西日が差したら枇杷の実を食べよう
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2001年04月25日(水) 淑女のたしなみ、B級ホラー。『TATARI』

ようやく、借りました。『TATARI』のビデオ。
ぜんぜん期待していなかった分、予想以上に楽しめました。

舞台は、かってマッドサイエンティストな外科医の手により、
怖ろしげな人体実験がおこなわれていたという、廃墟隔離病棟。
ここに、5人の男女が集められ、一晩無事に生き残ることができたら1億円という、
なんだかテレビ番組みたいなゲームがスタートする…。
と、こんなストーリー。

最初に言っておきますが、マジでコワいの期待したら、だめよ。
古典ホラーのリメイクらしいけど、重厚感はまるでなし。
マリリン・マンソンの主題歌をバックに流れる、
冒頭のタイトルバックからしてすでに、ワクワクするほどチープで、
愛すべきB級、C級ホラーの香りいっぱい。

「おまえはバリ島のみやげもんかぁーー??」と叫びたくなる、
冒頭の「なんかヘンなモノ(笑)」(<あれは霊?)とかも、
コワいというより、ヘン。むしろ、愛らしいし。

でもね〜。役者は豪華だったわ。
『シャイン』のジェフリー・ラッシュはじめ、
トルシエ監督似の、クリス・カッテン、
愛しのピーター・ギャラガーくんと、めくるめく怪演、怪キャラの花園。

しかし、ギャラガー。
期待を裏切らない、濃さだったわ、今回も。
おびえるギャラガー。うろたえるギャラガー。たくらむギャラガー。
すべて濃縮。「お好みにより薄めてお使いください」、って感じ。
(へへ、あたしはマニアだから、ストレートで使っちゃうけどね)
     ↑自分で書いてて、ヤだなぁ。ギャラガーマニア。

マニアついでに、一言いうと、ピーター・ギャラガーの顔のねぇ、
くちびるの端っこが、クルンと上を向いている感じがもう、たまらんのですよ。
余談ですが、ジェフ・ゴールドブラムとか、
日本人なら香取慎吾とかも、この「クルン唇」系。
シリアスな表情をしていても、なぜか愛嬌がにじみ出る素敵なくちびる。
いいわぁ…(ここで60秒間、うっとりタイム)。

うっとりした後で、再び。
しかし、ギャラガー。この方も「脇役人生の鏡」的な人ですね。
ブシェミと同じく、仕事選んでないもんなぁ。
アカデミー賞に輝く『アメリカンビューティー』から、
お笑いホラー!?『TATARI』まで、キャパシティー、広い、広い。

でも、考えてみれば、「AB」の不動産王も、
「TATARI」のお医者さんも、
求められる仕事としては、「笑える隠し味」って感じで、
あんまり違いはなかったりするんだけどね〜。
ああ、それも素晴らしき、脇役人生。

とまぁ、こんな『TATARI』。
構えず、気取らず、お気楽にみれば、
借りて損なしのエンタティメントビデオ。
金曜日の夜、好きな飲み物と食べ物、用意して、
きらく〜に、借りてくるビデオにはピッタリの作品です。

マリリン・マンソンの主題歌、激ハマリ。


otozie |MAIL