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お見舞い |
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| 過去 : 未来 : メール | 2004年07月29日(木) | ||
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私は二人兄弟で、6つ年上の兄がいる。 小さなときからあまり「お兄ちゃん」と遊んだ記憶がない。 大きすぎてどっちかというと「怖い」存在だった。 でも、兄の友達サイトウくんは「小さな妹」である私をかわいがってくれた。 中学生のときは夜中に兄とその友達の集団に初詣に連れて行ってもらったり、高校のときは洋服を買いに車に乗せてもらってドライブしたり、部屋で勉強していると入ってきていろいろ話したりと・・・・ 兄とサイトウくんは中学校までは同じだったが高校からはまったく違う道へ進んでいた。 でも何故だか仲良しで関東の大学へ行った兄が帰ってくるとうちにいるより自分でデザイン事務所をやっていたサイトウくんの家にいることのほうが多かった。 兄は35歳で結婚した。 結婚式は身内だけで小さな会食会を行っただけだが、サイトウくん夫妻だけは呼ばれたいた。 その時がサイトウくんに逢った最期だった。 結婚式の1年後に彼は亡くなった。 サイトウくんは肺がんだった。 どんどん痩せて治療のため髪も抜けた。 闘病中に離婚もした。 ある友達がサイトウくんのお見舞いに行った。 「な〜んや。そんなに痩せてしまって〜。顔色も悪いで〜。髪も禿げとるやないか。」 彼はサイトウくんにそう言い放ったと言う。 彼の持論:「誰でも見て分かることを黙っていて心の中でかわいそうだと思っているのは、相手がみじめだ。」 でも彼とサイトウくんがそういう言葉をかけ合うほど信頼関係が出来ていたとは思えない。 私はそんな考えを持っている彼とそれから距離を置くようになった。 その考えが正しいのかそうでないのかわからないけど一緒にいるのが嫌になった。 これから治っていく人。 これから治っていけない人。 お見舞いもいろいろ。 |
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