kakera


微かな kakera 引き合い重なる…偶然か必然か
夢か現か 吉か凶か

2004年12月16日(木) 「花闇」/皆川博子

 花。色の鮮やかさ、豊かな香り、日の光を受けて透き通る花弁。艶やかな手触り。
 闇。恐れ、慄き。閉塞感。ゆえに引き込まれる負。

 陰・陽の真逆の印象を表題としたこの作品。幕末から明治の混乱期に一世風靡した歌舞伎役者――澤村田之助の陽の盛りから陰への結末までを弟子の市川三すじが語り手として展開される話。

 鮮やかに咲き誇る歌舞伎役者としての陽の部分と体を蝕む病に苦しむ陰の部分。そんな田之助に惹かれてしまう、きっと読み手は惹かれてしまうんだろうが、ワタクシは語り手の市川三すじに入れ込んでしまった。
 三すじの抱える自己の葛藤が、まさに、現在のワタクシそのもの。
 あらゆる欲が薄い。情熱の温度が低い。聞き分けが良すぎ、あきらめも早い。そんな自分に不満も抱く矛盾。
 しかしワタクシは歌舞伎役者ではないし、女の子でもあるので悪あがきをする!
 女の子らしい欲張りな部分をどうにかして掘り起こそう!火の起こし方を模索中。

 この作品を読もうと手に取ったきっかけは題名の美しさとカバー画に橘小夢の画が使われていたため。
 著者名を知ったのは本を読み始めてからだった……(笑)


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桜 [MAIL]