TENSEI塵語

2007年04月13日(金) 平和主義の癌

国民投票法案が、昨日特別委員会で強行採決、きょうは衆院で強行採決。
きょうは13日の金曜日で、悪魔晋ちゃんがついに神に闘いを挑んだのだ。
彼がめざしているのは「邪悪な国 日本」である。
それを「美しい国 日本」と宣伝して憚らぬところにも彼の悪魔性がある。
その手口も卑劣極まりない。
国民のほんのわずかな賛成者でも憲法改悪を可能にできる手続きを、
とにかく大急ぎでさっさと決めてしまったのだ。
国民にはできるだけ問題点が明らかにならないように配慮しながら。。。

彼らの意をかなり汲んで遠慮しいしい報道している一般新聞や放送局でも、
国民投票法案にはまだ問題点がいくつもある、と指摘している。
それなのに、彼らは、「審議は尽くされた」と強行採決に及んだ。
彼らの「審議」とは、規定時間を浪費することでしかない。
でなければ、あちこちで「まだ問題点がある」と指摘されているのに、
「審議は尽くされた」と問題点に十分答えないまま採決できるわけがない。
そして、そういう場合に我々が新聞やニュースで知るのは、
審議自体の経緯よりも、誰々が党派間の意見の調整に奔走して失敗した、
という話ばかりである。
彼らにとって、本来真剣に行うべき「審議」はノルマの「儀式」に過ぎず、
大事なのは党派間の調整、つまり「談合」しかないのである。
議会民主制などというが、議会自体はないがしろにされ、
水面下の駆け引きがすべてである。
機会の議決は絶対かもしれないが、これも党内の談合の結果みたいなものだ。

本当に、こんな国民投票法案に賛成の起立をしてしまって、
自民・公明の全議員たちは恥ずかしくないのだろうか。。。
世界に向かって、我々はすばらしい法案を作りました!! と、
胸張って自慢できるのだろうか。
それができるとしたら、与党議員というのは、今までもそう思ってきたけど、
よっぽど厚顔無恥でないと勤まらない、非常識な特別職なのだと思う。
この法案は、日本の恥である。
憲法というものを、世界で最も軽々しく考えている国とバカにされるだろう。

せっかく、世界に誇れる憲法の下で戦後を歩んできた日本だったのに、
憲法の精神は、いよいよ本格的に死への道を歩み始めた。
ま、還暦を過ぎればそろそろ寿命が気になるのは、人間も同じだが、
憲法は寿命ではなく、癌に蝕まれていたのだ。
癌細胞は、戦後のほとんどを牛耳ってきた自民党と財界である。
そして、戦後精神を理解しきれなかった多くの国民が、
自分たちは気づかぬうちに、癌細胞をはびこらせてしまった。
世界の模範になるべく戦後を歩み始めたはずの日本が、
「恐るべき、恥ずべき日本」への道を本格的に歩み始めた、
それがきょう、13日の金曜日である。


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