一橋的雑記所
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| 2004年07月15日(木) |
cloud.−埋めた日:040801. |
開けっ放すのも何なんで。 近日中に駄文を放置します。
どんな駄文を放置するのかは、ないしょ。
つか、まだ考えていなi(蹴倒
<040801最終更新>
てか。
何も考えないまま、書き出してみたら。 タイトルと内容がちっとも合わない事に。がくり。
あ。 『マリみて』でも『十二国記』でも。 ましてやオリジナル百合でも御座いませんですので(大笑)。 分かる方だけ何書いてやがんだこいつと、指差し笑って下さいませ。 やーもう、指が赴くままに。何も考えず。 ええ、原作すら読み返さず(え?)。 胡乱極まりない落書きですので、控えめに反転仕様。ふはははは。
……これもまた、逃避行動ってやつかしら(胡乱)。
重なる睡眠不足が祟ってか、頭の芯が仄かに重い。 油断すると、風に翻ったカーテンをすり抜けた強い陽射しが、まるで刃物のように閉じた目蓋越しであっても鋭くきり込んできて目が痛む。 「また寝不足?」 扉の開く音と共に、いつでも真っ直ぐな言葉と声で言いたい放題の彼女がそれでも少しばかり遠慮がちに、ただ今をすっとばして訊ねてくる。どうやらようやく、今日の自分の仕事を終えて帰ってきたらしい。 「夏前になるといつもそうだねー」 敢えてかどうか軽い口調で続けられると、反論したり皮肉ったりする気力すら削がれる。 「けど今年は早いわね」 竹井、と唸りながら身を起し彼女を睨み付けようとしたその目と鼻の先に、きらきらと眩しい水滴を纏ったスチールの缶が突きつけられて、思わずぎょっとする。 「なに?」 「さっき、外の子にもらったの。差し入れだよー」 そのまま頬に押し付けられそうになって、慌てて仰け反った。 「嫌いだっけ、リンゴジュース」 「いきなり顔に押し付けられりゃ、あんただって困るだろうが」 眉を顰めて見せながら、奪うように取り上げたそれは、見た目ほど冷たくもなかった。 「そんなに眠たいんなら補習中に確り、睡眠摂れば良いのにねー」 けろりとしてそんな事を言い放つ優等生のお手本のような彼女を、遠巻きにして憧れている寮外生の下級生が見たら、何というだろう。 そんな物思いをそのままぶつけてやっても良かったのだけれども、彼女自身が他人の風評や外聞なんかを気にして己を曲げる奴ではないから、言うだけ無駄ってものだろう。 「あんたほど人間が器用に出来ていないんでね」 と、皮肉るに留めたら案の定、「あら有り難う」なんてにっこり微笑みやがった。 だるい体を横たえていた、床に広げたタオルケットを引っつかむようにして本格的に身体を起すと、彼女の机の上に我が物顔で乗っかっている大きな旅行鞄が目に付いた。 「……今年はいつから行くんだっけ」 「ん?明後日…月曜日。お迎えが来るのよ」 軽く波打つ髪の向こうに横顔を隠しながら、笑い含みに答えを返す。 「いとこたち一家もまとめて帰省してくるらしいから、今年はちょっと賑やかになりそう」 ふうん、とおざなりに頷いて手にしたスチール缶を額に当ててみる。温い水滴が額に張りつく感触を暫く味わってからそっと離すと、そこだけがほんの僅かだけれどもすっと冷える。 「あ、お土産は何が良い?」 「何だって良いよ。食えるものなら」 「もう、色気ないなー」 折角の美人がだいなしになるようなにやにや笑いを頬に貼り付けて、彼女は振り返りざま頭に手を伸ばし、髪をくしゃくしゃとかき乱す。 ちょいと気合をいれれば、その辺のお嬢様も裸足で逃げ出すくらいの立ち居振舞いも出来る癖に。 「あたしに色気なんか求めるな」 「ふむ。それも一理あるか」 あっさり引かれるとそれはそれでむかつくのは何故だろう。 「じゃあ、何食べたい?」 「取敢えず、腹減ったから昼飯食いたい」 「え?もうそんな時間?」 慌てて手首を裏返した彼女があちゃーと額に手を当てる。 「あんたの夏ボケに付き合ってたら私まで食いっぱぐれるとこだった」 「人のせいにすんな」 今度はこちらから手を伸ばして、軽く癖のある髪を一房引っ張ってやる。 「痛いわねー」 「……まだ伸ばすんだ、髪」 「ん?そうねー」 なんて曖昧な言葉をにこにこ笑顔で誤魔化しながら、胸の前に手繰り寄せた長い髪を指先で弄ぶ。お日様の降り注ぐ道しか歩いてこなかったとでも言いたげなその表情には、何の陰りも裏も無いように見えるから。 ホント、ある意味、とことんたちが悪いよ。竹井。 「……なんか言った?」 「別に」 髪を引っ張っていた手を放してそのまま掌を翻して立ち上がると、もう一方の手に持ったスチール缶を彼女の旅行鞄の上に載せる。ぐらぐらと頼りなげに揺れるそれに目を落しながら、こっそりと溜め息を一つ零すと、背筋を伸ばす。 「じゃ。あんたにつきあってると飯も食えないから、先に行くわ」 「あ、待ちなさいよ」 さっさと扉を開けようとした腕をするりととって、逃がすか、と彼女は笑う。 「ね。またお出でよ。今度は、夏の内に」 一緒に廊下へ踏み出しながら、彼女は笑い含みに耳元に囁いてみせる。あくまでも無邪気に。 「待ってるからね」 「……気が向いたらね」 肩を竦め、深刻に聞こえない程度の溜め息を織り交ぜて呟きを返す。 「何せ舎監生の片割れが夏期休暇中全く不在なんて真似しやがるもんで、そう気軽には避暑にも出掛けられませんわな」 それは申し訳ないわね、なんて無邪気に笑い続ける彼女の腕を振り解けないまま。 あたしは、乾いた夏の陽射しが窓を突抜けて降り注ぐ古びた廊下をただ自分の影を確実に踏みしめる事をだけを考えながら、歩き出していた。 長い、そして此処での最後の夏休みが。 もうすぐ、始まろうとしている。
山もオチも意味もありませんですが。 ちなみに己は隠れもなきたけみし派ですが何か?(笑)
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