☆パワーの源☆
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2003年09月08日(月) もしも。

「アンコール!アンコール!」
背中に歓声を浴びながら5人が舞台の裏にすべり込んだ。

「あちぃ〜」慎吾がペットボトルの水をグビグビと飲み干す。
「あーもうダメだ、一歩も動けねぇ」中居がパイプ椅子にへたりこむ。
「ちょっとブローしてきていい?」吾郎がタオルで額の汗を拭きながら誰となく尋ねる。
「いま何時?・・・えー、まだこんな時間かよ、もう一回出なくちゃだめじゃん」木村が肩にかけたバスタオルをブンと振り回した。
「・・・今日の“お客さん”すごくない?」剛がポツリと言うとあとの4人が一斉に剛を見た。

最初に口火をきったのは慎吾だった。
「すっごいよね、トロッコ乗ってるときすごい形相で走ってくるんだもん」
手足をバタバタとさせて走る様子を真似する。
「“なかいくぅ〜ん”“つよぽぉ〜ん”」
それをみて中居がカカカと笑った。
「小さい子抱えて走ってくる人もいるもんね」吾郎が眉間にシワを寄せて言った。
「あいつら他人のこと考えてねーぜ」木村がウンザリといったかんじに大げさに肩をすくめて
「赤信号、みんなで渡れば怖くないってか。いい大人がさ。」と続けた。
「それでいて慎吾の歌んときは“思いやりの花を咲かせよう”なんて平気で歌うんだもん。ひどいよね。」
剛が慎吾に同意を求めるように言った。
慎吾は「あぁ」と同意して、ため息をつきながら言った。
「伝わってねぇよなぁ・・・俺らの気持ちなんてさ」

一瞬空気が止まった。

アンコールの声はまだ響いている。
「・・・しゃーねーよ。どんな奴でも客は客だ。」中居がゆっくり立ち上がりながら言った。
「おっしゃ、愛想笑いもあと少し!」4人に向かって笑いながらステージに戻る。
4人は頼りなく笑って中居の後に続いた。

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こんなことになっていませんように。



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