管理人日記
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 アムロの母さん


やれやれ一ヶ月ぶりの日記です。

すっかりイラク人質事件は解決してるわけですが…なんかすっきりしないですな。帰国直後の鑑定精神科医には大変有名な斉藤学先生がなっていたりして、心のケアを大事にしてくれてるようですけどね。

しかし!!あの歯切れ悪い二人の記者会見。

記者ももっとつっこんで質問せえよ、と思うんですが。あの二人からはとうとう「お騒がせしてスイマセン」の一言は出なんだ。それを言ってから「信念を持ってやってますんで」とくればまだ感じ良かっただろうに。

この事件の顛末を見て思い出した事がある。それは「機動戦士ガンダム」だ。俗に言うファーストガンダムなんだけどね。この話、お子様番組と馬鹿にしてはイケナイ。作者の富野由悠季氏はご本人がかなりシニカルな人物。登場人物シャアにそっくりな思想の持主として知られている。

15歳の子供がいきなり戦闘用のロボットに乗り込み、簡単に操縦するなんてありえないことを知っていながら子供向けアニメだからそうしたと言っている。そして自分も子供をアニメ仕事で養っていかなくてはならないのでそれは戦いだったとも。

そんな人が作者なのでガンダムは実は恐ろしく厳しい話だ。そんなガンダムに一つのエピソードとしてアムロの母さんの話がある。

宇宙空間で生死ギリギリの戦いをしたアムロは地球に降りることになる。そしてそこは自分の母さんが住んでいる場所に近く、アムロは当然会いに行く。しかし自分の家には誰の姿もない。死んだのか?と思って近所の人に尋ねにいくと「母さんは生きていて、戦闘で傷ついた人のボランティアをしている」と言う。

喜んでアムロはそのボランティアキャンプに行くのだがそこは敵のジオン軍の勢力下であった。そこでアムロはお母さんと会えるのだが、出会いの感激の時間も無く、ジオン軍が視察にきてしまう。見つかったら地球軍の軍服を着ているアムロは間違えなくその場で射殺になってしまう。お母さんは傷病者用のベッドにアムロを隠すがジオン軍に怪しまれてしまい万事窮す。

そしてアムロは布団の中からジオン軍の兵士を射殺する。迷惑そうなボランティアの人々。面倒を起こしやがってという雰囲気が立ち込めるが、アムロのお母さんはなんと言ったか。

「なんてことをするんだい」
「この人たちにだって家族もいたろうに」
「虫も殺せなかった子なのに」

絶句するアムロ。ここで名言?の「お母さんは僕を愛してないの」に続くのだが、このアムロの母ちゃんのずれたことずれたこと。”今は”戦争下で”軍人の僕は”殺さなかったら、相手から殺されるというしょうもない状況でボランティアな母ちゃんは相手をおもんはかり、自分の息子を畜生呼ばわり。

だいだいこの母ちゃんは、スペースコロニーに5〜6歳のアムロとお父さん(ガンダムを作った有能で冷たい科学者)が移住するってえのに、私には無理だよ、自分は地球に残ると自分を優先し、子供を捨てたような人間だ。まあ、夫婦仲は冷えてたようだが。

結果アムロはそんな息子を尊重せず、考えのずれた母から子離れし、「僕には大事な仲間がいるんだ」「お達者で!母上」と永遠の別れをする。

この話、もう20年前のアニメのストーリーだが、現状が把握できず、大切なことが見えてない、悪意の無い一般市民がいるってことをわかっていたのね、という書き方である。まあこの話しは親離れと言うことがテーマなのかもしれないが、決して悪気のない、ずれた人をとらえたものとしては秀逸ではないだろうか。

アムロの母ちゃんがあの全てのイラク人質事件(3人+2人+その一部の家族)とだぶってしょうがないよ。本当にこれからは現状をわきまえて欲しいと思う。

海外のメディアは「自己責任」はヒドイとかどーのこーのと言っているが、そんなこと気にすんな。日本国内の現状がわかっていないだけだ。あの人たちは日本に住んでないんだから。外からガーガ―言ってるだけ。隣の家のケンカほど面白いもんはないってヤツだよ。

…しかし私、全てのことをガンダムに置き換えて考えてしまうようになったら…そりゃ〜ヤバイかもね!


2004年05月01日(土)
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