西日が差したら枇杷の実を食べよう
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2003年12月13日(土) 寺島進の色っぽさ・・・。『みすゞ』

人間ドラマとしては、少々、ツッコミが浅く物足りないかもしれないが、
金子みすゞの詩のファンなら、
そんなに不満はないだろうと思える、
彼女の言葉のイメージに近い、透明感のある美しい映画だった。

抑えた演出のせいか、キャストも暑苦しい演技は皆無。
弟役の加瀬亮は、かっての豊川悦司とのCMのイメージそのままに、
ナイーブで可愛いし、
田中美里は、はかないんだか、図太いんだかよくわからない、
みすゞという「詩人」のイメージを面白く表現していたと思う。
とにもかくにも、わたしは、
「博多の女郎と心中した生き残り」という過去を持つ、
どうしようもない夫役を演じた、寺島進が、
とてつもなく、いろっぽかったので、もう、それだけで満足。

あの夫役、中途半端な俳優がやると、
ホントにただのダメ男だけど、寺島進が演じると、
崩れているけど、汚れていなくて、
ダメなんだけど、せつなくて、不思議と深みが出るんだよなぁ。
寺島進。巧いです。



Happy Birthday! Mr. Buscemi


otozie |MAIL