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2004年03月23日(火) 僕と彼女と彼女の生きる道<11> 〜疑問〜

・・・「蛇足」。
物語のラストシーンがああいったカタチになるのは納得できるのだけど
可奈子と徹朗の話し合いのシーンが大切なはずなのに すこしかすんで見えたような気がした。

というわけで、とりあえず
「ここが変だよ、僕と彼女と彼女の生きる道」としてまず書きます。

*****

春の凛まつり化してしまった最終回という感じが否めません。
「はい!」の乱れ打ち。大安売り。在庫一掃謝恩セール。

もちろん初回から「はい!」はたくさん言ってたんだけどさ。
・・・やっぱり番宣番組のまくしたてが頭にこびりついちゃってるのかな。
番宣番組は録画するだけしておいて後回し見ればよかったな、とチマっと後悔。
こんなこと書いても仕方ないことだけど、
なんの情報もない真っ白な状態でこのドラマを見たらどんな感想をもっただろうね。

ラストシーン、徹朗とゆらの仲にすら理解を示していた凛を見ていると
心の奥でモヤモヤするものがでてきた。
・・・正直に書けば、徹朗と可奈子が和解して凛がお泊まりにくるシーンから。


・・・いつしか子供中心のドラマになりすぎてはなかっただろうか。


もし凛があんなにすぐになつかなかったら?
もし凛が男の子だったら?
もし凛がもっとわがままな子供だったら?


結局 凛という個人が“いい子”であること(多少のわがままはあったけどやはり許容範囲内)に
頼りすぎてしまってはいないだろうか。
あまりにもゆらが徹朗を導きすぎてはいないだろうか。
ゆらが徹朗に対してあまりにも冷静で感情を抑えすぎてはいないだろうか。


みんなイイコすぎるんだよね・・・
ワガママ言ってたのは可奈子くらいだ(笑)。(あっ途中までの義朗もそうか。)


もう何年も昔のドラマになるんだけれど「子供が寝たあとで」というドラマがあった。
柴田恭兵扮する軟派な絵本作家が昔の恋人から知らない間に生まれていた幼稚園の息子をいきなり任せられるという話。
父親が悪態ついたりめんどくさがったりしながらも、なんとか子供と暮らしてきた最終回。
あっさり母親が迎えにくるのよ。しかも息子は違う人の子供だと。(うろ覚え)
もちろん父親も表向きは迷惑だったから「よかった」っていうんだけれど
最後に一緒にお風呂にはいって息子の体を洗いながら、父親が号泣するの。
主題歌が槇原敬之の「もう恋なんてしない」だったから、今でも歌の大辞典とかでドラマの一部が流れたりするんだけれど
私はその部分だけでも泣けてきちゃうんだなー。

・・・そこにでてくる息子は幼稚園だから凛とはひとつ年が違うけど
そんなにかわいくなくて(子供としてのかわいらしさはあるんだけれどね)
ききわけも悪くて、父親も結構ヒドイ言葉を投げてしまったりする。
もちろんこれは「僕カノ」よりもコメディ色が強い作品だし、目指すところは違うんだろうけれど・・・


家族ってもっとドロドロとしてたり、平気で傷つけてしまうもんなんじゃないだろうか。
徹朗の最初の冷たさの原因が“無関心”にあって、それが親子というカタチを崩してしまう唯一の要因だとしたのであれば
徹朗が父性に目覚めた時点で話は半分以上解決していることになってしまう。
徹朗の仕事云々は切実な問題ではないと思うし。(乱暴な言い方をすれば道はいくらでもある訳で。)


どんなに仲がよい親子でも、親子だからこそ許せないところがあるし
親子だからこそ気を遣うことを忘れて感情をむきだしでぶつけてしまうことがある。
そこがこのドラマでは希薄だったように思えた。
(義朗と徹朗の間では描かれていたとは思うけれど、それは成人した子供と親とのぶつかりでもあるわけで・・・)


“かわいい”だけでは子供は育てられない。
小さき者を守るという本能だけで子供を守ることはできない。


ちゃんと途中で盛り込まれていた 父親との確執や仕事との折り合い、
ゆらとの関係も凛の影に隠れてしまったことが残念に思うのよ。
ま、最初から可奈子の存在と背景をを無視して描かれてきたドラマだから、
“子供”という核を中心に回るのは仕方ないけれど。。。
最初からここまで凛中心のドラマを計画していたとは、思えないんだよね・・・


再就職先が職人系であることも、ラストシーンへの逃げだったようにも思えるんだ。
徹朗がコックの道に光を見いだせたのはただのラッキーなのか?
それともゆらの「どの道を選ぶかではなく選んだ道でどう生きるか」をふまえたものなのか?
そもそもなぜコックなのか。
“凛のため”と“凛のせい”。ただ言い方が違うだけのような気がしてきた。
もちろんゆらの「それを聞いたら凛ちゃんの・・・」は正論だけれど。うーん。。。


なんだかなぁ・・・(^^;)
アンタ一体今までこのドラマの何を見てたのよって思われちゃうかな?(苦笑)


ただ、ちまたであふれる「凛ちゃんかわいい」は
前作の時に周囲からよく聞いた「秀雄かわいそう」と同じっしょ。


そこじゃないよ、見るとこ。


*****


また別の角度から感想を書くと思います。
ちゃんと見直して、自分の今までの感想も読み直して。
(結構大仕事だよオヤビン!)



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