暑さも一段落した電車の中で見た、不意に訪れた秋の色。 朝の込み合った車内で、稲穂を抱えていたおじいさんがいた。背筋を伸ばし、体全体で抱えていた。 米を入れる大きな紙袋から覗く一束の稲穂。 朝の光を受けた稲穂は、淡い黄金色に揺れておじいさんの胸元を、ワタクシの視界の端を秋にしていた。 こんなところで、こんな形の秋に出会うとは……通勤ラッシュも悪くはないかも。