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■ 誰とも出会えない旅に
最近身の回りに海外旅行（というかトラベラー。放浪者系）が多くて本当にビックリしてしまう。みんな色んな国に行っていて、お話を聞くだけでもとても為になる。
きっと楽しんで旅に出てたんだろなぁ、と思うけど、でも本当はどうなんだろう？
私が旅に出ていた話をすれば、もちろん誰もが「あの人、すっごい楽しそうに旅行してる」と思うに違いない。でも、その実心から楽しかったと言える旅なんて半分くらいで、後はひたすら苦しくて苦しくて仕方がないのであった。
何のことはない。わざわざ自分に苦行を課す為に旅に出ていたようなものだ。お金をかけてまで。でもどうして？
私は自分の居場所を探していたのだった。普通に生活して、普通に呼吸をして、それで誰にも怒られないような場所。
ここなら新しい自分の故郷になってくれる
ここなら自分の死に場所にしてもいい
そんな場所を探すような旅は内心かなり辛い。普通だったら自分も歩けば誰かにヒットするもんだが、気持ちが死に場所探しになっているようなときは誰にも出会えない。決して出会うことはない。
幼い頃からここじゃないどこかがあるとずっと信じていたけど、それは絶対に覗いてはいけない場所。近づこうとすることは、人として越えてはいけない境界線を越えるようなもの。
結局、世界の果てにまで行っても、ここじゃないどこかなんてどこにも無い。どんなに辛くても、今いる場所から始めなくてはならない。
当たり前の結論にたどり着くまで随分と時間がかかった。
もう長いこと旅には出ていないけど、これからはきっと今までより、心から旅自体を楽しむことができると思う。そしてもう二度と旅に出なかったとしても、自分の人生を楽しむことができるとも思う。
2005年09月17日(土)
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