喧騒及煩悩日々是徒然
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2001年07月10日(火) 平成市村座 『市村座の怪人』 D-11

今回もエリザの時なみに長いです。お付き合いください。

あれは今から…7年前。沢内嬢からもらった一本のテープがきっかけでした。
『オペラ座の怪人・初演キャスト版』
図書館で借りて読んだルルーの原作ではそれほど興奮しなかったというのに、テープを聞いた瞬間、一気に足元が崩れた感じでした。
『歌え…私の音楽の天使』
その一言で私は姿も見知らぬ市村さんに惚れこみました。

それからのことは語りだしたらキリがないので割愛しますが、昨年の市村座公演のアンコールで『何かリクエストはありますか?』との市村さんの問いかけに男性の方が『ファントム!!』と答えたので、市村さんは『今度やる予定があるからちょっとだけ』とラストのところを歌いました。
『…クリスティーヌ…アイラブユー…♪』
最初の音を聞いた瞬間から私と沢内嬢が涙ぐんでいたはの言うまでもなく。

そして今日はその『市村座の怪人』の東京公演初日でした。
観客参加型公演とご本人が言われるだけあって、オープニングでは客席に降りて、通路をぐるりと歩くので、手を伸ばせば握手してもらえます。
えぇ、そのために通路側の席に座ったんですとも。ほほほ。
まだオープニングでそれほど体が温まっていなかったのか、市村さんの手はちょっとひんやりとしてました(この時点で前回も触っていることが判る)
そして今回は座員候補のお嬢さん二人(二人足しても市村さんの年より若い…私はちょうど半分)が夏の歌をメドレーで19曲歌い、この正しい曲数が判った方は市村さんからステキなプレゼントがいただけました(笑)

そして待ちに待った『市村座の怪人』舞台は昭和7年の下谷。
主人公・栗須ちぬ、さぬい子爵かおる、きゃろる大田、じゅり師匠、支配人あんどう礼(まだ続くので略)に始まって似ているようで似ていない登場人物、そして似ているようで似ていない曲と共に舞台は始まりました。
『お三味線…これだ…』で会場内から起きる笑い。『それでは…20円…』思わず声を上げたくなったのは私だけでなく…同行したH女史も同じだったようです。
『333番・釣鐘の破片一揃い…市村座の怪人事件で重要な役割を果たしたと言われています…』無論この釣鐘はその後舞台上にふら下がっておりました。
一応ちぬ(笑)とかおる(笑)はお嬢さん二人が演じているのですが、全て口パク。
声は市村さんが出しています。裏声で『私のりボンの為に川に飛び込んでくださった方!?』などと言われるたびに爆笑しかけるのをこらえるのも必死。
しかし…『ファントム・オブ・ジ・オペラ』の振り付けと同じように髪をなで上げ悶えた瞬間、あの初めて声を聞いた時と同じ興奮がよみがえってきました。
『歌え、私の芝居の天使!』 はい、喜んで歌っちゃいますっ(違うっ!!)
その後もほぼ原作どおりに進み、弁天小僧・きゃろる大田の声はカエルボイスになり、ちぬが代役を務めるのも一緒。屋上に逃げて…かおるといちゃ付いている現場を怪人に見られるのも同じ。
『…人力車を回してちょうだい』笑いどころではないはずが、笑えてしまうのがなんともや。そして釣鐘は舞台上に降ってきました。
二幕冒頭のマスカレードは…お花見になってました(笑)
そこに鬼の面に白頭という姿で現れた怪人の手には『お軽堪平』の台本。
やはりそういうシーンの動きはあの舞台そのまんまです。ゆっくりと階段を下りてちぬを呼びよせる姿も。そのままであることが…やっぱり面白いのです。
父の墓参りをするシーンの墓石には「栗須家ノ墓」とありました。
墓石に語るちぬの元へと現れた怪人の手にはなにやら長い物があり、最初は竹竿でも持っているのかと思いきや、それは塔婆…。塔婆だけに火の玉も飛ばず弾切れもなく(聞いた話では髑髏杖の目が青くなると弾切れだそうです)あっさりとかおるが救いに入ってしまいました。やっばり火の玉は難しいですな。
そして此処からはクライマックスまで全力疾走。箱根山中で心中…本来はそうなのですが『これは創作オペラ』(市村さん曰く)堪平の歌が始まるのです。
『もう戻れない〜♪』微妙に違う、でも…やっぱり似ているだけにもう私の心臓はばくばくで…泣き出しそうになるのを堪えつつ舞台に見入ってました。
地下の人形が着ているドレス…否白無垢の持っているブーケ(多分、菊)をちぬに持たせ心のうちを吐露する怪人、そこに来るかおる。
…えぇ、ここは全く舞台と同じ…ちぬが怪人に抱きつきキスをするものの、怪人の手が震えて彼女を抱きしめられないのも。無論最後は…彼女を帰しました。
花束を抱き…『愛している…ちぬ…』と。
泣きたい…でも笑っちゃってて…泣けないっ!! 複雑な心境の私でした(笑)

次は『あなたの思い出』と題して亡きスターたちとの思い出を歌で振り返っていくと言うコーナー。マイケル・ベネット、越路吹雪、エディット・ピアフ…女性の歌も歌いこなしてしまうのがもう溜息しか出てきません。
去年の『愛の賛歌』もう一回ききたいなぁ…なんてな。
続くは…おなじみ『俵星玄蕃』ステキなんですが、頭に残るのは『おお蕎麦屋!!』
あとでゆっくりと聞きなおして勉強します。

あっという間の2時間半。
『人は二度死を迎えると言います。一度目は肉体の死、そして二度目の死は人の心からその人のことが忘れられてしまった時…』
今日のお言葉の中で一番心に残った言葉でした。
…あぁ…もう一回行って来たいけど…財政が(笑)
『風共』『ベルばら』のせいで…げふんげふんっ




子安侑美香 |MAIL