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2004年12月04日(土) 喪服の似合うエレクトラ

行って参りました、新国立劇場。
朝5時半起きです。えぇ。 えぇ、えぇ。

もちろん目当ては新選組!の山南/堺さん。
チケ取り当初はすこし悩んではいたのだけど、
「やらずに後悔するよりも、やって後悔しましょうよ」とのミッチーの教えを心に
思い切って観劇目的のみで上京してみたのでした。


感想はというと・・・

単純に おもしろかった!!!
舞台を見るのなんて年に1・2回。舞台にも詳しくないし原作(戯曲?)も知らない。
つーかユージン・オニールがナニジンなのかも知らない。
堺さんみたさに行くのっていいのかしら?なんて思っていたのだけど
なんのなんの。舞台にひっぱられることひっぱられること。

あらすじを簡単に言うと、歴史ある金持ち一家での出来事。

母親が父親と息子が戦争に行ってる間に ひとりの男を好きになっちゃって
娘もその男を好きになっちゃって(でもそれは認めたくなくて)
でも男が最初から母親と関係を持ってたことを知ると娘が怒っちゃって
「パパにばらすぞ!」「それだけは!」ってなって
結局「んじゃ別れるわよ」ってなって、でもやっぱり別れられなくて、
「もう夫を殺すしかない」って思い切ってやっちゃったら娘にはバレちゃって
そこに息子(弟)が帰ってきて 娘(姉)が全部しゃべっちゃったら
「なんだと、俺のママが!」ってマザコン息子が怒って浮気相手を殺しちゃって
それを知った母親が「もう生きてらんない」って自殺しちゃって
そしたらそれを「俺のせいだ」ってマザコン息子が思いつめて やっぱり自殺しちゃって
娘は全ての事件にかかわりながらも「私だけは幸せになってやる」って思うんだけど
結局“自分の罪を背負って『生きて』行く”という罪を己に科す、というお話。
・・・・・・ええんか こんな書き方して。(注:もっと深い内容です。)

お話としては、基本的メロドラマですね。荻野目慶子もビックリな。
なんてね、茶化してはいますけど、本当にすごかった。


第一幕では堺演じる息子/オリンはでてこないのだけど
ここで母/クリスティンと娘/ラヴィリアが激しくバトるのです。
大竹しのぶが「すごい」のって想像はつくけれど、
母親の三田和代がすごくきれいで凛々しい。そしてとても愛情にストレート。
そのストレートにまいってしまって、なぜか母親に感情移入してしまったのでした。
そして母親に対して「義務」という言葉を使って責めるラヴィリアが
“マノン一家”という看板に支えられてやっとこ立っているようで、すごく切なくて哀れだった。
もしあそこで男に対する愛を認めていれば、違った結果になっていたかもしれないのに・・・。

第二幕から堺登場!
戦争によって憔悴したオリン。狂気と正気を行ったりきたりしながら母親の愛を求める姿が痛々しかった。
母の愛を求めすぎるがゆえに暴走してしまい、母を責め、母を失う。
そこからの変化がすごかった。姉を母に見たてて甘えたり、逆に罵ったり。
そのたびにクルクルとかわっていく堺を観ていると、ついて行くのが精一杯だった。

出演者全ての人間がテンションが高くて 下手すればコントのような動きもあるのだけれど
一貫して低温な演技の執事と 合間にフッと通り過ぎる笑いが場をつなぐ。


・・・

あー ほんと、おもしろかった。

真面目な感想

劇中で繰り返される
“義務”“罪”“許す”“許される”という言葉がぐるぐるまわって心に落ちてきた。
そして彼らが思い描く理想の世界、『南の島』は、
思い描くことが全てであり、力であり、希望なのだと思った。


個人的な感想

「銀縁メガネ・白シャツ・黒パンツ」な堺が観られたので大満足 ←よこしま


**********

休憩中、喫煙するお友達に付き添ってテラスに出てみたら
勝村政信、高橋克実、渡辺えりこ、木内みどりがフツーに、いた。(笑)
「うわぁエリックだ〜」と思ったのだけど、やっぱり近寄れないね(^^; ←近寄ろうとするなよ。

かっこよかったよぉ、エリック。ついでに高橋さんもテレビで見るよりずっとダンディだった。
・・・5へぇ。



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