詩のような 世界

目次


2007年03月07日(水) Rainy Day



窓からこちらをのぞく

しま猫の一鳴きがスタートの合図だった


曲を作るには最高の空模様

ボイルレースのカーテンは

さらさら と揺れ

静かな雨音を運ぶ


目を閉じると

この手は鍵盤ではなく

みずみずしく艶やかな葉に触れていた

懐かしいにおい 質感

よく見れば

それは幼い子の手のひら  


忘れてしまっていた と

おしえてくれた

硬直した指が


火の鳥が

遠くの鍵盤を踊りながら渡る


僕は確かに地上を望むのに

僕のものであるはずの身体は

暖かな土の中に落ちていきたがる

地の底まで伸びる根を

やさしく撫でながら


炎のダンスは永遠に終わらない

いつまでも 時を刻み続ける

どんなに強い雨にもくすぶらず

勢いを増してゆくのだろう


時々ふと

無邪気なほどの あの笑顔を

思い出させてくれる

しとしと





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