たりたの日記
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2001年04月02日(月) 原種のチューリップ

原種のチューリップが開いた。
エレガントレデイーという名にふさわしい、淡いピンクの小さい花だ。
葉の方が大きくたくましい。ちょうど人が万歳をした時の、両腕に埋まった顔という具合で、その格好はなんとも一生懸命で健気なこと。
花の外からは分からないが、花弁の中をのぞくと、花の内側の根元のところは、かなり鮮やかな黄色をしている。花弁の中央にくっきりした2本の線がダーツのようになっているのも特徴的だ。
それにしても、原種に近い植物のこういう本来の形を見てみると、花屋で売られている花や、改良された苗や球根が人間の好みに合わせられてきていることに気づかされる。洗練されていて美しいが、どこか自然から切り離されているような命の薄さのようなものを感じることがある。そういえば、時々、すれ違う子どもたちや若者の姿に同じことを感じる。でもどうなのだろうか、時代はすでにかっこわるいもの、ダサイといわれるもの、洗練されていないものを根っこのところでは求めているような気がしてしかたない。私たちが知らず知らずのうちに奪われてきた「強い命」を誰もが欲しがっているように感じるのは私ひとりの幻想だろうか。

4月2日、新しい年度の始まりだ。
今日から教えはじめる小学5年生が3人、夕方ここへやってくる。いいスタートにしたい。どこかの英会話スクールのキャッチじゃないけれど、英語の言葉の「体温」を伝えたい。新しい言葉へ通じる通路を開いていきたい。いったん道が開いたら、自分で進んでいけるのだから。
長男Hも今日から大学のオリエンテーションが始まる。興奮しながら出会った人々の話をするHが目に浮かんでおかしい。それにしても我が息子、自分の強すぎる命が新しい場所で居場所を見つけれれるかどうか心配もしているようだ。波風も立つのだろう。


たりたくみ |MAILHomePage

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