

麻痺しはじめた脳髄が

今にも崩落し始めそうな

満ち足りた世界に遊ぶ


ふわふわり

ゆらゆらり

きらきらり


幸せに形があるとしたら

たぶんこれがそうだろう

って思いながら

ただ祈る


この不安定な安定に

日常を乗せたアンバランスに

神様も誰も気付きませんように




この不安定な安定が

秩序を壊す危険因子であると

神様も誰も気付きませんように







2009年02月01日(日)
Another

僕の中に棲む

もう一人の僕は

いつも正しいことを言う


事情とか空気とか

世界のしくみとか

何も考えないで僕を突付く

だから


君をめぐって

繰り返される葛藤の

そのほとんどは

もう一人の僕のせいだ


わかってるよ

わかってるけど


どうして世の中は

こんなにも正しいことを

正しいと認められない

空気に満ち溢れているんだろう


今日も君を傷つけた

ただ僕らの間にあったのは

正しい言葉だけなのに


今日も君を傷つけた

正しい言葉で傷つけあうなら

優しい嘘で包めばよかった




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