2004年11月28日(日)
立ち止まる

君のためにできることを

探してたけれど

結局 君を満たす

ことなどできやしないと気づく


渇望する想いに

答え続けられるほど

僕から湧き出る泉の水は

勢いよさを持ち合わせていないし


懇願する視線を

正面から見つめ返せるほど

一箇所に留まれない僕の心は

まだ別の何かを求めている


ねぇ この壁を越えたら

楽園に辿り着けるのかな?

答えがあれば

眠っている僕のそばで

そっと耳打ちしてください




2004年11月27日(土)
電車道

君はちょっと離れた

隣の道を歩きながら

僕のほうに手を振っている


僕は君の道へ立ち入ることはできず

笑いながら君のほうへ手を差し伸ばす


届かない苦しみと

飛び越えられない苦しみが

重なるようにして僕を襲う


そう

僕らはもうレールの上を走ってる

ただ

前に進むしかない




2004年11月26日(金)
1センチ

永遠に続け

この感情を心にしまって

決心は変わることなく

日々を過ごしていく


それでいい

これでいい

自分に言い聞かせなくてはならない

矛盾を感じることもある


答えはわからない

正解なんてない

嘘と真実の境界線があやふやで

大地から1センチだけ足が浮いている状態




2004年11月25日(木)
いいわけ

走り出したいときがある

そう思ったときにはもう

半分くらいチャンスは過ぎてる


なんだかね

いつも半テンポ遅くて

出遅れた分を取り戻すことは

簡単にはできないらしいんだ


知ってたら遅れなかった

なんて言ってるうちは

たぶん何にもできないんだろう


弱いと認めなければ

たぶんスタートラインにすら

立つことが許されないんだろう




2004年11月24日(水)
足跡に誇り

青い月が輝くから

今日の僕には力がない

本当なら何も

言わなくても伝わった


知らないことを恥じて

いた君を叱ったね

伝えたかったことは

否定的な何かではなく

たとえば次の一歩の

踏み出し方みたいなこと


消えない道にいる

足跡は消せないのだから

せめて足跡に誇りを持って




2004年11月23日(火)
新境地

踊っていたいんだ

このシックな風の中で

星が見えるまで

はしゃぎ声に包まれて


刻まれるリズムが

身体中を駆け巡って

自然と動き出すココロの

躍動を共感するのは誰だ


手を伸ばしたところにある

それはきっと簡単な

小テストみたいなもの


簡単だった

だから気づけなかっただけ





2004年11月22日(月)
前夜

君を信じられないと

突き放す言葉を投げかけて

君が傷つく姿を見るくらいなら

馬鹿みたいに君を信じて

馬鹿みたいに裏切られて

自分が傷つくほうがマシだと思った


もう

君が傷つく姿を見たくない

その気持ちに背中を押されて

君を愛すると誓った


涙を重ねて強くなる

不安の上から塗り重ねる

優しさを探す果てしない旅へ




2004年11月20日(土)
残星

生まれたころ

空はまだ暗くて

どんなに大きな産声も

闇に消えていった


目覚めたころ

空はようやく白んで

最後まで輝く残星が

西の空 地平線の端


自分を真剣に見つめると

簡単に泣けてくる

それだけ不完全な

君に寄りかかることしかできない

この命果てるまで




2004年11月19日(金)
それぞれの愛

この愛はまだ

隣人愛か恋人愛か何か

とても不確かな2次元の世界で

柔らかな光があれば

それだけでいいと思えた


やがて愛はきっと

家族愛か自己愛へと変化し

とても確かな3次元の世界で

ひたすらに幸せを求む

君に出会うまで


愛し方も知らないから

愛の行方もわからない

いつか という言葉に甘やかされた

僕に必要なのは自分を厳しい目でみるチカラ





2004年11月18日(木)
うまく生きる

こう言おうとか

ああ言おうとか

言う前に動き出せ

身体が知ってることがあるだろ


笑顔になった

それは心とは切り離された

専用の笑顔

ただ

僕の場所を守るためだけの

本能による自己防衛


生き方が

うまくなる

たぶんそれもひとつの成長





2004年11月16日(火)
清算

何年経っても変わらなかったから

この先もずっと一緒だよって

自信を持って言えるようになった


気持ちを惑わせるものなど

もう なにもない

そう言い切れるほどには

僕はまだ強くないけれど


迎えに行く前にはきっと

まっすぐな気持ちになって

迎えに行く前にはきっと

君だけの僕に変わって


勇気の出るおまじないをください

優しさという弱さを捨てるおまじないをください




2004年11月15日(月)
殺伐とした世界で

止まることのない

時間のなかで

ひたすらに生きる僕らは

休むことなく

生きて 生きて 生きぬく


休みたくても

休めない人たちの声が

街の夜空に消えていくとき

僕もまた

何かを思い耽るんだろう


漠然とした日々に

目的なんてなくて

呆然とした僕らは

逆戻りを許されない


殺伐とした世界で





2004年11月14日(日)
チカラになる

あいかわらずの君は

あいかわらずの話し方で

なんだかホッとする


時間が経っても

季節が過ぎても

ただ外見だけが変化していくだけ


時間が経っても

季節が過ぎても

何も変わらない中身


ほら 笑える

ほら 笑顔になれる


楽しい時間を取り戻して

また次の一歩へのエネルギーにする




2004年11月12日(金)
成長すること

ダメだ と

ココロが叫んでる

あと一歩なら

あと一歩なら と

ズルズルと前進してきた


道 とは

自分の思うままにできてしまうもの

善であれ 悪であれ

足を一歩出せばその一歩分は

道 になる


模索しながら行く

慎重に生きてゆく

人を傷つけてゆく

それはきっと成長





2004年11月11日(木)
中くらい

幸せの基準がないというのなら

これまでで一番悲しかった日の

次の次の次の日くらいを

中くらいの幸せにしておこう


明日が幸せであることを祈りながら

眠りにつく習慣を身につけよう




2004年11月09日(火)
アンリアル

嘘の鎧は

いつか剥がれ落ちる

ウロコを剥がれる魚のように

僕は横たわってせわしない

世の中を眺めてた


言葉には

見え隠れする非現実が

獲物を凝視する獣のような目つきで

現実を突き破るタイミングを

うかがっていた


殻を破れと言われたけれど

真実の殻を破ろうとしてる自分がいた

そこに正義はないとわかっているから

僕は居場所を失うのを恐れている





2004年11月08日(月)
進化

君がくれた

優しさの種が

僕の心で育つ


君がいなきゃ

優しさに出会う

こともなかったんだ


初めて知る

自分以外の人を

大切に思う気持ち


と同時に

優しさの裏側にある

痛みや切なさを知る


たぶん

人間になれた瞬間




2004年11月07日(日)

うつくしかな

存在証明を示す色

くすんだ緑の奥深く

強い気持ちの映る透明


わずかな希望にも

すがりつくいま

涙を流して

緑に願う


たとえ望みがなくても

それでも





2004年11月05日(金)
揺れる 消える

小さな灯だけが頼りで

僕は階段を降りていく

右も左もわからない

けれど、どこかへ降りていることは事実


風がどこからともなく吹いてくる

小さな灯の火は揺れる

そして僕も揺れる


暗闇

悲しみのなかで

溶け出して

消える

痛みもいつか

解き放たれて




2004年11月04日(木)
休憩時間

どんなふうに笑っていたのか

わからなくなるときがあっても

時間がたてばまた

笑えるようになるよ


僕らは笑い方を教えてもらわずに

一人で勝手に笑い方を覚えたんだ

唇の端をあげて

大きな口をあけて

大きな声を出して

喜びを表現してた


今はただ

笑顔の休憩時間だ

しっかり休んだら

また二人で笑い合おう


君が休み終わるまで待ってる

僕が休み終わるまで待ってて





2004年11月02日(火)
心臓

とても大きなロボットの

一部分に組み込まれた部品

だと思ってる

でもそれは

誰かに命ぜられるままに動くのではない

自らの意思で動く何か


たとえば心臓になりたいんだ

周りを元気にできるような

そういう存在になりたいんだ

思うのは簡単で

思うだけに留まる自分の弱さを嘆いて

次の日へと期待を寄せる




2004年11月01日(月)
ゆらり

回る回る回る

世界の中の二人

廻る廻る廻る

本当は一歩も動いていない


二人きりの関係なんて

ほんとはありえなくて

世界があるから

世界が回るから

僕らはたくさんの人に囲まれている


ゆらり

ゆらり と

小さな言葉を集めてゆく

言葉が導き出してくれた

世界の中で漂うために




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