あの人は、あたしのことを、状況に酔っているんじゃないかと そう言った。…そうなのか。そうなのかな?
今は分からない。最初は、始まりは、何時だってそんな感じの 軽いコトからなのかも知れない。…確かに、
「あの人を好きだけど…」なんて言う、軽軽しい自らの気持ちに酔って 居たのかも知れない。だからこそ自分の立場も考えずに、勢いで あの人に触れてしまったんだろう。
でも。
それが酔いだとするのなら、今、この酔い覚めた私の中にあるものは 一体なんだろう?
胸が蒼い。
仄かに熱い。
確かに胸に生まれている。前とは違う、色と形と温度のものが。 これを知ってくれるのなら、この胸を切開いても良い。
貴方に触れる。貴方が触れる。それだけで、こんなにたくさんの 新しい何かが、手の皮膚の裏でぐるぐると渦巻いている。
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