たりたの日記
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2002年11月05日(火) 清芳亭の湯の花饅頭

「こんなおいしい温泉饅頭食べたことないね」と、ふたつだけ包んでもらったほわほわと湯気の立つ温泉饅頭を店先に止めた車に乗り込むやほおばりながら
夫とわたしは甚く感激した。甘いものはあまり口にしない彼がおいしいというのだからやはりこれは特別な饅頭に違いない。

この店のことは知らなかった。たまたまベルツの湯の近くにえらく人の出入りが多い饅頭屋が目に止まったので入ったまでだった。店の奥が大きな厨房になっていて大量の温泉饅頭が作られていることが一目で分る。売り場のカウンターの後ろの棚には饅頭の箱がぎっしりと詰まっている。このおびただしい量の箱が一両日にははけてしまうのだろう。客はひっきりなしに続いていた。また店員のおばさんたちの自信に満ちた物腰。食べないまでも、なみなみならぬものが伝わってきた。

見るとどの客もお土産用の包みとは別に手に2つとか3つとか湯気の立つ饅頭を手にしている。中には店先で食べている人もいる。わたしも真似をして2つをバラで下さいと申し出た。すると店の人は店頭に並べてあるものではなくわざわざ厨房へ行き、まだ包装もしていない熱々の饅頭を2つセロファン紙の上に載せてくれた。なるほど、それで湯気が立ちのぼり饅頭をみんな手にしていたわけだ。
饅頭の皮はことの他やわらかく口の中に黒砂糖の豊かな風味が広がる。この手の炭酸饅頭にありがちな苦味が少しもない。あんはいかにも豆を煮てつぶしたといった素朴な味わいで添加物がいっさい使われていないことが良く分かった。ダイエット中の身の上、思う存分食べるというわけにもいかないが心まで豊かにしてくれるこの饅頭の存在を知ったことはラッキーだった。今度は温泉や紅葉よりもこの饅頭の魅力に惹かれて伊香保をドライブの行き先に決めるような気がする。
花よりだんごならず、紅葉より饅頭。
テーブルの上に3つ残ったお饅頭。こんな夜更けに食べてはいけない。さて、手が伸びないうちに寝てしまおう。


たりたくみ |MAILHomePage

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