たりたの日記
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| 2016年02月13日(土) |
西 加奈子 著 「サラバ! 」 |
胃腸の調子はまだよくないものの、この日はベッドから出て、リハビリ室まで行けたし、ゆるゆると歩いたりはできた。
読書は、「サラバ!」を上巻に戻って再読中。 この本は直木賞を受賞し話題に上っていた頃、誕生日のプレゼンに夫がくれた本だったが、あまりに分厚いので、持ち歩くわけにも行かず、家にいては、じっくり読書に没頭する時間が取れずで、時折気にはなりながらも、読み始められないまま机の上に積まれたままでいた。 けれど、今思えば、この本をこのタイミングで読むことができて良かったと思っている。 前の日記にも書いたけど、痛みや不快感を忘れさせてくれるほど、心の深いところを掴んで、前へ前へと引っ張ってくれた。主人公、歩(あゆむ)の心の旅は、わたし自身の心の旅でもあり、様々な管に繋がれていても、痛みや不快な中にあっても、その旅に引き込まれ、心は私の身体を離れ自由なのだった。
ネタバレになると申し訳ないので、ディテールは書けないが、わたしに最もヒットしたり部分は 「信じるとはどういうことか、信仰とは何か」ということを真摯に追い求め、探し続ける登場人物達の有り様だった。
「あなたの信じているものを人に決めさせてはいけないわ。」
このフレーズは、歩の姉、貴子が歩に語るフレーズなのだが、同時にこの本の最終章のタイトルでも、そしてこの作品のテーマでもあると思った。
行き着くところ、信仰は全く、その人と神(向かい合う信仰の対象)との一対一の関係。 そして、みな、ひとりでそこに辿り着くしかない。 けれど多くの場合、教会なり、宗教団体なり、集団なりに、その決定を預けてしまい、個人としての出会いのないまま、出会ったような錯覚に陥ることがある。 いったい何が違うのか、 そこにも、作者の投げかける問題提起があると思った。
西加奈子の著作、数冊注文した。
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