ずんだいありー
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1999年02月21日(日) 一週間は本当に濃かった

この一週間は他の仙台のページが濃かったように僕の中でも非常に濃かった。
まず、1.4のマスターだった、としさんが亡くなったこと。
悲しいというよりは切なかった。
ああ、僕はもう、この人とどんなことがあっても
インタラクティブに話なんてできないんだ、って思ったら悲しさよりは寂しさがあふれた。
吉本ばななの「キッチン」の後半、確か「満月」の一部分を思い出した。
おかまのエリコさんが残した手紙にはエリコさんの匂いがちょっとしていて、
そしてその匂いが段々と消えて行くことが何よりも悲しい、と書いてあったところ。
としさんは亡くなり、そして、いつしか彼の住まいも、匂いも、輪郭も、声も、ビールを持つ
手つきも薄れていってしまうのだろう。
それは切ない。

としさんは僕が初めて仙台に来たときに初めて行ったお店でマスターをしてた。
広瀬通りも国分町も分かんない僕をお店まで連れていってくれたっけ。
ケツを触って「あんたのけつはバック大好きって感じだわね」と当てたのもとしさん。
初めてお店に出たにもの関わらず、人がカラオケで安室奈美恵のBody Feels Exit歌ったら
最後に本当にパンツまで脱いでExit見せちゃったのもとしさん。
ああ、イカの一夜干しを一緒に食べもしたっけ。
それから二年が経とうとしていて、そしてそれは記憶から思い出へと移行されてしまった。
自動的に。

今、引っ越しをしてる。
部屋の机の中を昨日、整理した。
名刺が本当にたくさん出てきた。
そこには初めて1.4に行った時にとしさんからもらった「三共Z胃腸薬 トシ子」って
書かれた、ちょっと意味不明の名刺が出てきた。
思い出から、記憶が、そして記憶から残像があふれてくる。

初めて行った仙台のお店のあの雰囲気。
私の来ていた服。
隣に座っていた人。
歌った歌。
その名刺の主も携帯電話の番号ももう既に無く。

一昨日は研究室の人と鳴子温泉へ。
いいところだよ。本当に。仙台を離れる前のいい旅行になった。
引っ越しは2月26日。仙台は翌日の朝に離れることにした。
3月1日から春分の日くらいまでは兄夫婦の暮らすイギリスへ最後の旅行に行こう。
忙しくなってきたわ。


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