天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

「おかあさん」 - 2008年01月14日(月)

「おかあさん」が、来週の火曜日に日本の病院に移ることになった。ICUで患者さん診てるわたしの携帯に、えみ子さんから電話がかかった。

「おかあさん」はニューヨークに住む娘のえみ子さんに会いに日本から訪れて、くも膜下出血で倒れて手術を受けて入院している。手術が9月。10月にうちのTBI病棟に移って来た。それはたまたまわたしの担当の病棟で、日本人のわたしがそこにいることにえみ子さんはとても安心してくれ、喜んでくれた。毎日欠かさずえみ子さんはおかあさんの看病をしに病院に来ている。来たときにはおかあさんは意識も反応も殆どなかった。今でもトレイクはつけたままでPEGチューブで非経口栄養を採ってるけれども、少しずつ声を出せるようになった。反応がほとんどないときからわたしはえみ子さんのおかあさんを「おかあさん」と呼んで話しかけ、そのうち病棟のスタッフたちも日本語で「オカーサン」と呼ぶようになった。そのおかあさんが、やっと日本の病院に移れることになったのだ。

「おかあさん」のことをずっと日記に書きたかった。おかあさんの毎日の変化をえみ子さんのために書き留めたかった。出来なかったのが今でも残念だけど、毎日泣いたり笑ったりしたえみ子さんのことは今でもひとつずつわたしの頭に記憶されている。

クリスマスが終わったある日、「おかあさん、おかあさんが元気になって鎌倉に戻ったら、あたしおかあさんい会いに鎌倉に行きたい」って、まだちゃんと声を出せないおかあさんにそう言ったら、トレイクをつけた喉からおかあさんが嬉しそうに「いらっしゃいよ」って大きな声を出してびっくりした。涙が出るほど嬉しかった。

ほんとにおかあさんに会いに鎌倉に行きたい。いつか。うん、もうすぐ。

えみ子さんはおかあさんの帰国の準備で大忙しだ。今までの疲れがどっと出て、ごはんも食べられないって言ってた。えみ子さんはおかあさんと一緒に日本に行って、2週間日本で過ごすことになっている。まだまだ大変だよ、えみ子さん。でも頑張ってほしい。おかあさん、きっと元に戻るから。

わたしは嚥下障害の日本語サイトを探して、資料をダウンロードしてコピーした。明日えみ子さんに渡すために。このところICUが超忙しくてTBI病棟になかなか行けず、えみ子さんにしばらく会っていない。


今日は雪が積もるはずだったけど、雨になった。明日は雪が降るみたい。タンゴ踊りに行きたいな。ジョズに電話してみようかな、夕方。




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