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Silent Song DiaryINDEX|past|will
![]() --------------------------------------- 私、センセイのことがスキだった。 センセイは私のことは 沢山いるうちのたった一人の カンジャだったけど 私はセンセイに 自分の苦しさ受け止めてもらえて すごく嬉しかった。 優しくして貰えて、 嬉しかった。 人生に希望が見出せず 死ぬことばかり考えていたワタシ・・ 待合室で本を読んでたら 「どんな本読んでるの?みせて」って、 長い待ち時間の苦痛を紛らわすため ウォークマンを聴いてたら 「どんな音楽を聴いてるの?」って 診察とは全然関係ないこととか 興味もってくれたりして 気にかけてくれて・・・嬉しかった。 「辛い気持ちをノートに吐き出してるんですが」 って診察時、もっていったら、 「全部は読めないけど…」って言って、 私の診察時間の限り、読んでくれた。 苦しくてどうにもやり場が無くて 体を何度も何度も傷つけてたあの頃。 診察時は必ず 「どこを切ったの。見せてごらん」って 言われて見せたっけ・・・。 一番酷い胸につけた十字(クロス)の傷の跡は、 今もまだ胸に残ってる。 市販の安定剤を何十箱も買い置きして、 金庫の中にいつでも死ねるように保存しておいた。 その金庫の鍵をいつも肌身離さず、首にぶらさげていた私。 先生は「その鍵を預かるよ」って言ったけど 私は預けなかった。 ・・・・・。 あ、でも先生が 「死のうと思ったら、いつでもここ(医院)に電話しなさい」って 言ってくれたのに、首を吊ろうと思った夜、 勇気を振り絞って電話したら、 冷たい留守電が応答した・・・・。 あれは結構ショックだったなぁ・・・。 「いつでも」って言ってたのに・・・。 「ウソツキだなぁ」って思ったよ。 ・・・・・・・。 私はセンセイのことがスキだった。 それを言葉で例えたら 多分「愛着」っていう言葉に ピッタリ当てはまると思う。 心理学用語でいえば それは「転移」という 患者やクライエントが心を開いた お医者さんやカウンセラーに抱く 自然な感情なんだってね。 (私は当時、心理学専攻の学生だったから その知識も本を読んで知っていたけど..) いつの間にか、ワタシは・・ センセイの他の患者さんに対して 嫉妬するようになった。 ・・でも、 センセイにとってワタシは 沢山いるうちの「患者」の一人に 過ぎないんだ・・・。 それを実感するとすごく心が痛くて・・。 センセイと一分一秒でも長く お話していたくて、 診察が楽しみで楽しみで・・・。 だから、診察時間が短い日は とても悲しかった。 慕う気持ちは愛着はどんどん自分の中で 強くなっていった。 センセイはお医者さんで他人なのに、 センセイに甘えたい、特別に気にかけて貰いたいと そう思うようになっていった。 でも現実はそれは無理なこともちゃんと 頭で知っていた。 だからワタシの心の中、 その気持ちをセンセイにぶつけられないで、 素直に伝えられず、 拗ねるような態度で何も言わないことで 表現するようになった。 ・・・辛くなった。 センセイのこと特別な感情を感じるから センセイが自分のこと患者としか思って くれないことが辛くなった。 診察の後、 帰りの電車で涙が溢れるようになった。 その感情が耐え切れなかった。 ・・・私はセンセイの元へ 通うのをやめた。 「永遠にもうこの場所にはもう足を 踏み入れることはないだろう」 って心に決めて。 本当に(この世にも)”さよなら” するつもりで・・・。 ---------------------------------------- ・・とかいってたら、7年経った今、 私はまだなんだかんだいって生きていて、 あの頃とは別の件で困りに困って、 結局、足を踏み入れてるんだから なんだか笑っちゃうなぁ・・。 あの時の決意が・・。 でも、先生はもう 大人になった私に、 あの頃のように親身には 接してくれなくて、 今もまだ愛着が残ってるから、 正直、心が痛いよ。 ・・先生はそんなこと知らないだろうけどね。 でも今は、お薬を貰うことが一番先決。 どんなに昔を思い出して心が切なくても お薬を貰いに通うのだ。 自分の精神ために、お薬を貰いにいくためだけに・・。 ・・・・・今は昔の 過去の思い出。
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